アクアポニックスって知ってる?おすすめキットや自作方法は?




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アクアポニックスとは

アクアポニックスとは

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アクアポニックスは魚の養殖と、農作物の栽培を組み合わせた循環型の農業システムです。現在、一部の国と地域では産業化されており、大規模な実地施設が建設されると同時に、知育を目的とした家庭用の小規模なキットも販売されています。

アクアポニックスの歴史

アクアポニックスの起源は諸説ありますが、1つは西暦1000年頃のメキシコでアステカ族が行っていた、「チナンパ」と呼ばれる農法です。この農法は運河の上に人工の浮島を作成し、その島で農作物を育てるという方法でした。アクアポニックスという言葉は1970年代にアメリカで生まれ、80年代にはマサチューセッツ州で商業施設が完成しました。以来、その生産性の高さが注目を浴び、オーストラリアやバングラデシュなど、淡水資源に恵まれない地域を中心に導入され始めています。

アクアポニックスの特徴

アクアポニックスは土を使用しないので、土づくりが不要です。それにともない、水やりや施肥、雑草の処理なども必要ないので、通常の農業と比較すると作業量が少なくて済みます。また、魚の飼育に関しても、通常であれば飼育環境の維持に必須となる、水換えが必要ありません。なぜなら、植物とバクテリアにより水質を浄化する仕組みが構築できるからです。さらに、屋内やビルの屋上などの狭い空間でも栽培と養殖が可能で、環境を管理しやすいので農薬や化学肥料を使用しないオーガニック野菜を育成できます。

アクアポニックスのシステム

魚の排泄物に含まれるアンモニアは、バクテリアの働きによって亜硝酸塩を経て硝酸塩へと変換されます。硝酸塩は蓄積するとpHが低下し、生体にとって不適切な水質になってしまいますが、硝酸塩に含まれる窒素は植物の育成に欠かせない元素なので、養分として吸収してくれます。その結果、浄化された水が常に供給されることになるので、光合成をするための十分な光を当てつつ、魚を飼育するだけで植物が育つ仕組みになっています。

おすすめアクアポニックスキット9選

現在は、知育を目的とした家庭でも手軽にアクアポニックスを行えるキットが販売されています。ここでは、現在販売されている製品の中からおすすめのものをご紹介します。

アクアスプラウトSV  〜さかな畑〜

インテリア性に優れた製品。マットブラックとマットホワイトの2色を展開。45cm水槽の上に置くだけの簡単設置で、葉物野菜やハーブが育ち、水換えなどの負担も軽減します。

brio アクアポニックス brio35

従来の製品とは異なり水槽とプランターが横並びになっていることが特徴です。水耕栽培苗はもちろん土苗も育成することができ、水槽は水足しのみで水換えも必要ありません。

コトブキ工芸 アクアポニックス スクエアポット

幅24.5cm×奥行き17.5cm×高さ24.8cmのコンパクトなキットです。その分値段もお手頃なので、アクアポニックスの入門に最適な製品です。

コトブキ工芸 アクアポニックス ラウンドポット

直径23.5cm×高さ29.0cmのコンパクトな円柱水槽のキットで、5.2L程度の水量で育成ができるので移動も容易です。インテリア性を考慮してスクエアタイプと選び分けると良いでしょう。

Back to the Roots Aqua Farm

アメリカのメーカーが販売しているキットで、幅30cmほどの水槽を使用しています。プランター部分には水耕栽培用のポットをセットするので、植物の入れ替えが容易です。

エースペット(ACEPET) アクアポニックス

直径11cm×高さ15cmのコンパクトなデザインなので、お部屋のインテリアに最適なキットです。黄色、ピンク色、青色の3色があり価格も安価なため、手軽に始められます。

アクアテリア S300

メダカの飼育を対象としたスターターセットです。幅30cm×奥行き10cm×高さ25cmのスリムな水槽なので、置き場所を選びません。エサやカルキ抜きまで付属しているので、お好みのメダカと観葉植物を用意すれば、すぐに育成を始められます。

さかなで野菜を育てる 話題の さかな畑/屋外用 中型 アクアポニックス キット

幅118.5cm×奥行75cm×高さ113.5cmの本格的な屋外用キットで、中型ゆえに様々な植物を栽培可能です。家庭菜園の1つの形として、野菜の栽培などを行いたい方におすすめです。

ShareQube(シェアキューブ) スタンダードセット

20cm四方のキューブ型の水槽で、植物の栽培部分を含めても最大で高さ40cmほどのコンパクトなデザインです。付属のLEDライトはタイマー式なので手間がかかりません。

