サイアミーズフライングフォックスの飼育法!食べるコケの種類や量は?




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サイアミーズフライングフォックスってどんな魚?

サイアミーズフライングフォックスとは

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観賞魚ショップなどに行くと「水槽のコケ取りに最適」という表示で売られているのが、サイアミーズ・フライングフォックスという魚です。いったい、サイアミーズ・フライングフォックスとはどのような魚なのでしょうか。まずは、その特徴や生態からご紹介します。

特徴

サイアミーズ・フライングフォックスは、コイ目コイ科クロッソケイルス属に属する淡水魚です。細長い体型をしており、コイ科特有の口ヒゲがあり、体色は淡黄色、口元から尾ビレまで黒く太い一本のラインが入っているのが特徴です。幼魚の時は黒いラインは薄めですが、成長とともに濃く太くなっていきます。体長は成長すると10~15cmほどになります。似たような名前の「フライングフォックス」という魚と混同しやすいので、注意が必要です。

分布

サイアミーズ・フライングフォックスの原産国は主にタイですが、マレーシアやインドネシアなど東南アジアに広く分布しています。環境適応能力が高いため、淡水熱帯魚の中では飼育が容易な部類となります。

流通量と価格の相場

かつては少しマイナーな魚だったため、あまり市場に出回っていませんでした。しかし、近年では水槽のメンテナンスフィッシュとして人気が高くなり、大抵の観賞魚ショップで目にすることができます。市場価格は1匹200~500円程度で、販売されているのは2~5cmほどの幼魚の場合が多いです。

寿命

サイアミーズ・フライングフォックスの寿命はおおむね8~10年程度と言われています。ただし、後述しますが、遊泳力が高いため水槽から飛び出して死んでしまうといった事故も多いので気をつけましょう。

サイアミーズフライングフォックスの飼育方法

サイアミーズ・フライングフォックスは比較的強いので、初心者向きの淡水熱帯魚といわれています。ただし、生き物である以上、それなりに飼育には知識が必要です。

水質・水温

サイアミーズ・フライングフォックスに適した水温は一般に20℃~27℃といわれています。淡水熱帯魚としては低水温に強い部類で、関東以西では室内なら無加温で飼育できたという検証もされていますが、オススメはしません。冬期のヒーターは必須で、25℃前後にキープするのが望ましいです。水質は硬水から、やや軟水のpH6.0~7.5あたりが基本ですが、そこまで水質悪化にうるさいタイプではありません。

水槽サイズ・フィルター

サイアミーズ・フライングフォックスは遊泳力が高く、俊敏な動きが特徴です。性格は活発で、成長とともに水槽からの飛び出し事故なども増えますので要注意です。ただ、常に泳ぎ回るという持久力がないため、そこまで大型の水槽は必要ありません。水槽に入れる数にもよりますが、目安として60cm水槽であれば8匹前後でも問題ありません。フィルターも一般にショップで販売されている外掛けフィルター・上部フィルターで十分です。

その他の注意点

前述したとおり、サイアミーズ・フライングフォックスは遊泳力が高く、活発に動き回る特徴があります。そのため、水槽上部に飛び出し事故対策のフタは必須となります。ほんの少しの隙間からも飛び出すことがあるので、しっかりと水槽のサイズに合ったフタを用意しましょう。また、成長すると縄張りを主張するようになるため、同種飼育の場合は追いかけ回すこともあります。ただ、持久力には欠けるため、そこまで執拗に追いかけ回すことはないようです。

サイアミーズフライングフォックスの餌

雑食性で、人工飼料から冷凍赤虫、藻や水草など何でも食べます。コケ取りのメンテナンスフィッシュというイメージが強いですが、コケだけでは飼育できません。必ず観賞魚用の人工飼料なども与えるようにしてください。

 

注意が必要なのは、コケを食べることでもわかるように草食性の傾向もあるため、口に入る程度の細くて柔らかい水草は食べられてしまう可能性があります。大食漢なので、1日2回の餌やりを欠かさないようにしましょう。正直、コイや金魚の餌も食べるのですが、コイ科のため底面に落ちた餌をついばむ特徴があるため、プレコ用の沈下型タブレットなどを与えると良いでしょう。

キョーリン ひかりクレスト プレコ

サイアミーズフライングフォックスのコケ取り能力はいかほど?

