アイキャッチ画像撮影:写真AC
分類 | スズキ目フサカサゴ科ミノカサゴ属 |
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和名 | ミノカサゴ |
学名 | Pterois lunulata |
分布 | 北海道南部以南の日本の各地沿岸 |
特徴 |
体全体に横縞模様がある。背鰭と胸鰭は大きく、各鰭条は長く伸びる。類似種のハナミノカサゴとは、第2背鰭・臀鰭・尾鰭に斑点が無いことで区別できる(ハナミノカサゴには黒い小斑点がある)。 |
ミノカサゴは危険な毒魚!

出典:写真AC
ミノカサゴは非常に綺麗な魚ですが、背鰭・胸鰭・臀鰭の棘に強力な毒腺を備えています。万が一刺されると、患部は大きく腫れ激しい痛みを伴います。死亡例はほとんどありませんが、重症の場合は吐き気、めまい、呼吸困難、意識障害などを引き起こす場合もあるので、ミノカサゴに刺されたらすぐに病院に向かいましょう。ミノカサゴの毒はタンパク毒なので、応急処置として患部を40~50℃くらいのお湯につけると、毒が失活し痛みは和らぎます。
ミノカサゴの生態

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ダイビングなどをしているとよく見かけるミノカサゴですが、意外と気性の荒い魚で人間相手でも向かってくる時があります。海中でミノカサゴを見かけたら刺激しないようにゆっくりと離れましょう。日中でもよく見かけますが、実はミノカサゴは夜行性で、夜になると活発に泳ぎまわってエサを食べます。ミノカサゴのエサは小魚、エビなどの甲殻類などで、口を大きく伸ばして海水ごとエサを瞬時に丸のみにします。また、ミノカサゴに近縁なカサゴやメバルの仲間は稚魚を出産する卵胎生で知られていますが、ミノカサゴの場合は他の魚と同じく卵生で、卵の状態で出産します。
ミノカサゴは飼育可能?

撮影:FISH PARADISE!編集部
危険な毒魚であるミノカサゴですが、その見た目の美しさから水族館では必ずと言っていいほど見かける定番の観賞魚であり、個人のアクアリウムでも飼育することができます。丈夫で長生きのため、初心者にも飼いやすい魚です。注意する点としては、ミノカサゴは急激な水温変化には弱いので気温に合わせてヒーターやクーラーをつけてやる必要があります。また、毒針をもっているので、水替えやエサやりの時に刺されないように十分注意しましょう。混泳させる場合は、ミノカサゴの口に入らないサイズの魚を入れないと食べられてしまいます。
ミノカサゴが釣れてしまったら?

撮影:FISH PARADISE!編集部
釣りをしていると稀にミノカサゴが釣れてしまうことがあります。そのまま素手で針を外そうとすると刺される恐れがあるため、ミノカサゴが釣れた場合は、フィッシュグリップやメゴチバサミなどで魚をもち安全に針を外しましょう。ミノカサゴが釣れるたびに糸を切っていては仕掛けがもったいないですし、魚も可哀想ですよね。なるべく素早く安全に針を外してやるためにも、こういった道具は常に持って釣りに行きましょう。
ILURE フィッシュグリップ
第一精工 ワニグリップ
ミノカサゴって美味しいの?

出典:写真AC
派手な見た目と鰭の毒から、何となく食べるのをためらいがちなミノカサゴですが、毒のある鰭を取り除けば身の部分は食べることができます。しかもその身は淡白でクセが無く、意外と美味しいそうです。ただし、やはりカサゴやメバルなどと比べると水分が多く味は落ちるようで、刺身で身本来の旨みを堪能する、というよりは、煮つけや唐揚げなどの火を通す料理の方が合うかもしれません。ほとんど市場に出回らない魚なので、もしも釣れた時は一匹キープして味を確かめてみるのも面白いですね。
ミノカサゴは「綺麗な花には棘がある」を体現する魚!

撮影:FISH PARADISE!編集部
ミノカサゴは綺麗な色彩と、大きい胸鰭をヒラヒラさせてゆったりと泳ぐ様から非常に優雅な雰囲気をまとっています。その実それぞれの鰭に強力な毒針を備えているという、まさに「綺麗な花には棘がある」を体現している魚です。この派手な色彩は警戒色であると言われ、「自分は毒を持っている」、「危険な魚だぞ」ということを周囲に知らせる役割があります。人にとっては興味を引く綺麗な色であっても、他の生物には危険に見えるというのも面白い話ですね。