オヤニラミの面白い生態や飼育法!なつくって本当?

アイキャッチ画像出典:イラストAC

分類 スズキ目ケツギョ科オヤニラミ属
和名 オヤニラミ
学名 Coreoperca kawamebari
分布 京都府桂川水系・由良川以西の本州、四国、九州
特徴 体は平たく、6本ほどの縞模様がある。えらぶた上部に暗色斑と2本の棘がある。

オヤニラミの特徴

最大体長13cm前後に達する淡水魚です。魚体は側扁して口は大きく、口吻の後端は目の後ろの辺りにまで達します。体色は基本的には褐色をしており、体側には6~7本の縞模様が入りますが、同種の体色は個体差が大きく、黒色を帯びるものや黄色が強いものなどもおり、縞模様が不鮮明な場合もあります。鰓蓋には目を思わせる大きな黒色の斑紋が入り、その特徴から「ヨツメ」と呼ぶ地域もあります。日本産淡水魚の中では人気の種類で、観賞用としてもよく飼育されています。

オヤニラミの生態

河川の中流域やそこからの支流である小川などに生息しており、水深50cm程度までの水草が繁茂している岸辺に多く見られます。特に、水が澄んで流れが穏やかな場所を好み、縄張り意識が強いので群れは作らず単独で生活しています。食性は水生昆虫や落下昆虫、甲殻類に加え、小魚などを食べる肉食性です。

繁殖期は4~9月頃ですが、最盛期は5月です。繁殖期になるとオスが自身の縄張り内の「ヨシ」などの丈夫な植物を産卵床として奇麗に掃除し、やって来たメスに求愛行動をした後にメスを受け入れ産卵させます。産卵後はメスを追い出し、オスが卵の世話をしながら外敵から守ります。稚魚が誕生した後も、しばらくはオスが保護し、その時期は群泳しています。

ムギツクとオヤニラミの関係

ムギツクはコイ科に属する体長15cmほどの淡水魚で、生息域はオヤニラミとほぼ同じです。ムギツクはオヤニラミが卵を保護する生態を理解しており、オヤニラミと同じ場所に産卵することでオヤニラミに自身の卵を保護してもらう、托卵の習性を持っています。その方法としては、集団でオヤニラミの縄張りに侵入し、オヤニラミが排除しようとしているうちに卵を産み付ける、というものです。ムギツクはオヤニラミの他にも卵を保護する生態を持つ、「ドンコ」や「ヌマチチブ」などの魚種に托卵することもあります。

国内外来種としてのオヤニラミ

オヤニラミは在来種ですが、本来の分布域は京都府以西の本州と四国北部、九州北部です。しかし、現在では東京都や愛知県、滋賀県などで移入された個体が定着しています。オヤニラミは肉食性なので、他の在来種を駆逐してしまうことが懸念されており、自治体によっては指定外来種に制定されたり、駆除が行われている地域もあります。その一方で、本来の分布域ではブルーギルなどの放流により数を減らし、絶滅の危機に瀕している場所もあり、オヤニラミを取り巻く環境は混迷しています。

オヤニラミの飼育方法

オヤニラミは水質の悪化に敏感で神経質な面が見られるため、飼育環境の維持管理には注意が必要です。

オヤニラミ飼育に適した環境

オヤニラミは奇麗な水を好むので、硝酸塩の蓄積には注意が必要です。よって、フィルターは強力な物を導入し、水換えも小まめに行いましょう。また、自然下では水草が茂っている場所に生息しているため、シェルターや水草などの身を隠せる物の存在も重要です。底砂は敷いた方が良く、水質の安定と底面からの照り返し防止に役立ち、オヤニラミを落ち着かせられます。そして、縄張り意識が強いので単独飼育が基本です。他の生体と混泳させたい時は、十分に大きな飼育容器に隠れ家になる物をたくさん設置してください。

水槽・フィルター

オヤニラミの飼育に適した水槽のサイズは45cmクラス以上の水槽です。同種は奇麗な水を好むので、大きめの水槽を用意しておいた方が維持が容易です。また、同様の理由でろ過能力に優れたフィルターがあった方が良く、上部フィルターや外部フィルターが候補として挙げられます。酸欠にも弱いため、外部フィルターを使用する場合は、シャワーパイプなどで水面に動きを付けると良いでしょう。

水温・水質

オヤニラミは日本で越冬できているため、水温に対しては適応できる範囲が広いです。生存できる水温としては、低温側は飼育水が凍らない程度、高温側は30℃ほどまでです。活動に適した水温は15~25℃程度なので、観賞用として飼育するのであれば、温調機器を用いて通年でその範囲になるよう保温すると良いでしょう。水質としては、中性付近を保つようにすれば問題ありません。本種は水質の悪化に弱いため、週に1回くらいのペースで水換えを行ってください。

