Vol.1 三色メダカに魅了されて…(奈良県奈良市/ナベさん )

アイキャッチ画像提供:ナベさん

色々な形で魚に関わっている人を特集する「魚好人」。記念すべき第一回は、奈良市にお住いのメダカ愛好家ナベさんを取材させていただきました。三色メダカに特に強い思い入れがあるというナベさんのメダカ飼育のきっかけや現在の飼育環境、メダカへのこだわりなど、メダカファンにはぜひ読んでいただきたい内容です。

三色メダカとの出会い

娘さんが幼稚園で飼育されていたメダカの稚魚をもらってきたのをきっかけにメダカ飼育を始めたナベさん。その後、親戚の方から楊貴妃をもらい、睡蓮鉢での飼育を楽しんでいたそうです。

 

そんな中、ある日のテレビ放送で、奈良県曽爾村にある「メダカ街道」で販売されている3色メダカの存在を知ったそう。初めて見た、錦鯉のような綺麗なメダカに大きな衝撃を受け、それをきっかけに改良メダカにどっぷりとはまっていきます。

その後、会社の人に教えてもらったメダカ専門店で、ラメ入りの三色メダカを三匹購入し、本格的な改良品種の飼育をスタートさせたナベさん。これまでのメダカの飼育経験から、大きな失敗もなく順調に三色メダカの繁殖に成功し、今では三色ラメを中心とした様々な品種の飼育・繁殖をされています。

飼育環境をリサーチ!

現在はベランダの一角を使って、ほとんどのメダカを管理しているとのことで、飼育場所も実際に撮影させていただきました。自作の棚の上に機能的に並べられた飼育容器の中には多種多様な品種のメダカたちが泳いでおり、品種ごとやグレードごとに選別されていました。飼育容器は、メダカの発色を良くする意味で、黒いプラスチック製の工具ケースを主に使っているとのことでした。

また、基本的には全ての容器にエアレーションを行なっていますが、これは主にバクテリアの活性化のためとのこと。工具ケースのほか、上記のような睡蓮鉢でも沢山のメダカを飼育されていました。

採取した卵や小さな稚魚は大きな容器とは別に、さらに小さなケースで個別に管理し、メチレンブルーでカビを予防していました。卵の採取には自作の産卵床を使っており、水草に比べて採卵がしやすくする工夫も施されていました。

 

メダカの稚魚はある1~2ヶ月程に成長すると体長ごとに選別を行い、別々の容器に分けて管理しているようです。体長差がある個体同士を同じ容器で管理していくと、餌を食べられない個体が出て、ますます体長に開きが出てきてしまうこともあるようで、その対策としても有効だとナベさんは話してくれました。

また、このほかにも餌用のミジンコのストック水槽などもあり、メダカの繁殖から稚魚の育成までがスムーズに行える環境が整えられていました。

 

ちなみに、冬季は繁殖させたい個体は加温をして、室内に入れて管理しているそうです。それ以外の個体は基本的にはベランダで管理しているとのことでしたが、沢山落ちてしまうことなどはほとんどなく、特に大きな問題はなく冬を越せているそうです。

こだわりは「見せ方」

メダカという趣味で特にこだわっていることは、メダカの見方や見せ方だというナベさん。単に綺麗な品種の繁殖を楽しむのではなく、いかにそのメダカが綺麗に鑑賞できるか、写真映えするかということに重点を置き、そのために様々な工夫をしているとお話してくれました。

まずは、メダカの写真を撮影する際に使用している容器の工夫です。撮影には「ほっかほっか亭」のカツ丼容器がとてもいいそうで、マッドな質感の黒色がメダカの体色を引き出してくれ、重宝しているとのこと。また、撮影時には容器に水を少なめに張り、やや傾けた状態で撮影すると、メダカが一箇所に集まり撮影が綺麗にできるというちょっとした小技も教えていただきましたよ。

また、100円ショップの調味料ケースを改良して作った横見ケースもナベさんの自慢の一品。白と黒の2種類のスクリーンのものを作り、品種によって使い分けているそうです。

 

東天光やヒレナガ系メダカといった、上見よりも横見の方がその品種の特徴や魅力を引き出せる品種は、この横見ケースで撮影をしているとのこと。選別の際にも便利ですし、制作費もとても安いので皆さんも真似してみてはいかがでしょうか。

容器以外にも見せ方への強いこだわりがあるナベさん。メダカを引き立たせるために紅葉の葉や様々な水草をメダカに添えたりして、ベストショットを日々研究しているそうです。底砂の色や、入れる容器もメダカの特性にあったものを選ぶこだわりはなかなかのものですね。

ナベさんにとって、メダカの魅力とは?

ナベさんが思うメダカの魅力は、手間や設備がかからず、誰でも気軽に飼育ができる点とのこと。熱帯魚などでは、ヒーターやファン、エアレーションなど何かと飼育器具が必要ですが、メダカは小さな飼育容器と少しのスペースがあれば誰でも簡単に飼育ができてしまうので、難しいと思わずに飼育や繁殖にチャレンジしてもらいたいとおっしゃっていました。

 

確かにメダカは金魚や錦鯉などに比べ、飼育に必要な設備やスペースも小さく、繁殖が可能になるまでの期間も早い魚です。また、日本の気候にもマッチしており、飼育しやすい魚ですので、もっと気軽に飼育にチャレンジしてもらいたいですね。

また、義理のお父さんもメダカ愛好家らしく、休日には二人でメダカを買いに出かけたりもするそうです。さらに、SNSをきっかけにメダカ仲間も増えたと楽しそうに話してくれました。メダカという共通の趣味で色々な人と交流が生まれるのも大きな魅力かもしれませんね。

 

 

最後に、この記事を見ている人に伝えたいことは?と尋ねると、「とにかくメダカという魚は思っている以上に飼育もしやすく、繁殖なども楽しむことができる素敵な魚です。肩肘はらずに、気軽にメダカ飼育にチャレンジしてメダカ飼育の楽しさを知って欲しいです」とお話していただけました。

 

最近では、不定期で販売をおこなったり、近所のお祭りでメダカすくいを出店したりもしたりと、メダカの飼育をきっかけに活動の幅も広がっているナベさん。ナベさんのメダカ飼育の様子などは、インスタグラムでチェックすることができます。気になる方は是非、インスタグラムをチェックしてみてくださいね!

 

↓ナベさんのインスタグラムはこちらからチェック↓

https://www.instagram.com/k.nabe39/

 

ナベさん、この度は暑い中、ご対応いただきありがとうございました!

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