肺魚(ハイギョ)はどんな魚?種類や飼育法をチェック!




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生きた化石、肺魚(ハイギョ)ってどんな魚?

肺魚ってどんな魚?

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肺魚は、その名の通り、魚類でありながら肺呼吸をするとっても珍しい魚です。シーラカンスと同じ古代魚で、その姿は1億5000年以上変わっていないそうです。肺魚の特徴や飼育方法についてお伝えします。

肺魚の特徴や生態

肺魚の最大の特徴は、魚類であるのに肺で呼吸をする点です。肺魚は、水中で生活していながら息継ぎが出来ないと溺れて死んでしまうことがあるほど、肺呼吸に依存した魚。また、乾季により水が干上がると、土の中に潜って乾季を耐える「夏眠」を行うことも知られており、中でもアフリカハイギョは、土の中で自身の粘膜を使って「繭」と呼ばれるカプセルを作り、その中で夏眠します。夏眠中の肺魚は生きており、水に触れると再び活動を始めます。

肺魚の分布

肺魚は乾季がある地域に生息しており、現在は南米、アフリカ、オーストラリアの3大陸に計6種の肺魚の生息が確認されています。主に沼地や湿地で生活していますが、大きな湖に住んでいるものや、夏眠の能力を活かし、雨季だけ水没する氾濫平原に生息する肺魚もおり、畑を耕したら夏眠中の肺魚が出てくることもあるそうです。

肺魚の寿命

肺魚の寿命は、飼育下ではおおよそ10年~20年とされていますが、最大寿命は100年以上とも言われているほど寿命が長い魚です。丈夫な魚なので長く付き合えますが、水槽からの飛び出しで死んでしまうことがとても多いため、肺魚が水槽から飛び出さないよう対策が必要です。

肺魚の流通量と価格の相場

肺魚は熱帯魚ショップや通販などで手に入れることが出来ますが、いつでも入荷できるわけではないため流通量が少なく、品種によっては手に入れることが非常に困難なものもいます。価格は大きさや種類によって数千円~数万円とかなりバラつきがあり、特に野性種は3万円以上になることが多いようです。

肺魚は現地では食用になっている!?

絶滅を防ぐため保護されているオーストラリアの肺魚を除き、特にアフリカでは肺魚を食用として用いているようです。現地の市場では生きたままの状態や干物にして食用として売られています。また、夏眠状態の肺魚は腐敗しないため、土の中から繭のまま掘り起こし、長旅の食糧として携帯することもあるそうです。

肺魚の種類

現在生存している肺魚は6種類とされています。各種類ごとの性質や特徴を見ていきましょう。

レピドシレン・パラドクサ(Lepidosiren paradoxa

南米に生息している肺魚で、体長は1mほどになります。ヒレが短いのが特徴で、幼魚は黒い体色に黄色の斑点がありますが、成長するにつれてグレーや茶褐色などの体色に変化します。

プロトプテルス・ドロイ(Protopterus dolloi

アフリカに生息している肺魚で、茶褐色の体色と細長い体が特徴です。体長は80㎝ほどになりますが、成長速度が遅いため90㎝水槽でも飼育可能です。他の肺魚に比べて食が細いため、咀嚼する姿はあまり見られないようです。

プロトプテルス・アネクテンス(Protopterus annectens annectens

こちらもアフリカに生息している肺魚で、60~最大でも90㎝ほどと、肺魚の中でもあまり大きくならない種類です。成長過程や個体によって体色や模様が極端に変わるため、選ぶ際に非常に悩まされるようです。

プロトプテルス・アンフィビウス(Protopterus amphibius

こちらもアフリカに生息している肺魚で、体長は50㎝ほどと最も小型の肺魚です。他の肺魚に比べて活発に泳ぎ回ります。肺魚の中で特に皮膚が弱く、水質の悪化によって体調を崩しやすいので注意が必要です。

プロトプテルス・エチオピクス(Protopterus aethiopicus aethiopicus

アフリカのナイル川流域に生息しており、最大2mにもなる肺魚の中で最も大型の種類です。体色のみならず体型にも個体差があり、アネクテンス同様選ぶ際に非常に悩まされます。寿命も長く、20~30年ほど生きるようです。

プロトプテルス・コンギクス(Protopterus aethiopicus congicus

コンギクスはエチオピクスの亜種で、アフリカのコンゴ川に生息しています。体長は1mほどと、エチオピクスのように大きくならないそうです。体色はエチオピクス同様、個体によって激しく変わります。

ネオケラトドゥス・フォルステリ(Neoceratodus forsteri )

オーストラリアに生息する肺魚で、体長は180㎝ほどと大型です。絶滅から保護するために輸入に規制がかかっていましたが、2002年から日本に正規輸入されるようになりました。最も原始的な肺魚で、その寿命は100年とも言われています。

肺魚の飼育方法

肺魚の飼育法とは?

