ディスカスの飼育法・繁殖法!種類が多彩な熱帯魚の王様!




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ディスカスってどんな魚?

 

ディスカスは熱帯魚の王様と言われるほどに、アクアリウムにおいては定番かつ人気の魚種です。どのような魚なのか、特徴や種類などをご紹介します。

特徴と原産地

ディスカスの特徴

出典:写真AC

ディスカスはスズキ目シクリッド科シムフィソドン属に分類されている淡水魚で、成魚の体長は約20cmです。体は強く側扁し体高が非常に高く、円盤状の魚体を持ちます。赤褐色の地肌に、不規則な筋状の模様が入る場合が多いですが、体色と模様は個体差と地域差が大きいです。原産地は南米アマゾン川水系で、流れが穏やかな場所に生息しています。

寿命

ディスカスの寿命は通常5年ほどです。しかし、飼育環境に大きく左右されることは言うまでもなく、水質や病気に気を付けて上手に飼育できた場合は、10年近く生きる個体もいるようです。

流通量と価格の相場

ディスカス自体は希少な魚種ではなく、養殖されたブリード種や採取されたワイルド種が定期的に輸入されているので、流通量は多いです。しかし、相場としては5000円前後で取引されており、その人気から観賞魚としては高めの値段設定がされています。

ディスカスのアクアリウムにおける歴史

ディスカスが観賞魚として飼育され始めたのは20世紀初頭のヨーロッパからです。日本で飼育が一般的になったのは1980年代からで、東南アジアでブリードされた個体が広く流通し、価格が落ち着いたことがきっかけでした。その姿は多くの人を魅了し、いまだに根強い人気があり改良品種が数多く作出されています。

ディスカスの種類(品種)

ディスカスは観賞魚として根強い人気を誇り、今もなお品種改良が盛んに行われています。ここでは原種であるワイルド種と主な改良品種をご紹介します。

ヘッケルディスカス

世界で初めて認知されたディスカスで、オーストリアの魚類学者にちなんで名付けられました。頭部から尾部にかけて9本のバンドが入り、中央の太いバンドはヘッケルバンドと呼ばれています。体色は産地によって異なり、黄色や赤色、青色など様々です。

グリーンディスカス

ワイルド種の中では流通量が多い品種で、アマゾン川の上流に生息しています。バンドの入り方は個体差が大きく、薄い個体が多い傾向にありますが、ヘッケル並みにはっきり出る場合もあります。名前に反して体色は黄色を基調としていますが、光の当たり方により青く見えることから名付けられました。

ブルーディスカス

アマゾン川の中流に生息しているワイルド種で、ヘッケルやグリーンと遺伝子的には同種なので見た目はあまり変わりません。ブルーディスカスの特徴は体に入る青色の不規則な筋状の模様で、黄色を基調とした体色に良く映えます。

ブラウンディスカス

ワイルド種の中ではアマゾン川の最も下流に生息している品種です。体色は褐色から濃いオレンジ色で、グリーンと同じくバンドの入り方は個体差が大きいです。ディスカスの中では地味な色合いですが、落ち着いた色調は水槽内の良いアクセントとなるでしょう。

アルビノディスカス

突然変異により誕生したアルビノを固定化に成功した改良品種です。白色の体に赤い目という特徴は他の生物のアルビノ種と共通しています。同種を基に青味と輝きを持たせたアルビノブルーダイヤモンドなどの派生も存在します。

ターコイズディスカス

ブルーディスカスを基に品種改良で作出されました。青色を基調とした体色に不規則な筋状の模様が入る、ディスカスの代名詞となった品種です。さらに、赤味を添加したレッドターコイズやより発色を良くしたブリリアントターコイズなどターコイズ系と呼ばれる様々な品種が作出されています。

ピジョンブラッドディスカス

タイで作出された改良品種で、レッドロイヤルブルーディスカスを基にしています。淡い赤色が美しい品種で、個体によっては白色の模様が入る場合もあります。ピジョンブラッドをさらに改良したホワイトピジョンディスカスなどが存在し、それらはピジョン系と呼ばれています。

レオパードディスカス

青色の体色を基調とし全身に赤色のスポットが入る華やかなディスカスです。シンガポールで品種改良により誕生しました。スポットが入る品種は、他にもゴールデンルビースポットスネークなどが存在し、スネーク系と呼ばれています。

