タイワンドジョウ(ライヒー)とカムルチーの見分け方!飼育方法も

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アイキャッチ画像出典:写真AC

分類 スズキ目タイワンドジョウ科タイワンドジョウ属
和名 タイワンドジョウ
学名  Channa maculata
分布 原産はベトナム、フィリピン、中国の福建省以南。日本には1906年に移入。
特徴 背びれ軟条数が40-44本、尻鰭軟条数が26-29本である。

タイワンドジョウの生息域

タイワンドジョウはもともと日本には生息していなかった外来魚です。現在では要注意外来生物に指定されており、自治体によっては移植を禁止しているので、取り扱いには注意してください。

タイワンドジョウは外来魚

タイワンドジョウはもともと、中国南東部に位置する福建省以南の中国国内や、台湾、ベトナム、フィリピンにかけて分布している外来魚です。環境への適応力が高く丈夫なことから日本以外の国でも移入・定着が問題視され、現在ではマダガスカルやハワイにも生息しています。生態系への影響を避けるために、イギリスやアメリカでは保有や輸入を禁止しています。

タイワンドジョウの日本での分布・生息域

タイワンドジョウの日本国内での分布地域は、和歌山県と兵庫県、香川県などに加え、石垣島でも生息が確認されています。タイワンドジョウはもともと日本には生息していませんでしたが、1906年と1916年に大阪へ輸出された個体が逸出したことで、近畿地方を中心に定着しています。石垣島に移入されたのは1960年のことで、現在のところ生態系への重大な悪影響は確認されていないものの、要注意外来生物に指定されています。

タイワンドジョウの生態

水深1m程度までの泥底で、水草が繁茂している流れが穏やかな場所を好んで生息しています。食性は小魚やカエル、昆虫や甲殻類などを食べる肉食性で、動くものなら何でも食べようとする食欲旺盛な魚種です。繁殖期は水温が高くなってくる5月頃から7月頃までで、水草の合間に浮遊性の巣を作り産卵します。誕生した稚魚は、ある程度の大きさに成長するまで親魚が保護する習性があり、子育てをする魚として知られています。上鰓器官と呼ばれる呼吸器官を持っているため空気呼吸が可能で、嫌気的な環境での生存に役立っています。

タイワンドジョウ(ライヒー)とカムルチーの違い

タイワンドジョウの見分け方

出典:写真AC

タイワンドジョウとカムルチーの外見はよく似ていますが、主に以下に示す違いがあります。

最大体長

タイワンドジョウは最大60cm程度、カムルチーは最大1mを超えることもあります。

模様

タイワンドジョウの方が体側に入る斑紋が小さく、ほとんどの個体で3列入ります。対してカムルチーは、大きな斑紋が2列入ります。

ヒレの軟条数

タイワンドジョウの背ビレと尻ビレに入る軟条の数は、カムルチーと比較すると少ないです。タイワンドジョウの軟条の数はそれぞれ、背ビレ40~44本、尻ビレ28~30本。同じくカムルチーは、背ビレ47~53本、尻ビレ31~35本です。

タイワンドジョウの飼育について

タイワンドジョウは丈夫な魚種なので飼育自体は容易なのですが、大きくなることと餌付けが飼育するうえでのポイントになります。

タイワンドジョウの飼育は簡単?

タイワンドジョウは、水温・水質への適応力が高く丈夫な魚種です。しかし、自然環境下では体長60cmほどに達する大型魚なので、飼育設備も大きな物が要求されます。また、基本的に動物食であるため餌にも注意が必要で、人工飼料に餌付かない個体は生餌で飼育することになります。そのため、大型魚としては飼育しやすい部類に入りますが、設備と餌の面でクリアすべき課題があります。

水槽サイズ・フィルター

前述のように、タイワンドジョウは体長60cmほどに成長する大型魚です。飼育下ではそこまで大きくなることは希ですが、終生飼育するためには90cmクラスの水槽が必要です。また、食欲旺盛で水を汚しやすいことから、フィルターもなるべく強力な物を導入した方が良いでしょう。メンテナンス性と価格を考慮すると、上部フィルターがおすすめです。

水温・水質

タイワンドジョウの飼育に適した水温は20~28℃前後です。近畿地方で普通に越冬できているため、生存自体はもっと低水温になっても可能ですが、活性が低下します。餌食いも悪くなったり、食べること自体をしなくなるので、観賞魚として飼育するのであれば、年間を通して活動しやすい水温に保温することをおすすめします。水質に関しては中性付近を保つようにすれば良く、水道水を調整する必要はありませんが、カルキ抜きはしっかりと行っておきましょう。タイワンドジョウは丈夫ですが、あまりに酸性側に傾くと調子を崩してしまうため、適度に換水してください。

タイワンドジョウの餌

前述の通り、タイワンドジョウは動物食なので生餌を好みます。生餌の種類としては、小赤やメダカ、クリルなどが挙げられますが、生餌は水を汚しやすいため、人工飼料を中心に与えた方が飼育環境の維持管理が容易です。人工飼料は肉食魚用に配合された「カーニバル」や「キャット」などがおすすめです。人工飼料を食べない時は生餌に混ぜたり、餌抜きを行って餌付けをすると良いでしょう。

タイワンドジョウ飼育では飛び出しに要注意!

タイワンドジョウは水面から飛び出す力が強いので、水槽からの飛び出し事故が多い魚種です。そのため、飼育の際はしっかりと固定できるフタは必ず用意しておきましょう。フタの材質は割れにくいアクリルがおすすめで、タイワンドジョウがぶつかっても、簡単には外れないようにしてください。幼魚期は少しの隙間から飛び出すこともあるため、フィルターの配管などで生じる隙間にも注意が必要です。

タイワンドジョウの釣り

タイワンドジョウは大型で力が強い魚種であるため、ロッドは太く頑丈な物を用いた方が良いです。タイワンドジョウやカムルチーは雷魚と総称されることがあり、雷魚用のロッドが市販されているので、それを使用すれば間違いありません。ラインも強度が要求されるため、PEラインの8号以上の物がおすすめです。生半可なラインでは切られてしまうので注意してください。ルアーについては、カエルを模したフロッグを用いることが一般的です。タイワンドジョウが居るポイントは、藻穴(ウィードホール)や障害物の近くです。そのような場所にフロッグを落とせば、大抵の場合は食い付いてきます。浅場であれば姿が見えることがあるため、偏光グラスがあると便利です。

タイワンドジョウ(ライヒー)とカムルチーの見分けのポイントは模様と条数!

タイワンドジョウとカムルチーを見分けるポイントとしては、模様と背ビレ・尻ビレの条数にあります。タイワンドジョウの方が模様が細かく入り、該当するヒレの条数が少ないことが特徴です。タイワンドジョウは適応力が高い丈夫な魚種のため飼育しやすく、大型魚の入門種としても適しています。飼育の際は大きめの水槽を用意し、人工飼料への餌付けは行っておきましょう。釣魚としても強いアタリと引きが楽しめる魅力的な魚種なので、ぜひ色々な面からタイワンドジョウと付き合ってみてください。

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