PSBの効果・効能や使い方!使用頻度や量はどれくらいがベスト?

アイキャッチ画像撮影:FISH PARADISE!編集部

PSBとは

PSBとは

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PSBとは、光合成細菌と呼ばれる細菌をメインとした、水槽内の水質を綺麗にしてくれるバクテリアの仲間です。

 

光合成細菌と呼ばれるバクテリアの仲間は大きく、 緑色硫黄細菌 紅色硫黄細菌 紅色非硫黄細菌の3種類に分けられますが、バクテリア剤として販売されているPSBは、紅色非硫黄細菌(色が赤色で、酸素を必要としない)に分類されます。

 

また、PSBは酸素を必要としない嫌気性細菌の仲間ですが、酸素のある環境(好気性)でも育つことができるのも特徴です。

 

PSBは元々、汚水処理の施設などで活用されてきましたが、水槽内の水質浄化などにも高い効果を発揮することから、様々なメーカーから工夫を凝らしたPSBが発売されています。

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PSBの効果・効能

PSBについて、その効果や効能などについて確認していきましょう。

水質浄化・ろ過能力の向上効果

PSBは水質を浄化してくれる

 

PSBは酸素のある環境では光合成によって増殖し、酸素のない環境では硫化水素を分解するという特性を持っています。

 

ろ過フィルターなどで流れのある状態の水槽では、PSBは光合成によって増殖します。

 

反対に、水槽内の汚れが底砂にヘドロのように堆積したり、ろ過フィルター内の目詰まりを起こしたりすると有害物質の硫化水素が発生し酸素のない状態になります。PSBは水槽内で発生した硫化水素を分解してくれます。

 

このように、PSBは水槽内の水質を浄化し、ろ過能力を向上させる効果があります。

抵抗力の増強効果

PSBで魚の抵抗力をあげる

 

PSBを使用すると、水槽内の魚が病気にかかりにくくなる効果があります。水質浄化によって魚が健康になるだけでなく、魚自体が持つ抵抗力が増強される効果が認められているのです。

 

また、金魚など体色のある魚の水槽に使うことで、色揚げ効果も期待できます。食欲もアップし、水カビ病などの病気にかかりにくくなるとも言われています。

 

ただし、すでに病気にかかっている魚に対しての直接的な治療効果はないので、注意しましょう。

稚魚の初期飼料

PSBは稚魚の初期飼料にもおすすめ

 

PSBの使用方法として、もっともポピュラーなのが稚魚の初期飼料としての活用です。メダカやグッピー、ベタなどの繁殖に成功したものの、ブラインシュリンプが食べられないサイズの稚魚がいる場合、PSBが初期飼料として使用することができます。

 

また、稚魚には粉状の人工飼料やゆで卵の黄身などを与えることもありますが、その際にPSBを数滴加えることで稚魚の生存率が上がる効果も期待できます。

 

餌を残した場合でも、PSBが分解して水を浄化しますので、水槽の汚れを防ぐ効果もあります。

 

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メダカ飼育にPSBは重宝する

メダカ飼育にPSBが便利!

 

メダカ飼育にはPSBがとても重宝します。先述した通り、メダカの針子や稚魚の餌として、PSBをあげることで致死率を減少させ、成長スピードを早めることができます。

 

また、メダカは小さな水槽や容器で飼育することが多いですが、PSBをメダカの飼育水槽に定期的に添加することで、 水量が少ない環境でも水質の悪化を防ぎ、アンモニアや亜硝酸中毒のリスクをグッと減らすことができます。

