アジアアロワナの種類や特徴!貴重な古代魚の飼育方法とは?

アジアアロワナってどんな魚?

水槽内を堂々と周遊し、圧倒的な存在感を放つアロワナ。特にアジアアロワナは体色が鮮やかで、迫力ある姿が見る人の目をより一層惹き付けます。早速アジアアロワナの魅力についてお伝えしていきます。

特徴

アジアアロワナとは

 

アジアアロワナは肉食の大型魚で、品種によって赤や金などの、多様で鮮やかな体色を持ちます。他のアロワナと比べ特に見た目が美しいことから、大型魚の中でもトップクラスの人気を誇っています。

 

また、アジアアロワナは古代魚としても知られており、その姿は1億年以上変わっていないと言われています。

分布(生息地・養殖地)

東南アジアの地図

 

野性ではインドネシア、マレーシア、シンガポールなどの東南アジアに広く分布しており、流れが緩慢で、緑豊かな自然に囲まれた河川上流部に生息しています。

 

養殖は東南アジア各国で行われていますが、特にマレーシアやインドネシアが盛んで、質の良いアジアアロワナを輩出することで有名な養殖場があります。

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寿命

アジアアロワナの寿命

 

アジアアロワナの寿命は、野性では40年ほどと言われており、養殖場では30年ほど、水槽で飼育している場合では10~15年ほどと、いずれの状況下でも長寿の魚です。水槽飼育下では10年を越えると長生きと言われています。

 

加えて、アジアアロワナは人間に慣れる魚ですので、愛着を持って長く付き合える魚と言えるでしょう。

価格・流通相場

アジアアロワナは高い

 

アジアアロワナは、購入時点での大きさや色味などによっても大きく左右されますが、 最低でも10万円程度〜、体色や体型によっては100万円を越えるとても高価な魚です。

 

珍しい品種では300万円以上の値段が付くこともあるようです。アジアアロワナを購入する際は、よく吟味して元気な個体を選ぶようにしましょう。

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アジアアロワナはワシントン条約(CITES)で保護されている

アジアアロワナは保護されている!

 

アジアアロワナは元々食用でしたが、産卵・繁殖までに数年を要するため個体数が現象傾向にあったことに加え、鑑賞魚としての需要が高まったことから乱獲され、一時絶滅の危機に直面しました。

 

これを受けて、ワシントン条約の絶滅危惧種に指定され、現在では許可された養殖場からのみ輸出が可能で、輸出する際はアジアアロワナの体内にマイクロチップを埋め込むことが義務付けられています。

 

以上のことから、今日本で入手できるアジアアロワナは、国内外問わず養殖個体のみです。最近では、養殖技術の進歩により、養殖したアジアアロワナを野生に戻す試みも行われています。

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アジアアロワナの種類(品種・血統)

アジアアロワナにはさまざまなバリエーションがあり、それぞれにコアな愛好家がいます。代表的なアジアアロワナの品種や血統についてご紹介します。

紅龍

紅龍は、アジアアロワナの中でも代表的かつ最も人気のある、赤系アジアアロワナの品種のひとつです。成長するに連れて、全身が鮮やかな赤に発色するのが特徴です。

 

発色の度合いは、水質や環境によって左右されます。生息地が限られており、稀少であるため数十万円からと高値で取引されています。

スーパーレッド(血紅龍)

血紅龍も赤系アジアアロワナのひとつで、紅龍の中でも特に赤色が強く出る品種です。体型は鯉型、頭部はフラットヘッドが特徴です。赤さを更に追求したウルトラレッドと呼ばれる品種も存在します。

 

血紅龍も稀少な種であることに加え、紅龍よりも体色が鮮やかに出ることから、紅龍よりも高値で取引されることが多いようです。

チリ・レッド(辣辛紅龍)

辣辛紅龍も赤系アジアアロワナの一種で、鱗の縁が赤く、内側は紫がかった濃い色をしているのが特徴です。辣辛紅龍は鯛型と呼ばれる体型で、頭部はスプーンヘッドと言い反っています。