ブルーダイヤモンド

青色の体色と赤い目を持った改良品種です。この種類はバンドなどの模様がないほど、優良とされており高い値が付きます。特に全身青色に発光し、全く模様がない個体はスーパーダイヤモンドと呼ばれ、1匹あたり数万円で取引されています。

オリエンタルドリーム

レッドダイヤモンドとスネークスキンを交配させて作出した改良品種です。青色と赤色の複雑な模様が美しい人気の品種です。養殖が盛んに行われている品種の1種で流通量は多い方なので、安価な個体は1匹あたり4000円前後で入手可能です。

ディスカスの飼育方法

ディスカスの飼育は他の熱帯魚以上に、しっかりとした設備の整備と水質の管理が重要です。

水槽サイズ・フィルター

ディスカスは体長20cmほどに達し、体高が高い魚種です。また、野生では群永しているので、複数で飼育することが基本です。以上のことから、ディスカスの飼育には幅90cm以上、高さ45cm以上の水槽の使用を推奨します。一応、60cmクラスの水槽でも飼育可能ですが、混泳できる数が少なくなってしまうので、個体同士の相性が悪かった場合、弱い個体がいじめられてしまうことには留意してください。

 

ディスカスはその食性から非常に水を汚す魚なので、フィルターは上部式や外部式のような強力なものを導入しましょう。水槽レイアウトにこだわらないのであれば、メンテナンス性を考慮して上部式フィルターをおすすめします。それに加えて、エアレーションを兼ねたスポンジフィルターを併用することも一般的です。

照明

ディスカスは臆病な魚なので、特に水槽への導入直後などは照明を弱めに設定してください。餌への食いつきや遊泳状態を見て、水槽の環境に慣れたと判断できたら、水槽内がよく見えるほどの光量に設定しても問題ありません。ただし、ディスカスも夜間は眠る時間が必要なので、タイマーなどで消灯時間を作ってあげてください。

水温・水質

ディスカスの飼育可能な水温は25~30℃です。熱帯魚の中でも高温を好む魚種なので、ヒーターは必ず用意しましょう。30℃前後で飼育すると成長が促進されるため、死亡率が高い幼魚の間は高めの水温で飼育されることが多いです。水質はpH6.0~7.0の弱酸性を好みます。ディスカスは水を汚しやすい魚なので小まめに水替えを行う必要があります。pH計も用意して必要に応じてpH調整剤を用いて水質を調節してください。

底砂・アクセサリー

ディスカスは大食いでその分、排泄物の量も多いです。メンテナンス性を考慮するのであれば、底には何も敷かないベアタンクでの飼育を推奨します。ディスカスのみを飼育する場合は、底砂がなくても問題は生じません。

ディスカス水槽のレイアウト

ディスカスは小まめなメンテナンスが必要な魚種なので、レイアウトは基本的にシンプルにまとめることをおすすめします。ディスカスを水草水槽で飼育している光景をペットショップなどでよく目にすると思いますが、底砂を導入すると前述したようにメンテナンス性が悪化してしまいます。水底に根を張るタイプの水草と混泳させたい場合は、鉢などに植えた状態で導入すると良いでしょう。

ディスカス水槽のメンテナンス

ディスカスの水槽メンテナンス

撮影:FISH PARADISE!編集部

ディスカスは動物質の餌を好むうえに非常に大食いなので、ろ過能力に優れたフィルターを使用してもすぐに水が汚れてしまいます。飼育に適切な水質を維持するためには、水槽内の水量や飼育数に左右されますが、1週間に1~2回の頻度での水替えが必要です。この時、水質の急激な変化を避けるために、替える水の量は全体の1/2~1/3に留めてください。また、水底の排泄物や食べ残しを除去するために、底砂クリーナーなどを用意しておくと便利です。

餌はディスカスハンバーグがおすすめ!

