海水魚で気を付けたい病気と治療法!健康に海水魚を飼育するコツは?

海水魚が病気にかかる原因

海水魚の病気には色々な種類がありますが、まずはどう言ったことが原因で病気にかかってしまうのか、原因について知っておきましょう。

病原体の持ち込み

海水魚の病気

 

海水魚が病気にかかる原因の一つとして、購入した生体に病原体がついてきたり、その生体が入っている水に病原体が入っていることで持ち込まれることがあります。

 

病気は水一滴が混入することでもうつる可能性があるので、完全に持ち込まないようにするのは中々、困難です。しかし、持ち込む病原体をできるだけ少なくとどめるためには、購入した生体が入っている袋の水をできるだけ水槽に入れないように注意しましょう。

 

基本通り、水槽とは別の容器に購入した生体を入れて水合わせをし、水合わせが終了したら生体だけを水槽に入れるようすると良いでしょう。

水質悪化

水質悪化も病気の原因

 

病気は水質悪化によっても引き起こされます。水質悪化する原因は色々なパターンがありますが、例えば、生体が死んでしまっているのを把握していない、魚の餌食いが落ちているのに気づかすに普段通り餌を与え続け水質が悪化してしまう、何らかの原因でフィルターの流量が著しく落ちているなどです。

 

長期間換水していないことが魚の死に絶対的に直結するするわけではないのですが、基本的には必要な状況であるのにもかかわらず水換えを怠った場合も水質悪化を引き起こします。

 

水質悪化は魚の体調を悪くしますし病気にもかかりやすくなるので、日々の管理はとても重要です。

水温変化

水温変化にも気をつける

 

飼育水槽の設定温度と違い過ぎる温度の水で水換えをした場合や、暖かい時期にヒーターの電源を切ったケースで寒い季節になってきているのにヒーターの再稼働が遅れた場合、寒くなってヒーターが壊れて水が冷え過ぎてしまった場合など、水温の変化が大きくなることが病気の原因となる場合があります。

 

水の冷え過ぎや夏場の水温の上がり過ぎは生体に直接ダメージを与えますし、水温上昇は酸欠になりやすくなったり水質悪化しやすくなるので間接的にも影響してきます。このようなことからヒーターは暖かい季節でも電源を切らない方がトラブルになりにくいです。

不適切な掃除

掃除は正しいやり方で

 

掃除の仕方でも、海水魚は病気にかかってしまうことがあります。

 

普段水槽内は、ある程度一定の水流の向きだったり流量があるので、水流・流量が安定していれば物質(この場合は汚れや病原体)の流れ着く場所や落ち着く場所は安定しています。しかし、水槽掃除の際に水流や流量が変化することで、安定していた物質(汚れや病原体)がフィルターから流れ出てきたりします。

 

これと同じように下手な掃除をしてしまうと底砂を舞いあがらせてしまい、底砂内に留まっていた汚れや病原体も舞い上がることで魚との接触機会を作ってしまい発病の可能性が上がることもあります。

 

こまめな掃除を心がければ、この問題を防ぐことが可能です。

白点病とウーディニウム病

まずは、海水魚の代表的な病気である、白点病とウーディニウム病について解説していきます。

白点病とウーディニウム病の症状

白点病やウーディニウム病にかかると、魚が痒がって擦りつけ行動を見せたり、呼吸が苦しくて流れがある場所に泳いだりするようになります。

 

魚の各ヒレの透明な部分に半透明の膜状の物が現れ、それが半日ほどで白い点になります(ウーディニウムの方の白点はより小さいです)。

 

症状が進むと白点の数が増えるとともに、魚の呼吸も荒く・早くなります。更に症状が進むと、白点が全身を覆うようになっていき、呼吸の様子も更に酷くなり、病魚は動けなくなっていきます。この状態までいくと末期なので、残念ですが、回復できる割合は少ないです。

 

淡水の白点病は、比較的治療も容易ですが、淡水とは違い海水の白点病は怖い病気です。

白点病とウーディニウム病の治療法

手軽に治療するなら、アクア工房のヨウ素殺菌ドームがおすすめです。

 

