カクレクマノミの飼育の基本や注意点!海水魚入門にも最適!




アイキャッチ画像出典:写真AC

カクレクマノミってどんな魚?

カクレクマノミは色鮮やかでかわいいので非常に人気が高く、熱帯魚の代表的な存在です。

特徴

カクレクマノミの特徴

出典:写真AC

カクレクマノミの全長は10センチ程で、オレンジの体に黒く縁どられたホワイトの帯は3本あり、非常に鮮やかで泳ぐ姿もとても可愛く、特徴的です。また、カクレクマノミは毒を持つイソギンチャクと共生しており、イソギンチャクを隠れ家とし、外敵から身を守ってもらっています。一方、イソギンチャクはカクレクマノミから間接的にエサをもらったり、イソギンチャクの外敵をカクレクマノミに追い払ってもらっています。クマノミの体表から出る物質が、イソギンチャクの粘膜とよく似た成分を持っているため、クマノミはイソギンチャクに触れても毒の影響を受けません。

生息域

カクレクマノミはフィリピンやインドネシアから輸入されるクマノミの仲間で、西部太平洋から東部インド洋に生息しています。日本では奄美諸島より南の海で、水深15メートルまでの浅いサンゴ礁などで生見ることができます。近年では養殖された個体が輸入されることも多くなってきています。

値段

カクレクマノミは海水熱帯魚の中でも流通量が多く、比較的安価で販売されています。1匹700円から1500円で購入出来ます。水槽などの基本用品がカクレクマノミとセットになって販売されていることもあります。

カクレクマノミは成長とともに性別が変わる!?

カクレクマノミは性転換する

出典:pixabay

カクレクマノミは性転換を行う独特の生態を持っています。産まれた時は体のなかに卵巣と精巣の両方を持っていて、オスでもメスでもありません。基本的にはオスとして成長していき、数匹のグループ内で一番大きな個体がメスへと性転換します。そしてグループ内で2番目に大きなオスとカップルになり、繁殖を行います。その他の個体は繁殖に関わりません。

メスが死んだらそのオスがメスへと性転換します。一番大きな個体がメスになることで、より多くの卵を産むことができます。カクレクマノミは、一度ぺアになると相方が死んだりしない限り、何年もペアで居続け、繁殖を続けます。

カクレクマノミの寿命

カクレクマノミの寿命

出典:pixabay

野生のカクレクマノミの寿命は、一般的には10~20年といわれています。飼育下よりも自然界でのカクレクマノミの方が、自分に合った環境を求めて生きていくため、ストレスも少なく寿命は長くなります。水槽内での飼育では平均5~6年ぐらいと言われています。しかし、飼育環境や飼育方法によっては10年近く生きるカクレクマノミもおり、環境がよければ20年以上生きるようです。なかには43年というギネス記録もあります。

カクレクマノミの飼育方法

カクレクマノミはやや水質の変化に敏感ですが、人工飼料もよく食べ飼育しやすいです。

飼育環境

水槽・フィルター

水槽は、大きいほうが水量が多くなるので水質や水温が安定しやすく環境の管理がしやすいです。また、カクレクマノミの糞や残エサから出た有毒物質を、比較的無害な物質に分解するためフィルターを使用しますが、水槽サイズ、フィルター設備により飼育できる匹数が異なります。外掛け式フィルターで30センチ水槽なら目安としてカクレクマノミ1~2匹、10センチ程度のイソギンチャク1匹になります。同じく外掛け式フィルターで60センチ水槽ではカクレクマノミ5~8匹、10センチ程度のイソギンチャク3匹程度が目安になります。

フィルターには種類がいくつかありますが、外掛けフィルターはその中でも安価で場所を取らない、手軽に使用できるという特徴があります。水槽のサイズは自分の家のスペースやイメージ、水替え時の手間や設備に合わせてサイズを決めてください。ろ過能力を重視するのであれば、上部フィルターや外部フィルターがおすすめです。

ヒーター、クーラー

ヒーターやクーラーは常に一定に水温を保つことが目的で、カクレクマノミやイソギンチャクの健康を維持する上で非常に重要です。寒い季節は水温を上昇させるためにヒーターとサーモスタット(温度調整器)を使用し、夏場の暑い季節はクーラーを使用し水温を下げ、適した水温に調整します。

人工海水

人工的に海水を作ったもので、天然の海水を再現した比較的安価なものと、特定の生物を飼育するために調整された比較的高価なものと大きく分けて2種類あります。人工海水の濃度は比重計を使用し、1.022~1.024になるように調整します。海が近い場合は直接海から海水を汲み使用することもできますが海岸や漁港の海水は汚れや天候により水質も変化するのであまりすすめられていません。

人工海水については別記事で詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。

あわせて読む:  人工海水おすすめ9選と作り方!安全・健康な飼育水を作ろう!

