ナイフフィッシュの代表的な種類と飼育法!ナギナタ体型の個性的なナマズ!

ナイフフィッシュってどんな魚?

ナイフフィッシュは独特な体形が魅力の淡水魚で、大きくなる種類は体長1mを超える大型魚です。まずは、ナイフフィッシュについて特徴や生態などをご紹介します。

ナイフフィッシュの特徴

ナイフフィッシュとは、アロワナ目ナギナタナマズ科に分類されている淡水魚グループを指す総称です。分類から分かる通り、ナギナタ”ナマズ”と言いますが、種としては アロワナに近いためナマズ目には属していません。

魚体は強く側扁しており、腹側は直線的ですが背側は頭部の後方から大きく弧を描くように盛り上がります。そして、尾部にかけて細くなり、尾ビレ付近は上方にやや反り返るという、名前の通り刃物を連想させる特徴的なフォルムをしています。

 

体長は種類にもよりますが、大きいものでは1m以上にも達する大型魚です。

ナイフフィッシュの分布・生息域

ナイフフィッシュは、南アジアから東南アジアに加えてアフリカ大陸と広く分布しています。アジア地域では具体的に、インド・ラオス・タイ・カンボジア・ベトナム・マレーシア・インドネシアなどで見られ、ガンジス川やメコン川、チャオプラヤー川などに生息しています。

 

アフリカでは、熱帯地域で広く分布が確認されおり、ナイル川・チャド川・ニジェール川・コンゴ川と、それらの流域に生息しています。西アフリカに位置するシエラレオネやトーゴ、カメルーンでも見られますが、その間に位置するコートジボワールやガーナでは見つかっていません。

ナイフフィッシュの生態

詳しくは種類によって異なりますが、ナイフフィッシュは流れが速い河川から、湖沼や池など穏やかな場所まで、分布域の多くの水系で見られます。食性は動物食性をしており、魚や甲殻類・水生昆虫などを捕食します。

 

本種は夜行性の魚で、昼間はじっとしていることが多く、夕暮れ時から活発に活動します。繁殖期は雨期で、雨期に水位が上昇し氾濫したタイミングに森林などに侵入します。

 

メスが木の幹などに卵を産み付けた後、オスが尾ビレを使って汚れを除去したり新鮮な水を送るとともに、外敵を遠ざけるなどして面倒を見ます。

ナイフフィッシュの寿命

これも種類によって差がありますが、国内で観賞用に流通している種は、 平均で10年ほどの寿命を持つものが多いです。言うまでもなく、寿命は飼育環境に左右され、病気などに注意して上手に飼育できた場合は、15年以上生きる例もあるようです。

 

いずれにしても観賞魚の中では長寿な部類なので、最期まで面倒を見られるかどうか熟考してから飼育してください。

ナイフフィッシュの流通価格の相場

ナイフフィッシュの相場価格は、種類や大きさによって異なってきます。安価なものだと2000円前後で購入可能なのですが、高価なものだと10000円を超える値が付くこともあります。

 

スポテッドナイフフィッシュなどは、比較的流通量が多いため安価で購入できるのですが、ロイヤルナイフフィッシュなどは人気の割に流通量が少ないので高価になりがちです。

 

また、スポテッドナイフフィッシュなどでもアルビノ個体や大きなワイルド個体など、付加価値が高いものは価格も相場より高くなります。

ナイフフィッシュの代表的な種類

現在ではナイフフィッシュと呼ばれる魚は、いろいろな種類が流通しています。ここでは、国内で観賞魚として流通しているものの中で代表的な種類をご紹介します。

チタラ・チタラ(Chitala chitala

インドに分布しているナイフフィッシュの1種で、ガンジス川やインダス川などに生息しています。通常は体長70~80cmほどですが、大きいものでは1mを超える個体も報告されています。

 

灰色から銀色を基調とした体色をしており、背中に金色から銀色の縞模様が入ることが特徴です。スポテッドナイフフィッシュと混同されやすいのですが、本種は斑点模様が入らないことから判別可能です。

チタラ・ロピス(Chitala lopis

インドネシア・マレーシア・タイなどに分布している種で、メコン川などで見られます。ナイフフィッシュの仲間では最大級の種として知られており、最大で体長1.5mの個体が記録されています。

 

体色は銀色から灰色で、特に模様は入りません。インドネシアのジャワ島にも分布していたのですが、同島のものは現在では絶滅したと考えられています。

スポッテッドナイフフィッシュ(Chitala ornata

タイ・ラオス・カンボジア・ベトナムなどで分布が確認されている種で、メコン川やチャオプラヤー川流域で見られます。「クラウンナイフフィッシュ」とも呼ばれており、体長1m前後に達する大型種です。

