テッポウウオは飼育可能?狙撃能力がスゴイ熱帯魚!




アイキャッチ画像撮影:FISH PARADISE!編集部

テッポウウオとは

その独特な生態から、水族館や映像作品で知っている方も多いと思いますが、どのような魚なのでしょうか。まずは特徴などをご紹介しましょう。

特徴

テッポウウオの特徴

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テッポウウオはスズキ目テッポウウオ科に属する魚の総称で、テッポウウオ科には7種が属しています。国内で単にテッポウウオと呼称しているのは「Toxotes jaculatrix」と呼ばれる品種で、英名の(バンデッド)アーチャーフィッシュという名前で販売されていることもあります。体は強く側扁し銀白色の体色を基調に、暗色の斑点が入ることが特徴です。

分布

テッポウウオはマングローブに住む

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テッポウウオの生息地は、インド東部やスリランカから東南アジアのソロモン諸島まで幅広いです。日本の西表島でも1980年に生息が確認されたのと同時に、日本に分布している唯一の品種です。汽水域に生息し、特に東南アジアのマングローブ林でよく見られます。

生態

テッポウウオの習性

撮影:FISH PARADISE!編集部

テッポウウオ最大の特徴は、その名前の由来にもなっている捕食行動でしょう。口に含んだ水を発射して水辺にいる昆虫類を撃ち落として捕食する習性が知られています。水鉄砲は必ず行う捕食行動ではなく、水面近くの獲物であれば飛び出して直接捕食することもあり、小魚や小型の甲殻類も捕食しています。

流通量と価格相場

テッポウウオは東南アジアから定期的に輸入されているので流通量は少なくありません。熱帯魚専門店やネット通販などで販売されており入手も容易です。相場としては千円前後で販売されていることが多いようです。

テッポウウオに適した飼育環境

汽水を好む性質があるので、水質の管理はやや煩雑かもしれません。

水温・水質

テッポウウオを飼育できる水温は22~28℃です。温度の許容範囲が広いですが、低温では「白点病」が出やすいので年間を通して25℃以上に保温した方が良いでしょう。

 

野生では汽水域に生息していることもあり、水質はpH7.0~8.6の中性から弱アルカリ性を好みます。塩分があった方が長生きする傾向にありますが、完全淡水でも一応、飼育可能です。購入時にどのような水質で管理していたか問い合わせ、水槽導入時に水合わせをしっかりと行ってください。

 

人工海水については、下記リンク先をご参照ください。

あわせて読む:  人工海水おすすめ9選と作り方!安全・健康な飼育水を作ろう!

水槽サイズ・フィルター

テッポウウオの成魚は体長20cmほどになるので、飼育には60cmクラスの水槽がおすすめです。これは、弱アルカリ性を好むのに対して、食性の関係から酸性に偏りやすいので、水質維持のために十分な水量を確保する意味もあります。テッポウウオは肉食魚で水が汚れやすいので、フィルターはろ過能力が高い上部式や外部式の導入を推奨します。

底床材

前述したようにテッポウウオは弱アルカリ性の水質を好みます。よって、底砂は水質をアルカリ性へと傾ける効果がある珪砂やサンゴ砂を使用すると良いでしょう。飼育中の水槽水の酸性化も緩和できるので適した飼育環境の維持が容易になります。

水槽レイアウト

テッポウウオは水面近くを遊泳するので、上層を空けておけば問題ありません。ただし、少量の流木や浮遊性の水草をレイアウトすることはおすすめできます。なぜなら、その流木などに餌用コオロギなどを配置すれば、水鉄砲で撃ち落として捕食する様子を観察できるからです。

 

その場合、流木は水質の酸性化を防ぐためにアク抜きをしっかりと行い、水草は塩分耐性が強いものを選ぶと良いでしょう。また、テッポウウオは飛び出しによる事故が多いことに加え、発射した水で周囲が水浸しになることがあるので、フタはしっかりと閉めてください。

テッポウウオの餌

テッポウウオは肉食性なので、アカムシやクリルなどの生餌を好んで食べます。餌付け次第では、肉食魚用の人工飼料も食べるようになります。テッポウウオは水面近くを泳ぐ魚なので、餌は浮上性のものを与えると良いでしょう。餌は1日に1~2回、食べ残さない程度の量を与えます。食べ残しが生じると水質の悪化が早くなるので、残した餌は取り除いてください。

テッポウウオの混泳相性

テッポウウオはやや気難しい魚なので、混泳には注意が必要です。

同種・近縁種との混泳相性

テッポウウオは同種・近縁種との混泳は推奨できません。縄張り意識が強く、同種とは喧嘩する傾向が強いからです。縄張りが重ならないほど十分な飼育スペースを確保できれば混泳は可能ですが、最低でも90cmクラスの水槽が必要になります。このクラスの水槽は費用・労力の面から手軽に維持できる大きさではないので、基本的には同種・近縁種との混泳は避けた方が良いでしょう。

他種との混泳相性

他種との混泳相性も基本的には良くないです。まず、テッポウウオは魚食性を持つので、小型の魚種は捕食されてしまう点に注意してください。加えて、エビ類など小型の甲殻類も捕食対象となるので混泳できません。もちろん、テッポウウオを攻撃してくるような気性の荒い魚種とも混泳は不可です。

 

さらに、テッポウウオは弱アルカリ性の汽水を好むことも他種との混泳を難しくしています。以上のことから混泳させる他種は、遊泳層が重ならないかつテッポウウオと同等かそれ以上のサイズの魚種に限られます。例としては、汽水域に生息しているハゼ類とは混泳が成功しやすいようです。

テッポウウオの繁殖

テッポウウオは見た目で雌雄が判別できず、同種での混泳相性も悪いことから個人での繁殖例はほとんど確認されていません。産卵期は4~5月といわれていますが、繁殖のトリガーなど不明な点も多く、個人で揃えられる設備での繁殖は現状できないものと考えた方が良いでしょう。

テッポウウオの病気

テッポウウオの飼育において気を付けるべき病気は、一般的な熱帯魚と同様で「白点病」です。水質や水温が適正範囲から外れたり急激に変化することで、テッポウウオの免疫力が低下すると発症リスクが高くなります。原因は白点虫に寄生されることで、症状としては全身に白い斑点が現れ、体を周囲に擦りつけるようにして泳ぐことが挙げられます。治療法としては、白点虫の活動が鈍くなる30℃前後にまで水温を上げつつ、「グリーンFゴールド」などの薬品を用いて薬浴させましょう。

 

ユニークな生態を持つ水中のスナイパー、テッポウウオ!

テッポウウオを飼育してみよう

出典:写真AC

テッポウウオは水鉄砲で獲物を撃ち落として捕食するという、唯一無二の生態を持ちます。汽水を好み長生きさせようと思うと人工海水が必要なので、水槽水の面で煩わしさもありますが非常に見ごたえのある熱帯魚です。一風変わった魚を飼いたいとお思いの方は、テッポウウオを飼育してみてはいかがでしょうか。

テッポウウオの飼育は難しい?