イサキは美味しい磯魚の代表格!おすすめレシピも合わせてチェック!

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イサキは夏が美味しい人気魚

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分類 スズキ目イサキ科イサキ属
和名 イサキ
学名  Parapristipoma trilineatum
分布 新潟県~九州の日本海・東シナ海沿岸、宮城県~九州の太平洋沿岸、瀬戸内海
特徴 楕円形の体形で側扁する。背中に濃い褐色の縦縞模様がある。体長40㎝ほどに成長する。

イサキとは

イサキは関東から西側の地域では、磯魚の代表格とも言える魚種です。まずは、イサキの分類や生態などについてご紹介します。

分類

イサキってどんな魚?

撮影:FISH PARADISE!編集部

イサキはスズキ目スズキ亜目イサキ科に分類されている海水魚の1種です。体長は40~50cmに達し、魚体は側扁しており大きい目を持っています。成魚の体色は背側が褐色から暗灰色で、腹側は銀色です。なお、イサキは1種で1属を形成しており、それ程近い種は存在しません。詳しくは後述しますが、アカイサキやシマイサキなどイサキと名がつく種類とも遠縁で、体色や魚体のフォルムが明らかに異なるので他種との見分けは容易です。

生態

イサキは沿岸の磯や岩礁帯に生息

出典:Unsplash

イサキは、国内では新潟県以南の日本海側と宮城県以南の太平洋側の沿岸部に、国外では朝鮮半島南部から中国、台湾にかけての沿岸部に分布しています。比較的浅い場所を好み、水深数mから100m前後までの、外洋に面した磯や沿岸の岩礁帯に生息しています。産卵期は5~9月頃で、海藻帯で分離浮性卵を産卵します。稚魚は浅場の海藻帯で群れを作って生活し、成長するにつれて磯や岩礁帯へ移動します。成魚は日中は海底付近に身を潜め、夜になると海面近くまで上がってきて餌を摂る夜行性です。食性は肉食性で、小魚や甲殻類、多毛類などを捕食しています。

名前の由来

イサキは漢字で鶏魚とも

撮影:FISH PARADISE!編集部

イサキは漢字で「伊佐木」や「伊佐幾」、「鶏魚」と表記します。名前の由来は諸説ありますが、斑紋を表す「いさ(班)」と魚を表す「き(魚)」で「イサキ」と命名された説や、磯(いそ)に住む魚(き)で「いそき」が転じて「イサキ」になった説が有名です。また、「鶏魚」に関しては、背ビレの形が鶏のトサカに似ていることから来ています。

イサキの旬はいつ?

イサキの旬は夏

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イサキの旬は晩春から夏にかけてです。この時期は産卵期と重なるためか、身に脂が乗っていて大変美味しくなると知られています。逆に、産卵期を過ぎると脂の乗りが悪くなり、極端に味が落ちます。美味しい魚の見分け方の一般的な方法として、目の濁り具合が挙げられますが、イサキは鮮度にかかわらず目が濁るので、この方法は使えません。イサキを選ぶ際は、痩せた感じがせずに身がしっかりと付いて丸みがあるものや身に張りがあるもの、エラの赤味が強いものを選ぶと良いでしょう。

 

イサキのおすすめ料理(レシピ)

旬のイサキは脂が乗っていて大変美味しい白身の魚です。白身魚ゆえに様々な調理法と相性が良く、レシピのバリエーションも豊富です。ここでは、イサキを使った代表的な料理をご紹介します。

刺身

イサキの刺身は脂がのってて美味しい!

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旬のイサキで新鮮なものは刺身で食べるのがおすすめです。旬のイサキは身に均質に脂が乗っており、イサキ本来の甘味と旨味を楽しめます。皮を引いた刺身の他に、皮と身の間にも旨味があるので皮を残して軽く湯がいた皮霜造りや、皮を軽く炙った焼き霜造りにしても大変に美味です。

塩焼き

旬のイサキは塩焼きも最高

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大きいものは切り身にし、小ぶりのものは鱗・エラ・内臓を除去したうえで、飾り包丁を入れて焼き上げます。焼く前には身を水洗いした後に、塩を振って1時間ほど置いて味をなじませておくと良いでしょう。イサキは焼くと、適度に身が締まって歯ごたえと身離れが良くなるうえに、独特の風味が出て大変美味しく食べられます。

煮つけ

イサキは煮つけにもぴったり

出典:写真AC

イサキの鱗・エラ・内臓を取り除いて大きいものは切り身に、小さいものは身の厚い場所に飾り包丁を入れ、酒・醤油・みりんで煮込みます。イサキの適度に弾力がある身に味が染み込んで、大変に美味です。他にも、酒と塩だけであっさりとした味付けにしても、イサキのアラから出る出汁の旨味を楽しめます。

