メダカ水槽の立ち上げ方!エアレーションの必要性やメンテ方法は?

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メダカを水槽で飼育するのは難しい?

よく、「外では元気なのに、室内で飼育したら全滅してしまった」「水槽のメダカがポツポツ死んでいく」と言った声を耳にしますが、メダカの屋内水槽飼育はポイントさえ押さえておけばそれほど難しいものではありません。

屋外飼育の方が飼育しやすいと思われている理由

屋外飼育では太陽光の紫外線が降り注ぎます。生き物にとって紫外線はなくてはならないもので、紫外線があることでメダカは体内で生きていくのに必要な栄養素などを作ることもできます。また、紫外線には殺菌効果もあるため、メダカは病気をしにくく健康に育つことができます。

 

また、屋外ではグリーンウォーター(青水)と呼ばれる植物プランクトンが豊富な水ができやすい環境にあります(特に夏場の水温が高い時期)。植物プランクトンはメダカの餌にもなるほか、使い方にもよりますが、めだかに適した水質をキープしてくれる効果もあります。

 

以上の理由から、メダカにとって屋外飼育がしやすいと言われています。

水槽飼育の場合は水作りをしっかりとおこなうことが最重要

屋内の水槽飼育の場合、先述したような紫外線の効果は屋外に比べると少なく、グリーンウォーターも屋内の場合作りにくいのは事実です。しかし、水槽用ライトにも紫外線は含まれていますし、しっかりと濾過バクテリアが繁殖している環境であれば、グリーンウォーターでなくてもめだかは健康的に育てることが可能です。

 

今回はめだかを屋内水槽で飼育するためのノウハウを徹底的に解説していきます。

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メダカ水槽の選び方

メダカの水槽

出典:写真AC

メダカは金魚と並んで日本ではなじみ深い観賞魚。アクアリウムに興味のない方でもメダカという名前は聞いたことがあるはずです。そんなメダカは小学校のクラスでも飼われたりするほど、飼育しやすい魚としても知られています。

 

ただし、いくら飼育しやすい魚とはいえ、生き物ですから注意しなければならないことはあります。ここでは、メダカの水槽飼育に焦点をあて、メダカを飼うための水槽の選び方や、水槽を立ち上げる際の注意点などを解説していきます。

 

まずはメダカ水槽の選び方について見ていきましょう。

水槽の形状

メダカは非常に丈夫な魚で、必ずしも水槽で飼わなければならないということはありません。実際、屋外で飼育する場合はビオトープ型のプラ舟や陶器の睡蓮鉢などをよく使用します。また、メンテナンス次第では発泡スチロール箱やポリバケツでも飼うことができるのです。

 

そうは言っても、特に室内で飼う場合は見栄えも気になりますよね。一般的にはアクリル製もしくはガラス製の水槽を使用して飼育を行います。形は正方形または長方形タイプが主流です。

 

金魚鉢などでもメダカを飼育することは可能ですが、掃除がしにくいなどのデメリットもありますので、初心者にはあまりオススメしません。

サイズ(飼育数)

メダカに限らず、観賞魚の飼育で水槽を選ぶ場合は、その飼育数から検討する必要があります。一般的な目安として言われているのが、メダカ1匹につき最低1リットルの水量が必要ということです。

 

メダカ自体はそこまで遊泳力のあるタイプの魚ではなく、水面に飛び出すといった行動はほとんどしません。そのため少数飼育の場合は30cmサイズの小型水槽でも十分可能です。

 

水槽サイズにおける推奨飼育数は以下のとおりです。

30cm水槽(水量13リットル程度):10匹程度
45cm水槽(水量30リットル程度):25匹程度
60cm水槽(水量65リットル程度):60匹程度
90cm水槽(水量180リットル程度):175匹程度

 