 

スプーンヘッドより更に頭部が反っている、アッパーヘッドと呼ばれるものもいます。辣辛紅龍も数十万円から取引されています。

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青龍

青龍は流通量が多く、値段も数万円からと他のアジアアロワナに比べて比較的安価なため、アジアアロワナの入門魚におすすめの品種です。

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体色は銀や白ですが、成長するに連れて、鱗に緑色の馬蹄模様が浮かび上がるのが特徴です。アジアアロワナの中でも、普通の魚のような体型をしています。

マレーシアゴールデン(過背金龍)

過背金龍は、マレーシアのごく限られた場所にしか生息していない稀少な品種です。「金龍」の名の通り、成長するに連れて全身が金色に発色します。鱗の一部が緑や青に発色する品種もあります。

 

過背金龍は、アジアアロワナの中でもかなり高価な額で取引されており、数百円することも珍しくないようです。

パンジャール(黄龍)

黄龍は、幼魚期は血紅龍、成魚は青龍に似ていますが、成長するに連れて各ヒレが黄色になる品種です。黄龍に紅龍を掛け合わせたパンジャールレッドと呼ばれる種類もあり、こちらは体の後方3ヒレが、成長に伴い赤もしくは黄色になります。

 

青龍同様、馬蹄模様が現れるのも黄龍の特徴です。青龍に次いで安価で取引されています。

スマトラゴールデン(紅尾金龍)

紅尾金龍は、過背金龍よりも金色になる部分が少なく、ヒレの先が赤、背中が黒に発色するのが特徴です。

 

紅尾金龍は比較的安価で手に入りやすいため、青龍や黄龍と同様、アジアアロワナの入門魚としておすすめです。

チタニウムゴールデン

チタニウムゴールデンは「唐草青龍」とも呼ばれ、体に唐草模様が浮かび上がるのが特徴です。また、背中に鮮やかな青を発色します。これらの特徴は、体長が40㎝を越えた辺りから出現し始めます。

 

アジアアロワナの中で唯一の別種として認定され、2012年に登録されたばかりの新しい品種です。生息地が非常に限られており、流通量も少ないことから、数十万円からと高価です。

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アジアアロワナの飼育方法

出典:キョーリンFacebook

アジアアロワナを飼育する上で気を付けたいことや、飼育のポイントについてまとめました。飼育環境を適した状態に保つことで、病気にもかかりにくくなります。是非参考にしてください。

水温・水質

アジアアロワナに適した水温は、30℃程度と高めなため、夏場以外はヒーターを設置して、水温が下がらないよう管理してあげましょう。30℃を保ってあげると、餌の食い付きも良く、病気にかかりにくいようです。

 

水質は弱酸性~中性がアジアアロワナの飼育に適しています。

水槽サイズ・フィルター

アジアアロワナは体が硬いため、ターンするのに幅が必要です。長さ120㎝、幅60㎝以上の水槽が必須です。ただし、幼魚から飼う場合は、セパレーターなどで水槽内を区切り、アジアアロワナの大きさに合わせた広さで飼育するようにしましょう。

 

フィルターは上部式や外部式などの、濾過能力の高いものがおすすめです。アジアアロワナは水を汚しやすいため、併用するのも良いでしょう。

 

水槽は大型のためアクリル水槽がおすすめです。

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2023年12月16日

レイアウト

アジアアロワナは大型魚なので、泳ぐスペースを狭くしないよう、レイアウトはシンプルな方が良いでしょう。流木や岩を使う場合は、アジアアロワナがケガをしないよう丸みのあるものを選び、アクセント程度の個数に留めましょう。

 

底砂は意見が分かれますが、掃除のしやすさからベアタンクが推奨される場合が多いようです。

アジアアロワナには、コオロギやミルワーム、カエル、金魚、などの生き餌を与えます。人工飼料ではカーニバルなどの肉食魚用の餌を使用しますが、餌付きにくい場合もあります。

 

