アベニーパファーの飼育法!世界最小の淡水フグを育ててみよう!

アベニーパファーとは

アベニーパファーが泳ぐ

 

アベニーパファーは世界最小の淡水フグと言われている魚種で、フグ類の中では比較的飼育しやすいことから観賞魚として人気があります。まずは、アベニーパファーの特徴などをご紹介します。

アベニーパファーは世界最小の淡水フグ

アベニーパファーは小型のフグの一種で、 最大でも3cm程度にしか成長しません。フグというと一般的には海水をイメージする方も多いと思いますが、本種は淡水に生息し、世界最小の淡水フグとされています。

 

淡水飼育が可能なため、水質管理などもしやすく初心者にもおすすめの種類です。

毒は持ってるの?

アベニーパファーは、原産地では毒を持った個体がいるともされていますが、観賞魚として流通している個体の大半は飼育下での繁殖個体のため 毒性は問題ないとされています。

寿命

アベニーパファーの一般的な 寿命は2年から長くても3年程度とされています。一般的な小型熱帯魚と同程度かやや短いくらいですので、しっかりと寿命を全うさせてあげられるように飼育するからには大切に愛情を持って育ててあげるようにしましょう。

販売価格と入手難易度

アベニーパファーは流通量も多いため、相場は1匹300~500円程度です。観賞魚専門店やペット通販サイトなど、たいていのショップで取り扱いがあるため入手は容易です。特に時期による流通量の差もあまりありませんので、飼育したいと思ったらすぐに入手することは可能でしょう。

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アベニーパファーはスネール(貝)駆除にも活躍してくれる

水槽に発生する貝

 

アベニーパファーは基本的に動物食性で、自然下では貝類を好んで捕食しています。そのため、アクアリウムにおいては、発生すると厄介なスネールを食べて駆除してくれることから、代表的なスネールイーターとしても知られています。

 

ただし、詳しくは後述しますが、混泳相性についてはお世辞にも良いとは言えない魚種であるため、スネール駆除のためだけに本種を導入することは注意が必要です。

 

本種をスネール駆除に利用したい場合、普段からアベニーパファーと同じ水質で飼育できる魚種を別々の水槽で管理し、その魚種の水槽でスネールが発生した時にのみ、アベニーパファーを投入するなどの工夫が必要になることが多いです。

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アベニーパファーの飼育方法

アベニーパファーを飼育する

 

アベニーパファーの基本的な飼い方を見てみましょう。

水温・水質

水温は22~28℃程度の一般的な熱帯魚の飼育水温が適しています。水質も特段うるさくなく、弱酸性の軟水を心がけておけば問題ありません。

 

あまり強い水流があるとアベニーパファーは疲れてしまいますので、水流が強すぎないように調整しましょう。

水槽サイズ・フィルター

最大でも3cm程度にしか成長しないアベニーパファーは、30cmキューブ水槽からでも飼育が可能です。混泳やレイアウトを工夫したい場合はより大きな水槽を用意しましょう。

 

アベニーパファーは食性から大きさの割に水を汚しやすい魚です。小型水槽で大きなフィルターを設置できない場合は、こまめに水換えを行いましょう。

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水槽レイアウト

アベニーパファーは小型かつ遊泳力が高くないため、比較的自由度の高い水槽レイアウトを楽しめます。また、動物食性なので水草との相性も基本的には良いです。

 

石組みや流木などを自由に配置しても問題ありませんが、本種の遊泳層は上~中層であるため、その層はあまり圧迫しないようにしてください。底床材も任意の物で良いですが、サンゴ砂といった水質に影響を与える物は注意が必要です。

 

水草についても基本的にはどのような種類でも混泳できますが、葉が柔らかい種類はかじられて弱ってしまうことがある点は留意してください。

 

おすすめの水草の特徴としては、葉が硬い・生命力が強い・上方に伸びないなどが挙げられ、特に産卵床としても利用できるウィローモスなどは相性が良いです。

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アベニーパファーの餌

赤虫を食べるアベニーパファー

 

アベニーパファーは人工飼料にも慣れますが、基本的には冷凍赤虫や冷凍ブラインシュリンプなどの生エサを好みます。ショップで人工飼料に慣れている場合は別ですが、はじめの頃は冷凍エサで様子を見ながら、徐々に人工飼料を試していくと良いでしょう。

 

餌は1日に1~2回、食べ残さないだけの分量を与えてください。特に、生エサは人工飼料よりも水を汚しやすいので、生エサをメインに与える場合はより注意が必要です。もし、食べ残してしまった時は、水槽から取り除いてください。

それから、アベニーパファーをはじめとしたフグの仲間は生きている限り歯が伸び続ける性質を持ちます。歯が伸びすぎてしまうと食事ができなくなるため、ニッパーなどを用いて人為的に歯を切除する「歯切り」を行わなければならない種類もいます。

 

そうならないためにも、普段から好物の貝を殻付きのまま与えるなどして、歯が適度に摩耗するようにしておくと良いでしょう。ただし、本種は寿命がそれほど長くないので、 歯切りが必要なほどに伸びることはまれですが、覚えておくと良いでしょう。

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アベニーパファーの混泳

アベニーファーの混泳

 

アベニーパファーは気性が荒いので単独飼育が基本です。小型種であるのにもかかわらず縄張り意識が強く、自身の縄張りへの侵入者に対してはその丈夫な歯で噛みついて攻撃を加えます。同種・他種関係なく攻撃するため、基本的に混泳は避けた方が無難です。