ディスカスは野生では昆虫類や動物プランクトン、植物プランクトンを食べる雑食性ですが、どちらかというと動物質のものを好んで食べます。そんなディスカスの餌はディスカスハンバーグを中心に与えることがおすすめです。

 

ディスカスハンバーグは牛のハツなどを原料に、ディスカスの育成に必要な栄養素を網羅した総合栄養食で、食いつきも良い餌です。ディスカスハンバーグを中心に、冷凍アカムシや冷凍イトミミズ、配合飼料などをバランスよく与えると健康的な成長が期待できます。

 

餌の与え方は1日に1~2回、食べ残さない程度に十分な量を与えてください。幼魚の頃はより多くの栄養を必要とするので、1日に3~4回の給餌をすると良いでしょう。ディスカスハンバーグなどの生餌は水質の悪化を促進するので、食べ残しは可能な限り取り除いてください。

ディスカスの混泳

様々な魚を混泳させることはアクアリムの醍醐味の1つではありますが、ディスカスの場合は注意が必要です。

同種・近縁種との混泳相性

野生では群れで生活していることもあり、同種との混泳相性は良い傾向にあります。しかし、水槽という限られた環境下で少数を飼育すると、弱い個体がいじめられる場合があります。そのため、5匹以上を混泳させて飼育することが一般的です。90cmクラスの水槽では10匹前後を飼育できますが、60cmクラスの水槽で飼育できる数は2~3匹までなので注意してください。

他種との混泳相性

他種との混泳相性は良くありません。ディスカスは動物質のものを好むので、エビ類や小魚は捕食されてしまいます。逆に、ディスカスを攻撃する気性の荒い魚種とも、当然ながら混泳は不可です。コリドラスやローチといった底棲魚とは混泳自体は成功しやすいのですが、それらの魚種の飼育環境を整えようとすると底砂を導入せねばならず、メンテナンス性とのトレードオフになる点には留意してください。

ディスカスの繁殖方法

ディスカスは子育てをする魚として知られており、産卵後は卵から稚魚の面倒までディスカスが見てくれるので、環境さえ整えてあげれば個人でも繁殖させることができます。

オスメスの見分け方

ディスカスは見た目での雌雄の明確な判別法がありません。よって、繁殖させたい場合は大型の水槽に複数のディスカスを投入し、自然にペアができることを期待しましょう。2匹が寄り添って泳いだり、相手の前で少し沈み込む「お辞儀」のようなしぐさを確認できれば、ペアが成立した証です。ペアになると気性が荒くなるので、繁殖用の水槽に移動させましょう。

繁殖環境

通常の飼育環境でも繁殖する場合がありますが、ペアになっても繁殖行動が見られない時は、水温を27~28℃まで下げpHを6.0~6.5に保ってみてください。これらの変化がトリガーになり、産卵が促進されることが知られています。繁殖用の水槽内は強い水流が生じないよう、フィルターの配置などに注意してください。ディスカスはもともと水流を好まないうえに、放精量が少ないので受精率を下げてしまいます。

産卵〜稚魚の育成

野生のディスカスは水草や木の表面に卵を産み付けるので、産卵基質を用意する必要があります。産卵基質は市販されている産卵筒を利用しても良いですし、プラスチック製のパイプなどでも代用できます。産卵後は親が卵と稚魚の面倒を見てくれるので、静かに見守りましょう。

産卵後、数日でふ化し稚魚が生まれます。稚魚は生まれてから数日間は卵黄嚢の養分で成長します。卵黄を全て吸収し終えると親魚に付きまとうようにして泳ぎ始めますが、これはディスカスミルクと呼ばれる親魚の分泌物を摂取するためです。

 

ディスカスはオスメス共同で子育てをする魚で、稚魚が誕生した後はディスカスミルクと呼ばれる栄養価の高い粘液を、体表から分泌することが知られています。ディスカスミルクを十分に摂取した稚魚は免疫力が強くなり、成長が早くなることが分かっているので、この時期は親と離さないようにしましょう。

 

稚魚はディスカスミルクを摂取するようになってからしばらくすると、親魚のそばを離れて泳ぐ時間が増えてきます。この時期になったら、ブライシュリンプなどを与えてみましょう。食べるようでしたら親魚と別の飼育水槽に移しても大丈夫です。親魚の方も徐々にディスカスミルクの分泌量が減少し子育てをしなくなります。

 