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本種の特徴は模様にあり、白く縁どられた黒色の斑点が腹部から尾柄部にかけて並びます。

ロイヤルナイフフィッシュ(Chitala blanci

メコン川とその流域に生息するナイフフィッシュの仲間で、分布域は主にタイ・ラオス・カンボジアです。体長は最大で1.2mの報告がある大型の種類で、全身に黒色の斑点が無数に入る特徴をもっています。

 

また、一部の個体は斑点がつながって縞模様のようになるなど、個体によって差異が大きく鑑賞性が高いため人気があります。

ボルネオナイフ(Chitala borneensis

インドネシアのスマトラ島とボルネオ島、ならびにマレーシアに分布している種類です。かつてはチタラ・ロピスと同種と考えられていましたが、近年の研究で別種と判明しました。

 

ナイフフィッシュの中では中型の種類で、体長は通常60cm程度にしかなりません。体色は銀色から明灰色で、体の後方に黒色の小斑点が無数に入り、また胸ビレ付近にも黒色斑が入ることが特徴です。

アフリカンナイフフィッシュ(Xenomystus nigri

名前の通りアフリカ大陸に分布している種類で、前述のとおり熱帯地域を流れる主要河川で広く見られます。本種は1属1種の小型ナイフフィッシュで、体長は30cm前後までにしか成長しません。

 

体色は全身が褐色で背ビレと腹ビレはありません。その大きさから、ナイフフィッシュの中では飼育しやすい種と言えます。

インディアンナイフフィッシュ(Notopterus notopterus

インド・タイ・マレーシアなどに分布している種で、河川や湖沼・池などに生息し、時に汽水域でも見られます。

 

体長60cm前後の中型種で、体色は銀白色をしており、全身に小さな暗灰色の斑点が入ることが特徴です。現地では食用魚として重要な地位を占めています。

ナイフフィッシュと呼ばれているけれど、実は別グループの種類

先ほど、ナイフフィッシュはナギナタナマズ科に分類されている魚種の総称と述べました。しかし、ナイフフィッシュという名が付いていても、別のグループに分類されている種類も居るのです。

 

例としては、アクアリウム業界でも普通に観賞魚として流通している、「グリーン・ナイフフィッシュ」や「トランペット・ナイフフィッシュ」などが該当します。それらは、デンキウナギ目デンキウナギ(ギュムノートゥス)科に分類されており、分布域は南アメリカです。

 

ナギナタナマズ科のナイフフィッシュと姿は似ているのですが、デンキウナギの仲間であるため発電器官を持つ特徴があります。デンキウナギほどの発電能力はないのですが、弱い電気を発生させることで繁殖時などに役立てていると言われています。

ナイフフィッシュの飼育方法

本種の飼育は、中型種までなら一般的な設備で問題ありませんが、大型種の場合は相応の規模の設備が必要です。ここからは、ナイフフィッシュの飼育方法をご紹介します。

ナイフフィッシュの代表的な種類と飼育法

水槽サイズ・フィルター

必要になる水槽のサイズは、飼育したい種類によって異なります。体長30cmほどの小型の種類であれば60cmクラスの水槽が、体長60cm程度の種なら90cmクラス、体長1m以上の大型種では150~180cmクラスの大きな水槽が必要です。

 

通常、飼育下では野生個体ほど大型化することはありませんが、水槽サイズが小さいとストレスの原因になり、長生きさせられないなどの弊害が出るので、なるべく大きな水槽を用意してあげてください。

 

フィルターについても同様で、水槽のサイズによって必要なものが異なります。60~90cmクラスの水槽で飼育できる種類でしたら、上部式や外部式といった、ろ過能力に優れるものを単独で運用すれば問題ありません。

 

150cmを超える水槽が必要な種類は複数のフィルターを併用する、あるいはオーバーフロー水槽にした方が良いでしょう。

水温・水質

ナイフフィッシュを飼育できる適温は20~28℃前後です。しかし、低温側では病気にかかる危険性が上がるため、25℃ほどにキープすることをおすすめします。そのため、ヒーターは必須で、故障すると文字通り致命的な事態になるので、予備も必ず用意しておきましょう。

 

