アヌビアスナナの種類と育て方!厄介なコケ対策法と活着手順

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アヌビアスナナってどんな水草?

アヌビアスナナとは

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アヌビアスナナはアフリカ原産の水草で、楕円形の丸い葉をつけるロゼット型の陰性植物です。アヌビアスナナの大きさは10cm程度で、成長速度も穏やかなため頻繁にトリミングをする必要もなく、初心者でも育成しやすいのが特徴です。また、石や流木に活着する性質があります。アヌビアスナナは流通量も比較的多く、多くのショップや通販サイトで取り扱われています。

アヌビアスの種類

アヌビアスナナの仲間をご紹介します。一見どの種類もよく似ていますが、ちょっとづづ違った特徴を持っていますので、自分の好みに合った種類を見つけてみてください。

アヌビアスナナ

アヌビアスナナの代表種で、古くからアクアリストに親しまれています。深い緑色の葉がとても綺麗で、育成も用意なので初心者にオススメです。価格も数百円程度と安価なのも嬉しいですね。

アヌビアスナナ・プチ

アヌビアスナナの仲間では最も小型の種。アヌビアスナナよりもひとまわり葉の大きさが小さく、葉の色は深緑色です。小型水槽や前景にアクセントとして入れるにはちょうどいいサイズです。

アヌビアスナナ・ゴールデン

アヌビアスナナよりも明るい緑色の葉を持つ改良品種です。アヌビアスナナよりも葉のサイズはやや小さめです。水槽に鮮やかさを加えたい時などにはアヌビアスナナ・ゴールデンがおすすめです。育成も特に難しくはありません。

アヌビアス バルテリー

アヌビアスの大型種で、アヌビアスナナと同様、古くから多くのアクアリストに親しまれている種類です。水槽でも存在感を放ってくれます。大型水槽にもおすすめです。

アヌビアス ランケオラータ

産地によって葉の重なり方などにバリエーションがある種です。ナナに比べて高さがあるため、バルテリーなどと同様に後景におすすめです。

アヌビアス ミニマ

ナナに比べるととてもシャープな葉が特徴的な種類です。ランケオラータなどとは違い、葉が折り重なるように成長していきます。小型水槽の後景にもぴったりです。

アヌビアス グラキリス

三角形の大きな葉が特徴の種類です。成長はアヌビアスの中でも特に遅く、一年でも数枚の葉しか出しません。明るい緑の葉は水槽に華やかさを出してくれます。

アヌビアス コーヒーフォリア

葉がコーヒーの葉のようにボコボコと波打つ種類です。アヌビアスの仲間の中でも独自性があって人気があります。性質もとても丈夫で初心者にもおすすめです。

アヌビアス コンゲンシス

ミニマのように葉が折り重なるように成長し、ナナに比べてややシャープな葉が特徴の種です。葉は深い緑色で落ち着いた雰囲気を出してくれます。

アヌビアス ヘテロフィラ

コンゲンシスによく似た種で、アフリカの広い範囲に分布しています。分類学上はコンゲンシスと同じとされているようですが、アクアリウムの世界では区別されている場合もあります。

アヌビアス フラゼリー

流通量はそれほど多くはないマニア向けのアヌビアスの仲間です。ハスティフォリアやコンゲンシスのように細長い葉が特徴で、これらをまとめて植えるととても迫力があります。

アヌビアス ハスティフォリア

大型になるアヌビアスの仲間で、存在感は抜群です。ハスティフォリアとは耳の形をした葉っぱという意味で、細長く伸長する葉が特徴です。

アヌビアスナナの育て方

アヌビアスナナの育て方をご紹介します。基本的にはとても丈夫な水草なので、それほど育成は難しくありません。

水温・水質

水温や水質はそれほどシビアに考える必要はなく、22~28度程度の弱酸性〜中性を守っていれば、元気に育ってくれます。ただし、水温や水質の急激な変化があると株がダメージを受けてしまいますので注意しましょう。

照明の強さ・照射時間

アヌビアスナナには基本的に強い光は必要なく、60cm水槽であれば20W蛍光灯1灯で十分育てることができます。ライトの点灯時間も8時間程度で問題ありません。最近主流のLEDライトでも育成が可能です。むしろ光が強すぎたり、照射時間が長すぎると葉にコケが生えやすくなってしまいますので、光は抑えめにしましょう。

アヌビアスナナは残留農薬に注意!

