メジナ(グレ)の分類や生態!旬やオススメレシピは?

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アイキャッチ画像撮影:FISHPARADISE!編集部

分類 スズキ目メジナ科メジナ属
和名 メジナ
学名 Girella punctata
分布 北海道から九州にかけての沿岸部の岩礁帯に広く分布
特徴 上唇は薄く、尾柄部は高い。側線有孔鱗数は50~56。

メジナの名前の由来と別名

メジナってどんな魚?

撮影:FISH PARADISE!編集部

メジナは漢字で「眼仁奈・目近魚」などと表記します。名前の由来は、後者の漢字を見ればイメージしやすいのですが、目と口吻の位置が近い形態的な特徴から来ています。メジナは近海でよく見られる魚であるため別名(地方名)も数が多いです。代表的なものとしては、「クシロ(静岡)」、「チカイ(北陸)」、「クロ(九州)」などが挙げられ、中でも関西地方での呼び名である「グレ」は有名です。

メジナの分類(近縁種との見分け方)

日本近海に分布しているメジナ属の魚は、メジナを含めて3種類が確認されています。ここでは、他の2種との見分け方についてご紹介します。

メジナとオキメジナの違い

オキメジナとの主な見分けのポイントは、上唇の厚さと体形、模様などが挙げられます。まず、オキメジナの上唇は非常に厚いことが特徴で、その厚さは3種の中で1番です。次に、体形と模様ですが、オキメジナはメジナよりもやや体高が高く、体に黄色っぽい横縞が入ります。ただし、この横縞は成長とともに薄くなるほか、陸揚げされることでも消失するので注意が必要です。また、メジナ属3種の中では最も南方に多いことも特徴です。

メジナとクロメジナ(オナガグレ)の違い

クロメジナとの主な見分けのポイントは、エラブタの色と尾ビレの形状などが挙げられます。まず、エラブタの色ですが、クロメジナはエラブタの後端が黒く染まる特徴があります。次に、尾ビレに関しては、クロメジナはその上下葉がそれぞれ長く伸長して大きな尾ビレになっており、別名のオナガグレはこの特徴に由来するものです。また、メジナと比較すると鱗が小さいことも特徴です。

メジナの分布

国内における分布域は北海道南部から全国の沿岸部で、海外では東シナ海にまで分布しているため、台湾の辺りまで見られます。メジナに関しては、暖かい海を好むものの沖縄県周辺ではあまり見られず、その周辺ではクロメジナやオキメジナが多いです。沿岸にある浅い岩礁帯を好んで生息し、特に幼魚期は汽水域で見られることもあります。

メジナの生態

メジナの生態とは

出典:写真AC

釣りの対象魚として古くから人気のメジナですが、普段どのような生活をしているのでしょうか。ここでは、メジナの生態についてご紹介します。

メジナの食性

メジナは雑食性の海水魚です。海水温が高い時期は甲殻類や多毛類など、小動物を好んで捕食していますが、それらが少なくなる冬場はアオサなどの海藻を食べています。昼行性で明るい時間帯に餌を求めて活発に活動し、夜になると岩の隙間などでじっとしています。臆病で警戒心が強い性格をしており、基本的には小規模な群れを作って生活しています。

メジナの産卵期

メジナの産卵期は2~6月頃です。産卵は海水温がトリガーになるため、南方ほど早く北方に行くほど遅くなります。卵の形態は分離浮性卵で産卵後約3日で孵化。誕生した稚魚は流れ藻などについて表層を漂いながら成長し、体長4cm前後にまで成長すると内湾や潮だまりなどに移動します。

 

その後、体長20cmを超えるほどになると、外洋に面した防波堤や港湾などにまで行動範囲を広げていきます。成長は遅く、体長20cmほどに達するのに約2年を、体長40cmになるまで約7年を要すると言われています。

メジナの食味と旬

メジナはあまり市場には流通しないものの、新鮮なものは食味が良いため産地ではよく消費されています。ここでは、メジナの食味や旬などについてご紹介します。

メジナの身は美味しい?どんな味?

メジナは釣魚としては人気がありますが、食用魚としてはあまりメジャーではありません。では、不味いのかというとそんなことはなく、旬の時期のメジナは脂が乗っていて美味しいことで知られています。メジナの身は淡白な白身で、血合いが鮮やかで奇麗なので生食にも適しています。しかし、沿岸魚の宿命か、磯臭い個体も見られるので注意してください。

メジナの旬はいつ頃?