その他の方法としては、魚病薬としてアグテンやヒコサンZ(アグテンとヒコサンZは同じ成分)があります。

 

他には銅イオン製品や、白点キラー、ICH、ドラッグストアで購入できる「オキシドール」などが挙げられます。

 

さらに、海水魚では、なにかと魚病薬のグリーンFゴールドも使用されます。フコダイン水溶液も評判が良いです。

トリコディナ病

続いて、トリコディナ病の症状と治療法について解説します。

トリコディナ病の症状

トリコディナ病は、特にクマノミの仲間などがかかりやすいとされています。寄生された部分が、薄い半透明の被膜で覆われるようになり、それがどんどん広がっていきます。

 

この病気の進行はとても早く、魚の行動の異変に気づいてから、一晩で死んでしまうこともあります。そのようなことから、数日で全滅コースもある怖い病気です。体表に白い膜が張ってきた時点で気づくことが大事で、魚の行動の異変に気づいてからでは、治療が難しい場合も多いです。

トリコディナ病の治療法

トリコディナ病は淡水浴で治療します。汲み置いてある水が無い場合は水道水を使いますが、カルキを抜いた水道水を、飼育海水と同じ水温・phに調整し、その中にエアレーションをかけます。そこに病魚を入れ、1~3分ほど浸けます。

 

あらかじめ用意してあるトリートメントバケツ(新しい海水にエアレーションをかけた状態のもの)に、規定量の半分の量のグリーンFゴールドを溶かし、そこに淡水浴が終わった病魚を放します。

 

1回の淡水浴では完治しない場合が多いので、完治するまで何回か淡水浴を続けます。ちなみに、淡水浴は1日1回でかまいません。

リンホシスチス病

白点病と混同しやすいのが、リンホシスチス病です。リンホシスチス病についても学んでおきましょう。

リンホシスチス病の症状

リンホシスチス病は白点病と同じように魚体に白い粒が現れます。白点病であれば、ある程度成長した白点虫が魚体から離れ、また新たな白点虫が寄生するため、白点の位置が変わったように見えますが、リンホシスチス病の場合そのようなことはなく、病巣が段々大きくなっていきます。

 

ですが、この病気で魚がすぐに死んでしまうことはありませんし、病魚も普段と変わらず元気です。しかし、病巣ができる箇所が運悪くエラや口であれば、摂食や呼吸に障害が出て、魚の元気が無くなることもありえます。

 

病巣が一度消えても再発も多い厄介な病気です。

リンホシスチス病の治療法

リンホシスチス病はウイルス性なのですが、スレ傷にリンホシスチスウイルスが感染して起こります。そのため、網で魚をすくう時や、魚同士の喧嘩やイジメが原因にもなります。

 

ウイルス性の病気なので効く薬はありませんが、傷口からの二次感染防止のために魚病薬やオキシドールを使用するのも良いです。自然治癒もしますが、再発も多いです。

 

悪化が目立ってきた場合、治療には淡水浴を行います。1分ほど淡水浴をしたら、そのまま自分の爪などで病巣の白い付着物を取ってやりますが、あまり執拗にやるなど無理はしないでください。そのままあと2分淡水浴をして治療完了です。

 

付着物が多かったり、取りにくい場所にある場合は、淡水浴だけにします。ちなみに、混泳魚にクリーナーシュリンプやホンソメワケベラがいれば、病巣が綺麗に取り除かれることもあります。

ハダムシ症

ハナダイやハギなどの仲間に多いとされるハダムシ症も海水魚の代表的な病気です。

ハダムシ症の症状

ハギ、ハタ、ハナダイの仲間がかかりやすいと言われています。ハギやハタの体側に1㎜位の黒い点が現れたら、よく観察してみてください。体表上を移動しているのが確認できると思います。

 

海水魚の目が白濁して見える場合、白点病の初期症状である場合もありますが、それがハナダイであった場合はハダムシの寄生が疑われます。

 