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肺魚は他の熱帯魚と比べてかなり丈夫で飼いやすい魚だと言われています。飼育の際に気を付けたいポイントをまとめました。

水温・水質

水温は25~30℃、水質は弱酸性~中性が肺魚の飼育に適しています。温暖な地域の魚なので、水温の管理にヒーターの導入をおすすめします。また、水質の悪化に比較的強いと言われている肺魚ですが、あまりにも悪くなりすぎるとヒレが溶けたり目が白く濁ったりするので、やはり水質は悪化させないよう管理が必要です。

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水槽サイズ

肺魚は大型魚のため、できれば120㎝以上の水槽が良いでしょう。大型水槽が難しい場合は、大きめの衣装ケースなどでも飼育が可能なようです。飼育容器の上は5㎝ほど空間をあけ、肺魚が呼吸できるスペースを作っておきます。肺魚は飛び出し事故が多いため、必ず蓋をして、上から重石を乗せましょう。また、水槽に突進することがあるため、ガラス製よりもアクリル製の水槽をおすすめします。

フィルター

肺魚は水を大変汚すため、濾過能力の高い上部式フィルターや、オーバーフロー式がおすすめです。オーバーフロー式は、生体を飼うためのメイン水槽とは別にサブ水槽を用意し、その水槽をまるごと飼育水の濾過に使う仕組みで、水を汚しやすい大型魚に適した濾過方法です。上部式フィルターの場合は、底面濾過などと組み合わせても良いでしょう。

底砂

ベアタンク(底に何も敷かない状態)が推奨される種類もいますが、薄くで良いので底砂を敷いてあげた方が、肺魚にとっては落ち着く環境のようです。ただし、餌と一緒に飲み込んでしまうことがあるため、あまり小さくなく、角のない底砂を選ぶと良いでしょう。底面濾過を使用する場合は、最低でも5㎝以上の底砂が必要です。

肺魚の餌

肺魚は基本的には肉食なので、肉食魚用の人工飼料はもちろんのこと、プレコ用や鯉用の植物性の餌など、なんでもよく食べます。野性では他の魚やカエル、巻き貝などを食べるため、金魚やメダカ、石巻貝などを生き餌として時々与えるのも良いでしょう。この際、生き餌用の個体から病気を持ち込まないよう注意が必要です。

肺魚の混泳について

肺魚は基本的には単独飼育が望ましいです。肺魚の混泳についても詳しく見ていきましょう。

同種・近縁種との混泳

肺魚同士や、同じ古代魚であるアロワナなどは、肉食同士であることに加え、縄張り意識が強いことや気性が荒い種であることから、混泳には向きません。ポリプテルスのような温厚な性格の古代魚も、肺魚の攻撃対象になるため避けましょう。肺魚を飼育する際は、同種・近縁種との混泳は避け、単独での飼育が望ましいでしょう。

他種との混泳

他種との混泳は鑑賞目的ではなく、肺魚の餌となる、食べても大丈夫な魚であることが大前提となります。餌の項目と重複しますが、肺魚が食べ残した餌を食べてくれる金魚やメダカ、苔を掃除してくれる石巻貝など、餌としてだけではなく水質管理にも一役買ってくれる上記のような魚は、混泳にも向いていると言えるでしょう。

肺魚の病気

肺魚の病気の原因は水質の悪化によるものがほとんどです。先述したように、水質の悪化による目の白濁やヒレの溶け、その他に白カビ病などにも注意が必要です。肺魚は強い魚ですが、一度病気にかかると回復が難しいため、水質・水温をきちんと管理して、肺魚にとって住みやすい環境を整えてあげましょう。

肺魚の繁殖

肺魚は60㎝ほどの穴を掘り、その中に卵を産む習性があるため、個人で飼育する上での繁殖はかなり難しいと言われています。肺魚はオスメスの見分けも困難で、繁殖には最低でも5匹以上は混泳させなければならないのも繁殖が難しい理由です。ただし、オーストラリアハイギョはバラバラに卵を産むため、産卵が確認できたケースもあるようです。

肺魚は生態がユニーク!

肺魚を飼育してみよう

撮影:FISH PARADISE!編集部

肺魚が肺呼吸をする珍しい魚であることはお伝えしましたが、時々呼吸のために水面に顔を出す姿や、餌をモグモグと一生懸命咀嚼する姿、胸ビレをパタパタさせて餌を探す姿など、実にユニークな生態をたくさん見せてくれる魚です。水温と水質に配慮すれば、長寿命で長く付き合えます。是非可愛がってあげてくださいね。

肺魚の種類や飼育法