金魚の病気の種類と治療法を徹底網羅!症状と予防法もチェック!




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金魚はどんな時に病気にかかるの?(病気の原因)

金魚の病気の原因は?

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金魚が病気にかかる原因は、主に飼育環境の悪化と外部からの持ち込みが考えられます。水温が急変したり、水質が悪化すると金魚はストレスを感じます。ストレスは免疫力の低下を招き、金魚が病原体への抵抗力を失うことで病気になってしまうのです。また、新しい個体を水槽に迎えたタイミングで病気にかかった時は、その個体が病原体を持ち込んだことが考えられます。持ち込まれた病原体が水槽内で増殖し、他の個体へと感染することはよく耳にするケースです。

金魚の病気の症状と種類

人間と同様に金魚も様々な病気にかかります。ここでは、主な病状とその原因についてご紹介します。

金魚が体を擦りつけている

金魚が体を擦りつけるようにして泳ぐ場合は、体にかゆみなどの違和感を感じているためです。考えられる病気としては種々の寄生虫症で、代表的なものに「白点病」があります。原因は繊毛虫などに寄生されることで、これらの寄生虫は水槽内の水中に常在しているものも居て、普段は問題ないのですが、金魚の免疫力が低下することで寄生され発症することがあります。

金魚のヒレがボロボロになった

金魚のヒレがボロボロになる・ヒレの先端からなくなっていく、といった症状は「尾ぐされ病」が疑われます。原因は「カラムナリス菌」で、輸送中や水槽内での事故で生じた傷に、細菌が感染することで発症します。カラムナリス菌は強力なたんぱく質分解酵素を生成するので、感染するとヒレが溶かされてしまうのです。

金魚の体に綿のようなものが付いている

金魚の体に、白いフワフワとした綿のようなものが付着する症状は、「白雲病」が考えられます。「綿かぶり病」とも呼ばれているこの病気は、鞭毛虫の1種である「コスティア」や繊毛虫の1種の「キロドネラ」に寄生されることが原因です。白い綿のように見えるものは異常分泌された粘液で、寄生虫はその粘液を養分に増殖してしまいます。

金魚のエラの動きが早い

金魚のエラの動きが早く、運動量が低下するといった症状が出た場合は、「ダクチロギルス症」や「ギロダクチルス症」の疑いがあります。原因はそれぞれ「ダクチロギルス」と「ギロダクチルス」と呼ばれる外部寄生虫に寄生されることです。主に金魚のエラに寄生してエラが腫れたり、エラ蓋が閉まらないといった症状も出ます。さらに症状が進行するとエラ全体に寄生虫が行き渡り、金魚は呼吸困難に陥り死んでしまいます。

金魚がひっくり返る

金魚がひっくり返って正常に遊泳できない場合は「転覆病」が疑われます。転覆病の原因は全容がまだ解明されておりません。今のところは浮袋や脊椎中の平衡神経の異常により、引き起こされると考えられています。しかしながら、浮袋に関しては内臓脂肪による圧迫が一因とされていますが、他の要因の有無については不明で、平衡神経に関しては異常が生じる要因について判明しておりません。

金魚のお腹が異常に大きい

金魚のお腹が大きくなる症状は「腎腫大症」の可能性があります。金魚のお腹の特に片側が大きく膨らみ、「く」の字に曲がってしまう場合もあります。原因は「Hoferellus carassii(ホーフェレルス・カラッシイ)」と呼ばれる寄生虫に寄生されることです。この寄生虫は金魚の腎臓に寄生して増殖し、その過程で腎臓が肥大化するために腹部が膨張してしまいます。一度、肥大化した腎臓は元には戻らないうえに、治療法が確立されていない厄介な病気です。

金魚の鱗が逆立っている

金魚の鱗が逆立つ症状は「松かさ病」が考えられます。原因は「エロモナス菌」による細菌感染や肝機能障害による代謝の異常が挙げられます。鱗の付け根にある鱗嚢(りんのう)と呼ばれる器官に水などが溜まってしまい、松ぼっくりのように鱗が逆立ってしまう病気です。

金魚のフンが白っぽい・透明である

金魚のフンに異常が見られる時は「消化不良」の疑いが強いです。消化不良の原因は、低水温や餌の与えすぎ、餌の変質や水質の悪化などが考えられます。金魚は低水温時は代謝が低く、冬などの時期に大量の餌を与えると消化不良を起こしやすいです。また、水質悪化によるストレスでも消化能力に異変を来して、消化不良になりやすいことが知られています。