メダカにおすすめの水槽4選

メダカの飼育におすすめの水槽をご紹介します。

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コンパクトで置き場所に困らないメダカ水槽セットです。

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メダカに適した浅い水深でゆったり帰るLサイズの水槽。

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産卵ネットや繁殖用フードが付属している、繁殖に特化した水槽キット。

ジェックス グラステリアBZ450Sセット 黒シリコン 奥行スリム

黒シリコン&黒デザインのフィルターがメダカの色を引き立ててくれます。

屋内用水槽

屋内で飼育する場合、鑑賞するということも考えて見栄えの美しいアクリル・ガラス水槽がおすすめです。それでは、それぞれどのような特徴があるか、ご紹介します。

 

アクリル水槽・・・軽くて割れにくいが、表面に傷が付きやすく白っぽく曇ってしまう。タイプとしてアクリルの素材に「キャスト板」「押し出し板」の2種類がある。

ガラス水槽・・・透明感があり傷が付きにくい。ただし重くて割れやすい。タイプは大きくフレームの有無に分けられ、それぞれ「曲げガラス」「角ガラス」のタイプがある。

 

インテリアとしての美しさは、フレームなしの曲げ加工タイプガラス水槽がおすすめですが、高価になりますので予算などを検討しながらお好みのタイプを選ぶと良いでしょう。

屋外用水槽・容器

メダカを屋外で飼育する場合、基本的に上から見ることが前提となるためアクリル・ガラス水槽である必要はありません。一般に屋外でメダカを飼育するときに用いられるのは、ビオトープを制作するためのプラ舟や睡蓮鉢です。

メダカ水槽のレイアウト

メダカ水槽のレイアウト

出典:写真AC

メダカは色々なレイアウトにマッチする魚でもあります。特に最近ブームの改良メダカは熱帯魚顔負けの多彩な体色や色々な鰭の形があり、水槽飼育でもとても見栄えします。レイアウト例としては、日本の川をイメージした流木とアナカリス、バリスネリアなどを組み合わせたものなどがおすすめです。

 

また、熱帯の水草をたくさん植え、ミナミヌマエビと混泳させ、洋風アレンジしてみるのもいいかもしれません。

メダカ水槽に必要な道具

それではメダカ飼育を始めるために、どのような道具が必要になるかご紹介します。

底床材

メダカ水槽の底床材は基本的には見栄え重視で決めてしまってかまいません。自然下では河川や湖沼、水田などに生息していますので、それらを模した砂利・砂・大磯砂や焼玉土などが使われます。水草も合わせて育てるなら専用のソイルがおすすめです。

大磯砂 中目

スドー メダカの焼玉土 黒

JUN プラチナソイル ノーマル

フィルター

メダカの飼育数や水槽のサイズなどによって適したフィルターは異なります。また水草を育てるかどうかによってもフィルターの種類は異なります。小型水槽の場合は外掛式フィルター、45cm水槽以上なら上部式フィルターがおすすめです。また、45cm水槽以上で水草を育てるなら外部式フィルターがよいでしょう。

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掃除用具

メダカは食欲が旺盛で、たくさんエサを食べてたくさんフンをするため、水の汚れも早くなりがちです。そのため、底に溜まったフンなどを取り除くスポイトなどがあると良いでしょう。また水草水槽では苔の発生を抑えることが難しいため、水槽面に付着したコケを落とすためのメラミンスポンジなどがあると便利です。

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ライト

メダカにとって照明は必ずしも必要ではないのですが、インテリアとして考える場合、室内照明だけでは水槽内が見えにくいため、ライトで照らすことも考えましょう。ただし水草を育てる場合は、光合成のためにライトは必需品となります。

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テトラ パワーLEDライト 40

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めだかの餌

メダカ用の餌はホームセンターや観賞魚ショップなど、比較的どこでも手に入り、しかもどれも問題なくよく食べます。はじめは、水が汚れにくい水面に浮かぶタイプのメダカ専用の餌を選ぶと良いでしょう。

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水草

メダカ水槽に水草は必ずしも必要ではありません。水槽レイアウトを楽しみたい、メダカを繁殖させたいといった場合には水草をレイアウトするのもおすすめです。ただし市販されている水草は高温や低温に弱い種類が多いため、購入する際は注意が必要です。

あわせて読む:  らんちゅう水槽の選び方とサイズ別ラインナップ!上手に育てるコツは?

