【入門種】プラティの飼育・繁殖法!種類・餌・混泳など詳しく解説

プラティってどんな魚?

プラティの飼育の基本

 

プラティは観賞用として人気の熱帯魚で、古来より盛んに品種改良が行われた結果、現在は様々な品種がいます。まずは、プラティの特徴や原産地などについてご紹介します。

特徴

正式名称は「サザンプラティフィッシュ」と言いますが、今日ではプラティの相性が定着している、アクアリウムでは古くから親しまれている熱帯魚です。カダヤシ目カダヤシ科に分類される淡水魚で、原種は尾びれの付け根に半月状の模様があったことから、「ムーンフィッシュ」という別名もあります。

 

体長はオスで6cm、メスは7cm程度までに成長します。魚体は側扁しており、体の中央付近、ちょうど背びれが付いている辺りで体高が最大になります。流通量が多く安価、かつ丈夫で飼育しやすいことから、アクアリウムの入門種としても最適です。

原産地

プラティの原産地はメキシコやホンジュラス、グアテマラなど中央アメリカです。現在、流通しているプラティは観賞用に品種改良したもので、東南アジアを中心に養殖されています。

 

度重なる品種改良の結果、原種に有った尾びれの半月状の模様は失われ、より色鮮やかな個体が作出されました。

価格相場

プラティの価格相場は品種にもよりますが、1匹あたり200~500円と安価です。流通量が多いため入手も容易で、熱帯魚専門店はもちろんのこと、品種にこだわらなければペットショップなどでも購入できます。

 

ネット通販でも普通に取り扱われているので、近くに店舗がない場合は通販を利用すると良いでしょう。

寿命

プラティの寿命は平均で1~2年ほどと、観賞魚の中でも短い方です。それでも、無責任に放流することにならないよう、きちんと管理できるかどうかよく検討してから飼育してください。

 

特に、プラティは繁殖力が強く、オスとメスを一緒に飼育しているだけで、普通に飼育していても繁殖してしまいます。時に、管理ができなくなるほど増えてしまう例も見られるので注意しましょう。

一番人気の種類はミッキーマウスプラティ

人気のプラティ

 

プラティの中でも最も人気がある種類はミッキーマウスプラティと呼ばれる品種で、尾びれの付け根部分にミッキーマウスのような模様があることから名付けられました。

 

他のプラティ種と同様に丈夫で飼育しやすいので、初心者にもお勧めできる観賞魚です。価格としては、数百円程度で販売されています。

その他プラティの人気品種3選

ミッキーマウスプラティのほかにも、プラティにはさまざまな品種があります。ミッキーマウスプラティのカラーバリエーションも豊富です。

レッドプラティ

レッドプラティはその名の通り赤色のプラティで、昔から人気がある基本的な品種です。鮮やかに目立つ赤の単色が、アクアリウム内を華やかにしてくれます。

ブループラティ

ブループラティは青色を基調とした品種で、体は光沢を帯びた青色をしています。レッドプラティのような華やかさはないものの、落ち着いた美しさが感じられる人気品種です。

レッドワグプラティ

レッドワグプラティはレッドプラティの各ひれと口先が黒色になる品種です。赤と黒のコントラストが美しく、 古くから知られている人気の品種です。

プラティの飼育方法

プラティは丈夫な魚なので、基本さえ押さえれば初心者でも飼育することは容易です。

水温・水質

プラティが好む水温は24~28℃です。高温には比較的強く30℃を少し上回る程度の水温でも問題なく成育できます。水質は pH7.0~8.0の中性~弱アルカリ性が望ましいとされています。

 

水替え頻度が低いと水質が酸性に傾きやすくなるので注意してください。

水槽サイズ・フィルター

プラティは30cmクラスの水槽でも飼育可能ですが、可能ならば45cmクラス以上の水槽をおすすめします。なぜなら、水槽が小さいと、排泄物などから発生する有毒物質および気温が水質・水温に与える影響が大きくなるため、環境の維持管理が難しくなるからです。

 

ちなみに、プラティのような小型魚の場合、安全に飼育できる個体数の目安としては、 体長1cmに対して水1Lが必要だと言われています。30cmの規格水槽には水が約13L入るので、個体数の目安は2~3匹。同じく45cm規格水槽には約32Lの水が入るため、目安は5~6匹となります。

 

ただ、この数値はあくまでも目安で、アクアリウムに慣れて環境の維持さえできれば、これ以上の密度での飼育も可能です。

 

フィルターについては、プラティはそれほど水を汚す魚種ではないため、基本的にはどの種類でも構いません。ろ過能力とメンテナンス性の兼ね合いを考慮すると、外掛け式フィルターや上部式フィルターが使いやすくおすすめです。

 

初めてプラティを飼育する人は、水槽とフィルターなどがセットになったものを購入するのがおすすめです。

水槽レイアウト

プラティのみを飼育する場合は、比較的自由度の高い水槽レイアウトを楽しめます。流木や石組みなどを自由に配置しても問題ありませんが、流木は水質を酸性側に傾けることがあります。プラティは中性付近からアルカリ性側を好むので、水質に影響を与える物を入れる時は注意してください。

 

底床はあったほうが望ましく、水景も良くなりますし何よりプラティが落ち着きます。水草との相性も良好で、プラティは糸状ゴケを食べてくれるため、ある程度のコケ対策にもなります。

 

しかし、水草育成のためにソイルを用いる時は注意が必要で、極端に酸性に傾ける機能を持つ物は使用を避けた方が良いでしょう。

プラティの餌

プラティの餌

 

