タイリクバラタナゴの釣り方と飼育法!綺麗だけど外来種って知ってた?

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分類 コイ目コイ科バラタナゴ属
和名 タイリクバラタナゴ
学名 Rhodeus ocellatus ocellatus
分布 日本全国の湖沼、河川など。自然分布は揚子江水系をはじめとするアジア大陸東部
特徴 側線は不完全で、口ひげがない。体は側扁し、体高が高い。

タイリクバラタナゴの生態

タイリクバラタナゴの生態

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在来種であるニッポンバラタナゴとは亜種の関係にある、体長6~8cm前後に達するタナゴの1種です。食性は雑食性で、稚魚の頃はワムシに代表される動物プランクトンを主食にしていますが、成長するにつれてボウフラといった水生生物や付着藻類などを食べるようになります。

 

産卵期は3~9月頃。ドブガイなどイシガイ科の二枚貝を中心にオスが縄張りを作り、そこにメスを呼び込んで産卵させます。メスは体長の半分前後にも伸長する産卵管を、生きている二枚貝の出水管に挿入して卵を産み付けます。

 

卵は1~2日程度で孵化し、誕生した稚魚は直ぐには泳ぎ出ず、20~30日ほど貝の中に留まり成長します。性成熟に要する期間は約1年で、寿命は自然下で2年程度。飼育下では上手に管理できれば、平均4年は生きることが可能です。

タイリクバラタナゴの分布・生息域

タイリクバラタナゴはどんな場所にいる?

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元々は、中国の揚子江水系を中心としたユーラシア大陸東部、ならびに台湾島に分布する魚種でした。しかし、現在では移入された個体が日本列島全域に拡散し、全国的に分布が確認されています。

 

生息域は、平野部を中心とした河川や湖、池沼や水路など幅広いです。河川においては中流から下流の比較的流れが穏やかな場所を好んで生息しており、たも網で水際を掬う、いわゆるガサガサでも容易に採取が可能です。

タイリクバラタナゴの近縁種との見分け方

亜種関係にあるニッポンバラタナゴはもちろんのこと、近縁種の中にも姿がよく似ているものがいます。ここでは、タイリクバラタナゴとそれら近縁種との見分け方についてご紹介します。

タイリクバラタナゴとニッポンバラタナゴの違い

この両者の見分けのポイントとしては、主に大きさ・側線鱗・腹ビレが挙げられます。まず大きさですが、タイリクバラタナゴの方が体長および体高が大きくなります。次に、側線鱗については、タイリクバラタナゴは平均で5枚の側線鱗を持つのに対し、ニッポンバラタナゴの方はほとんど見られません。

 

最後に、腹ビレについては、タイリクバラタナゴは、前部が白く縁どられる特徴を有します。ただし、これらの特徴は同種間でも個体差が見られるので、両者の外見での見分けは極めて困難であると言わざるを得ません。

タイリクバラタナゴとカゼトゲタナゴの違い

カゼトゲタナゴとの見分けのポイントは、主に体高と体の模様の2点が挙げられます。まず、カゼトゲタナゴも他のタナゴ類と同様、強く側扁したひし形のフォルムをしているのですが、体高は低めで、タイリクバラタナゴのそれよりも低いです。

 

次に、模様についてですが、カゼトゲタナゴは魚体の中央辺りから尾ビレにかけて、青色を帯びた縦縞がはっきりと入る特徴を有します。体高は成熟具合で判断に迷うことが考えられるので、模様をよく観察すると良いでしょう。

タイリクバラタナゴとオオタナゴの違い

オオタナゴも外来種なのですが、両者の違いは大きさや分布域が挙げられます。オオタナゴはその名の通り、最大で体長20cmほどとタイリクバラタナゴよりもかなり大きくなります。

 

次に、分布域については、タイリクバラタナゴは既に日本全国に定着してしまっていますが、オオタナゴの方は茨城県の霞ヶ浦を中心に、まだ関東地方の限られた水系にしか生息していません。オオタナゴは特定外来生物に指定されており、放流などが禁止されているので取り扱いには注意してください。

外来種としてのタイリクバラタナゴ

奇麗な婚姻色が人気のタイリクバラタナゴですが、外来種ゆえに生態系への悪影響も懸念されています。ここでは、タイリクバラタナゴの外来種としての側面をご紹介します。

タイリクバラタナゴは要注意外来生物に指定されている

タイリクバラタナゴは、丈夫で環境への適応力が高く日本の気候下でも越冬可能であり、現に全国的に定着して生態系に悪影響を与えているため、要注意外来生物に指定されています。

 

