キンメダイは海の赤い宝石!ブランド化もされてる高級魚!

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キンメダイは海の赤い宝石

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分類 キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属
和名 キンメダイ
学名 Beryx splendens 
分布 日本各地の大陸棚および沖合の水深200~800m
特徴 体は平べったく、全身が真っ赤。眼は非常に大きい。

キンメダイってどんな魚?

美味しい高級魚として知られているキンメダイですが、どのような魚なのでしょうか。ここでは、キンメダイの形態的な特徴や生態をご紹介します。

特徴

キンメダイってどんな魚?

撮影:FISH PARADISE!編集部

最大で体長50~60cmほどに達する深海性が強い魚です。魚体は側扁しており、体の前方は体高が高いのですが、後方は細くなっています。体色は全身が赤色に染まりますが、生きている時は腹側がピンク色を帯びた銀白色をしており、一様に赤色になるのは死後ある程度の時間がたってからです。

 

本種の若い個体は独特な姿をしており、体長20cm弱の頃は背びれの前端が細長く伸長します。その部分は体長と同等かそれ以上に伸び、特に 「イトヒキキンメ」と呼ばれています。

生態

キンメダイの生態

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キンメダイは太平洋・インド洋・大西洋・地中海など、世界中の比較的温暖な海で広く分布が確認されています。国内においては北海道以南の太平洋側と新潟県以南の日本海側に分布しており、特に伊豆半島や伊豆諸島周辺は漁獲量が多いです。

 

成魚は水深200~800m程度の岩礁帯に生息していますが、若魚は水深100~250mほどの大陸棚で見られます。本種の分布域は広いため産卵期には幅がありますが、伊豆諸島近辺では6~10月頃です。成長速度はとても遅く、 体長40cm弱にまで成長するのに10年もの年月が必要です。

 

それに伴って寿命も長く、通常でも15年ほどは生き、中には推定26歳のものが捕獲された記録もあります。食性は動物食で、小魚やイカなどの頭足類、エビなどの甲殻類を捕食しています。

キンメダイの分類

名前から勘違いする方も多いと思われますが、キンメダイはタイ(マダイ)の仲間ではありません。ここでは、キンメダイの分類と近縁種についてご紹介します。

キンメダイはタイの仲間じゃない?

キンメダイをマダイは似ている?

作成:FISH PARADISE!編集部

キンメダイの分類はキンメダイ目キンメダイ科です。一方、マダイはスズキ目タイ科に分類されており、種として遠縁の関係にあります。名前の一部に「タイ」と付く魚は300種類以上もいると言われていますが、その中でタイ科に属する魚は日本近海で見られる種類は13種だけです。

 

キンメダイ科キンメダイ属に分類される魚で、日本近海に分布している種類は3種が知られており、キンメダイ・フウセンキンメ・ナンヨウキンメがいます。

近縁種①フウセンキンメ

フウセンキンメはキンメダイと姿が非常に酷似しています。生息域もほぼ同じであることからキンメダイに混ざって漁獲されていますが、市場では区別されずに流通していることも多いです。

 

ただ、フウセンキンメの方が脂の乗りが良いことから、 「アブラキンメ」や「トロキンメ」の別名を持ち、より高値で取引されることもあります。

 

キンメダイとの主な差異は、体長・鼻の穴や眼前棘の形・背びれの軟条数などに現れます。まず、本種は最大で30cm程度とキンメダイよりも小さいです。次に、鼻の穴の形ですが、本種は楕円形をしているのに対し、キンメダイの方は細長いスリット状をしています。

 

また、両者ともに上アゴと目の間に棘(眼前棘)があるのですが、フウセンキンメの方がより尖って突き出ます。最後に、背びれの軟条数は、フウセンキンメは通常13、キンメダイが通常14です。

近縁種②ナンヨウキンメ

本種は漢字では「南洋金目」と表記するのですが、特に南方に多いわけでなく生息域はキンメダイと変わりません。これは、命名された時代に判明していた範囲では、南の海に多かったからだと言われています。

 

キンメダイと比較すると脂乗りが少ないため、市場ではより安価で取引されています。ただ、 脂乗り以外の食味はキンメダイに劣るものでなく、逆にあっさりしているため人によっては本種の方が美味しく感じられるほどです。

 

キンメダイとの見分けの主なポイントは、体高(体形)・頭部後方の隆起・背びれ軟条数などです。まず、体高は本種の方が高くなっており、その分だけ魚体がより強く側扁しています。

 

次に、本種は頭部と背びれの間に肉が付き隆起していますが、この特徴はキンメダイには見られません。最後に、背びれの軟条数が本種は16~20と、キンメダイよりも多いです。

キンメダイの眼の秘密とは?

キンメダイの目は特殊な構造をしています

撮影:FISH PARADISE!編集部

キンメダイは光のほとんど届かない深海の世界で、主に視覚に頼ってエサを捕食しています。その秘密はキンメダイの大きな眼にあります。眼が大きいということはそれだけ多くの光を取りこめるため、深海に届くわずかな光を逃さずに捉えることができるのです。

 

更にキンメダイの眼には網膜の下に「タペータム」という反射層が存在しており、網膜を通過した光を反射して再度網膜に光を当てます。これにより効果的に光を取りこむことができるのです。キンメダイの眼が金色に光って見えるのはこのタペータムがあるためです。

キンメダイの釣り方

釣りで美味しいキンメダイをゲット!