 

それでも混泳させたい場合、 同種であれば過密にする 他種であれば遊泳力に優れる魚種や底棲魚を入れることで、混泳が成功するケースがあります。また、混泳させたい時は大きい水槽を用意して、水草やシェルターなどで隠れられる場所を多く作るとより成功しやすくなります。

 

ただし、混泳が成功するかどうかは、個体同士の相性に大きく依存するため細心の注意を払って行い、いつでも隔離できる準備はしておいてください。

 

逆に、アベニーパファーの方が食べられてしまうような、サイズ差が大きい魚種とは混泳できません。加えて、エビ類や貝類はアベニーパファーにとって格好の獲物となってしまうので、やはり混泳は不可です。

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アベニーパファーの繁殖

本種は水槽内で繁殖させられるフグとしても知られています。ここでは、アベニーパファーの繁殖法についてご紹介します。

オスメスの見分け方

アベニーパファーのオスメスの見分け方

アベニーパファーの繁殖は比較的容易で、成熟した健康なオス・メスとウィローモスを用意した水槽があればチャレンジできます。

 

気がついたら子供が生まれていたという場合もありますが、アベニーパファーの卵や子供は非常に小さく、他の個体の格好の標的になってしまいます。

 

繁殖を本格的に狙うのであれば、隔離容器やブラインシュリンプ孵化器をあらかじめ用意しておきましょう。

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繁殖に適した環境

まずは、繁殖用の水槽を用意し、 1匹のオスに対して複数のメスを混泳させましょう。なぜなら、オスが複数いるとメスの取り合いで殺し合いの喧嘩になることがありますし、オス・メスの相性が悪いと、やはり喧嘩になって繁殖どころではなくなるからです。

 

また、水槽には産卵床の他に、隠れ家となる水草やシェルターも多めに入れておくと安全です。産卵床としての水草はウィローモスのような、底部で茂るタイプの丈夫な種類が向いています。

ペアリング〜産卵

上記のような環境を整えて水温・水質を適切に保ってあげれば、後は放っておいても自然とペアが形成されて産卵にまで至ります。

 

産卵には体力が必要なので、生エサや好物の貝などを与えて栄養を付けさせてあげましょう。アベニーパファーはバラマキ型の産卵形態を持っています。

 

産卵床となる水草が卵の存在を隠してくれますが、食卵が認められた場合は採卵して別容器で孵化まで管理したほうが良いでしょう。

卵〜稚魚の育成

親魚にとって適した水温・水質を維持できればやがて稚魚の姿が見られます。卵を隔離した場合は、エアレーションを施した容器で水温を同程度に保つようにしてください。稚魚を育成する場合は稚魚用の水槽が必要です。アベニーパファーは自身の子供でも構わず食べてしまいます。

 

稚魚を隔離する際は、傷付けないように周囲の水ごと掬うか、親魚の方を移動させてください。稚魚は生まれた直後は卵黄嚢からの養分で成長するため餌は不要です。餌が必要になるのは卵黄嚢の栄養を吸収しきって泳ぎだしてからで、 餌はブラインシュリンプを与えると良いでしょう。

 

ただし、冷凍物だと動かないため餌だと認識しない場合があるので、卵の状態の物を入手して孵化させてから与えてください。

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アベニーパファーで気をつけたい病気

アベニーパファーを飼育する上で注意しておくべき病気についてまとめました。

拒食

拒食は動物食性の熱帯魚にしばしばみられる症状で、ある日を境に突然、餌をまったく口にしなくなります。場合によってはそのまま餓死することもあるので、症状が見られたら早めに対処してあげてください。

 

原因は複数考えられ、主な要因は 飼育環境によるストレス 同じ物ばかりを餌として与えることが挙げられます。ストレスの原因になるのは、やはり水温や水質が適正範囲を外れてしまっていることが多いため、日頃からそれらをチェックして適切なメンテナンスを行ってください。

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また、タンクメイトが居る場合は、その存在が原因になっていることもあるので、隔離してみることも効果的です。餌については特定の物だけでなく、例えばアカムシ・ブラインシュリンプ・クリルなど複数種類を用意しておき、それらをローテーションで与えるなどの措置を取ることで拒食のリスクを軽減できます。

白点病

熱帯魚に共通して注意すべき白点病ですが、本種もその例外ではありません。ウオノカイセンチュウと呼ばれる寄生性繊毛虫に寄生されることで発病し、全身に白色の斑点が出現し、体を擦り付けるようにして泳ぐ、体を震わせるなどの症状が出ます。

 

治療は、 水温を上げる・塩浴・薬浴などで行います。同病原体は高水温下では繁殖できなくなるので、水温を28℃ほどにまで上げます。そして、0.5%の塩水で塩浴させると良いでしょう。初期の状態であればこれだけで回復することもあります。

 

ここまでで治癒しない、または発見時には病状が進行していた場合は薬浴が必要です。

 

白点病の治療に代表的な魚病薬としては、「アグテン」・「グリーンFリキッド」・「グリーンFクリアー」などが挙げられます。

アベニーパファーの水槽で癒される!

アベニーパファーはかわいい

 

アベニーパファーはとても目がよく、飼い主が水槽に近づいてくるだけで前面に出てきて愛くるしい姿を振りまいてくれます。ホバリングしているような独特の泳ぎ方に癒されること間違いなしです。

 

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