プラティの食性は雑食性なので、動物性のものから植物性のものまで好き嫌いはなく、一般的な人工餌もよく食べてくれます。一日に2~3回に分けて決まった時間に決まった分量を与えてください。

 

一度に多く与えすぎたり、プラティの就寝時間の前後に与えると消化不良を起こすことがあります。また、食べ残しが生じると水質の悪化が早くなるので、餌の与えすぎには注意してください。

プラティの混泳

様々な魚が同一の水槽内で泳いでいる様子を眺めることは楽しいですが、魚同士の相性によっては混泳できないこともあります。プラティの場合はどうなのかご紹介します。

同種との混泳

プラティの混泳

 

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プラティは特に縄張り意識が強い魚ではないので、同種同士でもオスメス関係なく混泳ができます。ただし、プラティは繁殖力が強くオスとメスを一緒にしておくと、すぐに繁殖してしまう点には注意が必要です。

 

また、同一水槽内で世代が進むと奇形が生じる可能性が高くなることにも注意してください。

他種との混泳

プラティの混泳相性

 

プラティは温和な性格なので、プラティを攻撃してこない魚種であれば問題なく混泳が可能です。しかし、体格差が大きいとプラティが食べられてしまう恐れがあるので、他種と混泳させる場合はサイズが同じくらいの魚種にしましょう。

 

また、プラティはソードテールなど近縁種であれば、交雑が起きる場合もあります。プラティの雑種が生まれることを望まないのであれば、近縁種との混泳は避けた方が無難です。

プラティの繁殖

プラティの繁殖は容易で、熱帯魚の繁殖のコツを掴むためにおすすめできるほどです。しかし、管理を怠ると個体数が増えすぎて困るケースも生じ得るので、注意してください。

オス・メスの見分け方

オスは ゴノポディウム(ゴノポジウム)と呼ばれる生殖器官を持ち、同器官は尻びれの付け根に棒状の突起として確認できます。

 

対してメスはゴノポディウムを持たず、オスよりも体が一回り大きくなり、産卵期には腹部が大きくなります。以上の特徴からオスとメスを見分けることは容易です。

産卵の兆候

プラティは、メスの体内で受精卵をふ化させて稚魚を産む、「卵胎生」と呼ばれる繁殖形態を持ちます。魚類の中では珍しい性質ですが、同じ繁殖法を持つ魚として他にはグッピーが有名です。さて、産卵・出産が近いプラティは、次のような行動や見た目の変化が見られます。

 

プラティの産卵の兆候

オスがメスを盛んに追いかけたり付きまとう

メスの腹部が膨らむ

メスが水底であまり動かない

メスの腹部から稚魚の目が透けて見える(尾びれの付け根あたりが黒くなる)

 

これらの特徴が確認されたら出産が近い証なので、稚魚を育てたい場合はメスを隔離するか、他のプラティを移動させると良いでしょう。プラティは稚魚を食べてしまうので、繁殖させて増やしたい場合は産卵箱や稚魚水槽の準備が必要です。

繁殖環境

プラティの繁殖において、特別に水槽環境を整える必要はありません。オスとメスが居る状態で適切な水温・水質を保ち、きちんと栄養が取れて元気で居れば、自然と繁殖にまで至ります。

 

ただし、産まれた稚魚の安全を確保するための措置は必要です。例えば、産卵箱を使用するのであれば大きめの水槽で繁殖を行ったり、稚魚が身を隠せるように水草やシェルターなどを多めに入れておくことが挙げられます。

 

加えて、産卵箱を使わないのなら、フィルターに吸い込まれることを防止するために、吸い込み口にスポンジなどを取り付けておくと良いでしょう。

稚魚の育成

前述しましたが、プラティは稚魚を食べてしまうので、稚魚を育てたい場合は隔離する必要があります。産卵箱を用いる場合は親魚を元のスペースに戻せば良いのですが、そうでない時は稚魚を稚魚用水槽に移動させてください。

 

産まれた直後の稚魚はじっとしていてあまり動きませんが、卵黄嚢からの栄養を吸収して成長しています。この頃は餌を必要とせず、与えても食べずにいたずらに水を汚す結果になるので、与える必要はありません。餌が必要になるには、卵黄嚢の栄養を吸収し終えて、泳ぎだすまでに成長してからです。

 

餌はふ化させたブラインシュリンプや、親魚用の人工飼料をすり鉢などで細かく砕いた物を与えると良いでしょう。回数は1日に2回以上、食べ残さない程度の量を与えてください。

プラティの病気と治療法

プラティが罹患しやすい病気は「白点病」と「尾ぐされ病」です。白点病は「ウオノカイセンチュウ」と呼ばれる繊毛虫が原因で発症し、症状としては体中に白い斑点が広がっていきます。治

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療法としては市販薬のメチレンブルーなどで薬浴させつつ、ウオノカイセンチュウが活動しなくなる30℃まで水温を上げることが有効です。

 

尾ぐされ病はカラムナリス菌という細菌が原因で、症状が進行すると各ひれが裂けて腐ってしまいます。治療法は市販薬による薬浴が基本的な方法ですが、初期の頃であれば0.5%の濃度での塩浴も効果的です。

プラティはアクアリウム入門に最適!

プラティの飼育は簡単

 

プラティは丈夫で飼育しやすく、見た目にも華やかな品種が多いので、アクアリウムの入門に最適な観賞魚です。プラティで熱帯魚の飼育のコツを掴めば、他の魚種やシュリンプとの混泳水槽へ発展させることもできるでしょう。

 

これからアクアリウムを始めようと思っている方は、是非プラティの飼育から挑戦してみてください。

プラティの飼育方法