オーバーフロー水槽の仕組みやメリット!どんな魚の飼育におすすめ?

アイキャッチ画像出典:エムエムシー企画レッドシー事業部Facebook

オーバーフロー水槽の仕組み

オーバーフロー水槽とは、魚を飼育する水槽の水があふれ、水槽下部の濾過槽に流れ込む仕組みの水槽です。オーバーフロー水槽では、濾過槽の水をポンプアップした分だけ水槽から飼育水が濾過槽に流れ込みます。

 

オーバーフロー水槽の場合、濾過槽をいくらでも大きくすることができますし、濾材なども好きなように配置できるため、他のフィルターよりも濾過の能力が非常に高く、水を汚しやすい大型魚の飼育などにとても向いています。

オーバーフロー水槽のメリット

オーバーフロー水槽は濾過能力が高く、水質が安定するため、アクアリウムの質がかなり向上します。オーバーフロー水槽のメリットを見ていきましょう 。

ろ過能力が高い

オーバーフロー水槽は濾過槽が大きいため、たくさんの濾材が入れられます。落下する水が多くの酸素を含みながら濾材の間を流れていくため、濾過槽内のバクテリアの活性も高くなり、非常に濾過能力が高いものとなります。

掃除がしやすい

オーバーフロー水槽は水槽の下部の濾過槽が水槽から独立しているため、濾材を取り出して洗ったりするのがとても簡単です。濾材をネットなどに入れておけば、ネットごと濾材を取り出してバケツの中で揺する程度で掃除は完了してしまいます。

水槽内をスッキリさせることができる

オーバーフロー水槽では、魚の飼育ゾーンに水を落下させるパイプが一本あるだけです。ポンプやフィルター、配管などの濾過器具がほとんどなく、水槽上部も完全にオープンとなります。このため照明など好きなように配置することができます。

オーバーフロー水槽のデメリット

強力な濾過能力を持つオーバーフロー水槽ですが、メリットばかりではありません。デメリットは十分に理解する必要があります。

音が気になる

オーバーフロー水槽は、上部の水槽から濾過槽に落下する時の水の音が、かなり大きなものになります。「ジョボジョボ」「ゴボゴボ」という音は消音の工夫をしなければ気になり、ちょっとしたストレスになってしまうこともあります。

二酸化炭素(CO2)が逃げてしまう

オーバーフロー水槽のもう一つの欠点は、曝気です。落下する水は酸素を水中に多く溶け込ませますが、一方で水中の二酸化炭素を気化させてしまいます。水草を楽しみたい水槽の場合、水草の成長に不可欠な二酸化炭素が不足する事態になってしまいます。

金額が高い

オーバーフロー水槽は、普通の水槽の底部に穴を開け、水が下に落ちていくためのパイプを通す構造のため、その加工代として価格が割高になってしまいます。また濾過槽も大型となるため、その分、お値段が高くなります。

おすすめのオーバーフロー水槽・水槽セット

アクアリウムをワンランクアップさせてくれるオーバーフロー水槽。洗練されたデザインのものが各種発売されています。

60cm水槽

オーバーフロー水槽 クロミス60

「オーバーフロー水槽セット クロミス60」は、オーバーフロー水槽に初めて挑戦する初心者に持ってこいの水槽セット。キャビネットや濾材などもそろっていて、すぐに飼育が始められます。

オルカORCA-T 60フルセット

「オルカORCA-T 60フルセット」はインテリア性の高いスタイリッシュなデザインのオーバーフロー水槽です。濾過槽などは全てキャビネット内に収納され、外観を損ねません。

90cm水槽

Red Sea REEFER 250 DX

「Red Sea REEFER 250 DX」は本格的に大型魚を飼育したい方や、海水に挑戦するアクアリストの水準を満たす本格的なオーバーフロー水槽です。

レグラスR-900L オーバーフローセット

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「コトブキ レグラスR-900L オーバーフローセット」は比較的手頃なお値段ながら、曲げガラスを採用した美しいオーバーフロー水槽です。

その他の水槽サイズ

NEWタイププロスタイル1200

「 コトブキ NEWタイププロスタイル1200」は、肉食の大型魚を飼育できる十分な大きさがあるだけでなく、インテリアとも調和する美しさを併せ持ちます。

オリジナル国産オーバーフロー水槽セット 30キューブ ホワイトキャビ

「オリジナル国産オーバーフロー水槽セット 30キューブ ホワイトキャビ」は小型ながら本格的なオーバーフロー水槽。かわいらしいサイズですが実力は十分です。

オーバーフロー水槽が向いている観賞魚

オーバーフロー水槽では大型魚が飼いやすい!

