カマスの旬や見分け方は?干物が絶品の美味しい大衆魚!

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カマスの生態や特徴は?

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分類 スズキ目カマス科カマス属
和名 アカカマス、ヤマトカマス
学名 Sphyraena pinguis(アカカマス)、Sphyraena japonica(ヤマトカマス) 
分布 日本各地の沿岸(アカカマス)、新潟~九州の日本海沿岸・北海道~九州の太平洋沿岸(ヤマトカマス)
特徴 細長い円筒状の体形。くちばし状の大きな口をもち、鋭い歯が並ぶ。

カマスってどんな魚?

カマスはスズキ目カマス科カマス属の海水魚の総称で、 標準和名カマスという魚はいません。本記事では、カマス属の中でも流通量が多いアカカマスとヤマトカマスに焦点を当てて解説していきます。

カマスの分布(生息域)

カマスは日本各地の沿岸域に生息

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カマスは温暖な海を好むため、関東以南で個体数が多くなります。東シナ海、南シナ海、オーストラリアやアフリカまで、温暖な海なら世界中に分布しています。

 

アカカマスは北海道から九州沿岸の日本海、太平洋、瀬戸内海などに分布しています。ヤマトカマスは新潟以南の日本海や、太平洋側の九州にかけての沿岸に分布しています。いずれも比較的浅場に生息していますが、アカカマスは大型になると水深100m以上の深い場所に移動します。

カマスの生態

カマスは大群で回遊する魚

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ヤマトカマスやアカカマスは6~7月ごろに産卵します。卵は海中にばらまかれて漂いますが、孵化した稚魚は餌が豊富な沿岸の藻場などに集まり成長します。

 

群れをなす習性が強く、成魚になるとイワシやイカナゴ、キビナゴなどの群れを追って、沿岸を回遊するようになります。アカカマスは40cm程度、ヤマトカマスは最大で60cmになります。

カマスの旬はいつ?

アカカマスの旬は年2回

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アカカマスの旬は、年に2回あることで知られています。1回目は、産卵の前に栄養を蓄えている春に訪れます。その後、産卵期を経ると痩せて食味も落ちてしまうのですが、すぐに体力を回復させるとともに脂乗りも復活し、10~12月頃には2回目の旬を迎えます。

 

対して、ヤマトカマスの方は1回で、旬を迎えるのは産卵からしばらく経った8~10月頃です。

カマス小話

カマスは古くから利用されてきた身近な魚なので、カマスが登場する諺も存在します。ここでは、カマスの名前の由来や諺などをご紹介します。

カマスの名前の由来

カマスの名前の由来とは?

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カマスは漢字で「魳・梭子魚」などと表記しますが、名前の由来は「叺(かます)」にあります。叺とは、主に敷物として利用されてきた藁で編んだ筵(むしろ)を2つ折りにし、その両端を編んで袋状にした物で、昔は物資の運搬などによく使われていました。

 

カマスは大きな口を持つ獰猛なフィッシュイーターですが、その大きな口が袋の叺を連想させることから、そう名付けられたと言われています。

カマスにまつわる諺

カマスにまつわる諺がある?

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秋カマスは嫁に食わすな

これは、「旬を迎えた秋のカマスは美味しいので嫁には食べさせるな」という意味で、姑の目線から見たお嫁さんに意地悪をする言葉です。

 

似た諺に、「秋茄子は嫁に食わすな」というものがありますが、こちらはお嫁さんに対する思いやりの意味も含まれています。しかし、カマスの方は茄子とは違い、もっぱら嫁いびりの意味に使われます。

 

カマスの焼き食い一升飯

これは広島地方の諺で、「焼いたカマスがあればご飯が一升は食べられる」という意味です。「焼き食い」とは浜などで網を引いて、網から飛び出て跳ねている魚を焼いて食べることを指し、新鮮なカマスの食味の良さを表現した言葉になっています。

 

カマス一尾、底千尾

この諺は、カマスが群泳する性質を持つことを表現した言葉で、「一尾のカマスが釣れれば、その下にはカマスの大群がいる」という意味です。文字通り千匹ものカマスがいるわけではありませんが、大量のカマスが群れていることを、昔の人も経験則的に知っていたのでしょう。

かますご(カマスゴ)はカマスじゃない!?