メジナの旬は冬から春先にかけてです。産卵期の前が1番脂が乗っていて美味しいと言われています。前述した通り、沿岸魚ということもあり、やや磯臭さが目立つ個体も居て、その傾向は特に夏場に強くなります。ご自身で食べるために釣りたいのであれば、冬場に潮通りが良い場所に住んでいるメジナを狙うと良いでしょう。

メジナの食べ方(料理方法)

メジナは刺身や煮付けが美味しい!

出典:写真AC

メジナは基本的には美味しい魚で、旬の新鮮なものは生食にも適しています。磯臭いものもスパイスを効かせるなどすれば美味しく食べられるので、ものによって調理法を変えると良いでしょう。

メジナ(グレ)の刺身

旬のメジナは刺身がおすすめです。前述のように奇麗な白身をしており、脂の甘味と旨味を直に楽しむことができ、その味はマダイに匹敵すると評価する人も居るほどです。皮にも旨味があるので、皮を残して焼き霜造りにしても美味しく食べられます。

メジナ(グレ)の煮付け

メジナは煮る前に霜降り(湯引き)を行って、ヌメリなどの汚れをしっかりと落としておきましょう。その身を酒・しょうゆ・みりんを合わせた煮汁に生姜とともに入れて煮付けます。メジナは火を通しても硬く締まらないこともあって美味で、ご飯のお供にも最適です。磯臭さが気になるものは強めに煮付けたり生姜を効かせると良いでしょう。

メジナ(グレ)の塩焼き

塩焼きの場合は、焼く前に10%の塩水に10分ほどメジナの身を浸けておくことで、美味しく仕上がります。その身を中まで火が通るように、両面をしっかりと焼き上げれば完成です。焼く時は魚焼きグリルを使用した方が、余分な脂と水分を落とせるのでふっくらと焼き上がります。

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メジナ(グレ)の釣り

メジナの釣り方

出典:写真AC

メジナは防波堤などからでも狙える手軽さや、比較的小型でも強い引きが楽しめるなどの理由で人気の釣魚です。ここでは、メジナの釣りについてご紹介します。

メジナ釣りのタックル・仕掛け

メジナ釣りの一般的な釣法は「ウキフカセ釣り」で、基本的なタックルとしては次の通りです。まず、ロッドは5.3m程度かつ1~1.5号の磯竿を用い、リールはレバーブレーキ付きの2500~3000番のスピニングリールが使いやすいです。次に、ラインはナイロン2~3号に準じる物を使用し、仕掛けは円錐ウキを用いた形式が標準的です。

 

具体的には、ラインの先端にウキ止め、シモリ玉、円錐ウキ、ゴム管、ガン玉の順に取り付け、その先にサルカンなどでハリスを接続します。ハリスはフロロカーボンの2~5号を用いてガン玉を付け、針はグレ用の4~8号です。餌はオキアミ、海苔、練り餌などです。本種は雑食性でその時々で食い付きやすい餌が異なるため、色々と用意しておくと良いでしょう。

メジナの釣り方

釣り方の基本としては、寄せ餌を撒いてメジナを誘い出し、それに付け餌を同調させて釣ります。メジナが居る位置を探ることが重要で、付け餌が残るようでしたらメジナが居る位置にまで到達していないため、より深く沈むようウキ下の長さを調節してください。逆に、付け餌をとられる場合は通り過ぎていることを意味するので、より浅い場所に留まるよう調節が必要です。

 

アタリが出たら竿を起こしてアワセを入れますが、本種の場合は遅くても構いません。ただし、場所的に走られると根掛かりしやすい点は注意が必要です。また、エサトリが多い時は足元に寄せ餌を撒いて引き付けておいて、本命のポイントに改めて寄せ餌を撒きましょう。このような、釣り場を自分でコントロールするゲーム性の高さもメジナ釣りの人気の理由です。

食べても美味しい磯釣りの人気者メジナ!

メジナはほぼ全国的に見られる沿岸性魚類で、日本近海に分布しているメジナ属の種類は本種の他にオキメジナとクロメジナが居ます。高いゲーム性と強い引きが楽しめるため、釣魚として絶大な人気を誇り、磯竿は主に本種を釣るために設計されたほどです。あまり流通していないので意外に思われるかもしれませんが食味も良く、特に旬のものは脂が乗っていて美味です。釣魚としてだけでなく、ぜひ食材としても注目してみてください。

メジナってどんな魚?