ビワコオオナマズの生態と釣り方!日本最大のナマズの魅力とは

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アイキャッチ画像出典:Wikipedia

ビワコオオナマズを釣ろう!

 

分類 ナマズ目ナマズ科ナマズ属
和名 ビワコオオナマズ
学名  Silurus biwaensis
分布 琵琶湖・淀川水系
特徴 頭部が長く、下顎が長く突き出す。尾びれは二又に分かれ、上葉が下葉葉より長い。

ビワコオオナマズの特徴

名前の通り、体長1.0~1.2mほどにまで成長する大型のナマズで、琵琶湖と淀川水系にのみ分布している固有種です。フォルムに関しては、平たい大きな頭部に対して体側は側扁している、ナマズ類によく見られる姿形をしていますが、本種はそれに加えて頭部が伸長して下顎が突出する特徴が有るため、細長い印象を受けます。

 

幼魚期には6本の口ヒゲがありますが、成長するにつれて消失し、成魚になると4本にまで減少します。体色は全体的に光沢が見られ、背側は黒色で腹側は白色です。食性は肉食性で、アユやゲンゴロウブナ、ビワマスに加え、オオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなどの小~中型魚を主に捕食しています。本種は生息水系において、食物連鎖のトップに君臨する大型魚です。

ビワコオオナマズの生態

水草が繁茂している礫底や泥底を好んで生息していますが、琵琶湖に生息する成魚は水深70m程度までの深場に移動することも分かっています。他のナマズ類と同様に、昼間は物陰に身を隠し、夜になると活動する夜行性です。

 

産卵期は5~8月の間で、大雨後の増水時に浅場の砂礫底で行われます。産卵行動は夜更けから明け方にかけて行われ、産卵場に10~50匹ほどの群れが集まってオスとメスがペアを作り、オスがメスに巻き付いて産卵します。卵は砂礫に付着した後、水温約22℃の環境において50時間ほどで孵化します。

 

本種は成長速度が速く、1年で体長約20cm、2年で約60cmにまで達し、5~6年を経過する頃には1mを超える個体も現れます。性成熟までの期間はオスが推定2年、メスで推定3年です。寿命は長く、自然下でも20年以上生きる個体も居ると言われています。

ビワコオオナマズは貴重な魚?

ビワコオオナマズは環境省のレッドデータブックにこそ掲載されていませんが、分布域がごく限られた希少な魚であることは間違いありません。現に、大阪府のレッドリスト2014では「準絶滅危惧」に、京都府レッドデータブック2015では「要注目種」に、滋賀県版レッドリストでは「希少種」として指定されています。食味があまり良くないため漁業者が狙うことは普通ありませんが、生息水系で減少傾向にあるので、釣りではリリースするなど大事に扱ってあげてください。

 

ビワコオオナマズの釣り

ビワコオオナマズは、その巨体から強い引きが楽しめるので釣魚として人気です。ここでは、ビワコオオナマズの釣りに関してご紹介します。

日本三大怪魚として知られるビワコオオナマズ

日本には4種類のナマズが生息していますが、ビワコオオナマズは最も大きくなる種類です。体長1mを超えることも珍しくないことから、北海道に分布する「イトウ」や主に高知県・宮城県に分布している「アカメ」と共に「日本三大怪魚」に数えられています。ちなみに、1mを超えるほど大きく成長する個体はほとんどがメスで、オスがそれほどまでに大きくなることは希です。

時期

釣期は4~11月頃までです。水温が低下する冬季はビワコオオナマズの活性も低下し、湖底などでほとんど動かなくなるので釣るのは至難の業です。また、時間帯にも注意が必要で、先に述べた通り夜行性であるため、日没後が狙い目です。ただし、悪天時はその限りではなく、日中から活動している個体も居るので、日没前に釣ることも可能です。

ポイント

琵琶湖でのポイントは水深5m程度までの浅場で、水草が茂っているような場所です。このような場所には餌となる小魚が多く居るため、ビワコオオナマズはそれらを狙って移動してくるのです。河川では堰堤下の落ち込みや淵など、やはり小魚が居そうな所がポイントです。

タックル・ルアー

ビワコオオナマズはその大きさから引きが強いため、ロッドは7~9ft程度のバスロッドやショアジギングロッドの強力な物が必要です。また、キャスト数が多くなりがちなので、キャスティング性が良好なロッドがおすすめです。ラインはPEラインの5号ほどの太く丈夫な物が良いでしょう。強度が足りずラインが切れてしまうと針やルアーが口元に残り、貴重なビワコオオナマズの死亡原因になるので注意してください。リールもドラグが効く強力な物が必要で、最大ドラグ力7kg前後のベイトリールの使用をおすすめします。魚食性が強いため、ルアーはブルーギルなどを模したミノーの使用が一般的です。