 

繁殖させる場合、メダカの産卵床として代表的なマツモやアナカリス、カボンバなどがおすすめです。

水槽台

メダカ水槽を立ち上げる場合、30cm水槽以上なら必ず水槽台を用意するようにします。家具やフローリングの床に水槽を直置きすると、木製の板が重さに耐えきれず、最悪の場合は水槽が破損してしまう恐れがあります。

 

なお、水槽台を購入する際は水槽と水の重さに加え、その他設置する器具すべてを足した合計の重量を確認してください。そして水槽台の耐荷重が、水槽一式の総重量に適応しているかどうかをチェックすることが大事です。

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メダカ水槽の立ち上げ方

それでは実際にメダカ水槽を立ち上げるまでの流れをご説明していきます。上記の必要な道具がすべて揃っているか確認しましょう。

水槽設置

メダカ水槽の設置場所は、水槽および水槽台の重量に耐えられる場所で、なおかつ電源が近くにあって、水場からも近い場所を選ぶと良いでしょう。なお、直射日光が当たる場所はなるべく避けたほうがいいかもしれません。

 

理由は、特に夏場などは急な水温上昇でメダカが死んでしまう恐れがあるからです。また、日光はコケ発生の原因にもなります。

水作り

次にメダカ水槽に導入する水を作ります。基本的に水道水で問題ありませんが、必ずカルキ抜きしなければなりません。カルキ抜きは各メーカーから販売されており、どれを選んでも問題ありませんので、用量などを守ってカルキ抜きを行ってください。

 

また、水槽内の有害な物質を分解してくれるバクテリアを立ち上げのときに加えておくとなお良いです。

 

これらの処理を施した水を水槽に入れ、ろ過フィルターの電源を入れて水槽内で水を循環させるようにします。メダカの生体はまだ入れず、立ち上げた水槽を1週間程度循環させることでメダカにとって住みやすい環境を整えることができます。

生体導入

そして、いよいよメダカを水槽に導入します。最初は温度合わせ・水合わせが必要です。具体的には、メダカ生体を運んできた袋を30分程度水槽に浮かべて、温度を合わせます。次に、水ごと小さなプラケースなどに移し、まずは1/3ほど立ち上げたメダカ水槽の水を入れます。

 

その状態で15~30分ほど様子を見て、今度はプラケースの水を半分ほど捨て、同じ量の水を立ち上げた水槽から入れます。また15~30分ほど様子を見て、メダカの様子が変わりないようであれば、ゆっくりと立ち上げた水槽にプラケースの水ごと移してください。くれぐれもドボンと急いで入れないように気をつけましょう。

 

これでメダカ水槽の立ち上げは完了です。あとは、日々のメンテナンスを怠らないように注意して飼育してください。

メダカ水槽にエアレーションは必要?

メダカ水槽はエアレーションいるの?

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メダカに限らず、魚は水中に住んでいますが、酸素がなければ死んでしまいます。どこから酸素を取り入れているかというとエラなわけですが、これは水中に溶け込んでいる酸素を摂取しているのです。酸素が水に溶ける条件は、水が空気に接している面積が多ければ多いほど酸素が水に溶けやすい性質があります。エアレーションは水の中にブクブクと空気を送り込むことで、水が対流して空気に接する面積を増やす効果があります。

 

メダカは小型の観賞魚なので、必要とする酸素の量はさほど多くありません。そのため、水槽の水量に対して余裕のある飼育数ならエアレーションは必要ありません。しかし、日本は夏場、室内でもエアコンなしでは高温になります。水温が上昇すると水に溶け込む酸素の量が減るため、メダカが酸欠になってしまう可能性はあります。そのため、エアレーションはできるだけしてあげる方がいいでしょう。

