アイキャッチ画像撮影:FISH PARADISE!編集部
分類 | コイ目コイ科ハクレン属 |
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和名 | ハクレン |
学名 | Hypophthalmichthys molitrix |
分布 | シベリア東部から中国にかけての河川、日本では利根川・霞が浦など |
特徴 | 銀白色の体色を持つ、目は口のやや下方に位置する |
ハクレンはプランクトン食性

撮影:FISH PARADISE!編集部
ハクレンは最大で1mをゆうに越す大型魚ですが、ヘラブナなどと同じ植物プランクトンを主な餌とします。水を吸い込みながら中〜上層を泳ぎまわりプランクトンを濾し取るように餌を食べます。日本では湖が富栄養化した際におこるアオコ対策として放流された場所もあるようです。大きく成長するのにプランクトンしか食べないなんて、なんか不思議ですね。
梅雨の利根川名物、ハクレンジャンプ!
ハクレンは日本で梅雨の時期に当たる6月上旬〜7月中旬にかけて産卵をおこなうため、河川を遡上します。利根川では埼玉側にある久喜市の栗橋付近がちょうど産卵場所となるのですが、その時期になるとハクレンたちは集団でジャンプをし利根川の名物としてニュースにも取り上げれられます。1m近い巨体が何千匹とジャンプする様子は圧巻です。なぜ、このようなジャンプ行動を取るのかははっきりとはわかっていないようです。
ハクレンの産卵が行われると卵はプカプカと浮いたまま流されていき、海に到達する前に孵化します。日本の河川は中国の河川に比べると流域面積が小さく、ハクレンが産卵しても卵が孵化する前に海に到達してしまうことから日本では利根川などにしか定着しなかったと言われています。
ハクレン釣りのタックル
ハクレンは釣って楽しむことができる魚です。ただし、利根川水系では繁殖期に当たる梅雨の時期は禁漁期間が設けられていますので注意しましょう。
ハクレン釣りのロッド
ハクレンの引きはなかなか強烈です。禁漁期を除けば1年中狙うことができ、特に水温の高い初夏から初秋にかけては力強い引きが楽しめます。ハクレンの引きに耐えられるよう、長めの鯉竿や海の投げ竿などがおすすめです。
ハクレン釣りのリール
リールは3000番前後のスピニングリールがおすすめです。ハクレンはヒットすると何度もジャンプをしたり、高速で走り回りますので上手にドラグを使ってファイトしましょう。
ハクレン釣りの仕掛け
ハクレン釣りの仕掛けは、ヘラブナの仕掛けを巨大にしたものを使います。1本針もしくは2本針に鯉釣り用の大きな棒ウキをつかうと良いでしょう。オモリはウキと餌の浮力が調整しやすいように板オモリと使うと便利です。
ハクレン釣りの餌
マッシュポテトをベースとして、固まりやすくするためにグルテンを入れると良いです。グルテンを入れすぎると比重が大きくなり、ウキの浮力が負けてしまうこともありますので注意しましょう。大体ですがマッシュポテト:グルテン=8:2くらい良いかと思います。餌は針にピンポン玉小くらいに結構大きめにつけましょう。
ハクレンの釣り方のコツ
ハクレンを釣るときコツをご紹介します。ハクレンはポイントを押さえておけば、比較的簡単に釣れるので、初心者の方もぜひ一度チャレンジしてみてください。
ウキ下は短くする
ハクレンは鯉のように底層付近の餌を探して歩くのではなく、中層から上層を活発に泳ぎ回って餌を食べています。釣り場の深さにもよりますが、基本的にはウキ下は1m以下ととても短くするのがコツです。ウキ下が長すぎるとハクレンがいても食ってきません。
流れが小さい水門などが狙い目
ハクレンは流れの速いところもよく泳いでいますが、棒ウキで釣をする上ではあまり流れの速いポイントは適していません。水門などの水の流れがやや淀んでいる場所を選んで釣りをするとウキも安定してあたりが取りやすくなります。
大きなあたりで素早く合わせる
ハクレンは向こう合わせではあまりかからないため、こちらから積極的に合わせて行く必要があります。ハクレンは口が大きいのでちょっとウキが動いたと思ったら直後にウキが全て沈むような大きなあたりが出ることが多いです。大きくウキが消し込んだらすかさず素早く合わせましょう。
冬になるとあたりはより繊細になり、小さなあたりを取っていく必要があります。ゲーム性も高く、釣魚が少ない時期でも楽しめるのが魅力です。
ハクレンの料理!味は美味しい?
ハクレンは原産地の中国では中国四大家魚の一つとされ、食用目的の養殖も盛んです。日本にもはじめは食用目的で移入されました。小骨がやや多いですが、唐揚げやスープなどにされ、四川料理などにも用いられています。ハクレンは釣れてくるサイズが小さいものでも60cmほどはあり、一匹釣れば一人で食べるには十分すぎる量が確保できますので、興味のある方は釣って食べてみても良いかもしれません。
体はデカくても、ポテトが大好きなハクレンを釣ってみよう

撮影:FISH PARADISE!編集部
巨体に似合わずマッシュポテトが好きというちょっと変わった魚のハクレン。顔もよくよくみてみると可愛い不思議な魅力をもった魚です。日本ではあまり食べられることもなく、バス釣りやシーバス釣りの外道としてルアーに引っかかりラインを引きちぎっていくというマイナスイメージもありますが、専門で狙うと釣り人を楽しませてくれます。まだ、釣ったことのない方はハクレン釣りにチャレンジしてみてください。