金魚の病気の治療法

病気にかかってしまった時でも、対処法を知っておけば落ち着いて対応できます。ここからは金魚の病気の治療法についてご紹介します。

白点病

白点病は水中に常在する繊毛虫の1種である「ウオノカイセンチュウ」に寄生されることで発症し、全身に白い斑点が現れることが特徴です。25℃以下の低水温時に、免疫力が低下した際に感染しやすいことが知られています。ウオノカイセンチュウは高温に弱いので、治療時は水温を30℃ほどに上げたうえで、「ニューグリーンF」や「グリーンFクリアー」、「メチレンブルー」などの魚病薬を用いて薬浴させると効果的です。

水カビ病

水カビ病は水カビ科に属する糸状菌に感染することで発症し、金魚の体表でカビが増殖する病気です。傷や尾ぐされ病などの患部から2次感染しやすい病気と知られています。治療法としては、水カビの増殖を防ぐために胞子を駆除する必要があるので、「ニューグリーンF」や「アグテン」を使用し薬浴を行います。また、ピンセットなどで水カビを除去した患部に直接薬を塗布することも効果的です。さらに、0.3~0.5%の濃度で塩浴を行うと病魚の回復が促進されます。2次感染だった場合は、他の病気の治療と並行して行ってください。

白雲病(綿かぶり病)

白雲病にかかりやすい時期は、水温が変化しやすい春先や梅雨、秋口です。また、栄養失調などで弱った時も感染しやすくなります。治療法としては水温が低い場合は25℃程度まで加温し、0.5%の濃度で塩浴を行います。同時に、「グリーンFリキッド」や「メチレンブルー」による薬浴も行うと効果的です。

尾ぐされ・鰓ぐされ・口ぐされ病(カラムナリス感染症)

これらはいずれも「カラムナリス菌」による感染症で、カラムナリス菌が感染した部位により呼称が変化します。原因となる病原体が同一なので、感染しやすい条件や対処法も同一です。カラムナリス菌が感染するのは水質の悪化などで金魚の免疫力が低下している時や、金魚に外傷がある時です。治療法としては、水槽の水を半分ほど取り換えたうえで、「グリーンFゴールド」や「観パラD」、「エルバージュ」による薬浴を行います。同時に、0.5%濃度での塩浴も行うと効果的です。

赤班病(トリコディナ病)

赤班病の原因は、「トリコディナ」と呼ばれる寄生虫によるものと、細菌の1種である「エロモナス・ハイドロフィラ」によるものの2種があります。トリコディナが原因の場合は、水質の悪化により同寄生虫が異常増殖すると発症しやすいことが知られています。治療法としては、初期の頃であれば「グリーンF」による薬浴が有効です。しかし、病状が進行してしまうと、現在のところ有効な魚病薬が存在しないので、早期の治療が重要になります。エロモナス菌による病気の治療法は後述します。

エピスチリス(ツリガネムシ)症

繊毛虫の1種である「エピスチリス(ツリガネムシ)」に寄生されることで発症する病気です。白点病と同じように魚体に白い斑点が出現しますが、こちらの方が班が大きく出ます。梅雨入りの時期に発症しやすく、白点病とは異なり高水温でも発症することがあります。治療法としては、「メチレンブルー」による薬浴と、0.5%濃度での塩浴が効果的です。また、寄生された患部への細菌の2次感染を防ぐために「グリーンFゴールド」も併用すると、より高い治療効果が期待できます。

運動性エロモナス症(赤班病・松かさ病・ポップアイ)

これらは全て「エロモナス・ハイドロフィラ」と呼ばれるエロモナス菌の1種が原因で、感染した部位によって症状と病名が異なります。 エロモナス・ハイドロフィラは25~30℃の高水温で活発に増殖することから、夏から秋にかけての時期に注意が必要です。また、屋外で飼育している場合は、冬眠明けで金魚の免疫力が低下している春先や、雨で水温が安定しにくい梅雨の時期にも感染しやすくなります。治療法としては、「グリーンFゴールド」や「観パラD」による薬浴と、0.5%濃度での塩浴を併用すると効果的です。

ダクチロギルス症・ギロダクチルス症

これらの寄生虫は水質の悪化により発生しやすくなります。また、外部からの持ち込みによる発症も多いです。両者は似たような症状を引き起こしますが、ダクチロギルスは春から夏にかけての高水温期に、ギロダクチルスは秋から春にかけての低水温期に発生しやすいです。治療法としては、金魚の呼吸を助けるためにエアレーションをしっかりと行い、飼育水を半分ほど取り替えます。そのうえで、「グリーンFゴールド」や「リフィッシュ」による薬浴と、0.5%濃度での塩浴を行うと効果的です。

コショウ病(ウーディニウム病)

鞭毛虫の1種である「ウーディニウム」に寄生される病気で、魚体にコショウをまぶしたような見た目になることから名付けられました。水質の悪化や水温が不安定になると発症しやすく、同じ鞭毛虫が原因の白点病と基本的な対処法は一緒です。ただし、こちらの方が治りにくい傾向にあるので、「メチレンブルー」を用いての薬浴と、0.5%濃度での塩浴を併用することを推奨します。