カマスゴはイカナゴの別名

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揚げたり焼いたりして賞味される「かますご」は「カマスの子」という意味ですが、本当はカマスの子ではありません。関西などでイカナゴの成魚のことを指します。姿形がカマスに似ているので、かますごと呼ばれたようですが、釘煮などにされるコウナゴ(小女子)が成長したものです。

カマスの種類

カマス科の魚は世界中で29種類ほどが知られており、日本近海では9種類が生息しています。下に代表的な種類についてご紹介していきます。

アカカマス

アカカマスは別名「本カマス」

撮影:FISH PARADISE!編集部

「本カマス」とも呼ばれており、国内においては食用として最も多く市場に流通している種類です。後述するヤマトカマスと姿が似ていますが、見分けの主なポイントには、腹びれと背びれの位置関係と体色が挙げられます。

 

まず、ひれの位置ですが、本種の第1背びれは腹びれよりも後方に付いているのに対し、ヤマトカマスはほぼ同じ位置から始まります。次に、体色については、本種は名前の通り、やや赤色を帯びる特徴を有します。

ヤマトカマス

アカカマスと同様に食用として広く利用されている種類です。ただ、本種の方は身にやや水分が多いので 「ミズカマス」とも呼ばれており、干物などの加工品にされることが多いです。

 

上記、アカカマスと姿形が似ていますが、その他の見分けのポイントとして、体長や鱗の大きさなども参考になります。本種は最大でも40cmに満たないことが普通ですが、アカカマスは体長40~50cmに達し、本種よりも大きくなります。また、鱗は本種の方が小さくキメが細かいです。

オニカマス(バラクーダ)

バラクーダはドクカマスとも呼ばれるシガテラ毒魚

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最大で体長1.5~2mにも達する、カマス科最大級の種です。東太平洋を除く熱帯域の海に広く分布しており、国内では主に沖縄県で見られます。体色は銀白色を基調に、背側のみに暗色の縞模様が入り、尾びれは黒色に染まります。

 

英名では「バラクーダ」と言い、その引きの強さから釣魚として人気を博しています。本種は シガテラ毒を持つことで知られているため、食用としてはあまり利用されていません。「ドクカマス」という別名を持つほどで、特に大型の個体ほど注意が必要です。

オオメカマス

最大で70cm前後に達する、やや大型の種類です。西太平洋~インド洋にかけて分布しており、国内では南日本に多いです。本種はアカカマスなどに混ざって漁獲されていますが、特にアカカマスと姿が似ており見分けが困難であるため、市場では区別されずに取引されています。

 

他種との差異は、主に胸びれの付け根と鰓耙(さいは)に現れます。まずは、胸びれの付け根ですが、本種にはアカカマスなどには見らない、黒色の斑点が入る特徴があります。次に、鰓耙についてですが、本種の鰓耙は小さい棘を持ったコブ状をしていることから、他のカマス類との見分けが可能です。

カマスのおすすめレシピは?

旬のカマスは脂が乗り非常に美味しい魚ですが、どのようにして食べられているのでしょうか。ここではカマスの美味しい食べ方についてご紹介していきたいと思います。

カマスの干物

カマスの干物は絶品!

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カマスと言えば干物が有名です。干物にすることで、アカカマスはもちろんのことヤマトカマスもより美味しく食べられるようになります。ヤマトカマスの欠点である水分の多さが、干物にすることで解決するからです。

 

余計な水分が抜けて旨味が濃縮され、さらには干物を焼くことで、皮目の独特な風味が引き立つようになり非常に美味です。

カマスの刺身

新鮮なカマスは刺身でも

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カマスは干物が有名ですが、新鮮なものは刺身もいけます。三枚におろして小骨を抜いたサクに熱湯をかけて霜降りにし、1cmほどの幅で皮ごと引きます。皮の風味がポイントです。

カマスのフライ

カマスのフライもジューシーで美味しい

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カマスのフライも美味しい食べ方です。刺身に引く前のサクを一口大に切り、塩・胡椒をしてからコーンスターチをまぶすか、パン粉をまぶして揚げます。カレー粉などでスパイシーな下味をつけてもよく合います。

カマスの塩焼き

カマスは塩焼きも外せない

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カマスの身は水分が多いので、そのまま焼くと「焼き」ではなく「煮え」になってしまいます。焼く前に皮に切れ目を入れて塩を振り、1時間以上放置して水を抜くのがコツです。身が締まり味も濃くなります。

カマスの釣り方

釣りのターゲットとしても面白いカマス

撮影:FISH PARADISE!編集部

カマスは高速でダッシュするのでヒットの後のファイトはかなり面白く、釣魚として申し分ありません。潮通しの良い防波堤などが良いポイントになります。

 

カマスは魚食性の強い魚なので、小型のメタルジグやミノー、ジグサビキ仕掛けなどが効果的です。アジング用などのライトゲームタックルだと引きを十分に楽しむことができます。ライトショアジギングタックルも流用することができます。

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2017年10月15日

干物がおすすめ!カマスは美味しい大衆魚

カマスは美味しい大衆魚

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カマスは国内の沿岸部で広く見られ、古くから食用に利用されてきた身近な魚です。大衆魚でありながら、その味は高級魚にも劣らないと言われ珍重されており、特に干物は有名で全国的に流通しています。

 

市場などではカマスと一緒くたにされていますが、実は複数種が存在しており、国内で主に流通しているのはアカカマスとヤマトカマスの2種です。どちらも旬のものは非常に美味しいので、ぜひ食べてみてください。


カマスの生態や特徴は?