大名おろしを4ステップで解説!三枚おろしとの違いって?

アイキャッチ画像提供:奥出裕介氏

釣った魚を自分で捌いておいしく食べよう

普段ゲームフィッシングとして釣りを楽しむ方は、釣った魚もリリースする場合が多いと思います。しかし、例えばスズキは意外と上品な白身魚だったりと、美味しい魚も多いので、たまには自分で釣った魚を食べてみるのもおすすめです。

 

ただ、うまく捌けるかどうか分からないので、チャレンジしにくいと思う方も中にはいるかもしれません。今回は、そんな魚のさばき方の一つをご紹介します。

小型の魚を簡単に捌くのにおすすめの捌き方

魚の捌き方には、背開きや五枚おろしなど様々な種類があります。一番有名な捌き方は三枚おろしかと思いますが、実は、三枚おろしを簡易化した「大名おろし」というものがあり、魚料理初心者にはこちらの捌き方がおすすめです。

 

大名おろしは、小型の魚全般に応用できる捌き方なので、釣り人なら覚えておくと非常に役に立ちますので、ぜひ覚えておきましょう!

魚を捌くコツは骨の入り方を把握すること

魚は魚種ごとに形が違うので、最適な捌き方が変わってきますが、その根底にある基礎は全部同じです。魚を捌く目的は「魚を骨と身に分解すること」。つまりは、その魚種ごとの骨の入り方を把握することがポイントになります。下記の図は、一般的な魚の骨構造を大まかに表したものです。

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基本的には「中骨」、一番魚の骨っぽい部位です。そのほかに各ヒレを支持する細かい骨が存在します。この骨は内蔵を守る人間でいう肋骨のような細かい小骨です。このように取り除くべき骨の位置が把握できていれば、分離するイメージも付きやすくなります。

大名おろしのやり方

それでは大名おろしの方法について解説していきましょう。

ステップ1.内臓の処理

まず、内蔵を取り出してきれいに洗います。肛門から包丁を入れて、口の先のほうまで切れ目を入れます。

 

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鰓を丸ごと取り出すと大半の内蔵は一緒に外れます。背骨についている腎臓(血の塊みたいなもの)は指でゴリゴリして取り除きましょう。浮袋(白い袋状のものが多い)は、つまんで引っぺがしましょう。より綺麗に内蔵を取り除くコツは、切れ目を入れる際に、できるだけ内蔵を傷つけないようにおなかを開くことです。肛門から刃先を入れた後、包丁の刃をできるだけおなかの外側に向けて刃を進めるとよいでしょう。

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ステップ2.頭やヒレの除去

頭を落としましょう。その際、胸鰭と腹鰭がくっついている部分も一緒に切り落としてしまいましょう。ヒレと一緒に切り落とした部分はカマとしても使えます。

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ステップ3.うろこの処理

うろこがついている魚は取り除きましょう。包丁を使ってしっぽから頭の方向にひっかくようにするとゴリゴリとれます。

ステップ4.身を捌く

それでは最も大事な身を捌いていきます。中骨に沿って包丁を魚に対して平行に刃を進めていきます。

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写真のように、中骨を感じやすいしっぽの方から刃を進めるとやりやすいかもしれません。あるいは、頭を落とした断面図から中骨の確認して直接刃を進めていってもよいでしょう。この時、できるだけ切れ味の良い包丁で、できるだけ少ない回数で切ることが、綺麗に捌くポイントです。片面ができたらもう片面も同様に捌きます。

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両面ともできれば完成です。あとはその後の調理法に合わせて料理しましょう。肋骨の部分の中骨の部分を、身と一緒に切り取ってしまってください。

三枚おろしと何が違うの?

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上記の図が大名おろしの断面図イメージです。この捌き方では、純粋に中骨に沿って刃を進めるのでいわゆる「中落ち」が中骨に比較的多く残ります。この「中落ち」をできるだけ少なくする方法が「三枚おろし」です。ただ、中骨中心部の太さが太いほど「中落ち」が多くなりますが、小型の魚でしたら骨自体が小さいのでその影響も少なくなるため、大名おろしでも代用が可能です。

大名おろしで魚料理デビュー!

魚を料理する上で最初のハードルとなる捌くという行為ですが、大名おろしができれば料理の幅はぐっと広がります。はじめは少し難しく感じるかもしれませんが、包丁さばきは慣れによるところが大きいので、あとは練習あるのみです。サビキ釣りでたくさんに釣れた場合や、手頃なスズキが釣れた場合など、ぜひお試しください!

 

大名おろしにチャレンジ