国内に持ち込まれた経緯としては、1942年に食用目的で関東地方に移入されたソウギョやハクレンの種苗にタイリクバラタナゴが混ざっていたと考えられています。その後、放流や二枚貝の移動とともに卵が運ばれるなどして、その分布域を全国に広げました。

 

琵琶湖には1960年代初頭に持ち込まれ、霞ヶ浦で養殖されたイケチョウガイに産み付けられた卵が貝とともに運び込まれた結果だと言われています。

日本の侵略的外来種ワースト100にもランクインしている

タイリクバラタナゴは、ニッポンバラタナゴと容易に交雑して遺伝子汚染を引き起こします。また、二枚貝に産卵する特徴から、在来種との間で産卵母貝の競合が起こることも確認されています。

 

そのため、ニッポンバラタナゴをはじめゼニタナゴなど在来タナゴ類が駆逐される事態が生じており、日本国内における侵略的外来種ワースト100にも数えられています。まだ特定外来生物には指定されていませんが、今後の動向次第では指定もあり得るため、保有している個体の取り扱いには十分に注意してください。

タイリクバラタナゴの釣り方

タイリクバラタナゴの釣り方

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繊細なアタリが面白いタナゴ釣り。身近なフィールドで楽しむことができるタイリクバラタナゴ釣りについて、解説していきます。

タックル・仕掛け

タイリクバラタナゴ釣りと一口に言っても釣り場は多彩なので、フィールドに合った長さの竿を用意する必要があります。岸に近いポイントを狙う場合は60~100cm程度の短竿が、湖沼などの沖を狙うときは2mまでの竿が使いやすいです。

 

また、いずれの場合もタナゴ用の竿が市販されているので、それが用意できればベストです。仕掛けについては、連動シモリ仕掛けをタナゴ用に調整した物が市販されているので、それを使用すると良いでしょう。餌は練り餌やアカムシが一般的です。

釣り方

タイリクバラタナゴは通年で釣れますが、釣りやすいのは活性が高くなる水温が高い時期です。しかし、水温が低い時期は群れていることが多いため、難易度は上がるものの数を釣ることが可能です。ポイントとしては、水草など障害物のそばや用水路などの突き当りの部分が挙げられます。

 

釣り方としては、そのようなポイントに投げ込んで待つことが基本です。また、本種は中層から上層を遊泳しているため、ウキ下の長さを調節しながら探ると良いでしょう。小型魚ゆえにアタリが繊細なので見逃さないよう注意してください。

タイリクバラタナゴの飼育方法

タイリクバラタナゴの飼育方法

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美しい魚体のタイリクバラタナゴを飼育して癒されたい方に、その飼育方法をご紹介します。

水槽・フィルター

タイリクバラタナゴは小型水槽でも飼育可能ですが、水量が少ないと環境の維持管理が難しくなるため、45cmクラス以上のサイズでの飼育を推奨します。フィルターについては、上部式や外部式の使用が基本です。

水温・水質

本種を飼育できる水温の範囲は5~30℃程度です。ただし、急激に水温が変化すると死亡する恐れがあるので注意してください。水質については中性付近を維持できれば問題ありません。飼育していると酸性側に傾いてくるため、定期的に水換えを行ってください。

レイアウト

特筆すべき点はあまりなく、比較的自由度の高いレイアウトを楽しむことが可能です。しかし雑食性であることから、葉が柔らかい水草は食べられやすい点に注意してください。また、本種は水面から飛び出すことがあるため、フタはしておいたほうが良いでしょう。

餌は市販されている川魚用の人工飼料で問題ありません。それをメインに、たまにアカムシなどの生餌や水草などの植物質の物も与えると喜びますし、栄養バランス的にも健康的な成育が望めます。食べ残しが出ないよう給餌量には注意してください。

タイリクバラタナゴを自然に放流しないで!

前述しましたが、タイリクバラタナゴは在来タナゴを駆逐する恐れがある外来種です。現在は飼育に規制などはありませんが、最後まで面倒が見切れるかどうか、よく考えてから飼育するようにしてください。

 

どうしても手放さざるを得なくなった時でも、自然の水系に放流することは絶対に避けてください。そのような時は、まずは最寄りの熱帯魚専門店などに、引き取ってもらえないかどうか相談するようにしてください。

タイリクバラタナゴは婚姻色がとっても綺麗な魚

タイリクバラタナゴは婚姻色が美しい

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タイリクバラタナゴは婚姻色がタナゴ類の中でもひときわ美しいため、温帯魚の中では観賞魚として人気があります。観賞魚を扱っている店舗であれば、ネット通販などで容易に入手できるうえに、安価かつ丈夫で飼育しやすいためアクアリウムの入門種としても適しています。しかし、その特性から在来種を駆逐する危険がある外来種であることも知っておいてください。


タイリクバラタナゴの特徴や生態とは