ハダムシの寄生で魚が死んでしまう心配はあまりないですが、小型種だと衰弱が目立ってきたりもしますし、感染も広がるので、早めの治療が大事になります。

ハダムシ症の治療法

ハダムシ症には淡水浴が有効ですが、ハダムシには5~10分の長時間淡水浴を行わないと効果がありません。淡水浴に弱いハナダイの仲間には、この方法は使えないことになります。心配な場合は、1日1回3~5分の淡水浴を何回か行うのが良いと思います。

 

有効な薬としてはプラジカンテルがありますが、入手は簡単ではなく、価格も購入しやすい価格ではないのがネックです。ハダムシを食べてくれるクリーナーフィッシュとして「ホンソメワケベラ」、クリーナーシュリンプとして「スカンクシュリンプ」がいるので、それらに助けてもらう方法もあります。

ギロダクチルス症とダクチロギルス症

淡水魚の寄生虫として知られているこれらの寄生虫は、実は海水魚にも悪さをします。

ギロダクチルス症とダクチロギルス症の症状

ダクチロギルスやギロダクチルスが、魚のエラに寄生することによって起こります。この病気は、チョウチョウウオの仲間が罹りやすいと言われています。他の魚にイジメられているわけでもないのに、ある日から突然、餌を食べなくなります。

 

呼吸も荒くなり、たまに首をプルプルと振る行動をします。この、首をプルプルと魚がやるときは、エラに違和感を感じるときにやります。

 

そのうち体を黒ずませ、ジッとするようになったり、流れに向かって泳ぐようになったりします。

ギロダクチルス症とダクチロギルス症の治療法

ギロタクチルス症・ダクチロギルス症の治療には高濃度塩水浴を行います。標準的な海水の塩分濃度は3%ですが、この海水1ℓに食塩を30g加えると、塩分濃度6%の高濃度海水ができあがります。他の塩は使わないでください。加える塩は、あくまでも食塩(塩化ナトリウム)です。

 

この高濃度海水に病魚を入れるのですが、魚の大きさや体力を考えて30秒~3分の間で高濃度塩水浴をします。これが終わったら、あらかじめ用意しておいたトリートメントバケツにグリーンFゴールドを規定量の半分だけ溶かし、そこに病魚を入れて休ませます。

 

2~3日くらい様子見をし、まだ病気の症状が見られるようなら、再び高濃度塩水浴をします。

ビブリオ病

ビブリオという名前は、人間の病気で聞いたことがある人もいるかもしれません。ビブリオ病の症状と治療法を押さえておきましょう。

ビブリオ病の症状

ビブリオ病はスレ傷から細菌が感染して起こります。水温が下がって体表粘膜にダメージを受けた時などもリスクがあります。ビブリオ病をひき起こす細菌は毒素を分泌しているため、それによって魚の体表がただれてきます。

 

症状が酷くなると腐って、穴があいてきます。たいしたことがなかった傷が予想外に悪化したり、溶けだしたヒレが体の部分まで進行して赤くただれたり、肛門が腫れて黄色い粘液が出てきたりします。

ビブリオ病の治療法

ビブリオ病の症状が見られたら、なるべく早くバケツトリートメントをするようにします。トリートメントバケツには、ここまでお話したようにグリーンFゴールドを溶かして薬浴します。よく海水魚の薬浴といえばグリーンFゴールドが出てきますが、エルバージュも良いです。

 

ちなみに、この病気に限らず薬浴の場合、薬量が心配だと思うのですが、お決まりの「規定量の3分の1~規定量の半分」で試してみるのがいいでしょう。

 

薬量が少なくてもいい場合や、薬量を少なくしなければいけない場合は、 水が薄っすら色付く程度というのが基本ですので、覚えておきましょう。

ポップアイ

最後はポップアイです。見た目でもはっきりわかる症状が特徴です。

ポップアイの症状

ポップアイというのは「眼球突出」という症状であって、病名ではありません。その名の通り、目が飛び出してきます。重症になると、目が飛び出し過ぎて落ちてしまうこともあります。