アクアポニックスにおすすめの魚の種類

アクアポニックスに向いているのは小~中型の雑食性の魚です。例えば、金魚やメダカ、タナゴ、アカヒレなどが挙げられます。また、食べ残して沈んだエサやコケ取りのために、クリーナー生体も導入しておくと良いでしょう。クリーナー生体としては、ドジョウやミナミヌマエビ、ヒメタニシなどが候補です。これらの生体は混泳相性も良いのでアクアリウムとして見ても、大変に見栄えのするものに仕上がります。一方で、肉食魚は水を汚しやすく、家庭用の小型設備では水質の浄化が間に合わないので不向きです。

アクアポニックスにおすすめの野菜の種類

大規模な施設であれば根菜類も栽培できますが、家庭用の小型キットであれば葉物野菜がおすすめです。ハーブやリーフレタス、青ネギやルッコラなどは手軽に育てられるので入門に適しています。大きめのキットを使用すればミニトマトやイチゴなども家庭で栽培が可能です。アクアポニックスは、基本的には水耕栽培ができる植物ならば育てられるので、いろいろな植物の栽培を試してみると良いでしょう。

アクアポニックスを自作してみよう

アクアポニックスは材料と工具があれば家庭でも自作が可能です。いくつかのシステムがあるのですが、ここでは最も基本的で簡単なシステムについて自作法をご紹介します。

必要な道具

・水槽

・プランター(オーバーフロー水槽の場合は不要)

・架台もしくは水槽レール

・水中ポンプ

・配管パイプ並びにチューブ

・配管ジョイント

・ハイドロボール

・飼育、栽培したい魚と植物

・エアポンプ

・エアストーン

・魚種によっては温調機器

植物を育てるためのプランターに関しては、オーバーフロー水槽のセットを用いると上層を代用できます。また、ヒーターなどの温調機器は、日本産の淡水魚など水温の変化に強い魚であれば必要ありませんが、熱帯魚を飼育したい場合は必要になります。

作り方

1、プランターの加工

まずは、プランターの水が水槽へ入るようにするための穴をあけます。プランターの底面にプラスチック加工用のノコギリなどを用いて、配管パイプに応じたサイズの穴をあけてください。配管パイプを通したら隙間をシーリング材で埋めましょう。ちなみにこの作業は、前述のようにオーバーフロー水槽セットを用いると省略できます。

2、設置と配管

プランターの準備が完了したら設置します。架台ではなく水槽上部に設置したい場合は、水槽レールを用いると良いでしょう。設置したら水中ポンプを水槽側にしっかりと固定し、水槽の水がプランターに入るように配管を行います。また、エアレーションのためのエアストーンの配置や、日当たりが悪い場所で運用する場合は、LEDライトの設置も行ってください。

3、プランターのセッティング

配管が完了したら、ハイドロボールを水で洗ってからプランターに入れます。この時、ハイドロボールが水槽に落ちないよう、プランターの水の出口には網などをかぶせてください。ハイドロボールは、一粒一粒が多孔質の構造をしているのでバクテリアが定着し、水を綺麗にしてくれます。ハイドロボールを入れたら、育てたい植物の苗や種を植えてください。

4、水槽の立ち上げ

以上の準備が整ったら、水槽に水を入れて水中ポンプを動かし、エアレーションをしつつ水を循環させます。水槽に入れる水は、水道水を最低一晩は汲み置いてカルキ抜きをしてください。この時点では、アンモニアなどを分解するバクテリアが十分に繁殖していないため、水質が不安定になりやすいです。水質の変化に弱い熱帯魚を飼育したい場合は、先にパイロットフィッシュを導入するなどして、水槽が立ち上がったタイミングで入れてください。金魚やメダカ、アカヒレやベタなどの魚種はパイロットフィッシュにも向いている魚なので、そのまま飼育できます。しかし、あまりにもアンモニアや亜硝酸塩の濃度が高いと死んでしまうので、検査キットなどで水質をチェックし、水槽が立ち上がるまでは必要に応じて水換えを行ってください。水槽が立ち上がれば完成です。

アクアポニックスで家庭菜園と魚の飼育を手軽に楽しもう!

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アクアポニックスは魚の飼育と植物の栽培を組み合わせた農法です。生態系を再現しているために環境負荷が少なく、狭いスペースや少ない水の量で魚の養殖と農作物の栽培が可能なので、淡水資源の少ない地域を中心に広がりを見せています。家庭用に小規模のセットも販売されており、家庭菜園や手間のかからないアクアリウムとしても楽しめます。アクアリウムに興味があっても維持する手間を考えて二の足を踏んでいる方は、アクアポニックスに挑戦してはいかがでしょうか。

アクアポニックスとは