ベタ繁殖の基礎知識と4ステップ!一度に何匹の子が産まれる?

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ベタってどんな魚?

ベタは、Betta属の魚を総称して言ったもので、皆さんがペットショップで見かけるものは、ベタ・スプレンデンスBetta splendensと言う種類です。とても大きなヒレとカラフルな体色が特徴ですが、綺麗な身体をしているのは主にオスの個体です。

 

タイのメコン川が原産で、田んぼ・小川・小池・時には水たまりに生息します。「ラビリンス器官」というものを身体に持っているため、空気中の酸素を直接取り込むことができる、面白い特徴を持った魚です。

ベタのオスメスの判別

ベタの雌雄、どうやって見分けるの?

出典:FISH PATADISE!編集部

ベタを雌雄判別する場合、一番見分けやすいのは、ヒレの大きさでしょう。大きい方がオス、小さい方がメスです。ただしそれは、トラディショナルベタやショーベタのようなヒレが大きい種に限ります。

 

他の品種の場合、ある程度成長した個体の腹部を見て、白い産卵管が出ていたらメス、そうでないものはオス、と見分けることができます。

ベタを繁殖させる時期

ベタはオスが水面上に泡の巣を作り、そこにメスが卵を産みます。そのため、オスが普段から水面に泡を作るようになれば、発情期がきている証拠です。

 

繁殖に移っても大丈夫でしょう。メスは産卵管付近に卵巣があるので、腹部の産卵管付近が大きくなっていたら、卵を持っているので、繁殖させてみましょう。

ベタの繁殖の基本4ステップ(準備と手順)

オスもメスも繁殖期に入ったら、いよいよ繁殖させてみましょう。ベタの繁殖は「準備」「相性」がとても大切です。

①繁殖環境の準備

繁殖用水槽は普段飼育しているものよりも大きめのもの、最低でも30cmのものを準備してください。水温は28℃前後が適温なので、ヒーターで温めてあげましょう。

 

水槽はできるだけ明るい場所に置く、または照明を設置しましょう。他にも、オスの泡の巣が強固になるような浮き草、メスの隠れ家となる障害物や、水質を安定させる調整剤などもあれば便利です。

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②お見合い

繁殖用水槽を準備したら、「お見合い」をさせます。オスとメスをいきなり水槽に入れるのではなく、オスを繁殖用水槽に、メスを別の小瓶の水槽に入れ、お互いが見えるよう隣同士に置きます。

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お互い発情し、オスが4、5cmの泡の巣を作るようになったら、メスを繁殖用水槽にそっと入れてみましょう。

③交尾

メスはオスが作った泡の巣へ向かいます。この時、オスがメスを巣へ誘導しようと攻撃し、メスの身体がボロボロになってしまいまいますが、しばらくは見守ってあげましょう。

 

オスがメスに巻きつき交尾・産卵を行います。受精卵は底へ落ちてゆき、それをオスが拾って泡の巣へ持って行きます。

④メスの隔離

産卵を確認した後、または数日経っても交尾・産卵がない場合はメスを隔離し、元の水槽へ戻してあげましょう。身体が傷ついているので、そこから感染症が起こることもあります。

 

病気予防の薬で薬浴させてあげましょう。塩浴でも構いませんが、ベタ用に開発されたSUMA(スーマ)という薬がおすすめです。

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稚魚の育成方法

こうして繁殖用水槽には卵とオスが残ります。オスは卵に空気を送ったり、卵についた汚れを取り除いたりします。卵は数日で孵化し、2、3日後には卵黄が消え、自力でエサを食べられるようになります。オスはこの時に繁殖用水槽から出しましょう。

 

稚魚には、インフゾリアまたはアルテミアというプランクトンを与えます。いずれも市販されており、一定の条件下で簡単に孵化するので便利です。プランクトン孵化専用の器具もあるので試してみてください。また、先ほど紹介したSUMAを水槽に添加することで、病気予防もできます。

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ベタの品種や色の遺伝の関係性

ベタの稚魚は生後2ヶ月ほど経つと3cmほどになり、鮮やかなヒレや体色が出てきます。品種(ヒレの大きさ)や体色は親のものを100%受け継ぐとは限りません

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特に体色には様々なパターンがあり、仮に親が同じ色をしていたとしても、親と違う色の子供が生まれたりします。品種・体色が安定して増やし続けるには数世代にわたって繁殖が必要です。

一度の産卵でどのくらい子供が産まれる?

ベタは一度の産卵で50〜100個、多い時には200個もの卵を産みます。繁殖用水槽があまり小さすぎると過密状態になり稚魚が育ちにくいですが、うまくいけば50〜70%はある程度まで大きくなってくれます。

 

生後4ヶ月ほどで成魚になりますが、個体間で闘争が起こり生存率は低くなります。ある程度大きくなったら水槽を分けて飼育しましょう。

ベリースライダーが生まれたら

ベタの繁殖をしていると、ベリースライダーが生まれることがあります。ベリースライダーとは浮くことができず、底を這うように泳ぐ個体のことです。

 

もしこのような個体が生まれたら、彼らが成長しやすいように、水深の浅い水槽で飼育する・底砂や水草は入れない・他の個体と分けて飼育する、以上の工夫をしてあげましょう。

ベタを繁殖させてみよう!

ベタの繁殖にチャレンジ

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今回はベタの繁殖についてご紹介しました。ベタはちょっと手をかけてあげればすぐに交尾・産卵をしてくれます。

 

こまめに面倒を見てあげれば、カラフルな稚魚が成長し、また卵を産み、何代にも渡って繁殖することもできる魚です。色とりどりなベタの繁殖飼育、あなたもチャレンジしてみませんか?

ベタの繁殖は以外と簡単