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高級魚であるキンメダイですが、各地で専門の釣り船も出ており誰でも自分で美味しいキンメダイを釣り上げることができます。

シーズンやポイント

キンメダイは一年を通して釣れる魚ではありますが、狙い目は春と秋の2シーズンです。春は産卵期前の大型個体が釣れやすく、秋は小型が多いものの春よりも数釣りが期待できます。

 

キンメダイは深海に生息しているので、釣り場も深場に隣接している所がメインになります。主な釣り場としては相模湾が有名で、房総半島から伊豆半島にかけて、数多くの釣り船が出ています。他にも銚子沖や和歌山沖など、各地でキンメダイ釣りを楽しむことができます。

タックル・仕掛け

キンメダイ釣りで使う竿は2m前後の深海釣り用のもので、オモリ負荷は250〜300号程度が適しています。リールは中型電動リールで、PEラインの6〜8号が600m以上は巻けるものが良いです。

 

キンメダイ釣りのタックルは普通の釣り物と比べるとかなり特殊なため、一式揃えるとなるとかなりの金額になります。竿とリールについては、レンタルしてくれる所も多いので、事前に船宿さんに確認すると良いでしょう。

 

使用する仕掛けは、5本程度の針がついた胴突き仕掛けが一般的です。専用の仕掛けが市販されているので、それを使うのが手軽でしょう。オモリは200〜300号程度で、水深や潮の流れによって重さを調節します。

 

餌はサバやサンマなどの魚の切り身やイカタン(イカの短冊)を使います。仕掛けの投入回数も限られる釣りなので、餌が外れないようにしっかりと縫い刺ししましょう。

釣り方

キンメダイ釣りではオマツリ防止のために、船長の合図で 順番に仕掛けを投入していきます。仕掛けを底まで沈めたら、糸ふけを取り底から5mほど巻き上げてアタリを待ちます。少し待ってアタリがなければ再度底を取り直して、再び5mほど巻き上げてアタリを待つ。これを繰り返していきます。

 

船を流しながらの釣りになるので、仕掛けを放置しすぎると根掛かりしたり、仕掛けが浮きすぎたりするので、こまめに底を取り直すことが重要です。

 

仕掛けの回収は投入時と同様に船長からの指示で順番に行います。そのため、キンメダイのアタリがあっても勝手に仕掛けを回収せず、合図があるまで待ちましょう。待っている間に別のキンメダイが追い食いしてくることもあります。

旬のキンメダイは煮つけが絶品!

キンメダイは何と言っても煮付けが美味しい!

撮影:FISH PARADISE!編集部

キンメダイの旬は冬であり、この時期のキンメダイはどうやって食べても非常に美味しいのですが、やはり定番は煮つけでしょう。ふわふわで脂の乗った白身は絶品です。キンメダイはカマが発達しており、この部分の身は弾力があって非常に美味です。カマは是非おすすめの部位です。

 

また、意外な珍味が目玉です。硬い水晶体の部分ではなく、ゼラチン質の部分が可食部です。見た目から好き嫌いが分かれる部位かと思いますが、ビタミンB1やDHAが豊富に含まれているので、一度試してみてはいかがでしょうか。

名産地で美味しいキンメダイを食べよう!

キンメダイは各地でブランド化もされている高級魚

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国内でキンメダイの名産地としては、静岡、千葉、高知などが有名であり、伊豆稲取の 「稲取キンメ」、銚子の 「銚子つりきんめ」、高知の 「土佐沖どれキンメダイ」などのブランドがあります。

 

これらの名産地の美味しいキンメダイは、都市部の市場では非常に高値で取引されていますが、産地の地魚料理屋などでは比較的安価で食べることができます。

 

定番の煮つけはもちろん、産地ならではの鮮度の良さにより刺身でも美味しく頂けます。伊豆や銚子に旅行に行かれる際は、是非キンメダイを食べてみてください。

食べ過ぎにはご用心!

キンメダイの食べ過ぎには注意!

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キンメダイは水銀含有量が比較的高い魚類であるとされており、厚生労働省はキンメダイの摂取目安量を設けています。水銀は特に胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性が高いそうで、妊婦の方はキンメダイの摂取目安量は週に1回程度とすることが推奨されています。

 

とはいえ、あくまで日常的に摂取し続けた場合の危険性が示されているだけなので、頻繁に食べ過ぎなければ何も問題はありません。お祝い事やちょっとした自分へのご褒美に、美味しくキンメダイをいただきましょう。

ギンメダイという魚もいる!?

キンメダイとギンメダイの違いとは

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ギンメダイはギンメダイ目ギンメダイ科に属する海水魚です。北太平洋から西太平洋・東シナ海にかけて分布しており、日本国内では福島県以南の太平洋側で見られます。水深150~650mほどの砂礫底や岩盤域に生息し、特に300m程度の場所にいることが多いです。

 

体長は最大で30cmほどで、魚体は側扁し楕円形のフォルムをしています。体形自体はキンメダイに似ているのですが、本種の色は全身が銀色をしており、背びれと尾びれには黒色の斑紋が入るなど、色味は全く異なっています。

 

また、本種には下アゴに一対のヒゲがあり、下アゴは上アゴよりも短いなど、キンメダイとは判別に困るほど似ていません。食性は動物食性で、甲殻類や小魚を捕食しています。鮮魚が市場に出回ることは希ですが、練り物の原料など加工品としてはよく利用されています。

タイだけどタイじゃない?キンメダイは味わい深い高級魚!

キンメダイを味わおう!

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キンメダイはキンメダイ目キンメダイ科に属する海水魚で、名前に「タイ」と付きますがタイ(マダイ)の仲間ではありません。全身の赤色と金色に光る大きな目が特徴的で、その食味の良さから高級魚として扱われています。

 

キンメダイは通年で美味しいのですが、旬である冬場のものは特に脂が乗っており絶品です。内陸部では高価ゆえにあまり手が出せないキンメダイも、産地では比較的安価に食べることが可能なので、伊豆などの有名産地にお出かけの際は、ぜひキンメダイを食べてみてください。


キンメダイは海の赤い宝石