シイラ(マヒマヒ)の生態や料理法!刺身でも食べれるの?

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シイラはハワイではマヒマヒと呼ばれる高級魚

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分類 スズキ目スズキ亜目シイラ科シイラ属
和名 シイラ
学名 Coryphaena hippurus
分布 全世界の熱帯・温帯地域
特徴 成魚は最大で体長2m・体重40kg近くに達する。体は強く側扁して体高が高く、体表は小さな円鱗に覆われる。オスの額は成長に従って隆起する。

シイラの特徴

シイラは独特の形をした大型魚

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関東ではあまり食卓には上がらず釣魚として人気のシイラですが、どのような魚なのでしょうか。まずは、シイラの特徴や生態についてご紹介します。

名前の由来でもある平べったい体型

シイラは最大体長2m、重さ40kg程度にまで成長する大型の海水魚です。魚体は強く側扁しており、皮が硬く身が薄いです。背びれの基底はとても長く、目の上方辺りから尾柄部にかけて続きます。

 

名前の由来は、その体形にあります。大きさの割に身が少ないことが、中身のないイネの籾である「秕(しいな)」を連想させることから名付けられ、その「しいな」が「しいら」に転訛したと言われています。

大きく出っ張ったおでこが特徴的!

シイラは頭部にも大きな特徴が見られます。オスの成魚に限られますが、大きく成長するにつれて額が強く出っ張るようになるのです。特に、体長1m程度になると、体高が1番高くなる部分が額になるほどにまで出っ張ります。

 

シイラは漢字では一般的に「鱪」と表記するのですが、その特徴的な頭部から、他に 「鬼頭魚」という表記も存在します。メスの方は成長してもそのような変化は見られないので、成魚になったシイラのオス・メスの見分けは容易です。

「虹の魚」とも呼ばれる美しい魚

シイラの体色は、背側は青色で腹側は黄褐色をしており、腹側を中心に暗青色~黒色の小さな斑点が入ります。体色には個体差が見られ、背側が緑色を帯びてエメラルドグリーンに見える個体もいます。

 

また、体色はシイラの精神状態によって変化し、水揚げされた時など興奮状態になると、青色・緑色・黄色などが次々と強く発色して体色がころころと変わります。このような性質が、シイラに 「虹の魚」の異名を与えることになりました。

 

ちなみに、死後は発色が悪くなり、全体的に色落ちして黒ずんでしまいます。

シイラの生態

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シイラは世界中の海に分布しており、だいたい北緯30°から南緯30°の範囲の、温帯から熱帯域で確認されています。沿岸部から沖合までを生活の場としており、南日本では通年で見られ、夏季には北海道まで北上します。

 

水深20m程度までの表層を回遊しており、成魚は1匹でいることが多いのですが、若魚は数十~数百匹規模の群れを作ることも珍しくありません。産卵期は春から夏で、直径1.5mm前後の球形の分離浮性卵を産みます。稚魚は流れ藻などの浮遊物に集まる習性があり、これを利用した漁法も存在します。

 

シイラの成長速度は速く、生後1年で体長40cm程度、2年で約70cm、3年で約90cm、5年も経つと1mを超えます。食性は動物食性。稚魚の頃は動物プランクトンや小型甲殻類を捕食していますが、次第に魚食性が強くなり、成魚はカタクチイワシやトビウオ、イカなどを食べています。

シイラの独特な漁獲法

シイラ漬け漁業というユニークな漁法

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関東では食卓に馴染みのないシイラですが、世界中で食用として利用されており、国内においても中国・四国・九州地方においては、古くから大衆魚として消費されてきました。それに伴い、漁法も確立されており、中でも目を引くのが 「シイラ漬漁業」と呼ばれる漁獲法です。

 

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これは、前述したシイラが浮遊物に集まる性質を利用したもので、モウソウチク(孟宗竹)を束ねて作った「漬木」と呼ばれる漁具を沖合の海面に浮かべ、そこに集まったシイラを巻き網で漁獲する、という方法です。

 

伝統的な漁法で、シイラを利用してきた地域では広く行われており、現在でも特に対馬暖流が流れる日本海側で見ることが可能です。

シイラのおすすめの料理

シイラは白味魚ですが、身はやや赤みがかった色合いをしており、青魚のような風味も併せ持ちます。感覚的にはサワラに近い味です。一番の欠点は加熱するとパサつきが発生してしまうことですが、調理の際に油を加えてジューシーさをプラスすると美味しくいただけます。

