ナンヨウハギの特徴と飼育の基礎!ニモとドリーは一緒に飼える?

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ナンヨウハギとは

ナンヨウハギの特徴

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映画「ファインディング・ドリー」で一躍有名になったナンヨウハギですが、どのような魚なのでしょうか。まずはナンヨウハギの特徴や生態などをご紹介します。

特徴

ナンヨウハギはスズキ目ニザダイ科に属する海水魚です。丸みを帯びた頭部を持ち、フォルムは楕円形で体は強く側扁しています。鮮やかな青色の体色を基調に、黒色の模様が入り尾びれは黄色です。他の種類のニザダイと同様に成長速度が早いことが特徴で、体長30cmほどにまで成長します。

分布

ナンヨウハギはインド洋から太平洋にかけて幅広く分布しています。熱帯海域に存在するサンゴ礁域に生息しており、日本では伊豆諸島南部や沖縄本島周辺のサンゴ礁域で見ることが可能です。

生態

ナンヨウハギは光が届くような、比較的浅い海域にあるサンゴ礁域に群れを作って生活しています。自然環境下では主に動物プランクトンを捕食。幼魚の頃は危険を察知すると素早くサンゴの間に身を隠し、夜に眠る時もサンゴの間に横たわり眠りにつきます。

流通量と値段(相場価格)

ナンヨウハギ自体は珍しい魚ではなく、流通量も多いので入手はしやすい魚です。市場価格としては2000円前後から5000円前後で販売されています。人気がある観賞魚なので、価格はやや高めに設定されていることが多いです。

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ナンヨウハギの飼育方法

ナンヨウハギは海水魚としては飼育難易度が低く、初心者にもおすすめできる魚です。

水温・水質

ナンヨウハギに適した水温は25℃前後です。高温には比較的強いですが、低温には弱いため冬はヒーターで必ず加温し、25℃前後を保つようにしてください。ナンヨウハギは水質の変化には注意が必要で、適した水質から外れると白点病などの病気にかかりやすくなります。水質に関しては、塩分濃度1.020~1.023、pH8.2前後を保つようにしましょう。

水槽サイズ・フィルター

ナンヨウハギは成長が早く遊泳性が高いので、水槽のサイズは最低でも60cmクラス、成長した複数の個体を長く飼育したいのであれば90cmクラスのサイズをおすすめします。また、水質の変化は病気のリスクを高めるので、フィルターは強力なものを用意してください。おすすめはオーバーフロー式で、プロテインスキマーも導入すると水質が長期にわたり安定します。

ナンヨウハギの食性は雑食性で何でもよく食べますが、植物質のものをより好む傾向があります。水質の観点から餌は植物性の人工餌を中心に与え、たまにシュリンプなどの生餌を与えると良いでしょう。植物質の餌と動物質の餌をバランスよく与えると、色落ちなどせず健康的に成長する場合が多いようです。

 

餌は1日に2回程度、食べきれる分だけを与えましょう。食べ残しが生じると水質がより早く悪化してしまうので、餌の与えすぎには注意してください。

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ナンヨウハギの混泳について

ナンヨウハギの混泳

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ナンヨウハギは自然では群れを作り生活しているので基本的には混泳は可能です。しかし、飼育環境下ならではの注意点もあります。

同種・近縁種との混泳

ナンヨウハギは野生では群生しているので同種とは問題なく混泳が可能です。しかし、飼育数が少ない場合は弱い個体がいじめられやすいので、混泳させたいのであれば5匹以上の飼育を推奨します。近縁種に関してもナンヨウハギを攻撃して来ない種であれば混泳は可能です。

他種との混泳

ナンヨウハギの性格は基本的には温厚なのですが、条件が揃うと気性が荒くなることがあるようです。その条件とは、水槽内でナンヨウハギが一番大きな魚である場合と古参だった時です。気性が荒くなってしまうと、自分より小さい魚に対しては攻撃を仕掛けることがあるので、他種と混泳させる場合はナンヨウハギよりも大きな魚種にするか、他の魚が十分に育ったタイミングでナンヨウハギの幼魚を迎え入れるなど工夫が必要です。

ナンヨウハギとカクレクマノミは混泳可能?(ニモとドリー)

ナンヨウハギとカクレクマノミの混泳

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ナンヨウハギとカクレクマノミは幼魚同士であれば問題なく混泳が可能ですが、成魚になると混泳が難しくなる場合があります。上述したようにナンヨウハギがカクレクマノミを攻撃する傾向が見られるためです。成魚を混泳させたい場合は、90cmクラスの大きな水槽にクマノミが身を隠すためのイソギンチャクや、十分なライブロックを導入するなどの措置が必要になります。

 

また、ナンヨウハギは自分より後に水槽に入ってきた新参者を排除しようとする傾向があるので、ナンヨウハギを最後に水槽に入れることも効果が期待できます。

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ナンヨウハギの病気と治療法

ナンヨウハギの代表的な病気は白点病です。白点虫に寄生されることで発症し、体が白い斑点に覆われ症状が進行すると衰弱死してしまいます。治療は銅イオンやグリーンFゴールドによる薬浴と殺菌灯を用いて行います。殺菌灯を使用し水中の白点虫の数を減らしつつ薬浴をさせましょう。

 

銅イオンは効果が高く病気も短期間で完治しやすいですが、濃度が高いと銅イオンショックを起こして死亡する場合があるので注意してください。グリーンFゴールドを使用する場合は、多少濃度がずれても問題が深刻化しにくいですが、その分完治には長い時間を必要とします。

 

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ナンヨウハギの寿命

ナンヨウハギの寿命は自然環境下では約10年、飼育環境下では8年ほどです。病気など飼育環境に気を付けて上手に飼育できた場合、十数年生きることもあるようです。

 

10年近くあれば生活環境が大きく変化することは十分に考えられるので、最後まで責任を持てるかよく考えたうえで飼育に踏み切ってください。

ナンヨウハギを購入する際の注意点

ナンヨウハギの寿命

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ナンヨウハギを直接店舗で見て購入する時は、以下の点に注意して購入する個体を選択すると良いでしょう。

・水槽内を元気に回遊している。

・体色の発色がよい。

・正面から見た時の体の厚みがしっかりしている。

・目が濁っていない。

体に白い斑点が出ている個体は病気にかかっている場合があります。水槽に病気を持ち込まないためにも、できるだけ元気な個体を持ち帰るようにしましょう。通販で購入する際は、信頼の置けるショップを選ぶようにしましょう。

水族館でも定番の観賞魚ナンヨウハギ!

ナンヨウハギはその鮮やかな青色と独特な模様から水族館でよく見られ、飼育するアクアリストも多い人気の観賞魚です。遊泳性が高く大きく成長することから、やや大掛かりな飼育設備が必要になりますが、設備さえ整えられれば飼育難易度は低めです。

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非常に見ごたえのある観賞魚なので、ぜひ飼育に挑戦してみてください。

ナンヨウハギの飼育