殺菌灯の効果とは?水槽に設置する際の注意点もチェック!

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殺菌灯とは

殺菌灯の効果

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殺菌灯は、強力な紫外線を飼育水に照射し、魚の病気の原因になる菌や微生物、水中を漂っているコケの胞子を殺したり、食べ残しや排泄物などの有機物の分解を行ってくれる器具です。特に海水魚飼育で取り入れられることが多く、白点病の予防などに高い効果を発揮します。

殺菌灯の仕組みと効果

殺菌灯がどのような仕組みで飼育水を殺菌しているのか、また、殺菌以外にどのような効果があるのかを以下に解説していきます。

殺菌灯の仕組み

殺菌灯は、水槽内に設置したポンプで飼育水を汲み上げ、それを殺菌灯内の筒に通して強力な紫外線に当て、紫外線によって殺菌された水を再び水槽内に戻す仕組みになっています。

 

強力な紫外線に当てることで、菌や微生物、コケの胞子などの核酸に作用し、DNAを傷付けることでこれらを死滅させます。そのため、病気の予防やコケの繁殖の抑制に高い効果を発揮します。また、食べ残しや排泄物などの有機物の分解もしてくれるため、飼育水を綺麗な状態に保つのにも有効です。

殺菌灯の効果

効果①病気の予防

殺菌灯は、飼育水の中にいる菌や微生物を殺してくれるため、魚の病気の予防に高い効果を発揮し、病気にかかりにくい環境を作ることができます。

 

すでに魚が病気の場合、体に付いてしまった病原体は殺菌灯で殺すことは出来ませんが、殺菌灯を使うことで水中の病原体が劇的に減るため、病気が治癒しやすい飼育水になります。

効果②コケの抑制

殺菌灯は病原体だけではなく、水中に漂っているコケの胞子も殺してくれます。そのため、水槽内のコケの繁殖の抑制に役立ちます。コケに関しても、すでに水槽内に繁殖しているものは殺菌灯では駆除できないため、スポンジやスクレーパーなどできちんと取り除く必要があります。

効果③有機物の分解

殺菌灯は病原体やコケを死滅させるだけでなく、食べ残しや排泄物などの有機物を分解し、無害化してくれます。これにより飼育水が汚れにくくなり、綺麗な水を保ちやすくなります。

殺菌灯は淡水でも使えるの?

特に海水魚飼育で用いられることの多い殺菌灯ですが、もちろん淡水魚飼育でも使用できます。海水魚飼育では、病気の予防が主ですが、淡水魚飼育においては、アオコ(淡水のコケ類)の抑制や、飼育水を綺麗な状態に保つ目的で用いられることが多いようです。

殺菌灯の設置方法や注意点(使い方)

殺菌灯の設置方法や注意点なども解説していきます。

殺菌灯の基本的な設置方法

殺菌灯は、殺菌灯本体に加え、水槽から殺菌灯内の筒に飼育水を汲み上げるための水中ポンプと、殺菌された水を水槽内に戻すためのホースが必要です。

 

水中ポンプとホースは、殺菌灯のパッケージや説明書に書かれている、適合サイズのものを用意しましょう。外部式フィルターとの併用も可能ですが、殺菌灯内に流れ込む水量がメーカー推奨の水量より多くならないよう注意が必要です。

クーラー・プロテインスキマーとの併用

殺菌灯は、紫外線を照射して飼育水の殺菌を行うため、水温の上昇を招きます。そのため、殺菌灯とクーラーを接続する場合は、殺菌灯をクーラーの前に設置し、殺菌灯によって温められた飼育水を、クーラーで冷却するようにします。

 

また、殺菌灯によって分解された有機物を、より効率良く取り除くため、プロテインスキマーを使うのも良いでしょう。

殺菌灯のメリット・デメリット

殺菌灯はメリットの多い器具ですが、もちろんデメリットもあります。殺菌灯のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

メリット

ここまで紹介した通りですが、殺菌灯の最大のメリットは、「病気の予防」です。特に海水魚飼育において非常に効果があります。淡水魚よりも病気に弱い海水魚には、最初から殺菌灯を設置することで、病気になりにくい飼育環境を作ることが出来ます。

 

