活性炭の水槽での役割と使い方!おすすめ商品10選も紹介

活性炭は多孔質な形状をしており、その微細な穴で飼育水中の微粒子をキャッチすることで、黄ばみや臭いを解消し、水を綺麗にしてくれます。ただし、不要な物質を何でも吸着するわけではなく、アンモニアや硝酸塩などを取り除く能力はないので、活性炭を使用しても定期的な水換えは必須です。また、活性炭の原料によって、水質に与える影響に差がある点も留意してください。活性炭は、上手に使えれば間違いなく役立ってくれるため、ぜひ活用してみてください。

アクアリウムにおける活性炭の役割・効果

アクアリウムで活性炭を使用すれば、飼育水の透明度を上げたり悪臭対策ができます。まずは、活性炭の効果や役割についてご紹介します。

水の黄ばみの除去

飼育水が黄ばむ原因は、水中の有機物にあります。通常では、バクテリアが分解してくれるのですが、何らかの理由でバランスが崩れ、バクテリアが分解し切れないほど多くの有機物が水中に溢れると、黄ばんでしまうのです。そんな時に、活性炭は役立ってくれます。活性炭は多孔質な形状をしており、その微細な穴で水中の有機物をキャッチすることで、飼育水から分離して水をクリアな状態に戻してくれるのです。

臭いの吸着

水槽内で発生する有機物の中には、悪臭の原因になる種類もあります。そのような種類の物質も活性炭は吸着・除去してくれるので、臭い対策としても効果的です。ただし、水槽の臭いの原因となるのは、活性炭で吸着できる物質だけではありません。詳しくは後述しますが、アンモニアなどに由来する悪臭の場合は、活性炭を使用しても除去できないので注意してください。

pH・硬度の上昇

活性炭と一口に言っても、原料によって機能が変化します。

活性炭の中には動物の骨を原料とした骨炭と呼ばれる種類も存在し、そのような活性炭は骨の成分が溶け出すことで、水質をアルカリ性に傾ける効果があります。それと同時に、カルシウムなどが溶出することで、水の硬度も上昇させます。

これらの働きは飼育する生体によってはデメリットになるので、活性炭を利用する際は、事前に種類を調べておくと良いでしょう。

その他の主な原料としては、ヤシ殻・竹・石炭などが挙げられ、これらを原料とした活性炭はカルシウム化合物の含有量が骨炭より少ないため、水質への影響は少ないです。しかし、植物由来のものは、カリウムなどが溶け出すことによって硬度が上昇することがあります。

それから、アクアリウムで発生し得る有機物の中には、流木から溶出するフミン酸といった酸性を示す物質もあります。活性炭はそのような物質を吸着・分離するため、その働きによるpH上昇効果は得られます。ただ、あくまでも存在すると飼育水のpHを低下させる有機物を除去するので、元の水質よりもpHを高くすることはありません。

また、硝酸塩などは取り除くことができないため、活性炭を使用しても定期的な水換えは必須です。

/

活性炭はアンモニアを吸着しないって本当!?

結論から言うと本当で、活性炭にはアンモニアを吸着する能力はありません。活性炭は多孔質な形状をしており、その微細な穴で水中の微粒子をキャッチすることで、上記の機能を発揮します。飼育水中のアンモニアは、ほとんどがアンモニウムイオンと呼ばれる形で存在しており、その小ささはキャッチ可能な微粒子の比ではありません。簡単に言えば、アンモニアは小さすぎて活性炭の穴をすり抜けてしまい、保持し続けることができないのです。

アンモニアを除去したい場合は、ゼオライトなどの物質を使用する必要があります。ゼオライトはアンモニアを吸着できるのですが、それはイオン交換と呼ばれる1種の化学反応を起こす能力があるからです。

まとめると、飼育水中のアンモニアの除去には、ある種の化学反応が必要なのですが、活性炭にはその反応を起こす能力がないため、アンモニアを取り除く目的には使用できない、ということです。

/

水槽での活性炭の使い方

活性炭を上手に使うためにも、効果的な使用法をチェックしておきましょう。

入れる前に軽く洗う

活性炭は、そのままの状態で販売されている商品や、通水性のある小袋に入った状態で売られているものがありますが、いずれにしても使用前に軽く水洗いしておきましょう。製造や輸送の過程で付着した粉末など、飼育水中に存在するとゴミになってしまうものを落とすためです。洗う際は水道水で表面を洗い流す程度にしておき、もみ洗いをしたり洗剤なども使用しないでください。

水槽での活性炭の使い方

基本はフィルター(ろ過槽)に入れて使用する

前述の通り、活性炭は微粒子を微細な穴でキャッチすることで、飼育水から分離します。そのため、微粒子が活性炭に触れる機会がないと、その機能を発揮しません。活性炭を水槽に直接入れてもその周囲にしか機能が及ばないので、基本的にはフィルターのろ過槽に入れて使用しましょう。ろ過槽に入れて飼育水を循環させれば、微粒子が活性炭に触れる機会を増やせるため、吸着効率がアップします。