穴あき病

エロモナス菌の1種である「エロモナス・サルモニシダ」に感染すると発症する病気です。この細菌は比較的低水温を好むので春と秋に多い病気です。充血している程度の初期症状での治療は「観パラD」や「グリーンFゴールド」による薬浴で行うことが可能です。病気が進行して体に穴が開いてしまっている場合は、薬浴に加えて0.5%濃度での塩浴も行ってください。

転覆病

転覆病は15℃以下の低水温時に発症することが多いです。この病気に対する特効薬は残念ながら存在しません。初期の頃であれば、水温を25℃ほどにまで上昇させれば自然回復することが知られています。神経障害の他に、肥満による内臓脂肪が浮袋を圧迫することでも発症するので餌の量には注意してください。

ウオジラミ・イカリムシ症

これらの病気はそれぞれ、「ウオジラミ」と「イカリムシ」と呼ばれる寄生虫に寄生されることが原因の病気で、病状・治療法ともによく似ています。両者ともに水温が高くなる6~9月頃に、外部から持ち込まれることで発症しやすい病気です。治療としては、ピンセットで寄生虫を取り除き、「リフィッシュ」による薬浴で寄生虫を駆除します。しかしながら、イカリムシの場合は成虫と卵、ウオジラミの場合は卵については薬が効きません。よって、完全に駆除するためには2週間に2~3回の頻度で、飼育水への投薬が必要になります。

腎腫大症

腎腫大症の原因となる寄生虫は低水温時に活発になるので、発症しやすい時期は秋から冬にかけてです。残念ながら治療法が確立されていないため、有効な魚病薬などもありません。発症してしまった場合は病魚を取り除き、水替えを行うなどして飼育環境を良好な状態に保つ、くらいしか対処法がないのが現状です。

ガス病(気泡病)

水中に溶存していたガスが過剰になり金魚の体内で気化してしまい、ヒレを中心に気泡が生じてしまう病気です。水温が高い7~9月にかけて多く、ヒレ以外の場所に症状が出た場合、ポップアイや腹部膨張などの形で見られます。この病気は病原体によるものではないので、魚病薬を使用する必要はありません。2次感染を防ぐための水替えと、水温を下げることで治療が可能です。

金魚ヘルペス

金魚ヘルペスは「キンギョヘルペスウイルス」が原因で、同ウイルスが腎臓や脾臓などの造血臓器に感染し、金魚が血液を作れなくなる病気です。このウイルスは15~25℃で金魚への感染能力が高くなるので、春と秋に多く見られます。残念ながら有効な魚病薬は現在のところ存在せず、発症した場合は感染力が高いので病魚を速やかに隔離するしかありません。また、発症しやすい水温は判明しているので、特に春と秋はその温度帯を避けて飼育し、予防に努めるのが主な対処法となります。

金魚の病気の予防法

病気になった時の治療法は重要ですが、同様に病気にさせない努力も重要になります。ここでは主な病気の予防法をご紹介しましょう。

適切な飼育環境を維持する

病原体の中には水中に常在している細菌類や繊毛虫などの原生生物類も多く、金魚の免疫力が通常通りに働いている時は問題にならない場合がほとんどです。しかし、水質の悪化や水温の急変でストレスを感じると、免疫力が低下し病原体に感染することがあります。また、水質が悪化すると病原体が水槽内で増殖することも考えられます。よって、水温計やpH計などを用意して水槽内を日頃から観察し、金魚にとって適切な環境を維持してあげることが重要です。

しっかりとトリートメントをする

トリートメントは新しい個体を水槽などに導入する際に、病気を持ち込ませないために行う工程です。方法としては、トリートメント用の容器で新しい個体を1週間ほど飼育します。金魚のトリートメントの場合、0.3~0.5%の濃度で塩浴を行うのが通常です。また、「メチレンブルー」や「グリーンF」などの魚病薬を規定量よりも薄めに使用することもあります。トリートメントを行うことで、輸送によるストレスなどから金魚の体調を回復させ、病原体の活動を抑制することが可能です。よって、水槽などへの導入時に病気にり患するリスクを大幅に軽減できます。

治療の成否、カギを握るのは早期発見・早期治療!

金魚の病気は早期発見が重要

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金魚は人との付き合いが長い魚種であるため、発生頻度が高い病気は大部分について治療法が確立されています。しかし、病状が進行してしまうとどうしても治療が困難になってしまいます。よって、治療の成否のカギを握るのは早期発見・早期治療にあると言えるでしょう。そのためには、日頃からよく水槽内や金魚を観察することが重要になってきます。また、予防も同程度に重要なことなので、飼育環境の管理維持を怠らないようにしてください。

金魚の病気の治療法は?