金魚にヒーターはいるorいらない?なしでも飼える条件と無加温飼育のコツ

金魚にヒーターはいるの?いらないの?

金魚はヒーターなしで飼育できると聞いたことがある人も多いと思いますが、一方で、金魚飼育用のヒーターも販売されています。結局のところ、金魚飼育にヒーターは必要なのでしょうか。まずは、ヒーターの必要性について掘り下げていきます。

基本的にはヒーターなしでも飼育が可能

カラフルな金魚

 

金魚は幅広い水温に適応可能で、きちんと環境を整えてあげれば冬眠による越冬もできます。そのため、基本的にはヒーターを使用せずとも飼育が可能です。

 

しかし、その環境を用意してあげることは、慣れていないと難易度が高いことから、特に初心者の方はヒーターを使用して保温することをおすすめします。

 

飼育容器の設置場所などを工夫することで、ヒーターを使わずに低水温から金魚を守ることも可能です。例えば、水槽を空調が効いている部屋に置いたり、水槽の断熱性を高める処置を施す、などの方法があります。

東南アジア産などの金魚はヒーター推奨

金魚がたくさん

 

現在では、東南アジアなどの亜熱帯から熱帯地域で養殖された金魚も流通しています。ここで注意したいのが、 産地によって低温耐性に差があることです。

 

国産金魚の大部分は、水温が低くなる日本の冬を経験しているため、低温に強い傾向があります。しかし、東南アジア産の金魚のほとんどは、日本の冬ほどの寒さを経験したことがなく、低水温に弱い傾向が見られることから、ヒーターの使用がおすすめです。

 

東南アジア産の金魚でも、金魚であることに変わりはないので、ゆっくりと慣れさせてあげれば低水温にもある程度は適応可能です。ただ、いきなり日本の冬を経験させるとショックで弱ってしまう可能性があるため、シーズン単位で徐々に低水温を経験させてあげましょう。

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金魚の無加温飼育を成功させるためのポイント

寒い

 

ヒーターなしで金魚を飼育するには、まず、たくさんの水を入れられる大きな飼育容器が不可欠です。多くの水量を確保することで、昼夜の水温差を小さくするとともに、夜間に水温が下がりすぎることを防ぐことができます。

 

金魚は幅広い水温に適応できますが、それは水温がゆっくりと変化した場合の話であって、1日の水温差が大きすぎると弱ってしまいます。水温が急に下がりすぎても良くないので、これらの事態にヒーターなしで対応するには、水量を多くして気温変化の影響を少なくする必要があります。

金魚に餌をあげる

 

次に、餌の与え方もポイントになります。その理由は、金魚は変温動物であるが故に、 水温に応じて活性が変化するためです。つまり、高水温になれば活性が高くなり、餌の要求量も増える一方で、低水温だと活性が低下し、餌の要求量も減るのです。

 

そのため、無加温で飼育する場合は、水温に応じて餌の量も調節しなければなりません。活性が低い場合に餌を与えすぎてしまうと、金魚は消化不良を起こし、そこから病気を発症して最悪の場合、死んでしまう危険性もあります。

 

無加温飼育には相応のリスクがあり、それに対応するための手段を正しく知っておくことが重要です。

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金魚にヒーターを使う3つのメリット

ヒーターを使用すると、簡単に金魚の活性を維持することができるため、色々なメリットが得られます。金魚にヒーターを使用するメリットについて見ていきましょう。

水温差が原因となる病気の予防ができる

ヒーターで金魚の病気予防

 

金魚は幅広い水温に適応可能である一方、短期間で水温が大きく変動するとストレスを感じてしまいます。人間と同様に、金魚がストレスを感じると免疫力が低下し、様々な病気にかかってしまうため、ヒーターで保温することは病気予防に効果的です。

 

また、病原体には低水温で活発になる種類が存在します。代表的なものとしては、白点病の原因になる「ウオノカイセンチュウ(学名:Ichthyophthirius multifiliis)」がいますが、ヒーターを用いて水温を一定に保つことで、これらの病原体の活動を抑制することができます。

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消化不良によるトラブルを軽減できる

金魚の消化不良

 

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低水温になり金魚の活性が低下すると、消化器官の働きも弱くなるので、水温が高い時より消化不良を起こしやすくなってしまいます。

 

金魚の消化不良は危険で、そこから転覆病や腹水病などを発症して死亡するケースもあるため要注意です。ヒーターを使用して通年で保温してあげれば、消化不良とそこから発展するトラブルも抑制できるので、金魚の長期管理がより簡単になります。

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冬でも元気に泳ぐ姿を鑑賞できる

冬でも金魚は元気

 

金魚の活性が低下すると、あまり泳ぎ回らなくなり、餌もほとんど食べなくなります。そのため、金魚が元気に泳ぐ姿や餌を食べる姿、餌やりといった飼育の楽しみは減ってしまいます。

 

ヒーターを使って加温することで、年間を通して金魚が元気に泳ぎ、餌を食べる姿を楽しむことができるようになります。

 