照明

カクレクマノミの色彩を引き出したり、イソギンチャクの飼育にはかかせません。イソギンチャクやサンゴは体内に褐虫藻という藻類を共生させており、それらが光合成を行い、作り出す栄養を摂取して生きているからです。LEDや蛍光灯などがあります。

ライブロック

微生物、バクテリアが付着している自然の海の岩です。水槽内の水質の浄化に働きます。魚の隠れ家にもなります。

水温・水質

水温

カクレクマノミが好む水温は25度前後とされています。ヒーター、クーラー、サーモスタットを用いて25度前後を保つようにしましょう。水温はこまめにチェックできるように温度計を準備しましょう。海水魚全般に言えますが、夏場の高水温は要注意です。

水質

人工海水を作る元となる水は水道水ですが、市販のカルキ抜きを使用するとよいでしょう。海水の比重は10センチ程度の一定に保つことがポイントになります。水槽内の海水濃度は、水面から水分が蒸発していくことで少しずつ高くなります。適した人工海水を作り水槽に入れた際の水位を印しておくことで、印より水位が低くなっていればその分塩素を中和した真水を足せば比重はキープされます。

カクレクマノミに適した水質

出典:Pixabay

海は通常アルカリ性で、海の大きさから酸性にpHが傾くことはありませんが水槽という環境下では生物が生きていく上で化学反応により酸性に近づきます。pHが酸性になるということはその海水がどの程度古いかという目安になります。pHを正常の値に保つには水替えが必要となります。

カクレクマノミにイソギンチャクは必要?

カクレクマノミにイソギンチャクは必要?

出典:写真AC

カクレクマノミはイソギンチャクと共生すると述べましたが、一緒に飼育しなくてはいけないということはありません。イソギンチャクがいる事でカクレクマノミが安心してストレスの少ない環境が作られていますが、天敵のいない環境下ならばイソギンチャクが居なくても飼育することが出来、普通に水槽内を泳ぎまわって生活します。そのため、絶対に一緒に飼育しないといけないということはありません。また、カクレクマノミよりイソギンチャクの方が飼育が難しいです。

カクレクマノミの餌

カクレクマノミは他の海水魚に比べて人間に慣れやすく、水槽に近くづくと近寄ってくることもあるぐらいです。人気が高い理由の一つになっています。人工飼料もよく食べますが、非常にデリケートな生き物で環境の変化にすごく敏感です。水槽に入れた当初は餌は全く食べない個体が多いですが、大体3~5日程経てば徐々に環境に慣れえさを食べてくれるようになります。エサは1日2回、朝と晩にあげ、1回にあげる量は、2〜3分で食べきれる量が丁度良いです。カクレクマノミも人間と一緒でお腹がいっぱいになれば食べなくなります。

 

エサの形態には種類があります。顆粒タイプの餌は一粒が小さく小粒なので、小型魚の口の大きさに合った餌です。しばらくは水面に浮いていますが時間が立つと沈みます。カクレクマノミなどのクマノミの仲間は顆粒タイプがおすすめです。フレークタイプのエサはスライス状になっていて水面に浮かび沈まないタイプです。食べやすく消化にはいいですが、水を汚しやすいというデメリットがあります。無添加乾燥オキアミカルシウムを含んでいるの身体にも良く、沈みにくく水が汚れにくいです。

 

カクレクマノミの混泳

カクレクマノミは他種の熱帯魚と一緒に飼育することができます。混泳させる事で、それぞれの色彩や飼育の楽しさをより一層深めることが出来ます。カクレクマノミと相性の良い熱帯魚は、比較的性格が温和なデバスズメダイやおとなしい性格のハタタテハゼ、テンジクダイの仲間であるマンジュウイシモチやキンセンイシモチなどが代表的です。

 

注意点として、熱帯魚のサイズが極端に違いすぎるものは向いていません。そして、一般的に近縁の熱帯魚同士が同じ水槽に入ると喧嘩しやすくなります。もし、喧嘩やいじめが発生した場合は一次的に隔離したりレイアウトを替えてあげることで改善されることがあります。

カクレクマノミの繁殖

上記でもカクレクマノミの性別について触れましたが、群れの中で誕生するカップルは一組だけで、群れで一番体が大きい個体がメスに性転換し2番目に大きい個体がオスになり繁殖を行います。また、その群れ内の他の個体は繁殖に参加しないことから、水槽内には1ペアが理想です。ペアが出来たら環境を整えてあげることが大切で、餌を食べるだけ与え、産卵前に体力をつけてあげます。

 

産卵の環境としては、水温は27度前後に一定に保ちます。比重は1.021前後に保ち、1日8~12時間照明を付けましょう。産卵するまでの期間は個体の成熟度や産卵の経験で変わってきます。

カクレクマノミの病気と治療法

寄生虫が引き起こす病気で、白点病があります。体表やエラに白い点のように見える寄生虫が取りつき魚の養分を吸収します。治療法は飼育水槽に薬剤を規定量溶き薬浴を行います。体表から白い点が見えなくなっても4日程は薬浴を継続し完全に駆除してください。

 

せん毛虫が引き起こすコショウ病はエラブタが張り出し微小な白い点が見られる様になります。治療は白点病と同じですが完治には時間がかかる場合が多いです。

 

トリコディナ属のせん毛虫が引き起こす病気でトリコディナ症と呼ばれ、粘膜が過剰に生成され体表に膜が張ったように見える病気です。淡水浴によって徐々に治療を行います。およそ2~5分、カルキ抜きをし温度とpHを合わせた真水を用意して淡水浴を行います。1日3回完治するまで行います。

カクレクマノミを飼育してみよう!

かわいいカクレクマノミ

出典:写真AC

カクレクマノミは見た目もかわいく丈夫で飼育しやすい熱帯魚です。また環境により長生きしますので愛情をたっぷり注いで楽しい時間と思い出をたくさん作ってあげてください。素敵なカクレクマノミとの生活にこの記事が少しでもお役に立てば幸いです。自宅に海を切り取ってきたかのような空間があるとすごく癒されますね。楽しんでください。

カクレクマノミの画像