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市販のおすすめPSB

PSBは観賞魚ショップでさまざまなバリエーションの商品が売られています。代表的なPSB商品について、その特徴を説明します。

サンミューズ PSB

最もオーソドックスなPSBで、価格もリーズナブルで入手もしやすくおすすめです。カロチノイド系色素により、体色の色揚げ効果も期待できます。

シマテック 濃縮PSB

PSBの製造メーカーとして、サンミューズと並ぶ有名メーカーのシマテック製のPSB。ユーザーからの高い評価がその効果を物語っています。

サンミューズ 金魚のPSB

金魚の排泄物や飼料の食べ残しを分解する機能に特化したPSB。また、金魚の美しい体色の色揚げにも高い効果があるカロチノイド、ミネラル分の配合を強化しています。

シマテック 濃縮PSBプレミアム2

PSBの本来持つ、水質浄化などの効果にプラスして、特殊善玉活性剤とバチルス菌を配合。これらの相乗効果によって、より強い水質浄化効果・栄養強化効果を生み出します。

コメット 納豆菌入りPSB

観賞魚の消化をサポートする納豆菌を配合したPSBです。善玉菌である納豆菌が、水の嫌な臭いなどを抑制してくれます。

日本動物薬品(ニチドウ) たね水

緑色のPSBで、浜名湖で採集された菌を元に開発された商品です。赤色のPSBに比べて高水温や酸欠に強く、淡水のみならず、汽水・海水での使用も可能です。

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PSBの使い方

水の浄化や魚の健康に役立つPSBですが、正しい使い方を知らないと効果がないばかりか、害になってしまいかねません。ここでは、PSBの正しい使用方法について解説します。

飼育水に入れる量

一般的なPSB商品の場合、飼育水10Lにつき10ml程度添加するのが適切な量と記載されているものが多いです。

 

60cm水槽(60L)の場合は50ml、90cm水槽(180L)の場合は150mlを添加するのが目安となっています。なお、プラ船や池の場合は100~200ccの量を添加するとよいでしょう。

PSBは毎日入れるの?使用頻度は?

PSB商品のメーカーによって記述内容は異なりますが、一般に餌やりのタイミングで1日1、2回添加すると書かれていることが多いです。

 

PSBは水槽に添加しても、ろ材などに定着するわけではなく、時間が経つと徐々に消えてしまうと言われています。そのため、PSBの効果を持続させるためには、定期的に入れてあげる必要があります。

PSBを使用する上での注意点

PSBを使用すると水が浄化され、透明で澄んでくるのが目に見えて実感できるようになります。しかし、透明な水が魚にとって無害というわけではありません。

 

水槽内のアンモニアや亜硝酸の値が高い場合でも、見た目は透明だったりします。PSBを使えば水換えをしなくていいと考えるのは間違いなので、定期的な換水はするようにしましょう。

 

また、PSBは多く入れすぎると、稚魚などが死んでしまう原因にもなるので、しっかりと規定量を守りましょう。

PSBは海水にも使えるの?

海水用のPSB商品も市販されています。また、商品によっては淡水・海水兼用のPSB商品もあります。

 

海水水槽と淡水水槽の両方を設置している場合は、こうした兼用タイプの商品を選ぶとよいでしょう。

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PSBの培養方法・増やし方

PSBは誰でも、自宅で培養することが可能です。培養には、PSBの種水とPSBの餌となるもの、カルキ抜きした水道水、培養容器が必要です。

 

PSBの餌には、エビオス錠や豆乳、市販の専用培基など手に入りやすくおすすめです。培養は、気温が高い夏の方が圧倒的に培養しやすく、寒くなるにつれ培養はしにくくなってきます(冬は気温が低く培養が難しいです)。

 

種水を容器の2〜3割程度、残りを水で満たし、蓋をして直射日光の当る場所に置いておけば、夏ならば1週間程度で培養できます。

 

PSBの培養方法については、下記の動画がわかりやすくておすすめです。

PSBを上手に活用して魚を元気に飼育しよう!

PSBを上手に活用

 

他のバクテリア剤に比べると存在自体を知らない方も多いですが、PSBは実は、とても便利で簡単に培養できる優れたバクテリア剤です。

 

最近はメダカブームに押され、各メーカーが様々な種類のPSBを開発・販売しています。きっと今回ご紹介したPSBの中にも、あなたのアクアリウムの大きな手助けになってくれるPSBがあるはずです。

 

PSBが気になった方は、是非一度、PSBを自身のアクアリウムに取り入れてみてください。

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