稚魚が寄ってくるのを嫌がるようなそぶりを見せたら、隔離してしまった方が良いでしょう。隔離した稚魚にはしばらくの間ブライシュリンプを与え、体が大きくなってきたら小さく切ったディスカスハンバーグを与えてみてください。食べるようでしたら、以降は成魚と同じ飼育法で成長していきます。

ディスカスが罹りやすい病気と治療法

熱帯魚の飼育において病気はつきものですが、ディスカスの場合は特有の病気もあるので注意してください。ここでは代表的な病気を4種類ご紹介します。

シクリッド病(ディスカスエイズ)

シクリッド類に特有の病気で、ディスカスに発症した場合にはディスカスエイズと呼称されます。症状としては全身が黒化し、ひれをたたんで動かなくなり、重篤化すると粘液を垂れ流し、やがて衰弱死してしまいます。治療法としては、「リフィッシュ」や「グリーンFゴールド」などの魚病薬を用いた薬浴が有効です。

ヘキサミータ病

鞭毛虫に寄生されることで発症し、症状としては白い糞をする、腹部に水が溜まるなどが挙げられます。治療法としては水温を30℃以上に上げ、「フラジール」による薬浴や「虫下しハンバーグ」を与えることが有効です。

腹部膨張症

消化不良などが原因で腹部が膨らんでしまう病気です。症状としては腹部が膨らむ、食欲がなくなるなどが挙げられます。この病気はディスカスの腸内環境が原因なので、特効薬はありません。水温を上げてディスカスの代謝を良くしたり、水替えを頻繁に行って常に良い水質を保ち、ディスカスのストレスを軽減することで改善されることが多いです。

エラ病

エラ病はエラが黒ずむ、エラが閉じない、呼吸に異常があるなどの症状が出ます。原因は寄生虫と細菌の2種類があり、いずれの場合も重篤化すると呼吸困難に陥り死亡してしまいます。治療法としては「グリーンFゴールド」や「観パラD」による薬浴が有効です。

ディスカス専門の通販ショップ

ディスカスを購入するのであれば、しっかりと管理しているショップを利用したいものです。ここでは信頼できるディスカス専門店をご紹介します。

ディスカス・ショップ チャオチャオ

東京都小平市に店舗を構えるショップで、通販の他に店頭販売も行っています。ドイツディスカスとワイルドディスカスに強いお店で、希少価値の高いワイルド種が入荷することもあるので、覗いてみてはいかがでしょうか。

ディスカスショップ チャオチャオ

ペットバルーンEX

大阪府堺市に店舗を構える同店は、ワイルドディスカスの在庫量日本一を目指しており、常時500匹以上のストックがあります。ワイルド種をお求めの方におすすめのショップです。

ペットバルーンEX

熱帯魚のMISHIMA富山店

富山県富山市に店舗を構えるショップで、ディスカスの販売の他にアクリル水槽やろ過装置のオーダーメイドも受注しています。水槽メンテナンスの出張サービスも行っているので、富山市内に在住の方はご利用になられてはいかがでしょうか。

熱帯魚のMISHIMA富山店

B-collection

長崎県長崎市に店舗を構える同店の最大の特徴は、体着確認済みのペアを販売している点です。商品によっては稚魚込みで販売しているので、ディスカスの繁殖に挑戦したい方におすすめのショップです。

B-collection

Disc&Disk

横浜市青葉区に店舗を構える同店は主にブリード種を扱っており、海外からの輸入に加えて自社ファームでの養殖も行っています。常時1000匹以上のストックがあり、手ごろな値段のディスカスも多いので、覗いてみてはいかがでしょうか。

Disc&Disk

”熱帯魚の王様”ディスカスの飼育で、ワンランク上のアクアリウムに!

ディスカスの飼育

撮影:FISH PARADISE!編集部

ディスカスは古来より人気の観賞魚で、品種改良も盛んに行われており、ブリード種・ワイルド種ともに”熱帯魚の王様”の異名に違わぬ見ごたえを提供してくれます。設備やメンテナンスの観点から手軽に維持・管理ができる魚種ではないものの、臆病な割には人懐っこく、慣れれば餌をねだりに水面の近くまで上がってくる様子を観察できたりと非常に魅力的な魚です。現状のアクアリウムに物足りなさを感じている方は、ディスカスの飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。

ディスカスは熱帯魚の王様!