クロソイは刺身や煮付けが美味しい根魚!気になる値段相場や寄生虫の有無は?

クロソイ
分類 スズキ目メバル科メバル属
和名 クロソイ
学名 Sebastes schlegelii
分布 北海道以南の日本各地沿岸。
特徴 体型はカサゴによく似る。体色は黒〜茶褐色のまだら模様が主だが、個体変異も多く色彩は様々。体長40cmほど。

 

クロソイの生態

クロソイは北日本で多く見られ、沿岸部に位置する水深50~100m程度の岩礁帯に生息する、いわゆる根魚です。本種は夜行性で、昼間は岩陰などに潜んでいますが、夜になるとそこから泳ぎ出て活動を始めます。食性は動物食性で、小魚・甲殻類・多毛類・頭足類などを捕食しています。本種は卵胎生で、日本近海での繁殖サイクルは、10月~翌1月頃にかけて交尾を行い、5~6月頃に出産。生まれたばかりの稚魚は体長7~10mm前後で、寒天質に覆われた塊の状態で産み出されます。出産後に親魚が胸ビレなどを使って、この寒天質を拡散させると稚魚が泳ぎだし、この行動はファンニングと呼ばれます。そのため、外敵に襲われるなどして、ファンニングが行われなかった場合、稚魚は泳げる状態にならずにそのまま死んでしまいます。

クロソイの見分け方

クロソイにも姿の似た近縁種が居ますが、本種には独自の特徴があるため、それさえ知っていれば見分けは容易です。その特徴とは、涙骨に見られる3本の棘です。涙骨とは魚の目と口の間にある骨のことで、本種はそこに特徴的な3本の棘がハッキリと見て取れます。近似種はその棘を持たないか、あっても不明瞭です。そのため、涙骨の棘をチェックすることで、キツネメバルやムラソイに加え、カサゴやシマソイなど姿の似た種類との区別が可能です。

クロソイのおすすめレシピ(食べ方)

クロソイはメバルの仲間なだけあって、食味が良く様々な調理法で美味しく食べられます。本種の旬は主に冬です。春になるとメスは子を抱えている場合があり、味が落ちると言われています。
ここでは、クロソイのおすすめレシピをご紹介します。

クロソイの刺身

形の良いクロソイは刺身でも美味しいです。クロソイの身は脂が乗った白身をしており、旨味や甘味をしっかりと感じられます。ただし、本種には寄生虫が付いていることが多いため、生食する際には注意が必要です。リスクが高い寄生虫としては「アニサキス」と「リリアトレマ・スクリジャビニ」の2種が挙げられます。前者は有名で食中毒の報告も多いため、身に付いていないかどうか、よく確認する必要があります。後者は聞きなれないと思いますが、黒ゴマのような見た目をしており、クロソイの筋肉部分に寄生していることが多い寄生虫です。ただ、リリアトレマに関しては、人体に対しては無害なので、食べてしまったとしても中毒症状を起こすことはありません。

クロソイの煮付け

魚料理の定番の煮付けですが、クロソイとの相性も良好です。クロソイはアラなどから良い出汁が取れるため、クロソイから出た出汁と甘辛い味付けが本種の身の旨味を引き立てて、非常に美味しい煮付けに仕上がります。

クロソイの塩焼き

クロソイの身は、火を通すと適度な弾力が感じられ、身離れも良くなるため焼き物も美味です。定番と言える塩焼きにすると、皮目や身の旨味と香ばしさがマッチして、クロソイ本来の味を堪能できます。塩コショウを振り、オリーブオイルを塗って焼くなどのアレンジをしても美味しいです。

クロソイの値段は?

クロソイは本種を専門に狙う漁はなく、他の魚に混ざって漁獲されることに加え、北日本を中心に養殖も行われています。そのため、年間を通して市場に流通しているのですが、その数はそれほど多くはないので、相場はやや高価です。具体的な値段としては、時期などによっても変動しますが、1kg当たり1500~3000円ほどの値が付くことが多いようです。また、本種は大きいものの方が脂乗りが良く美味しいとされているため、大型の個体ほど高値が付きます。

クロソイの釣り方

クロソイは手軽に強い引きを楽しめるため、ルアーフィッシングの対象として人気です。ここでは、クロソイの釣り方をご紹介します。

時期・時間帯・ポイント

クロソイは基本的には年間を通して狙えます。しかし、高水温を嫌う傾向にあるため、夏は活性が低くなるとともに餌食いも悪くなりがちです。反面、冬は繁殖のために活発になり餌もよく食べるので、絶好の釣期となります。前述の通り、本種は夜行性であるため、釣れやすい時間帯としては、夕マヅメから朝マヅメにかけての夜間です。ポイントは潮通りの良い磯や堤防など、根魚と呼ばれる種類の魚が多い場所に、クロソイもまた多く潜んでいます。

タックル

クロソイは船釣りなどでも釣れますが、ここでは初心者でも手軽に楽しめる、ルアーフィッシングにおける基本的なタックル構成を紹介します。ロッドは6~8ft程度のルアーロッドやバスロッドなどが、リールは小~中型のスピニングリールが使いやすいのでおすすめです。ラインはPEの0.8号前後、リーダーにはフロロカーボンの10lb前後に相当するものを使用します。クロソイ釣りでは根を探ることも多いため、ルアーがきちんと沈むようにジグヘッドの使用が一般的です。重さは1/8~1/2oz(3.5~14g)程度のものが基本で、探る水深などの状況によって使い分けます。クロソイは活動範囲が広く、表層付近で餌を探していることもあるので、軽いものから重いものまで、複数のジグヘッドを用意しておくと良いでしょう。

ルアー(ワーム)

クロソイは自然下では小魚や甲殻類、多毛類などを捕食しています。そのため、適したルアーもそのような小動物を模したもので、ミノー・ホッグ・ワームなどがよく用いられています。サイズはワーム系であれば2.5cm前後とやや小型の、ミノー系なら5~10cm程度のものがおすすめです。カラーはピンクや赤、黄色などアピール力に優れる視認性の高い色が良いでしょう。

釣り方

クロソイ釣りの基本は簡単です。ルアーを投げたらしっかりと底を取り、それからゆっくりと巻き上げるだけです。活性が高い冬場などは、これだけでも食い付いてきてくれます。ただ巻きでアタリが出ないときは、巻き上げるスピードに緩急を付けたり、リフト&フォールなどのアクションを試してみると良いでしょう。ルアーの種類を変えてみるのも効果的です。食い付いた後は、根に潜られるとラインを切られてしまうので、あまりラインを出さないようにしつつ、速やかに底から引きはがしてください。

刺身が美味しい根魚クロソイ!だけど寄生虫にはご用心!

クロソイは日本全国の沿岸部で見られる根魚で、特に北日本に多いです。涙骨にハッキリと見られる3本の棘が特徴的で、他種との見分けに役立ちます。メバルの仲間なだけあり食味は良好で、刺身や握りなど生食でも大変美味しく食べられます。しかし、本種には寄生虫が付いていることも多いので、生食する際は注意が必要です。特に、食中毒のリスクが高いアニサキスは、鮮度落ちすると消化器官から筋肉の方に移動する場合があります。そのため、釣ったものを生食したい時は活〆にした後、速やかに内臓を取り除いておくと良いでしょう。

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