 

ただし、上部フィルターや外部フィルターなどでろ過している場合、多くの水を対流させるため空気に触れる面積が増えます。そのため、エアレーションの役割を果たすことができます。

メダカと混泳できる魚

メダカは小型の日本産淡水魚です。ただ、性格が温和で水質にうるさくないので熱帯魚との混泳は可能です。基本的にどの鑑賞魚でもそうですが、自分よりも極端に大きい・小さいサイズの魚とは混泳は向きません。メダカに関していえば、鯉などはもってのほかです。大型の金魚などメダカが口に入るサイズの観賞魚は混泳不可だと思ってください。

メダカ水槽の混泳

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同じくらいのサイズで温和な熱帯魚なら、混泳に向いていると言っていいでしょう。アカヒレ、グッピー、カージナルテトラなどはメダカとの混泳は問題ない場合はほとんどです。ただし、これらの熱帯魚は日本の気候下だと冬場はヒーターが必要になります。

メダカ水槽にエビを入れる

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また、メダカは比較的水面の近くで生活するタイプの魚なので、底生のドジョウやカマツカ、コリドラスなどとの相性は良いほうです。魚ではありませんが水槽のコケの余り餌を食べてくれるエビ類(ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビ)との混泳も可能です。ただし、ヤマトヌマエビは弱ったメダカを食べてしまうこともありますので、注意が必要です。

 

近年めだかは様々な改良品種も作出されています。色々な品種のメダカを混泳させてみるのも華やかでいいかもしれませんね。メダカの種類については下記リンク先の記事で紹介していますので、合わせてご覧ください。

メダカは種類が豊富!人気51種と価格相場を紹介!

メダカ水槽のメンテナンス

メダカ水槽を無事に立ち上げることができたら、メンテナンスのことを理解しておきましょう。正しい水槽の運用ができないとメダカは生きていけません。

水替え

メダカ水槽を立ち上げた当初は、水中に発生した有害物質を無害化するろ過機能が完全にできあがっていません。そのため、最初の1ヶ月程度は3~4日に1度、1/3程度の水変えを行うようにしてください。これにより、メダカが排泄したフンなどから発生するアンモニアなどの有害物質を水槽から排出できます。

 

1ヶ月以上経過すれば水槽も安定してきますので、週に1回ほど上記の水量を交換するだけで問題ありません。水槽をはyたく立ち上げたい場合は、前述の通りバクテリア剤を用いるとよいでしょう。

コケ対策

水槽にはコケの発生がつきものです。実際のところ、コケというのはメダカに限らず観賞魚にとっては無害です。むしろコケがバクテリアの定着化を促進するので、メダカにとっては有益だったりします。ただ、室内で水槽飼育をしている場合、コケだらけの水槽は見栄えがよくありません。そのため、定期的にメラミンスポンジなどでコケを落としてやる必要があります。

 

また、水替えのタイミングでコケ落としをしたら、コケの発生を抑える魚に無害な薬品を投入するのも対策の一つではあります。ただし、エビと混泳させている場合は、エビが薬剤に非常に敏感であるため使用できません。

メダカを水槽で飼育してみよう!

メダカ水槽を立ち上げよう

出典:写真AC

メダカは日本産淡水魚で、日本の風土に根づいた観賞魚です。そのため、飼育に関しては特に気を使うことは多くなく、初心者にもおすすめの種類だと言えます。ただ、水槽の立ち上げにはそれなりにコツや道具などが必要となります。

 

室内でメダカを飼育するなら、美しいレイアウトを目指してみるのも楽しいかもしれません。メダカ水槽をお部屋のインテリアとして楽んでみてはいかがでしょうか。

 

めだかを水槽で飼育する