釣り方

ビワコオオナマズを釣る際のポイントは前述の通りですが、琵琶湖は広大であるがゆえにポイントを絞りにくいため、河川の方が釣りやすいと言われています。また、本種は視力は弱いのですが音には敏感なので、いずれの場合もアプローチの際は足音に注意し、ルアーを投げ込んだら少し下がってアタリを待つと良いでしょう。

 

本種の場合、アタリが出てもすぐにはアワセをせず(まだ咥えているだけでそこに針がない可能性があるため)、2~3秒待って飲み込んでから大きくアワセを入れましょう。フッキングしたら、引きが強い時はある程度ラインを出しますが、基本的にはロッドを立てたままリールを巻いて引き寄せます。特に、PEラインの場合はテンションが緩むとバレやすくなるので注意してください。ランディングの際はネットがあった方が良いです。本種は後退しようとする力も強いので、最後まで気を抜かないようにしてください。

ビワコオオナマズの飼育

ビワコオオナマズは少ないながらも流通しており、通販などでも取り扱われています。ただ、飼育するためにはかなり大きな設備が要求されるので注意してください。

水槽・フィルター

終生飼育するために必要な水槽のサイズは、幅1.8m、奥行き90cm以上が目安です。そして、水面から飛び出す力が強いので、水槽にしっかりと固定できるフタは必ず用意しておきましょう。水槽ならびにフタの材質は、割れにくいアクリルがおすすめです。

 

フィルターに関しては、本種は動物質の物をたくさん食べるがゆえに水質の悪化が速いため、なるべく強力な形式の導入が望ましいです。具体的には、上部式や外部式が推奨され、両者を組み合わせて使用することも効果的です。予算が許すようでしたら、オーバーフロー水槽の導入も視野に入ります。

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水温・水質

日本で越冬できているので、温調機器がなくとも生存自体は可能です。しかし、高温には比較的弱く、15℃を下回る低温では活性が低くなって病気のリスクが上昇するため、年間を通して20~26℃程度に保温すると良いでしょう。

 

水質についてはうるさくなく、中性付近を保つようにすれば問題ありません。飼育していると一般的に水質は酸性に傾いていくので、定期的に水換えをして水質の維持をしてください。使用する水は水道水で問題ありませんが、カルキが残っているとエラを傷付けてしまうため、カルキ抜き剤などを使用して除去しておきましょう。

レイアウト

前述の通り、ビワコオオナマズは水を汚しやすいので、小まめなメンテナンスが求められます。そのため、底には何も敷かないベアタンクでの飼育が基本です。ただし、野生では日中は物陰に身を潜めているため、同種が入れる大きさの塩ビ管など、シェルターになる物を入れておくと良いでしょう。石組みレイアウトなどは遊泳の際に崩される可能性が高いので非推奨です。水草を入れたい場合は、遊泳の邪魔になりにくい浮草タイプがおすすめです。

ビワコオオナマズは肉食なので、餌は生餌を好みます。しかし、生餌は一般的に高価で鮮度の管理が煩雑なため、人工飼料への餌付けを行っておくと良いでしょう。人工飼料をメインに与え、たまに生餌も与えるようにすれば、飽きて食べなくなることを防止できますし、栄養価的にも健康的な成育が望めます。

 

人工飼料の種類としては、「キャット」や「カーニバル」など肉食魚用に配合された物が、同じく生餌は「小赤」や「メダカ」、「スジエビ」などが挙げられます。与え方は、1日に2回程度に分けて、それぞれ食べ残しが出ないだけの分量を与えます。食べ残しは水の汚れの主原因になるので注意してください。

 

ビワコオオナマズを見たいなら、琵琶湖博物館へ!

ビワコオオナマズを一目で良いので見てみたい、という方は琵琶湖博物館(びわ博)に足を運んでみてはいかがでしょうか。同博物館は、滋賀県草津市下物町に位置する県立博物館で、「湖と人間」をテーマに様々な展示がされています。中には、トンネル水槽を擁する水族展示室もあり、まるで琵琶湖の水底を歩いているかのような体験も可能です。その水槽では、ビワコオオナマズも飼育されているので目にすることが可能で、他にも琵琶湖にしか生息していない「ビワマス」なども見られます。

【滋賀県立琵琶湖博物館】

住所:〒525-0001 滋賀県草津市下物町1091

開館時間:9:30-17:00(最終入館 16:30)

休館日:毎週月曜日

電話番号:077-568-4811

ビワコオオナマズは日本三大怪魚に数えられる大型魚!

ビワコオオナマズは「イトウ」・「アカメ」と並んで、日本三大怪魚に数えられている、日本最大のナマズです。体長1mを超える個体も珍しくない大型魚で、その大きさから釣魚として人気があります。分布域はごく限られており、琵琶湖と淀川水系にのみ生息している固有種で、環境省のレッドリストには掲載されていませんが、分布域の自治体ではいずれも希少な種として扱われています。そのため、釣りや飼育に関して規制はありませんが、大事にしたい魚種であることは確かです。

ビワコオオナマズを釣ろう!