アナゴの特徴やウナギとの違いは?実は毒があるって本当?




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アナゴってどんな魚?

アナゴはウナギ目に分類されている食用にも重要な海水魚です。まずは、アナゴの特徴やよく似ているウナギとの違いなどをご紹介します。

特徴

アナゴの特徴

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アナゴはアナゴ科に属する魚種の総称で、アナゴ科はウナギ目に分類されています。魚体は円筒状で細長く、腹ビレは持ちません。背ビレ・尾ビレ・尻ビレは繋がっており、魚体にウロコは無く体表は粘液で覆われています。アナゴの多くは、昼間は砂泥底に穴を掘ったり物陰に隠れて身を潜めていますが、夜になると餌を求めて活動を始める夜行性です。食性は雑食性で、甲殻類や多毛類、頭足類や魚類に加えて生物の死骸など何でも食べます。

アナゴとウナギの違い

アナゴとウナギの違いは?

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アナゴもウナギも同じウナギ目に属しているため外見はよく似ていますが、最も大きな違いは生活史でしょう。アナゴは一生を海で生活しますが、ウナギは産卵を海で行い仔魚期を海で過ごし、成魚と変わらない姿に成長する頃には河川を遡上して淡水で生活します。外見的な違いには、アナゴは上顎が長いのに対してウナギは下顎が長い、尾ビレの形状がアナゴは尖っているのに対してウナギは丸いなどがあります。

アナゴの種類

アナゴ科に分類されている魚種は、日本国内に分布しているものだけでも15属27種に登ります。ここでは、水産/観光資源として利用されている代表的な種類をご紹介します。

アナゴの仲間①:マアナゴ

マアナゴはアナゴの代表種!

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マアナゴはクロアナゴ亜科クロアナゴ属に分類されており、単にアナゴと言った場合は同種を指すことが一般的な最もポピュラーな品種です。日本全国の沿岸部と朝鮮半島から中国、台湾にかけて分布しており、水深100mまでの砂泥底に生息しています。体長はオスで約40cm、メスで約90cmに達し、体色は背側が褐色で腹側は白く、側線に沿って白色の斑点が並びます。繁殖についてはウナギと同様にまだよく分かっていませんが、繁殖期は春から夏で稚魚は「レプトセファルス(Leptocephalus)」と呼ばれ、柳の葉形をした透明の姿をしています。

アナゴの仲間②:クロアナゴ

クロアナゴはクロアナゴ亜科クロアナゴ属に分類されています。国内では茨城県以南の太平洋側、京都府以西の日本海側の沿岸部に、国外では朝鮮半島から中国、台湾にかけての沿岸部に分布しています。体長は1.4m前後にまで達するアナゴの中では最大級の品種です。体色は全身が黒色を帯び、その大きさから釣魚としては人気がありますが、味はマアナゴほど良くはないと言われており、流通に乗ることは希です。

アナゴの仲間③:チンアナゴ

チンアナゴはどんな魚?

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チンアナゴはチンアナゴ亜科チンアナゴ属に分類されているアナゴの1種です。体長は30~40cmほどで、アナゴの中でも特に細長い魚体をしています。国内では高知県から琉球列島、伊豆諸島などの南日本に、国外では西太平洋からインド洋にかけての温帯から熱帯域に分布しています。砂底に穴を掘り頭の方を海中に出している姿が印象的で、近年では水族館の人気者としてよく飼育されている魚種です。警戒心が強いため、展示の際は水槽にマジックミラーを設置し、チンアナゴに外を見せないようにすることが一般的です。

アナゴの仲間④:ダイナンアナゴ

ダイナンアナゴはクロアナゴ亜科クロアナゴ属に分類されています。見た目はクロアナゴに似ており、市場では特に区別されずに扱われることも多いです。体長は最大で1.2mほどで、体色は背側が黒色で腹側は白色です。クロアナゴと比較すると頭部が大きく全体的にずんぐりむっくりとした体形をしています。生息域は東京都以南の太平洋側と新潟県以南の日本海側、朝鮮半島南部で、他のアナゴよりもやや深い場所を好みます。マアナゴのようにまとまった量が漁獲できないので、流通に乗ることは希です。

