マンボウの種類や特徴について!弱い生き物説は本当?




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分類 フグ目マンボウ科マンボウ属
和名 マンボウ
学名  Mola Mola
分布 世界の熱帯・温帯の近海
特徴 体は側扁し、体後端には舵ひれを持つ。口は小さく、歯はくちばし状である

マンボウの英名・漢字名は?

マンボウの英名は一般的には「Ocean sunfish」が使用されていますが、「Head fish」という名称もあります。由来はそれぞれ、水面に横たわった状態で浮いている様子が太陽を思わせることから、その姿が頭部のみで泳いでいるように見えるからです。漢字での表記は「翻車魚」で、日本での名前の由来は、「マン」が丸いものを「ボウ」が魚を表しており、「丸い魚」を意味しています。

マンボウの種類

マンボウはその巨体ゆえに標本の採取や運搬、保存が困難で、最近まで種類の研究は進んでいませんでした。しかし、近年になってDNA解析が可能になると、マンボウにもいくつかの種類が存在することが明らかになりました。

マンボウ

魚体は卵型で強く側扁しており、背ビレと尻ビレが対になるように魚体の後方についています。尾ビレは持たず、代わりに「舵ビレ」または「橋尾」と呼ばれる部分があり、方向転換の時に用いられています。体色は褐色や灰色、銀色など個体差があり、鱗は少なくて浮袋を持ちません。体長は3m以上に達し体重は2tを超える、現存する世界最重量の硬骨魚類です。

ウシマンボウ

日本の近海を回遊するマンボウは2種類が知られ、1つは「マンボウ」で、もう1つが「ウシマンボウ」です。昔は同一視されていましたが、マンボウの中でひときわ大型のものが希に水揚げされることから漁師の間では区別されており、2012年にDNA解析の結果から正式にマンボウとは別の種類であることが判明しました。

ウシマンボウとマンボウは形態的にも異なる点があります。例えば大きさで、マンボウは約2.8m程度までに対し、ウシマンボウは3.3m前後にまで達します。それから、マンボウは成長とともに舵ビレの辺縁部が波打ちますが、ウシマンボウにはそのような形態は見られません。また、ウシマンボウはマンボウにはない、コブのような頭部の隆起が見られます。ウシマンボウは体長1.8m未満の個体が発見されていないなど、生態については未だ不明な点も多いです。

カクレマンボウ

カクレマンボウが発見されたのは2014年のことで、マンボウ属に新種が加わるのは実に125年ぶりのことでした。きっかけは、ニュージーランドのクライストチャーチに打ち上げられたマンボウで、標本として採取・分析したところ新種と判明しました。また、通常のマンボウとは外見的な特徴も異なります。魚体はマンボウよりも体高が低く、比較的細長いです。それから、舵ビレの中央部が窪み、その窪みに向かって魚体から帯が真っ直ぐに伸びる特徴があります。そして、体長は最大でも2.4m程度です。

マンボウの生態

マンボウの特徴

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マンボウは世界中の比較的暖かい海に生息しています。表皮に寄生虫が付きやすいことから、水面近くで体を横に倒して日光浴をしている様子は世界中で確認されています。この時、海鳥が寄生虫を食べに来ることもありますがマンボウは動じません。また、水面から3m以上もジャンプして着水することで、寄生虫を振り落とす行動も報告されています。食性は雑食性でクラゲや小魚、プランクトン類や藻類などを捕食しています。口は魚体に対して小さく、歯はくちばしと融合しており、口を完全に閉じることはできません。泳ぎ方は不格好で、背ビレと尻ビレを動かして前進し、舵ビレで方向を定めています。

マンボウは繊細な生き物?

マンボウは可愛い

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インターネット上を中心にマンボウはデリケートな生物だという噂がありますが、他の魚類と比較して特別に弱いわけではありません。例えば、水面からジャンプして寄生虫を落とすことはマンボウにとって日常のことなので、その際の衝撃で死ぬようなことはありません。また、日光の当たりすぎで死ぬようなこともなく、命の危機に陥る前に海中へ退避できます。

 

ただ、皮膚が弱いことは事実で、人から強く触れられると傷ができ、その傷から感染症を引き起こすと死亡してしまうことはあり得ます。しかし、感染症が危険なのは私たち人間にとっても同様です。泳ぎに関しても、小回りが利かないことは事実で、マンボウを飼育している水族館では水槽に衝突防止シートを設置するのが一般的です。マンボウの他の魚類とは大きく異なるユニークな生態が、情報を誇張しているケースが見受けられるので注意してください。

マンボウの産卵数は魚類一!