栄養の偏りを防ぐためにも複数の餌を食べられた方が良いので、購入先でどのような餌を与えているか聞いてみると餌付けしやすいでしょう。

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アジアアロワナの混泳相性

特に同種・近縁種において、以前は混泳不可と言われていましたが、最近では条件が揃えば混泳出来ると言われています。

 

ただし、アジアアロワナは縄張り意識が強い魚ですので、必ずしも上手くいくとは限らないということを覚えておきましょう。それでは、混泳時のポイントについてお伝えします。

同種・近縁種との混泳相性

アジアアロワナの混泳

 

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水質の変化に弱いブラックアロワナを除けば、アロワナ同士の混泳は可能と言われています。2匹だと激しく争うため、必ず3匹以上で飼育し、個体の大きさは同じくらいに合わせましょう。

 

ただし、それでも多少のケンカは起こるため、見た目の美しさを重視するのであれば、単独で飼育しましょう。混泳の場合は、こまめな水質管理も重要です。

他種との混泳相性

ピーコックバス

 

個体毎の相性にもよりますが、大型のシクリッドやエイなどが混泳相手とされることが多いです。特に、生活圏が被らないエイなどの他種とは比較的混泳がしやすい傾向にあります。

 

生活圏がかぶると、アロワナ同士の混泳と同様に多少のケンカはよく起こりますので、相性をよく見極めて混泳を検討しましょう。

 

また、アジアアロワナは水を汚しやすいため、食べ残しを食べてくれる魚と混泳させるという考えもあります。カラープロキロダスやセルフィンプレコは、アジアアロワナと比較的相性が良いようです。

 

ただし、カラープロキロダスは、お腹が空くと他の魚の体を舐めてしまうので、きちんと餌をあげて空腹状態にならないよう注意が必要です。

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アジアアロワナの繁殖

アジアアロワナの繁殖は難しい

 

アジアアロワナは、オスとメスの相性が良くないと繁殖しないため、まずは大型水槽に5~6匹以上で混泳させて様子を見ます。

 

ペアが出来たら隔離し産卵を待ちますが、飼育下では産卵しても孵化まで至らないことの方が多く、また、せっかく孵化しても早期に死んでしまうことが少なくないため、繁殖は非常に難しいようです。

アジアアロワナの病気

アジアアロワナは目垂れに注意

 

アロワナ特有の病気に「目垂れ」があります。目垂れは、アロワナが底面の餌などを気にして下を見ることが多かったり、水槽に光が反射して眩しいことが原因で起こると言われています。

 

水槽内に残った生き餌や食べ残しはその都度取り除く、水面に目立つものを浮かべる、水槽の4面を黒にして光の反射を抑えるなどで目垂れの予防になります。

 

また、水槽の4面を黒にすることで、外部からの刺激でアロワナがびっくりすることを防いだり、品種によっては体色を鮮やかに引き出す効果もあります。アロワナは比較的丈夫と言われていますが、白点病や松かさ病など、一般的な魚の病気にも注意しましょう。

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アジアアロワナのおすすめ販売店・専門店

アジアアロワナを取り扱っている販売店や専門店は全国にありますが、中でも埼玉県にある「ラフレシア」というお店は自家繁殖にも力を入れており、繁殖に成功した個体を販売してくれる珍しいお店です。

 

また、販売するアジアアロワナを現地で直接買い付けしている点も、このお店の魅力です。

アジアアロワナは変化を楽しめる魚

アジアアロワナを飼育しよう

アジアアロワナは鑑賞魚の中でも非常に高価で、飼育するための設備を揃えるためにも多額の投資が必要です。しかし、長生きすることに加え、人に慣れて餌をおねだりするようになることなど、愛着を持って長く付き合える魚です。

 

また、幼魚からの飼育であれば、成長と共に変化する体色や模様を間近で見ることができます。これはアジアアロワナを飼育する上で、最大の魅力かつ醍醐味ではないでしょうか。

 

アジアアロワナはバリエーションが豊富なので、是非自分の好みのアジアアロワナを育ててみてくださいね。

アジアアロワナの飼育方法