日本でよく食べられているのはマアナゴ

マアナゴが一番ポピュラー

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アナゴ類は日本全国で漁獲でき、特にマアナゴはウナギに劣らず味が良い魚として知られているので、古くから全国で食用に利用されています。東日本では煮て、西日本では焼いて食べることが多く、アナゴを使った郷土料理も数多く存在し、特に天ぷらや江戸前寿司においては欠かせないタネです。成魚の他に稚魚も利用されており、高知県ではマアナゴのレプトセファルスを生のまま酢醤油や酢味噌で食べる、「のれそれ」と呼ばれる郷土料理があります。

アナゴには毒があるって本当!?

アナゴには実は毒がある?

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実は、アナゴを含むウナギ目の魚は、血液や粘液に毒を持っています。アナゴの血液には毒性物質が含まれ、大量に摂取すると下痢や嘔吐、呼吸困難などの症状が現れ、死亡する可能性もあります。この毒性物質はタンパク質に由来するものなので、60℃で5分以上加熱することで失活することが確認されています。よって、加熱調理することで安全に食べることが可能で、生食する場合でも、しっかりと身を洗って毒性物質を落としてしまえば、中毒になることはありません。

アナゴの締め方・さばき方

アナゴは捌くのが難しい?

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まず、アナゴが生きている場合は、首の部分の中骨まで包丁を入れて生き締めにします。

 

その後、背中を手前側にして、目やその周囲に目打ちを打ち込んでしっかりと固定してください。

 

固定したら、胸ビレの後ろのあたりに包丁を入れて中骨まで切り込み、そのまま中骨に沿って腹部の皮を残すように包丁を引いて身を開きます。

 

背開きにしたら内臓を手で取り除き、逆さ包丁で腹側の中骨部分に沿って切れ込みを入れます。

 

尾の先端までしっかりと切れ込みを入れたら、頭の方から中骨の下に包丁を入れて、中骨を切除していきます。

 

中骨の切除が完了したら、今度は尾の方から包丁を入れてヒレを切り落としてください。

 

最後に頭部を切除すれば完了です。

 

アナゴを扱う際は手に傷がある状態で捌いたり、捌いている最中に傷を作らないように注意してください。前述したようにアナゴの体液には毒があるので、傷口にアナゴの体液が触れると炎症を起こす恐れがあります。

アナゴのおすすめ料理

アナゴはウナギよりもさっぱりとした味わいが魅力で、様々な調理法で食べられています。

穴子丼(焼きアナゴ・天ぷら)

アナゴは穴子丼が最高!

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蒲焼きや天ぷらにしたアナゴを、ご飯に乗せた丼ものはアナゴ料理の定番の1つです。アナゴは加熱しても身があまり硬く締まらず、ウナギよりもあっさりとしているので、フワフワとしたアナゴの身にタレや天つゆが程よいアクセントとなりご飯が進みます。

煮アナゴ

アナゴは煮ても美味しい!

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開いたアナゴの身を塩でよく洗ってぬめりを取り、酒・醤油・みりん・砂糖で味付けをして煮込みます。柔らかいアナゴの身に甘辛い味付けがよく合い、大変に美味です。アナゴと一緒にサトイモなどを煮込んでも美味しく食べられます。

アナゴ料理が食べられるおすすめ人気店

アナゴ料理が美味しいお店

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アナゴは古くから親しまれている魚なので、専門店も多く存在します。ここでは、東京都と大阪府で代表的なアナゴ料理店をご紹介します。