 

日本での市場価値はそれほど高くありませんが、 ハワイではマヒマヒと呼ばれ、高級魚として扱われています。

シイラのムニエル

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シイラ料理の王道といえるでしょう。たっぷりのオリーブオイルで皮目からじっくり焼きましょう。ここで焼きすぎないことがポイントです。皮目をクリスピーに焼き上げ、身はふっくらと仕上げましょう。焼いた後の油を使ってソースを作るとより美味しくいただけます。

シイラのフライ

シイラはフライにしてジューシーさをプラス!

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油を足すといったら、やっぱり揚げ物です。卵と小麦粉、パン粉をふんだんに使用して、少し衣を厚めに仕上げると良いでしょう。逆に竜田揚げのように、薄い衣の揚げ物にしてしまうとパサつきが目立って美味しくなくなってしまいます。

その他おすすめ料理

他に油を追加するおすすめシイラレシピはアヒージョです。もっともおしゃれな調理方法です。もしくはパサつきを逆手にとって燻製にするのも面白いかもしれません。

シイラは刺身で食べてもOK?

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加熱調理するとパサつくシイラですが、刺身で食べると生のもっちり感が味わえて美味しくいただけます。普通に刺身にしても良いですが、なめろうやカルパッチョ、漬けなどにしても楽しめます。

 

変わり種として、濃いめの味付けのドレッシング(ピエトロドレッシングなど)で漬けにしてもgoodです。

シイラを刺身で食べる際の注意点

シイラを刺身で食べる時には要注意!

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まずは 寄生虫アニサキスです。フィッシュイーターなので逃れられない障壁ですが、釣ってすぐに内臓を除去することでリスクを軽減することができます。

 

アニサキスの危険性についてはどんな魚でも同じですが、シイラ特有の注意点があります。それは皮についている 腸炎ビブリオ菌です。シイラを含む南方寄りの回遊魚では、表皮の腸炎ビブリオ菌の数が多くなるそうです。また、 シイラの表皮を覆う粘液には毒性もあるとのことです。

 

これらの回避方法は①調理前に体表面を真水(水道水)でしっかり洗うこと、②サク取りするときは、まな板を変える・よく洗ってから使うことです。

 

あとは、青魚なども共通する赤身がかった魚での注意点として、 ヒスタミン中毒が考えられます。これは魚の死後、温度が上がると生成されてしまう毒素ですので、釣った後は多めの氷でしっかり冷やして持ち帰りましょう。

シイラの釣り方

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獰猛なフィッシュイーターであるシイラはルアーで簡単に狙うことができます。シーズンは夏場が最盛期です。メタルジグ、ソルトペンシルなどが有効で、表層付近で比較的早いアクションをすると反応が良いです。

 

なかには大型のシイラ専門の仕立て船もあります。よく飛び跳ねる性質がありますので大迫力のファイトが楽しめます。水中を泳いでいるときは青みがかった魚体ですが、釣り上げた直後は興奮して体表が鮮やかな黄色に染まり、非常に綺麗です。

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2024年5月18日

あの有名な小説にも登場

シイラはあの有名な小説にも登場

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ヘミングウェイの老人と海という小説の中で、「Dolphin」と呼ばれる魚が登場するシーンがあります。

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日本で老人と海が発売された際に、この「Dolphin」はイルカと翻訳されて出版されたのですが、実はこれはシイラ(英名Dolphinfish)のことだったのです。後に間違いが指摘され、シイラと訂正翻訳されたそうです。

シイラは美味しい大型回遊魚!

シイラは釣っても楽しい食べても美味しい大型回遊魚

シイラは世界中の暖かい海に分布しており、広く食用として利用されています。日本の市場ではあまり人気がないため安価で取引されていますが、ハワイではマヒマヒと呼ばれ高級魚として扱われています。

 

特に関東では、その強い引きからもっぱら釣りのターゲットとして人気のシイラですが、南日本を中心に普通に食べられている魚で、美味しいレシピも数多くあります。ぜひ、釣りだけでなく食の面でもシイラを楽しんでみてください。