流木レイアウト水槽の立ち上げ時期に使うと効果的

流木にはフミン酸やフルボ酸といった有機物が含まれており、これらの物質が水中に溶け出すと飼育水に色がついてしまいます。アマゾン川の支流の1つであるネグロ川は、水の色が濃褐色をしている「ブラックウォーター」が流れる川として有名ですが、その色の原因となる物質がフミン酸などの有機物なのです。活性炭はそれらの有機物も吸着してくれるため、流木をレイアウトに使用する際に活用することで、飼育水の着色を抑制することが可能です。

活性炭の交換頻度(使用頻度)

活性炭は使用し続けていると、穴が微粒子で埋まって目詰まりを起こすので、その機能が低下してしまいます。よって、機能を維持するためには、定期的に交換しなければなりません。交換頻度は、使用している環境や商品によっても変わってきますが、1ヶ月を目安としているものが多いです。ちなみに、活性炭は吸着した物質を放出してしまうという話もありますが、それは誤解で、少なくとも飼育水中でキャッチした物質については離すことはありません。

/

おすすめのアクアリウム用活性炭10選

現在では、水槽用の活性炭も多くの商品が販売されており、どれを選べば良いのか迷ってしまう方もいることでしょう。ここでは、水槽用活性炭の中からおすすめの商品をご紹介します。

キョーリン ブラックホール

一般的な活性炭よりも立体的な構造をしているため、幅広い物質を吸着可能です。さらに、目詰まりも起こしづらくなっているので、効果が長持ちします。それを裏付けるように本商品の交換の目安は2ヶ月となっており、交換の手間も省けます。活性炭が不織布で小分けにされており、取り扱いも容易です。

ニッソー ヤシガラ活性炭 お徳用

「お徳用」の名が示す通り、ネットに小分けされた活性炭が沢山入っており、価格が抑えられている商品です。日頃から活性炭を使用したい場合には心強い味方となるでしょう。ヤシ殻を原料に使用しているため水質に与える影響が少なく、初心者の方でも安心して使用できます。

ニッソー 水の臭い・にごりを取る 活性炭

上部フィルターでの使用にピッタリな活性炭で、ネットに小分けされているため交換もスムーズに行えます。使用量の目安は水20Lに対し1袋なので、60cmクラス前後の中型水槽で使用する場合に便利です。

GEX ベストロカ 超吸着活性炭

通水性に優れる不織布の袋に入った活性炭で、コンパクトサイズ故にフィルターが小型であっても使いやすいです。活性炭は、総合水事業会社・水ingの高機能活性炭「エバダイヤ」を使用しており、黄ばみや臭いの原因物質を強力に吸着・除去してくれます。上部フィルターのろ材の1つとしても高い能力を発揮しますし、外掛けフィルターのろ過槽の隙間に入れる、などの使い方もおすすめです。

GEX やしがら活性炭 超お徳用10袋入

通水性のあるパックにヤシ殻活性炭が入った商品です。性能が高い活性炭が、黄ばみの原因物質や臭いのそれを強力に吸着して取り除き、飼育水を綺麗にしてくれます。1つ80gの活性炭パックが10個入って価格が抑えられているため、抜群のコストパフォーマンスを誇ります。

GEX 竹炭

モウソウ竹を原料にした竹炭活性炭です。もともと、モウソウ竹は多孔質な形状をしているので、それから作った活性炭は強力な吸着力を発揮します。また、竹炭はミネラルが豊富に含まれているため、それらが溶出することでミネラルの供給ができ、生体の健康をサポートすることも可能です。ただし、ミネラルが放出されると水の硬度が上昇するため、軟水を好む生体に使用する際は注意してください。

ヒカリ カーボンパック

一般的な活性炭の1/3のサイズで、約40倍の吸着力と約10倍の吸着量を実現した高性能活性炭です。それでいて、約2ヶ月と寿命まで長いため、水環境の維持に大いに役立ってくれます。この高い機能は活性炭の構造に秘密があり、本商品は一般的なものと比べて大小さまざまな細孔を有しているので、強い吸着力と目詰まりの起こしづらさの両立を可能としています。また、リン酸が含まれていないため、コケの発生を助長することもありません。

コトブキ工芸 すごいんです 活性炭

高性能活性炭に特殊ゼオライトを加えた商品です。活性炭が黄ばみや臭いの原因物質を吸着しつつ、ゼオライトのイオン交換反応でアンモニアなどの有害物資も吸着します。活性炭は厳選された粒状木質炭を使用しており、それらは立体的なハニカム構造をしているので、多量の吸着容量を実現。さらに、ゼオライトのイオン交換により、水の硬度を下げる効果も得られます。

エーハイム カーボン

本商品は、小さく砕かれた活性炭がそのままの状態になっているため、交換しやすいよう別途にネットなどを購入し、必要な分だけ入れて使用すると良いでしょう。その吸着力には定評があり、同社の「エーハイムメック」や「サブストラットプロ」などと組み合わせて使用すると、さらなるろ過効果を期待できます。着色する魚病薬を使用した後の色抜きにも最適です。

レッドシー リーフスペック カーボン

マリン/リーフアクアリウムでの使用を主眼に置いた高性能活性炭です。粒サイズや細孔径などリーフスペック独自の技術基準を満たした活性炭のみを使用しており、飼育水中の有機汚濁物を強力かつ速やかに吸着してくれます。リン酸やカリウムなどの含有量も限りなく抑えられているので、水質に与える影響も少ないです。

/
活性炭の水槽での役割と使い方