東京の穴子料理店

すし乃池

台東区谷中に店舗を構える創業50年を迎えた同店では、本格的なアナゴ寿司が楽しめます。アナゴは東京湾で獲れた江戸前のものにこだわっており、握り寿司の他にもちらし寿司や巻物など、アナゴをふんだんに味わうことが可能です。アナゴ寿司は予約さえすれば持ち帰りのみの利用もできるので、ぜひ一度ご賞味ください。

日本橋 玉ゐ

中央区日本橋に本店を構える「日本橋玉ゐ」は、昭和28年に建てられた日本家屋を店舗として利用しているアナゴ専門店です。名物は「あなご箱めし」で、うな重のように食器に重箱を使用しており、焼き上げたものと煮上げたものを乗せる「合いのせ」といった楽しみ方もできます。本店と日本橋室町店限定で、キティちゃんがアナゴに扮した「あなごキティ」の販売もされているので、ぜひ訪れてみてください。

天正

台東区台東に店舗を構える天正(てんまさ)は、昭和30年から創業されており、アナゴの天ぷらが有名です。ランチメニューの「穴子天丼」はアナゴの天ぷらが3本も乗ったボリューム満点の人気メニューですが、1日限定5食なので注意してください。他には「穴子の丼つゆづけ」も名物で、同店自慢の丼つゆにくぐらせたアナゴの天ぷらは絶品です。

大阪の穴子料理店

道頓堀 穴子家

長崎県対馬産の国産天然魚介類にこだわっており、特にアナゴはカゴ漁と呼ばれる漁法で水揚げされた、状態の良いものを使用しています。大阪市中央区心斎橋筋に店舗を構え、地下鉄心斎橋駅、またはなんば駅から徒歩約6分とアクセスも容易です。

穴子家 NORESORE 大阪福島店

同店は淡路島産のアナゴにこだわっており、焼き物や天ぷら、すき焼き、しゃぶしゃぶなどアナゴを使った様々なメニューが楽しめます。使用するアナゴは「伝助アナゴ」と呼ばれる、特に大きくて脂が乗っているものを選んでいるので、薄造りなどでもしっかりとした味わいを楽しめます。

北浜あなごや 日本酒と酒肴

大阪市中央区平野町に店舗を構える同店では、たくさんのアナゴ料理と常時15種類以上のストックがある日本酒を楽しむことが可能です。中でも、「穴子炙り刺し」、「穴子石焼き」、「穴子しゃぶ鍋」の3種類の料理は名物として知られており、これらを基幹としたコース料理も人気です。

アナゴの釣り

アナゴの釣り方とは?

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アナゴは通年で釣れますが、春から晩夏にかけてが最盛期です。最盛期には浅場に上がってくるので岸からでも狙えますが、それ以外の時期では水深100mくらいまでの深い所に移動します。アナゴは夜行性なので岸からの投げ釣りでも沖釣りでも、夕方から夜にかけての時間帯に狙うことが一般的です。岸や防波堤からの投げ釣りで狙う場合は、海底が砂泥底であることを確認してください。また、地域によっても釣れる時期が異なるので、事前の情報収集が重要です。竿は4m前後の投げ竿を用いて、糸絡みの防止に太めのハリスを使用すると良いでしょう。船からの沖釣りの場合は、1.5m前後のアナゴ竿か先調子の小物竿が使いやすいです。釣る際はいずれの場合も小突いて狙い、餌はアオイソメを使用することが普通です。

アナゴは重要な海水魚!

アナゴは古くから親しまれている重要な水産資源!

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アナゴは古くから食用として親しまれているだけでなく、釣魚としての人気や水族館での展示など、水産資源ならびに観光資源として重要な海水魚です。特に、マアナゴは味が良く、最盛期には岸からでも釣れるので、個人でも釣った後に料理を楽しめます。しかし、アナゴの体液には毒があるので、捌く時は注意してください。ぜひ、料理とともにレジャーでもアナゴを楽しんでみてください。

アナゴの特徴やおすすめ料理は?