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タコってどんな生き物?
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タコは世界中の海に分布する軟体動物で、氷の海にも熱帯の海にも広く分布します。深海から浅場まで、生息地も様々で、水産物としても重要な地位を占めています。日本ではミズダコ、マダコ、イイダコがおなじみです。ミズダコは3メートルを超えるほど大きく、寿司や刺身としてよく食べられますが、東北以北の冷たい海に生息します。マダコ、イイダコは日本沿岸に広く分布し、釣ることもできますし、食べても大変美味。飼育することも可能です。いずれのタコも甲殻類や小魚、貝類などを捕食する肉食です。
タコはとっても頭がいい!
ジャムなどの瓶にタコの好物のエビなどを入れ、タコのいる水槽に沈めると、タコは蓋をねじって開け、獲物を捕まえることができる。いったん成功するとねじの原理を覚え、それ以降はいとも簡単に蓋を開けてしまうようになるんです。タコの自力で解決策を模索する力、それを応用する学習力には、驚かされます。
実はタコもイカも足の本数は同じ?
タコは「八ちゃん」とニックネームで呼ばれるように、足は8本あります。これに対してイカの仲間は10本の足があると思われていますが、イカの10本の足のうち、特に長い2本は「触腕」と呼ばれる腕で、足ではありません。タコもイカも8本足なのです。足と腕の違いは、吸盤の数。腕には先端部にしか吸盤がありません。
タコとイカの吸盤の違い
タコとイカの吸盤の違いは、かぎ爪です。タコの吸盤は真空状態を作り出して獲物などを吸い付ける役目を果たしますが、イカの場合はその吸盤の中心にとげのような小さな爪があります。ゲソなどを食べるときに注意してみると、吸盤の中心に小さなかぎ爪があるのを見つけることができるでしょう。
試合の勝敗を当てるタコ占い?
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北海道小平町で網に掛かり、子供用プールで飼育されていたミズダコのラビオ君は、ワールドカップロシア大会の日本の試合結果を占いました。結果は3試合全て的中。すごい予言力に全国から注目が集まりました。タコがサッカーの試合結果を占ったケースは海外でもあり、ドイツでは水族館で飼われていた「パウル」というタコが的中を連発し、一世を風靡しました。
タコの代表種その① マダコ
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マダコは温帯に広く 生息するタコで、日本でタコと言えばほとんどの場合、マダコを指します。エビやカニ、小魚などを捕食し、最大60センチに成長します。味の良さは抜群。多くは蛸壺漁などで捕獲されますが漁獲量が減っているため、アフリカから近縁種が輸入されています。釣りの対象でもあり、独特の釣法が発達した地方もあります。
タコの代表種その② イイダコ
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イイダコは最大でも30センチで、普通は15センチほどしかない小さなタコ。投げ釣りの外道に掛かることもあります。抱卵期のイイダコを料理すると、頭に見える胴部の中の卵が煮え、まるで米でも詰めたように見えたことから、「飯蛸」と呼ばれています。浅い海にいて、砂浜や磯で捕まえることもできます。大変おいしいタコです。
タコの代表種その③ ミズダコ
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東北以北の寒い海に生息する、世界一の大きなタコです。北米にも広く分布し、体重は50キロを超えるほど大きなものもいます。9メートル以上、272キロの巨大なミズダコが捕獲された記録があります。タラバガニや毛ガニ、ホタテ貝などを食べているからか味も良く、マダコの代用とされることもあります。
タコの代表種その④ ヒョウモンダコ
猛毒を持つ危険なタコです。イイダコよりももっと小さく、本来は熱帯性のタコですが、温暖化に伴って日本各地の沿岸に分布域が北上しています。ヒョウモンダコは美しい青い、ヒョウ柄の模様があり、小さくかわいらしい印象があるので、捕まえた子どもが手のひらに乗せてしまう危険があり ます。フグと同じテトロドトキシンという猛毒があり、かまれると命に関わります。
タコの代表種その⑤ テナガダコ
テナガダコはその名の通り、足が非常に長く、全長70センチにもなります。アシナガダコと呼ぶ地方もあります。干潟などの泥底を好み、穴を掘って身を隠しています。しかしまとまった漁獲がなく、スーパーなどで見かけることはめったにないでしょう。しかし味は大変良く、韓国では生きたままの足を躍り食いにするのが名物料理となっています。
タコの釣り
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タコは防波堤などから簡単に釣ることができます。最も知られているのは、「テンヤ」という重り付きの針を使って釣る方法。テンヤに模型のカニやエビを付けたり、白いものを餌だと思う習性を 利用して豚の脂身やラッキョウをくくりつけたりして海底を引き、飛びついたタコを引き上げる釣り方です。やや硬調子のバスタックルなどでキャストし、広範囲を狙う方法もあります。防波堤から足元に糸を垂らしながら歩き、手釣りをする方法もあります。アオリイカなどを釣るエギングの餌木をタコ用に変えるだけでも、十分にタコを釣ることができ、最近はタコエギという専用ルアーも発売されています。
タコの料理
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タコは生でも煮ても焼いても挙げてもおいしくいただけます。和洋中の差も問いませんので、いろいろな料理に挑戦してみましょう。
たこ焼き
ゆでたタコをぶつ切りにし、薄力粉、卵、冷水で溶いた生地に、ネギや紅ショウガ、みじん切りのキャベツな どを加えて、たこ焼き器で焼きます。ソースや鰹節、青のりをかけてできあがり。
タコの刺身
新鮮なタコは刺身がおいしいです。塩をしてぬめりを取り、包丁で皮をむいて刺身に引きます。皮がむきにくい場合は布巾で滑らないようにしてむいても構いません。軽くゆでたものも刺身にすることもできます。
タコのアヒージョ
タコをよく食べるスペインの料理、アヒージョは、和食とはまた違ったタコの魅力が味わえます。ニンニクの香りをオリーブオイルに十分に移し、鷹の爪を加えて塩加減を整え、タコのぶつ切りを加えます。タコの歯ごたえとうまみが引き立ちます。
たこカマ
タラなどの白身魚のすり身にみりん、塩、卵白、菜種油、酒、砂糖、白だしな どを加えて混ぜ、粘りを出し、ぶつ切りのタコを加えて形成します。焼いてよし、蒸してよし。揚げてもおいしく食べられます。
タコの飼育
撮影:FISH PARADISE!編集部
飼育するなら大きくならないイイダコがおすすめです。60センチ水槽以上の水槽で飼育します。海水が確保しにくい人は、人工海水で飼育が可能です。フィルターは外部、または底面フィルターを使いましょう。タコはほんのわずかの隙間からも脱走するので、しっかり蓋をして外されないようにする必要があります。フィルターの吸い込み口やパイプの継ぎ目は進入されないよう固定します。水温は24度程度が上限なので、夏は水槽用クーラーで冷やします。餌はアサリやエビのむき身などがいいでしょう。素焼きの蛸壺などを入れると住み家にする ので、愉快です。
タコは結構強い!
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