サイアミーズ・フライングフォックスの大きな特徴は、水槽内に発生したコケを食べてくれることです。どの程度のコケ取り能力があるのでしょうか。

食べてくれるコケの種類

サイアミーズ・フライングフォックスはコケ(藻類)の食べる種類が多いという特徴があります。具体的には黒髭コケ(黒房藻)、茶ゴケ、緑ゴケ、糸状コケなど多種に渡っており、これがメンテナンスフィッシュとしての優秀さから人気がある理由となっています。

 

ちなみに、同じメンテナンスフィッシュであるオトシンクルスやオトシンネグロが食べるのは茶ゴケのみ。また、コケ取りの定番・ヤマトヌマエビは緑ゴケやアオミドロなどには効果が高いのですが、いずれも黒髭コケ対策には効果ありません。

コケ取り能力(食べる量)

黒髭コケをはじめとした水槽のコケ対策という意味では、60cm水槽なら1、2匹程度でも十分に威力を発揮してくれます。オトシンクルス&ネグロもコケ取り能力は高く、同程度の数でも十分なのですが、茶ゴケしか食べません。逆にヤマトヌマエビは緑ゴケ、アオミドロの対策に効果的で、60cm水槽で5匹程度でも効果を実感できますが、黒髭コケの対策には向かないので、やはり“コケ取り名人”はオールマイティーなサイアミーズ・フライングフォックスに軍配が上がります。

 

ただし、サイアミーズ・フライングフォックスは成長とともにコケを食べなくなってしまうという特徴があります。また、コケを食べるのは学習能力によるものという研究結果もあり、個体によってはコケをまったく食べない場合もあります。このような場合は、ある程度のサイズに成長した別個体を入れることで、元いた個体も学習してコケを食べるようになることもありますので試してみてください。

サイアミーズフライングフォックスの混泳相性

サイアミーズ・フライングフォックスは、野生では群れる習性があります。そのため、同種混泳は問題ありません。それでは、他種や同種混泳の適正数などはどうなのでしょうか。

同種・近縁種との混泳相性

サイアミーズ・フライングフォックスは活発に動き回るため、混泳に向かないのではないかというイメージを持たれていますが、性格が温和で、群れを作って生活するため、混泳水槽でも問題ありません。ただ、幼魚のうちは全然問題なく混泳できるのですが、成長するに従って縄張りを主張するようになります。また、特に餌に関しては非常に貪欲で、独占しようとする傾向があるため、同種あるいは近縁種との混泳では、まんべんなく餌が行き渡るように気をつけましょう。

他種との混泳相性

サイアミーズ・フライングフォックスは温和な性格なので、他種との混泳も比較的容易な部類となります。ただし、成魚になると12cmを超える個体もいますので、あまり小さいカラシン(カージナルテトラやネオンテトラなど)は攻撃されるおそれがあるため、オススメしません。逆に大型の魚や縄張り意識の強い魚との混泳も不向きです。サイアミーズ・フライングフォックスは地味な色の魚なので、混泳可能でカラフルな他種との混泳なら、水槽も華やかになるのでオススメです。

 

プラティ

ハニードワーフグラミー

グッピー

サイアミーズフライングフォックスの繁殖

サイアミーズ・フライングフォックスは観賞魚ショップでもよく見かける魚だけに、繁殖も容易だろうと思われがちですが、実は一般のアマチュアが繁殖を成功させたという例はほとんどありません。手軽に安く入手できることもあって、あまり積極的に繁殖を試みる人はいないようです。雌雄の見分け方も、ショップで販売されている段階では極めて判断が難しいため、10匹程度を購入し、成魚(10~12cmほど)になって産卵行動のような動きを見せたら、その個体は雌ということになります。ただし、詳しい繁殖方法などはわかっていないため、興味のある方はチャレンジしてみてはどうでしょうか。

サイアミーズフライングフォックスがかかりやすい病気

サイアミーズ・フライングフォックスはとても丈夫な種なので、あまり病気になることはありませんが、それでも淡水熱帯魚なので水温の急激な変化には敏感です。水換え時の急激な水温の変化によって、白点病やコショウ病が発生する場合もありますので、注意が必要となります。

 

もし白点病を発症した場合の対処法としては、水温を上げることです。白点病の主な原因となるウオノカイセンチュウは高水温で魚から離れますので、熱帯魚であるサイアミーズ・フライングフォックスの治療には最適でしょう。また、塩水浴やグリーンFゴールドなどの薬浴も効果があります。

地味だけどコケ取りの動きがかわいい!

サイアミーズ・フライングフォックスは、体色は日本産淡水魚のムギツクやモツゴによく似ていて、かなり地味な魚です。観賞魚としては魅力に欠ける面もありますが、コケ取り能力が高く、メンテナンスフィッシュとして飼育するにはもってこいです。遊泳力が高いわりには、意外とじっとしている時間が多く、水槽の側面などにへばりついてコケをモフモフ食べている姿はとてもかわいらしく、飼育しているうちに愛着を持つようになるでしょう。飼育に関しても、特に注意すべき点もなく、混泳にも幅広く対応できるので、初心者が飼いやすい観賞魚だといえるでしょう。

サイアミーズフライングフォックスとは