レイアウトなど

オヤニラミは自然環境下では、水草が繁茂している場所を好んで生息しているため、水草やシェルターなど隠れ家になる物を入れてあげると落ち着きます。また、底部から照明の照り返しがあると落ち着かないので、底床材も敷いた方が良いです。底床材としては大磯砂などの水質に影響を与え難く管理しやすい物で十分です。本種は肉食性でフン量が多いため、あまり厚く敷くと掃除が煩わしくなる点に注意してください。

オヤニラミの餌

オヤニラミは肉食性なので、冷凍アカムシなどの生餌を好みます。しかし、生餌をメインに飼育すると水を汚しやすく維持管理が煩わしくなるため、人工飼料への餌付けを行っておきましょう。適した人工飼料としては、キャットやカーニバルなど肉食魚用に配合された物が挙げられます。ただ、肉食魚は同じ餌ばかりを与えていると飽きて食べなくなる傾向が強いので、複数の餌を用意してローテーションで与えると良いでしょう。

オヤニラミは混泳OK?

前述の通り、オヤニラミは縄張り意識が強い種類なので、基本的に混泳はNGです。同種・多種問わず争い、オス・メスのペアでさえも激しく喧嘩するため注意してください。また、肉食性なのでエビ類は食べられてしまいます。どうしても混泳させたいのであれば、縄張りが重ならないほどの大きな飼育容器を用意して、水草やシェルターなどを多めに入れるなどの措置が必要です。

オヤニラミの繁殖

先に述べたように、オヤニラミは縄張り意識が強く喧嘩しやすいのですが、あまり大きくならないため飼育環境下でも繁殖させることは可能です。繁殖を狙う場合は、60cmクラス以上の大きめの水槽を用意し、オスとメスのペアを入れておきます。雌雄の見分け方としては、オスは繁殖期になると体色が黒色を帯び、ヒレが水色に染まる婚姻色を呈します。対してメスは、体が丸みを帯び、腹部が膨らみます。

 

繁殖容器には産卵床となるものが必要で、自然下では水草に産卵しますが、飼育下では塩ビ管などでも代用可能です。産卵後はオスが卵の面倒を見てくれますが、食卵するようなら隔離してください。卵が孵化して稚魚が誕生した後は、卵黄嚢の栄養を吸収するまでの間はオスが保護します。卵黄嚢の栄養を吸収し終えると餌を求めて散らばるようになり、その頃になると親魚に捕食されてしまうので隔離し、稚魚にはブラインシュリンプやミジンコなどを与えると良いでしょう。

オヤニラミは販売されている?

オヤニラミは人馴れする性質や、繁殖期には鮮やかな婚姻色を呈するなどの理由から観賞魚として人気があるため、熱帯魚専門店などで取り扱われていることも多いです。通販サイトでも普通に販売されており、個体の大きさによりますが相場としては1000~2000円前後です。

オヤニラミの釣り・採集

オヤニラミは水草など障害物の陰に潜んで獲物を待ち伏せているので、そのような場所を浮き釣りやルアー釣りで狙います。

 

浮き釣りの場合は最大でも十数cmの魚なので、ロッドはタナゴなど小物用の2m程度の物が取り回しがしやすくおすすめです。ラインはナイロン0.6~1号もあれば十分で、浮きは立ち浮きや玉浮きを使用し、餌を飲み込むのが速いため針は袖針の4~6号と軸長が長い物を用います。餌はブドウ虫に加え、現地でミミズや川虫、エビ類を調達しても良いです。

 

ルアー釣りの場合、タックルはメバルやトラウト用などのライトタックルを使用し、小型スピナーやスプーンを鼻先に落としてやると反射的に食い付いてきます。いずれの釣り方でもアタリが出たら素早くアワセを入れましょう。

 

また、オヤニラミは岩の隙間などを巣としており、その巣に対して強い執着心を見せます。その習性を利用し、塩ビ管などを沈めて放置しておき、引き上げることでも採集が可能です。他の魚種では、引き上げる間に異変を感じ逃げ出すことが普通ですが、オヤニラミは入ったまま引き上げられます。

オヤニラミは人になつくユニークな淡水魚!

オヤニラミは飼育していると人馴れし、餌をねだりに近寄ってくる個体も居ます。基本的に体色は地味ながらも個体差が大きく、繁殖期には見事な婚姻色を呈するなど、飼育しがいのある魚種と言えます。本種は清浄な環境を好むので、飼育の際には特に水質の悪化に注意が必要です。その食性から水を汚しやすいため、水換えは小まめに行い、フィルターも強力な物があった方が安心です。河川で釣りなどで採集できますが、数を減らしている地域もあるので大事に扱ってください。

 

 

オヤニラミ