その他、コケの抑制や有機物の分解など、飼育水を綺麗な状態に保つことができる利点があります。

デメリット

殺菌灯は、飼育水の中の病原体には効果を発揮しますが、すでに魚の体に付いてしまった病原体については殺すことが出来ません。殺菌灯の紫外線が薬品の効能を変えてしまう恐れがあるため、魚用の治療薬との併用が出来ないため、薬浴をさせる場合は、病気にかかっている個体を他の水槽や容器に隔離して行うようにしましょう。

 

また、バクテリア材を新たに添加する場合も注意が必要で、バクテリアを添加したばかりの飼育水は、バクテリアはまだ水中に漂っている状態のため、ここに殺菌灯を使用すると、せっかく添加したバクテリアが、定着する前に死んでしまいます。

 

殺菌灯は定着したバクテリアには害がないため、バクテリアを添加する際は一度殺菌灯を停止し、バクテリアが定着するまで待ってから再び稼働させるようにしましょう。

おすすめの水槽用殺菌灯6選

殺菌灯の中でも、特に人気のあるものやおすすめのものを紹介します。是非殺菌灯を選ぶ際の参考にしてください。

テトラ  UV殺菌灯

テトラの殺菌灯はいくつか種類があり、中でも外部式フィルターと殺菌灯が一体となっている「UVパワーフィルター」という商品がおすすめです。一台で二役をこなしてくれる優れものです。

カミハタ ターボツイストZ

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多くの殺菌灯の中でも絶大な人気を誇っており、初心者の方からプロの方まで非常に信頼されている商品です。据え置きか外掛けのどちらかで設置できるため、小型水槽からオーバーフロー式水槽のような大型水槽まで、あらゆる状況に対応することができます。

ゼンスイ UVバズーカ

殺菌灯は比較的高価な器具ですが、こちらは1万円以下で手に入れることができる商品です。規格が小さいため大型水槽には対応していませんが、60㎝以下の水槽であれば十分な効果を得られます。

アズー 殺菌灯 UVステライザー

こちらは水中タイプの殺菌灯で、60㎝以下の小型水槽用の商品です。水中で使用するため水漏れの心配がなく、設置が比較的容易です。コンパクトながら殺菌灯としての能力も十分発揮してくれます。

ナプコ レインボーライフガード殺菌灯 QL-15

内部のオーバーフロー構造により、殺菌灯内を通る飼育水に紫外線を100%照射できるため、殺菌能力が非常に優れています。「QLー15」は60~90㎝水槽に対応した商品ですが、更に大きい規格のラインナップが二種類あり、超大型水槽にも対応できます。

カルパ 水中殺菌灯 UV-10DF

こちらは水槽ではなく池用の殺菌灯で、30~50トンほどの水量に対応しています。主にアオコの予防や除去のために使われます。魚がいる場所で使用すると、殺菌灯から発生する紫外線で魚も死んでしまう恐れがあるため、濾過槽や沈殿槽に浮かべて使用します。

 

殺菌灯のメンテナンス方法

殺菌灯は、強力な紫外線を発する球を使用しているため、定期的に球交換をする必要があります。球が古くなってくると、殺菌灯としての性能が下がり、効果が弱くなってしまいます。

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そうなると、殺菌灯を設置していても魚が病気にかかってしまうリスクが上がってしまい、せっかくの殺菌灯も無駄になってしまいます。メーカーが推奨している交換時期がありますので、そちらを参考に定期的に交換するようにしましょう。

 

そのほかには、接続している水中ポンプも、汚れが詰まったりすると殺菌灯内に汲み上げられる水量が変わってしまい、思ったような効果を得られなくなってしまいます。こちらも定期的に掃除をするなどしてメンテナンスを行うようにしましょう。

殺菌灯は病気の予防に抜群の効果を発揮!

殺菌灯は、優れた殺菌能力で水槽内の病原体を死滅させてくれる器具です。淡水・海水両方で使えますが、白点病に弱い海水魚には特に有効で、海水魚飼育において殺菌灯は必須と言われることもあるほどです。

 

水換えなどの基本的なお世話に殺菌灯を上手に取り入れることで、病気で死なせてしまうリスクを大幅に減らすことが出来ます。この機会に、殺菌灯の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

殺菌灯とは