アクアパッツァ

イサキは貝類・甲殻類と一緒にアクアパッツァにも

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イサキは鱗・エラ・内臓を取り除いた後によく水洗いをして水分を取り、魚体の両面に飾り包丁を入れて塩コショウを振っておきます。オリーブオイルを敷いたフライパンにセージなどのハーブ類、ニンニク、ドライトマトを入れて炒め、そこに下ごしらえしたイサキを入れて両面をよく焼きます。イサキの両面に焼き色が付いたら、アサリなどのお好みの貝類と水を入れて煮込み、貝類の口が開くまで加熱すれば完成です。イサキのフワフワとした身にトマトの酸味が良く合い、ニンニクとハーブの香りがアクセントになって美味しくいただけます。

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潮汁

イサキのあらは潮汁で活用しよう

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イサキはアラからも良い出汁が取れるので、刺身などにして残ったアラは潮汁や味噌汁に利用するのがおすすめです。アラは一度、軽く湯通ししてから冷水を張ったボールなどに入れ、鱗などを取り除いておきます。その後は、鍋で昆布出汁などで煮だして、酒と塩で味を調えれば完成です。お好みでネギなどを入れても良いでしょう。

イサキの釣り方

イサキを釣って食べよう!

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イサキは年間を通して狙えますが、産卵のために群れを成す初夏が最盛期です。釣り方としては、沖合で船からコマセを使用したビシ釣りが一般的ですが、場所によっては岸からのカゴ釣りでも狙えます。沖釣りの場合はロッドは2m前後、リールは小~中型の両軸受けタイプのものがおすすめです。ラインはPE2~4号、仕掛けは50~80号のコマセビシを用います。カゴ釣りの場合のロッドは5m強の遠投用の磯竿が、リールは中型のスピニングリールがおすすめです。ラインはナイロン5号、カゴは5~6号の天秤カゴを使用すると良いでしょう。餌についてはいずれの場合もオキアミで問題ありません。

 

イサキの子供はかわいい縞模様

イサキの幼魚は可愛い縞模様

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イサキは幼魚と成魚で体色や模様が大きく異なります。幼魚の頃は、背中側に明るい褐色の線が3本入り、その模様がイノシシの子供に似ていることから「ウリボウ」と呼ばれています。この模様は体長20~30cm弱までの幼魚に見られ、体長30cm前後に達すると次第に消失します。ウリボウも小型ながら、旬の時期には身にしっかりと脂が乗るので、刺身などで美味しく食べることが可能です。

イサキだけどイサキじゃない魚たち!?

魚の中には名前にイサキと付きますが、分類上はイサキの仲間に含まれない魚種が存在します。ここでは、そんな「イサキだけどイサキじゃない魚」をご紹介します。

シマイサキ

シマイサキは縞模様が特徴的

作成:FISH PARADISE!編集部

シマイサキはスズキ目スズキ亜目シマイサキ科シマイサキ属に分類されています。体長は30cm程度で、イサキと比較すると口吻が突出しており、魚体に黒色の縞模様が多数入ることが特徴です。浅い内湾に生息しており、身に危険を感じると浮き袋を使って音を出すユニークな生態を持ちます。食べられますが、地域的なもので流通に乗ることは希です。

アカイサキ

アカイサキは鮮やかなカラーリング

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アカイサキはスズキ目スズキ亜目ハタ科ハナダイ亜科アカイサキ属に分類されています。体長は40cmほどで、名前の通り体色は赤色が基調で、ところどころに黄色の筋模様が入り、イサキと比較するとかなり派手な魚です。「雌性先熟」と呼ばれる繁殖形態を持ち、最初は皆メスとして生まれ、ある程度大きく成長するとオスに性転換します。

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テンジクイサキ

テンジクイサキはイサキに似ている?

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テンジクイサキはスズキ目スズキ亜目イスズミ科イスズミ属に分類されています。体長は50cm程度に達し、魚体は楕円形に近く、体色は全身が黒色を帯びます。波が荒く浅い岩礁帯に生息しており、メジナ釣りの外道としてかかることが多い魚です。食用にもなりますが、地域的なもので全国の流通に乗ることはあまりありません。

初夏を告げる魚イサキを楽しもう!

イサキを美味しく頂こう!

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イサキは関東以西では磯魚の代表格として知られており、特に長崎では「初夏を告げる魚」として親しまれています。釣魚としても人気の魚種で、夏場は繁殖のために群れを作るので、磯場からでも大漁が狙える点も魅力です。夏季は同時に旬の時期でもあるので、釣り上げたイサキは美味しく食べることも可能です。皆さんもぜひ、釣りに料理にイサキを楽しんでみてください。

イサキは夏が美味しい人気魚