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目次
オトシンクルスってどんな魚?
まずは、オトシンクルスの特徴や種類について見てみましょう。
オトシンクルスの特徴
オトシンクルスはナマズ目ロリカリア科に属する魚の総称で、体長は7cm〜10cm程度の小型種です。アマゾン川をはじめとする南米に広く分布しており、一般的にオトシンクルスと呼ばれるのはオトシンクルス・ヴィッタータスと呼ばれる種になります。
性格はとても温和で、水槽内のコケをよく食べてくれることでコケ取り生体としてよく知られています。
オトシンクルスの種類
オトシンクルスには様々な種類が知られています。近年になって新種も発表されており、分類体系はまだ不安定です。地域差や個体のバリエーションなども知られています。
オトシンクルス・ヴィッタータス
ヴァンパイア・オトシン
オトシン・ネグロ
ニューゼブラオトシン
ニュージャイアントオトシン
ボルケーノオトシン
その他のオトシンクルスの仲間
オトシンクルス・ミムルス
オトシンクルス・ヴェスティタス
オトシンクルス・マクロスピルス
オトシンクルス・ホッペイ
オトシンクルス・マリアエ
オトシンクルス・アフィニス
オトシンクルス・フレキシリス
オトシンクルス・ハセマニイ
オトシンクルスの飼育方法
オトシンクルスの飼育の基本について詳しくご紹介します。
水槽サイズ
オトシンクルスを単体で飼育することは繁殖を狙う場合以外ではあまりないかもしれませんが、数匹のオトシンクルスを飼育するだけであれば、30cmキューブ水槽でも十分可能です。他種との混泳をする場合は、全体の飼育匹数(飼育密度)から水槽サイズを選ぶようにしましょう。初心者は60cm規格水槽が水量もあっておすすめです。
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ろ過設備
オトシンクルス自体は少食で、水もそれほど汚さないため少ない匹数であれば外掛け式フィルターなどでも十分です。混泳水槽であれば、飼育密度に合わせて上部フィルターや外部フィルターを導入すると良いでしょう。
水温・水質
オトシンクルスは一般的な熱帯魚の飼育水温である24~26度前後を保っておけば問題ありません。水質は弱酸性〜中性の軟水が適しています。
底床や水草
底床については水質に影響を与えるサンゴ砂や新しい大磯砂などは避けた方が無難です。水草も基本的には水質に合うものであれば問題なく育てることができますが、アマゾンソードなどはまれにかじられてしまうこともあります。
オトシンクルスの餌
オトシンクルスはコケ取り生体として、専用の餌を与えていない方もいますが、コケがなくなってしまうと餓死してしまうこともありますのでしっかりと餌を与えるようにしましょう。プレコのタブレットタイプの餌であれば食べてくれます。
オトシンクルスの繁殖
オトシンクルスは水槽でも繁殖可能です。オス:メスを2:1にし、水草を多めに入れた小型水槽でオトシンクルスのみを飼育していれば、水槽壁面や水草などに卵を産みつけます。メスはオスに比べてお腹がふっくらしていているので見分けやすいです。生まれたての稚魚にはヨークサックがあるので、3日ほどは餌やりは必要ありませんが、ヨークサックが消えたら餌やりを開始しましょう。
オトシンクルスの稚魚はとても小さいのであらかじめインフゾリアを沸かしておく必要があります。成長にしたがって、ブラインシュリンプ、人口餌と切り替えていくと良いでしょう。1ヶ月ほどすれば、体長は1cmを超えてきて安定して飼育できるようになります。水質の急変と悪化には最新の注意をしましょう。
オトシンクルスの飼育のコツ
オトシンクルスの飼育におけるコツをチェックしておきましょう。流通量が多い種の割には気難しいとも言われていますので、しっかりとコツを覚えておきましょう。
導入時に気をつける
オトシンクルスはやや水質に敏感とされているので、導入時の水あわせは慎重におこないましょう。導入時はオトシンクルスが入った袋を水槽に浮かべ水温を合わせた後、オトシンクルスをプラケースなどに入れ、エアチューブとコックを使い点滴するように合わせる方法がおすすめです。
飼育密度と餌にも注意
オトシンクルスは混泳水槽に導入することがほとんどなので飼育密度には注意しましょう。また、オトシンクルスはコケがないとすぐにやせ細ってしまいます。オトシンクルス用に餌をあげても混泳相手によっては先に食べられてしまうことも多いので、餌の量を上手に調整してしっかりとオトシンクルスが食べられるようにしましょう。
オトシンクルスと他魚種のコケ取り能力を比較!
コケ取り生体として有名なオトシンクルスですが、他種とコケ取り能力を比較してみましょう。
サイヤミーズフライングフォックスとオトシンクルス

サイヤミーズフライングフォックスはオトシンクルスが食べてくれない黒ゴケを食べてくれます。そのほか茶ゴケも食べてくれサイズもオトシンクルスよりも大きいため、コケ取り能力はより高いと言えます。
ただし、サイヤミーズフライングフォックスは大きくなるとあまりコケを食べてくれず、気性もやや荒くなるという問題があります。オトシンクルスは成長しても数cmで性格も温和なので、小型水槽のコケ取りであればオトシンクルスの方が向いていると言えます。
ブラックモーリーとオトシンクルス
オトシンクルスが茶ゴケを食べるのに対し、ブラックモーリーは大食漢で糸状藻や油膜も食べてくれますが、水槽の茶ゴケなどには効果がありません。食べてくれるコケの種類が両種では違うため、コケ取りは一概に比較できません。
両種を混泳させることも可能ですが、ブラックモーリーはオトシンクルスに与えた餌も食べてしまう場合もあるため注意しましょう。また、ブラックモーリーは水草も食べてしまうこともあります。
エビ類とオトシンクルス

エビ類は水草に生えるコケを食べてくれます。ミナミヌマエビやヤマトヌマエビがコケ取りとしては代表的ですが、とくにヤマトヌマエビのコケ取り能力は高くおすすめです。
オトシンクルスと比べても、コケ取り能力は高いと言えるでしょう。ただし、ヤマトヌマエビはサイズも大きく、小型魚水草などでは魚の餌も食べてしまうことがあるので注意が必要です。
コケをもふもふ、オトシンクルスに癒される!

出典:写真AC
導入時に注意が必要ですが、オトシンクルスはとっても愛らしくてアクアリストを癒してくれる存在です。体はとても小さいですが、コケもしっかりと食べてくれますから小型水槽では重宝します。様々な種類のオトシンクルスがいますので、ぜひ自分の好みにあったオトシンクルスの飼育にチャレンジしてみてください。オトシンクルスがもふもふしている姿を見ていると時間を忘れてしまいますよ。