コリドラスの繁殖方法!産卵準備から稚魚の育て方、注意点まで

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コリドラスの繁殖って難しいの?

コリドラスの繁殖方法

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コリドラスの繁殖は、成熟し相性が良いオスメスのペアと繁殖に適した環境があれば、決して難しくありません。コリドラスだけで飼育していたら、いつの間にか勝手に卵を産んでいた...という話も良く聞きます。珍しい種類はオスメスを揃えるのが難しい場合もありますが、流通量が多い種のほとんどは繁殖が可能ですのでぜひ、チャレンジしてみてください。

コリドラスの繁殖準備:オスメスの用意

繁殖にあたって、まずは成熟したコリドラスのペアが必要です。コリドラス同士の相性もあるので、1ペアではなく2~3ペアを用意したほうが良いです。オスメスの区別方法ですが、成熟したメスはオスに比べて腹部がふっくらとしていることで見分けることができます。また、胸ヒレもメスのほうがオスに比べて丸みを帯びています。

 

コリドラスは種類にもよりますが、孵化後1年から2年で成熟してきます。販売されている個体は未成熟の個体も多いので、はじめに複数を購入しじっくりと飼育していく中でオスメスの区別をすると良いでしょう。大きな個体を販売しているショップもあるので、もしもお店で大きめのコリドラスを見つけたら店員さんにオスメスの区別をお願いしてみてもいいかもしれません。

コリドラスの繁殖準備:水槽のセッティング

45cm〜60cm水槽にコリドラス2~3ペアを飼育しましょう。ペアでなくてもややオスを多めに飼育しているとペアリングが上手くいくことが多いです。砂利は採卵がしやすいように敷かないほうが良いです。また、アヌビアスナナやウィローモスなどの水草を植えると、コリドラスの産卵床になります。水槽の水質は中性付近を維持し、定期的な水換えなどで水質を安定させておきましょう。

コリドラスの繁殖のきっかけ

コリドラスはいくつか繁殖に至るきっかけがあるとされています。どのようなことがきっかけになるのか確認しておきましょう。

水換え

コリドラスは水換えの直後に産卵することが多いと言われています。これは水換えで水質が変化したのを感知するためや、水槽内の水深が急に変化するのが雨季と乾季の変化のように感じるためなどとも言われています。繁殖水槽を水換え直後は産卵行動に注意しましょう。

餌の種類

普段タブレットなどの配合飼料をメインで与えていて、イトメやアカムシなどの栄養価の高い動物性の餌に切り替えると繁殖に移るということもあります。繁殖のためにはとても体力を使うので、栄養価が高い餌を与えることで繁殖のための条件が揃うので、成熟したコリドラスにはいつもよりも多めに虫餌を与えてあげましょう。

 

コリドラスの繁殖行動:オスをメスが追いかけ回す

コリドラスは繁殖の前触れとして、盛んにオスがメスを追い回すようになります。コリドラスは基本的にとても温和な魚なので、同種を追いかけ回したりはしません。繁殖の直前になると普段は物陰に隠れるコリドラスも活発に水槽前面を泳ぐようになりますので、このような行動が見られたら、採卵や稚魚餌の用意など、産卵のための準備を始めましょう。

コリドラスの繁殖行動:Tポジション〜産卵

コリドラスのペアはやがて追いかけっこをやめ、受精行動に移ります。コリドラスのオスがメスの口前に横になり、受精させるためにメスがオスの精子を口に含むという独特の繁殖行動が見られます。オスとメスが上から見るとT字になることから、この繁殖行動はTポジションと言われます。

 

Tポジションが終わるとメスは胸ヒレに卵を抱えて産卵場所を探し、いい場所を見つけると卵を産みつけ受精させます。産卵数はコリドラスの種類によって異なりますが、休憩をはさみながら複数回に渡って繰り返し卵を産みつけていきます。

