ハタハタは秋田の県魚!気になる生態や旬は?

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アイキャッチ画像出典:写真AC

ハタハタの生態

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分類 スズキ目カジカ亜目ハタハタ科ハタハタ属
和名 ハタハタ
学名  Arctoscopus japonicus
分布 北海道から山口県にかけての日本海沿岸、朝鮮半島、オホーツク海のロシア沿岸など
特徴 鱗がなく、口は上向きで斜めにつく。胸ヒレがとても大きい。

ハタハタの生態

体長は最大でも20cm程度の海水魚で、北海道から鳥取県までの日本海側に分布しています。魚体は側扁しており鱗は持たず、体高は腹部の位置で最も高くなります。口は上を向き、体色は背中側が褐色から金色で不定形の模様が入り、腹側は銀白色です。食性は小型の甲殻類や小魚を捕食する肉食性で、水温が2~3℃になる水深200~300mほどの深海に生息しています。昼間は目を出して砂に潜って身を隠しており、夜になると活動する夜行性です。

ハタハタの卵はカラフル&ネバネバ!

ハタハタの産卵期は沿岸部の海水温が低くなる11~1月頃です。産卵は浅場の海藻帯で行い、卵は粘液で覆われていて卵塊を形成して海藻に付着します。抱卵数は約1000~2500粒で1度の産卵ですべて放卵します。卵の色は赤色、黄色、緑色、青色など様々で、この差異の原因ははっきりしていませんが、親魚の食生活や生活環境の違いに起因していると考えられています。この卵塊は「ブリコ」と呼ばれ、秋田県では食材として重宝されています。

 

ハタハタは秋田県の県魚に指定されている

ハタハタは秋田の県魚

出典:Pixabay

ハタハタは特に秋田県で古くから食用として重要で、県の魚にも指定されています。民謡の「秋田音頭」にも登場し、秋田県民にとっては生活に密着した魚なのです。伝統的に漁獲されてきた魚で、昭和40年代には2万トンを超える漁獲量があったのですが、その後の漁獲量は減少の一途をたどり、遂に平成3年には70トンにまで減少してしまいました。そこで、資源保護のために漁師の方たちが自主的に3年間の禁漁期間を設けました。また、漁の解禁後も漁獲量に制限を設定し、小型の個体は放流するなどの規則を作った結果、現在では漁獲量が回復しつつあります。さらには、種苗生産や稚魚の放流なども実施しており、資源の回復と安定化に向けた取り組みが継続的に行われています。

秋田を訪れたら、ハタハタ館へ

ハタハタ館の温泉

出典:八森いさりび温泉 ハタハタ館

ハタハタ館は正式名称を「八森いさりび温泉ハタハタ館」と言い、日本海を眺めながら入れる温泉が有名な人気の観光施設です。地元で採れた海産物を使った料理も絶品で、「ハタハタ御膳」はハタハタを余すところなく味わえます。秋田県を訪れる機会があれば、ぜひご利用ください。

アクセス

*電車の場合

秋田駅から五能線「リゾートしらかみ」で、あきた白神駅下車。

青森駅からJR奥羽本線に乗車、東能代駅で「リゾートしらかみ」に接続し、あきた白神駅下車。

*車の場合

「能代東IC」と「能代南IC」から秋田自動車道。

「碇ケ関IC」から東北自動車道。

 

八森いさりび温泉 ハタハタ館の公式サイト

 

ハタハタは漢字でどう書くか知ってる?

ハタハタは神の魚

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ハタハタは漢字では「鰰」や「鱩」などと表記します。名前は冬の雷が鳴る頃合いになると現れることに由来しており、雷の古語である「霹靂神(ハタタガミ)」からハタハタと名付けられたとする説が定説です。昔の人はハタハタと雷を深く関連付けており、秋田県では「雷魚(カミナリウオ)」という別名もあります。

ハタハタの旬の時期って?

ハタハタの旬は冬

出典:写真AC

ハタハタの旬は地域によって異なります。東北地方ではハタハタの卵(ブリコ)を重視するので抱卵している時期が旬とされ、晩秋から冬がその時期にあたります。一方で、西日本の日本海側では産卵期の前で身に脂が乗っている時期が旬とされ、その時期は春です。季節によって楽しみ方が変わり、長期に渡り美味しく頂ける魚と言えます。

ハタハタのおすすめ料理

ハタハタの身は旨味のある白身で、クセや臭みが少ないので様々な調理法と相性が良いです。

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ハタハタ寿司

ハタハタ寿司は鳥取県の郷土料理で、開いたハタハタの身を酢で締め、そこに塩や酢で味付けを施したおからを入れた保存食です。各家庭で微妙に味付けが異なり、決まったレシピはありません。

塩焼き

ハタハタの塩焼き

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ハタハタの上品な旨味を味わうには最適の調理法です。ハタハタは加熱しても身があまり硬くならないうえに身離れも良く、さらには鱗を持たず皮も薄いので、塩焼きにすることで手軽に美味しく食べられます。

唐揚げ

ハタハタの唐揚げ

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エラと内臓を取り除き、塩・コショウで味付けをした後に小麦粉を付けて油で揚げます。ハタハタは骨が柔らかいので、高温でカラッと揚げると丸ごと食べることが可能です。サクサクとした食感とハタハタの旨味、香ばしさが大変に美味しい調理法です。

しょっつる鍋

ハタハタはしょっつる鍋が美味い

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「しょっつる」というのはハタハタで作った魚醤のことで、しょっつる鍋は水と酒、しょっつるでハタハタを煮込んで食べる調理法です。ハタハタからは良い出汁が出るので、シンプルな味付けでも十分に美味で、ハタハタが本来持っている旨味を存分に楽しめます。

 

ハタハタの釣り

ハタハタの釣り

出典:写真AC

ハタハタの釣期は12~2月頃です。釣り場は秋田県と山形県に集中しており、産卵期に岸に近づいてきたところを狙います。仕掛けはサビキ仕掛けを用い、コマセが無くてもハタハタの群れに投げ込めば針に掛かります。昼間よりも夜間に活動が活発になるので夜釣りで狙う人も多く、時期的に極寒の中での釣りになるため防寒具やライトは必需品です。

これからも楽しむためにハタハタと上手に付き合いましょう

ハタハタってどんな魚?

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ハタハタは古くから食材として重要で、地域の民謡にも登場するほど生活に密着した魚です。また、釣魚としても人気があり、シーズンになるとハタハタを狙う釣り人で沿岸部が賑わいを見せます。現在でも普通に漁獲できるのは、過去から現在に至るまでの漁業関係者の努力の賜物なので、私たちも釣り上げた小型のものはリリースするなど、ハタハタと上手に付き合っていきましょう。

ハタハタの特徴は?