マンボウの抱卵数は多く、メス1匹あたり3億粒ほどの卵を持つことが分かっており、この数は現在確認されている魚類で最大級です。しかし、その膨大な数の卵を、一度に放卵するかどうかについては不明です。ふ化した直後の稚魚は親とは似ても似つかない容姿をしており、当初はマフグ類に似た魚体に尾ビレを持って生まれます。その後、成長とともに尾ビレが消失し、代わりに棘が発達して金平糖のような形になります。この棘は浮力を増やして浮遊生活を助けたり、外敵から身を守るのに役立っていると考えられています。この状態からさらに成長すると、親魚と変わらない姿へと変態します。

マンボウを飼育している水族館

マンボウは水族館の人気者?

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マンボウは飼育が難しい生物です。なぜなら、その巨体ゆえに大型の飼育水槽が必要で、泳ぎについても小回りが効かないことから水槽に衝突しやすく、体に傷を作り死亡するケースがあるからです。また、餌も悩みの種で、野生では主にクラゲを捕食しているせいか消化能力が弱く、小魚などをそのまま与え続けると、消化不良を起こして死亡する危険があるのです。このように、マンボウは飼育が難しい生物ですが、独自の研究と努力によりマンボウの長期飼育を成功させている水族館もあります。

 

マンボウを展示している水族館が以下の通りです。マンボウに会いに行ってみてはいかがでしょうか。

・アクアワールド茨城県大洗水族館(茨城県)

・鴨川シーワールド(千葉県)

・サンシャイン水族館(東京都)

・下田海中水族館(静岡県)

・志摩マリンランド(三重県)

・海遊館(大阪府)

・高知県立足摺海洋館(高知県)

・海響館(山口県)

マンボウは美味しい?

マンボウの味は部位によって大きく異なります。美味しいとされている部位は身(筋肉)と肝、腸と皮で、それ以外の部分は水分が多いなどの理由であまり美味しくないそうです。

どんな料理で食べられる?

マンボウの料理法

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マンボウの代表的な食べ方は、前述した部位を使った料理です。例えば、身(筋肉)と肝を合わせたものに酢味噌を絡めた和え物は、身の生臭さや肝のクセなどが消えて、それぞれの旨味を引き立てることができる美味しい食べ方です。また、身を揚げた天ぷらはイカやエビを思わせる味わいが魅力です。しかし、天ぷらは手早く食べないと身の水分が出てきて味が落ちてしまいます。腸の塩焼きも代表的な調理法で、串焼きにして塩で味を調えると美味しく食べられます。臭いが気になるようでしたらニンニクや唐辛子、コショウを利かせるのもおすすめです。

マグロの代用品「アカマンボウ」

マンボウとアカマンボウ

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アカマンボウはアカマンボウ目アカマンボウ科に属しており、体長2mほどに達する大型の深海魚です。マンボウはフグ目マンボウ科に分類されているので、両者は種としては遠縁です。しかし、アカマンボウは”マンボウ”と名につく通り、外見はマンボウとよく似ており、魚体は強く側扁した円盤状で、付け根が短くて上下に長い背ビレと腹ビレを持っています。体色は背中側が赤色で腹側は銀色、全身に白色の水玉模様が入ります。マンボウとの外見的に目立った差異は尾ビレを持ち、背ビレと腹ビレが魚体の中ほどに付いていることです。味が良いことに加え安価なことから、市場では安定した人気がある魚です。

ユニークな生態を持つ大型海水魚マンボウ!

マンボウが牙を剥く!?

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マンボウは地域によっては古くから食用として利用されている身近な存在でありながら、その生態には未だ謎が多い生物です。水族館レベルでの設備でも飼育が難しいこともあり、誤解されやすい生き物ですが、他の海水魚と比較して特別弱いわけでは決してなく、外洋を悠然と回遊する生命力に溢れる生物です。その独特なフォルムや遊泳性は見ていて癒されると思うので、水族館などで生のマンボウとその情報に触れてみてはいかがでしょうか。

 

マンボウってどんな魚?