反対に、ヒーターを使用せず金魚の活性が低くなっている時に、活性が高い時期と同じ対応をすると、前述した消化不良などのトラブルの原因になってしまいます。

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金魚におすすめのヒーター4選

各メーカーからさまざまな観賞魚用のヒーターが販売されています。それらの中から、金魚の飼育におすすめのピックアップして、ご紹介します。

テトラ 金魚オートヒーター 50W

20L以下の水量に対応したヒーターで、自動的に設定温度である18℃に水温を上昇させてくれます。45cm水槽や30cmキューブ水槽などに適合するヒーターで、若魚など比較的小さな金魚の飼育に向いています。

 

価格もリーズナブルなのに加え、ヒーターカバーや温度ヒューズなど安全面が考慮された作りになっているので、初心者でも安心して使用可能です。

GEX 金魚元気 オートヒーター120

60L以下の水量に適合しており、水槽だと60cm規格水槽以下のサイズに対応します。温度センサーが内蔵されており、自動的に18℃まで加温してくれます。

 

空焚きを検知して自動的に通電を遮断する仕組みが備わっており、この機能は温度ヒューズが切れる前に作動するため、再使用が可能です。

エヴァリス プリセットオート AR金魚150

エヴァリス プリセットオートAR 金魚150【熱帯魚ラメ入りシールプレゼント】観賞魚 水槽 保温器具
ノーブランド品

30~60L以下の水量に適合するオートヒーターで、水槽だと45cm規格水槽~60cm規格水槽のサイズに対応します。空焚き防止の安全装置を内蔵し、ヒーターカバーには難燃性素材が使用されているため安全面も万全です。

 

60cm規格水槽での使用ができるため、複数匹の飼育や大きな金魚の終生飼育でも使えるヒーターです。

GEX NEWセーフカバー ヒートナビ 80

26L以下の水量に適合したサーモスタット一体型ヒーターで、水槽サイズは30cmキューブ水槽クラスが目安です。サーモスタットはキスゴムで水槽壁面に固定できるため景観を損なわず、15~32℃の範囲で水温のコントロールができます。

 

水温を調節できるため、金魚の体調不良に対応できるのが大きなメリットです。病気の治療などでは、水温を上昇させることが効果的なケースがあることから、温度調節が可能なこのような製品を持っておくと便利です。

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ヒーターの設定温度は何度がベスト?

最適

 

基本的には、金魚用オートヒーターが採用している18℃で問題ありません。この温度は金魚にとっては、暑すぎず寒すぎずの快適な水温なので、冬季でもヒーターで同温度に調節してあげることで通年で元気に飼育することができます。

 

ただし、白点病や消化不良になってしまった時は、もう少し水温を上昇させて活性を高めた方が、治癒がスムーズになる場合もあります。そのため、温度調節が可能なヒーターを所有しておくと、病気の治療や体調不良の改善にも使えて便利です。

 

具体的な水温としては、 白点病の場合で28℃、消化不良は25℃程度にすると良いとされています。水温を上昇させる際は水温ショックを避けるために、水槽導入時の水温合わせの要領で、急激には上げずに徐々に上げていってください。

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金魚飼育におけるヒーター使用の3つの注意点

ヒーターは、言ってしまえば熱源であるため、注意して使用しないと思わぬ事故を招きます。ここでは、ヒーターを使用する上で重要な注意点を、3つにまとめました。

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金魚が火傷しないようにカバーをつけよう

現在、販売されている商品の大部分には、カバーが付いていますが、一部の製品にはカバーがないものがあります。金魚が熱源に触れてしまうと火傷をしてしまうため、カバーは必ず取り付けておきましょう。

 

特に、 ヒレが長い品種はヒレがヒーターに触れやすく、せっかくの綺麗なヒレが損傷してしまうので注意が必要です。

電気代を抑えるためには、断熱対策をしよう

ヒーターを使用する上で、電気代の発生はどうしても避けられません。ヒーターは水温が設定温度になるまで、電力を消費して飼育水を加温する仕組みであるため、少しでも水槽から熱が逃げないようにすることで、電気代を押さえることができます。

 

具体的な対策としては、水槽の鑑賞面以外は、断熱材などで覆ってしまう方法です。冷たい外気に触れる面積を少なくすることで、熱が奪われることを抑制することができます。現在では、水槽用の断熱シートも市販されているので、上手に活用すること良いでしょう。

ヒーターは定期的に交換しよう

アクアリウムにおけるヒーターは基本的に消耗品です。不意の故障などに対応できるように、予備のヒーターは必ず常備しておきましょう。冬場にヒーターが故障すると、急激な温度差から病気や体調不良などのトラブルを招き、最悪の場合、死んでしまうことにもなりかねません。

 

金魚は冬眠も可能ですが、それは前もって餌切りなどの準備をしつつ、ゆっくりと水温を下げなければ成功しません。ヒーターが故障して急に水温が下がったからと言って、いきなり冬眠できるものではないので、加温飼育では予備のヒーターをしっかりと準備しておきましょう。

ヒーターを使えば、寒い時期も元気に金魚飼育できる!

金魚飼育はヒーター使おう

 

金魚はヒーターなしでも飼育できますが、その場合は相応の工夫が求められる上に、金魚が体調不良に陥るリスクも上昇してしまいます。ヒーターを使って保温してあげれば、低水温時に発生しやすいトラブルを抑制できるとともに、年間を通して金魚との生活を楽しめるようになります。

 

金魚を飼育する際には、ぜひヒーターの活用して金魚飼育を楽しんでください。

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