安価なアヌビアスナナなどには、生産段階で使われた農薬が残留していることがあります。熱帯魚のみの水槽に植える場合はあまり問題ではありませんが、エビなどはこういった農薬にはとても弱いです。エビと混泳している水槽にアヌビアスナナを導入する際は、購入の際はショップにあらかじめ尋ねるか無農薬として販売されている株を購入するとおすすめです。

また、水草の残留農薬を除去する薬品も販売されています。無農薬かどうかわからない場合はこのような商品を使うと良いでしょう。また、必要に応じて導入したい水槽とは別で、しばらく浸け置き管理すると良いです。

アヌビアスナナにコケがつく原因と対策

アヌビアスナナは成長が遅いため、コケが葉につきやすい水草です。コケがついてしまう原因は、水質が不安定である、光が強すぎる、水流が強すぎるなどが挙げられます。対策としては、フィルターのろ過能力を見直し、ライトの照射時間・量を減らしましょう。また、シャワーパイプを水槽の壁に当てるようにするなどし、直接アヌビアスナナに強い水流が当たらないようにすると良いでしょう。また、ヤマトヌマエビやオトシンクルスなどのコケ取り生体の導入もおすすめです。

アヌビアスナナが溶ける原因と対策

アヌビアスナナが溶ける

撮影:FISH PARADISE!編集部

アヌビアスナナは茎の付け根から溶けてしまうことがあります。この原因としては、主に水温や水質の急激な変化であると言われています。また、アヌビアスナナに付着している薬剤を取り除くために、薬品処理を行った際、規定の時間よりも長く浸したことでダメージを受け、溶けてしまう場合もあります。導入時の水温や水質の変化には気をつけ、phのチェックや購入店で管理状況を聞いておくと良いでしょう。アヌビアスナナはとても丈夫ですが、一度調子を崩すと復活させるのが難しい種類でもあります。

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アヌビアスナナのトリミング

アヌビアスナナのトリミング

出典:Pixabay

アヌビアスナナは成長がとても遅いため、トリミングは頻繁には必要ありません。放っておくと、上にある葉が下の葉への光を遮って枯れてくる場合がありますので、枯れた葉は茎の根元から切ってあげましょう。また、大きな葉を切ることで新しい葉をたくさん生やすこともできます。トリミングの際は、根やメインの茎を傷つけないように注意しましょう。

アヌビアスナナの活着方法

アヌビアスナナは底床に植えなくても、流木などに活着させて育てることができます。活着の仕方についてみていきましょう。

必要な道具

アヌビアスナナ

活着させる流木や石

タコ糸やビニタイ

活着の手順1. アヌビアスナナをポットから取り出す

購入時のアヌビアスナナはプラスチックのポットに入っています。まずは、根をキズ付けないようにポットからアヌビアスナナの株を取り外しましょう。

活着の手順2. 根からウールを取る

ポットからアヌビアスナナを取り外したら、次は根に巻いてあるウールを取り外しましょう。株によっては、かなり根が回っているものもありますので、大きな根を追ってしまわないよう注意します。

活着の手順3. 根を剪定する

伸びきっている根は活着には使えませんので、ある程度長さを切り戻してあげます。こうすることで新たな根が張ってきて活着できる状態になります。

活着の手順4. 水洗いする

販売されているアヌビアスナナには、巻貝などの卵が付着していることがありますので、水でしっかりと洗い流してあげましょう。必要に応じて、水草その前になどを使うと良いです。

活着の手順5. 土台にビニタイや糸で巻きつける

活着させたい流木や石にアヌビアスナナの根の部分を固定します。ビニタイやタコ糸で取れないようにぐるぐると巻きつけましょう。動かないように固定しますが、あまりきつく巻きすぎると根に傷がついて枯れてしまいますので丁寧に行ってください。

活着の手順6. 水槽にレイアウトして完成

アヌビアスナナをものに固定したら、あとは水槽にレイアウトして完成です。1~2ヶ月もすれば、ビニタイや糸を取り外しても問題なく根が活着していると思います。

アヌビアスナナの増やし方(株分け)

アヌビアスナナは株分けで増やしていくことが可能です。アヌビアスナナは太いメインの茎から枝分かれして茎を伸ばし、葉をつけていきます。葉・茎・根の3つがついた状態でメインの茎をハサミなどで切ります。この時、丈夫な葉が4~6枚はついており根が伸びている状態で切り取るようにしましょう。アヌビアスナナは株分けが可能ですが、成長はとても遅いので最初からある程度の数を購入しレイアウトしたほうが簡単です。

アヌビアスナナのおすすめ水槽レイアウトと魚種

アヌビアスナナのレイアウト

撮影:FISH PARADISE!編集部

アヌビアスナナは陰性水草なのでミクロソリウムなどの他の陰性水草を使ったレイアウトがおすすめです。ソイル以外のの水草育成に使いづらい底床を用いた渋いレイアウトもおすすめです。アヌビアスナナは流木や石に活着させてレイアウトできるので、いつでも自由にレイアウトを変更できるのもメリットです。

アヌビアスは深緑〜緑がベースの水草ですので、赤系の色が強いラスボラや小型テトラなどの小型魚のいる水槽に入れるととても映えます。また、柔らかい葉を食べてしまうような金魚などとも相性は比較的良いです。ただし、柔らかい新芽などは食べられてしまう場合もあります。

アヌビアスナナで水槽をイメージチェンジ!

アヌビアスナナは丈夫でとても育てやすい水草の代表種です。水草というとCO2を添加したり、ライトを強力なものにしないといけないと思われがちですが、アヌビアスナナのような陰性水草はそんなことはありません。コケ対策だけしっかりとして、綺麗に育ててみてください。アヌビアスナナがあるだけで水槽の雰囲気はガラッと変わりますよ。

 

アヌビアスナナを育てる