 

初期症状の場合、目の飛び出しに気付きにくいのですが、目のまわり(ふちどり)が白っぽくふちどられていることで気づいたりします。

 

ポップアイの原因は様々ですが、細菌感染や中毒症状、水質悪化などによって起こることがあります。フィルターがちゃんと機能しているかなどもチェックしましょう。

ポップアイの治療法

まずは水換えをしましょう。その際、底砂がある場合は部分的に底砂掃除もして(一度に底砂全体を掃除はできないため日をわけて繰り返す)、1回の換水量は全体の5分の1までにしておくと安全です。

 

改善傾向が見られるまで1日置きに底砂掃除と換水をします。早い場合、水換え翌日から改善が見られることもあります。

 

又は、ポップアイの魚をグリーンFゴールドを溶かしたトリートメントバケツに移して薬浴し、その間に水槽の全底砂掃除と全換水をし、フィルターはそのままにしておきます。

 

既定のバケツトリートメントを繰り返して症状が改善したら、水合わせをして水槽に魚を戻します。

海水魚が病気にかかりにくくするためのコツ

治療法を知っておくことも大事ですが、病気を未然に防ぐことがもっと重要です。海水魚が病気にかかりにくくなるするためには、どのような対処法があるのでしょうか。

水流の向きや強さに注意する

水流の向きや強さに気をつける

 

水中ポンプなどの水流の向きや強さに気をつけましょう。水中ポンプが外れてしまって向きが変わり、底砂を舞わせてしまわないような防止策をとると万全です。掃除の際もですが、底砂を舞わせないということが大切なポイントになります。

 

これは何故かというと、 底砂を舞わせてしまうことによって、底砂の中にいた毒物や病原体をも舞わせてしまうことにもなるからです。これが海水魚が病気になる原因にもなります。

殺菌アイテムを使用する

殺菌灯などを使う

 

紫外線殺菌灯の設置や、ヨウ素殺菌筒の設置で病気予防をするのも効果が大きいです。ヨウ素殺菌筒は紫外線殺菌灯より安価で手軽なところがポイントで、エアーポンプや水中ポンプに接続して使用したり、フィルターのパイプに接続して使用できるタイプもあります。

 

このような機器類以外では、カミハタのアイオディンサプリメントのようなヨウ素添加剤を定期的に使用するのも白点病などの予防になります。また、最近ではフコイダンの使用も効果的だとも言われています。

魚が傷付きにくい環境を心がける

魚が傷つかないようにする

 

魚体に傷ができると病気にかかりやすくなります。魚が傷付きにくいようにするためには、傷付いてしまうような狭い場所を作らないとか、傷付くくらい喧嘩やイジメが起きるような混泳をしないのがポイントです。

 

例えば、海水魚水槽ではライブロックもよく使われますが、水槽ガラス面とライブロックの間隔をしっかりとるような位置関係にして、魚がはさまったりライブロックで魚体を傷つけてしまわないように注意しましょう。

生物と病気は切れない関係

病気予防で健康に!

 

生き物は必ず病気になるものなので、病気になったあとの対処を覚えることが大事なのですが、こと海水魚に関しては、教科書通り「予防」がとても大事になります。

 

治療に手間をかけれない人は、海水魚の場合、病気になったら終わりだと思った方がいいくらい、海水魚の病気は淡水魚より厄介ですので覚えておきましょう。餌をよく食べる状態をキープすることや、環境の安定が肝心だということです。


海水魚で気をつけたい病気

ABOUTこの記事をかいた人

山城 大介

秋田県北秋田市にある小さなお店「アクアショップZERO」の店長です。 ディスカスが1番好きで繁殖が大好きです。 熱帯魚は繁殖ありきの楽しみ方が1番だと思っています。 記事に書ききれないことや、突っ込んだ内容は当店ブログやLINEで読んでください。 お悩み事はプロにお任せ。 当店の方もよろしくお願い致します。