また、大型水槽では温まり方にムラが生じるケースもあるため、複数のヒーターでカバーしたり、水温計を常設しておくなど、より水温管理に注意を払う必要があります。

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水質に関しては、pH6.0~8.0の中性付近を維持できれば問題ありません。飼育していると一般的には酸性側に傾いてくるので、定期的に水換えを行って適した水質を保持してください。水換えの適切な周期は水槽環境によって異なるため、pHなどを測定できるテスターを用いて、ご自身の飼育環境でのタイミングを調べておくと良いでしょう。

レイアウト

レイアウト事情についても種類によって異なってきます。中型までの種であれば、比較的自由に水景を作ることが可能です。流木や石組みなどのアクセサリを自由に配置しても構いませんし、食性から水草が食害を受けることもないので、水草を入れても良いです。

 

しかし、大型種の場合は、 何も入れないベアタンクでの飼育をおすすめします。なぜなら、大型種は小まめなメンテナンスが必要になるためアクセサリ類があると、その分メンテナンスに手間をとられるからです。

 

それから、ナイフフィッシュの飼育においては飛び出し事故防止のために、フタはしっかりとしておいてください。特に、大型種は飛び出す力も強いので、アロワナなどの飼育用に販売されている、ボルトでフタを固定できる水槽を用意してください。

ナイフフィッシュの餌

ナイフフィッシュは動物食性なので、基本的には生餌が必要です。小型種や大型種の幼魚期はアカムシやイトミミズなどを、加えて大型種の成魚には餌用の金魚やメダカ、スジエビなどを与えると良いでしょう。

 

また、餌付けがうまくいけば人工飼料も食べるようになります。人工飼料を食べるか否かで維持管理のしやすさが変わってくるので、餌付けは行っておくことをおすすめします。人工飼料の種類は、アロワナなど大型肉食魚用のもので問題ありません。

 

給餌方法は1日に2回を目安に、食べきれるだけの分量を与えてください。水の汚れの原因は主に餌に由来する有機物にあるため、食べ残しが出ないよう注意してください。また、本種は夜行性なので、薄暗くなってから餌を与えると良く食べる傾向にあります。

ナイフフィッシュの混泳

ナイフフィッシュは動物食性を持つ魚なので混泳相性は悪いです。ここでは、ナイフフィッシュの混泳についてご紹介します。

同種・類似種との混泳相性

ナイフフィッシュは縄張り意識が強く、同種や類似種とは激しく争うため、家庭で用意できる水槽での混泳は現実的ではありません。幼魚期は群れを作るので同種や近似種とも混泳できるのですが、成長するにつれて縄張り意識が芽生えて喧嘩するようになるため、基本的には単独飼育が必要です。

 

一応、小型のアフリカンナイフフィッシュであれば混泳も現実的になりますが、それでも相応に大きな水槽が必要になる点は留意してください。

他種との混泳相性

ナイフフィッシュは動物食性で、特に大型種は魚食性が強いため、他種に関しても基本的には混泳できません。一応、口に入らないほど大きく遊泳層が重ならない、ポリプテルスなどとは混泳できる例もあります。

 

しかし、個体同士の相性に依存する部分も多分にあるので、混泳に挑戦するのであれば、いつでも隔離できる態勢は整えておいてください。例外として、小型のアフリカンナイフフィッシュならば、比較的他種と混泳させやすいです。

 

タンクメイト候補としては、やはり同じくらいの大きさの温厚な種類が良く、シノドンティスなど他種に対しては無関心な底魚が挙げられます。

ナイフフィッシュの気をつけたい病気

ナイフフィッシュは基本的には丈夫な魚で、あまり病気にはなりません。しかし、劣悪な水環境ではその限りでないので、水質の維持管理には注意してください。本種の飼育において注意すべき病気としては 白点病が挙げられます。

 

この病気は常在性の繊毛虫である「ウオノカイセンチュウ」に寄生されることで発病し、体に白色の斑点が現れて体を震わせたり、体を擦り付けるようして泳ぐなどの症状が出ます。病気が進行すると衰弱死することもあるため、早期発見・早期治療が重要です。

ナマズだけどナマズじゃない?独特なフォルムが魅力的なナイフフィッシュ!

ナイフフィッシュは、アロワナ目ナギナタナマズ科に属している淡水魚を指す名前です。分類から分かる通り、ナマズという名前が付いていますが種としてはアロワナに近いので、ナマズ目ではなくアロワナ目に分類されています。

 

主に東南アジアやアフリカに分布し、現地では食用にも利用されています。アクアリウム業界でも古くから親しまれており、水質にうるさいこともないため、特に小型種は飼育しやすいです。独特な体形で器用に泳ぐ様子は見ていて飽きないので、ぜひナイフフィッシュを飼育してみてください。

ナイフフィッシュ