撮影:FISH PARADISE!編集部

オーバーフロー水槽は濾過能力が高いので、大食の魚でも水質を安定させて飼育することができます。オーバーフロー水槽に向いている魚について見ていきましょう。

大型魚

アロワナやレッドテールキャットなどの肉食魚は、オーバーフロー水槽での飼育が向いています。大型魚は体を維持するために大量の餌を食べ、フンをしますので、オーバーフロー水槽の高い 濾過能力は不可欠です。水質の変化に弱い淡水エイなどもオーバーフロー水槽の安定した水質が欠かせません。錦鯉などの飼育にも適しています。

海水魚

オーバーフロー水槽は、海水魚全般の飼育にも適しています。小型~中型のスズメダイの仲間(ルリスズメダイなど)や、マンジュウイシモチなどの群れを楽しむこともできますし、小型のエイやウツボも飼育できます。珊瑚やイソギンチャクなどの飼育も可能なので、カクレクマノミなど、おなじみのかわいらしい魚も飼育できます。

オーバーフローシステムを自作してみよう

オーバーフロー水槽を自作してみよう

出典:Pixabay

オーバーフローシステムは実は自作も可能です。また自作に必要な器具も、ホームセンターで簡単に手に入れることもできます。加工自体はそんなに難しくないので、オリジナルの高性能なオーバーフロー水槽づくりに挑戦してみましょう。

オーバーフロー水槽を作るのに必要な器具

オーバーフロー水槽を作るのに必要な道具は、ホールソーという穴を開ける道具と電動ドリル、ホースを加工するカッターナイフ、キャビネットを作るためのドライバーやノコギリです。

本体水槽

オーバーフロー水槽に必要な条件は、底面に穴が開けられるようになっていることです。底面がガラスの水槽は加工が困難となるので、アクリルなどの樹脂製のものが良いでしょう。

ろ過水槽

濾過用の水槽は、水質に影響を与えない容器であれば、衣装ケースやポリバケツなどでも代用はです。十分な容量があり、濾材を大量に入れられれば、見た目は良くありませんが、濾過能力は高いものとなります。

水槽台(キャビネット)

キ ャビネットは軽視されがちですが、アクアリウムで起きる最も大きな事故は、キャビネットの損壊に由来することが多いものです。自作するならしっかりとした木材でがっちりくみ上げ、耐荷重を十分なものにしましょう。

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ポンプ

オーバーフロー水槽は水の高低差が大きいので、水中ポンプは水を垂直に揚げる揚水能力が重要になります。高低差が高いほど汲み上げる水の量が減ってしまい、パワーが弱いとチョロチョロしか水が出ず、せっかくのオーバーフローが宝の持ち腐れになってしまいます。高低差を考慮して、ひとまわり大きめの水中ポンプを選ぶようにしま しょう。

ろ材

濾材は様々な高性能なものが発売されています。バクテリアが多く生息する多孔質のものが適しています。濾材と濾材の間を水がまんべんなく通過することが重要なので、濾材の配置を工夫しましょう。

配管類

配管類はアクアリウム用に各種が販売されていますが、水道用、散水用、農業用のものが流用できます。パイプやホース類も安価で丈夫で、種類も多くあり、ホームセンターなどで簡単に入手できます。

オーバーフロー水槽の組み立て方・注意点

オーバーフロー水槽を組み立てる時に注意するのは水漏れです。まず、上部の水槽のパイプの接続部から水漏れしないか、十分に確認する必要があります。

 

注水は濾過槽から始め、揚水ポンプが十分に上部の水槽に水を汲み上げることができるか、確認します。この際、ポンプの出力を調整し、オーバーフローした水を上回る勢いで水を汲み上げないようにします。

オーバーフロー水槽で夢の大型魚を飼育しよう!

オーバーフロー水槽があれば、大型魚や海水魚を一気に飼育しやすくなります。重量などいくつか気をつける点はありますが、アクアリストなら一度は導入してみたいもの。
最近では比較的小型のオーバーフロー水槽も発売されていますので、まずは小型のもので使い心地などを試してみるのもいいかもしれません。
オーバーフロー水槽の仕組みとは?