コリドラスの卵の隔離と孵化

産卵が終わるとコリドラスの親は普段通り、餌を探し回るようになります。このまま放っておくと親魚に卵が食べられてしまいますので、卵を隔離します。コリドラスの卵は産み落とされてすぐは粘着力があり、指でもすぐに取ることができます。時間が経つと水草などにしっかりとくっつき取るのが大変になりますので、早めに採卵するようにしましょう。

 

コリドラスの卵は、水槽の縁に取り付けるタイプの産卵箱での隔離でも孵化させることは可能ですが、もしもスペースに余裕があれば別の小型水槽やプラケースを用意すると良いです。

 

コリドラスの卵は全て受精した卵ではなく中には無精卵も混じっており、無精卵はカビがつきやすくなっています。無精卵と有精卵が重なっていると、無精卵にカビが生えた際に一気に被害が広がってしまいます。そのようなトラブルを避けるために、卵同士がなるべく重ならないようにバラバラにし、別の小型水槽でメチレンブルーを薄めて入れカビを防止してあげるとよいです。

水温によって孵化日数に差がありますが、およそ4日前後で稚魚が孵化します。

コリドラスの稚魚の育成

コリドラスの稚魚はヨークサックと呼ばれる栄養が入った袋をお腹に持っているため、生まれた直後は餌がなくても成長することができます。3日ほどでヨークサックの栄養を使い切るので、そのタイミングで餌を与えましょう。最初から稚魚用の配合飼料を食べられることもありますが、できればブラインシュリンプを沸かして与えてあげると生存率も上がり、栄養不足による奇形個体の数も減らすことができます。

ブラインシュリンプよりもさらに小さな餌として、インフゾリアという微生物を与えるのもおすすめです。インフゾリアはキャベツの葉を水に浮かべておいたり、インフゾリアの素を使うことで用意することができます。特に小型種の稚魚はブラインシュリンプや配合飼料でも餌として大きすぎて食べられないこともありますので、あらかじめ沸かしておき初期に与えると良いです。成長にしたがって、ブラインシュリンプや配合飼料へと切り替えていけば大丈夫です。

 

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コリドラス繁殖のコツ

コリドラスの繁殖のコツをご紹介します。

健康な親魚を確保する

いくら成熟したコリドラスがいても、健康でなければ繁殖はおこなうことができません。繁殖期の直前に病気にかかってしまうと、病気の治療に体力が奪われ、繁殖する体力がなくなってしまいます。特に繁殖を狙っている個体の健康管理には最新の注意を払いましょう。

稚魚の餌切れに注意する

稚魚には少ない量を回数を多めにあげることが重要です。可能であれば、朝昼晩の3回与えてあげましょう。ただし、日中は仕事で自宅にいないという方の方が多いと思いますので、朝晩にそれぞれ時間をずらして2回ずつあげると良いと思います。

稚魚水槽の水質管理も徹底する

稚魚とはいえ、餌を食べフンをするので水換えによる水質維持も必要です。ただし、コリドラスの稚魚は水質の急変には弱いので、エアチューブなどを使って少しづつ慎重に換水しましょう。また、レッドラムズホーンを稚魚水槽で飼うと食べかすなどを処理してくれます。稚魚にも悪さをしないのでおすすめです。

子供はどれくらいで親魚と同居可能なの?

コリドラスの子供と親魚を同居させるタイミングですが、孵化後3週間ほど経った頃から可能となります。体長にすると約20mmを超えていれば、問題ないかと思います。ただし、小さい頃は餌取り競争にもなかなか勝てないことが多いので、子供にもしっかりと餌が行き渡るように餌の量やタイミングを工夫してあげてください。

コリドラスの繁殖にチャレンジ!

コリドラスの繁殖はTポジションという独特の産卵行動も観察でき、とても面白く魅力的です。はじめはなかなか繁殖行動をしてくれなかったり、健康な親魚を用意できなかったりすることもあるかもしれませんが、ちょっとコツをつかめば誰でも繁殖させることが可能です。ぜひ、たくさんの愛情をもって可愛いコリドラスの繁殖にチャレンジしてみてください。

 

 

コリドラスの繁殖