夏場の水槽の高水温対策を現役アクアショップ店長が伝授!今年の猛暑もこれでバッチリ!

年々暑さが厳しくなる日本の夏...水槽の暑さ対策が必須です!

水槽の高水温対策は必須!

 

20年前、30年前というように、以前と比べると日本の夏はとても暑くなっていますね。外気温が上がるということは、水槽内の水温も上がるということです。

 

水槽内の温度上昇で適温から外れるということは、生体の生死にもかかわる大問題です。ということで今回は、水槽の水温を下げる方法をお話します。ぜひ今年の夏の水温対策の参考にしてください。

アクア歴25年のショップ店長が教える、水槽の暑さ対策の5つの方法

水槽の暑さ対策にはどのようなものがあるか、具体的な方法を挙げながら解説していきます。

暑さ対策法その1.扇風機(ファン)を使う

水槽の高水温対策には扇風機も効果的

 

水槽のフタを開け、水面に向かって扇風機(ファン)で風をあてます。そうすると水槽の水が蒸発しますが、その際、気化熱作用で水温が下がります。

 

この方法では、風を当てる前の水温から -2~4℃下げることができますが、この程度下げただけではまだ足りない場合もあります。その場合は、別の方法も併用もしくは別の方法を選択してください。

 

扇風機は水槽用のファンがスッキリ収まって良いですが、風を水面にあてることができるのなら人間用の扇風機でも何でも構いません。注意するのは、フタをしないことで生体が飛び出しやすくなるため、始めから水位を少し下げておくことです。生体の全長分くらい水位を下げると安心です。

 

また、 水の蒸発による水位の低下し過ぎにも気をつけましょう。水位の低下によって水中ポンプや水草が空気中に露出すると、水中ポンプが壊れたり水草が枯れる原因にもなります。

 

扇風機が水槽に落ちないように、しっかり設置されているかのチェックも必ずおこないます。また、扇風機の金属部分などは、サビてくることもありますので、その点も気をつけましょう。

暑さ対策法その2.クーラーを使う

水槽の高水温にはクーラーで部屋の温度自体を下げよう

 

扇風機だけでは目的の水温まで下げることができない場合、部屋ごとクーラーで冷やす方法が効果抜群です。

 

部屋の気温が下がるということは、それだけで水槽の水温も下がります。それに加えて、クーラーによって冷えた風を扇風機で水面にあてることによって、より水温を下げやすくなるのです。

 

この場合、冷え過ぎには注意が必要です。クーラーと扇風機の併用で冷え過ぎる場合もあるので、扇風機の方は逆サーモ(逆サーモスタット)につないで使用すると安全です。

 

逆サーモとは、通常のサーモスタットとは逆で、設定温度より水温が高い時に作動するサーモスタットです。これにより、冷え過ぎるリスクを小さくすることができます。

 

ちなみに、水槽を温めるにも冷やすにも部屋ごとエアコンで管理をすると効率的なので、できることなら水槽は1つの部屋にあるのが望ましいです。

 

クーラーには部屋用エアコン以外にも、水槽用クーラーがあります。次の見出しで、水槽用クーラーについて解説していきます。

暑さ対策法その3.水槽用クーラーを使う

水槽の水温対策の商品として、水槽用クーラーというものもあります。部屋が暑くてもピンポイントで水槽を冷やすことができる優れものですが、もしも部屋の気温が高すぎる場合、その水槽に対して容量がギリギリの水槽用クーラーでは、目的の水温まで水温を下げることができない場合もあります。

 

そのようなことも踏まえて考えると、 容量に余裕を持ったパワーのある水槽用クーラーを選ぶのもおすすめです。間違っても水槽に対して容量の小さな水槽用クーラーは選ばないでください。

 

一方で、水槽用クーラーは音や排気熱が気になります。水槽用クーラーが稼働する際に出る音が、一般家庭では気になる人もいると思います。ただし、水槽設置場所が寝室でなければ音に関しては問題にならないでしょう。

 

もし寝室でも、人が寝る時にクーラーで部屋が冷えていれば、そもそも水槽用クーラーもあまり稼働しません。排気熱ですが、これも音と同様です。

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暑さ対策その4.凍らせたペットボトルを使う

高水温の水槽には凍らせたペットボトルで対策!

 

番外編として、ペットボトルに水を入れて、それを冷凍庫で凍らせたものを水槽に浮かべることで水槽の水を冷やすことで水温を下さげる方法があります。

 

凍らせたペットボトルを常に何本か用意しておき、溶けたペットボトルと交換リレーをすることで、水温を維持させます。

 

ただしデメリットなのが、水温の下がり過ぎるリスクがあるのと、比較的に急激な水温変化リスクがあることです。

 

家に人がいない間に水温が下がり過ぎていても、凍ったペットボトルを取り出すことができませんし、新たに凍ったペットボトルと交換できないと、また水温が上昇していくことになります。

 

このような比較的短時間での水温変化は生体へもストレスをかけますし、病気発生のリスクも生まれます。この方法をおこなう場合は、ご自身の水槽環境では、どのような感じで行うのが適当なのか、何度か試して感覚をつかむ必要があります。

 

実際に行っているアクアリストからは目立った失敗は聞いていないので、どうしてもという場合は、この方法を試してみてください。

暑さ対策その5.水換えをする

水温の高水温対策には水換えも有効

 

この方法は、先程の凍らせたペットボトルを使う方法に似ています。特にデメリット部分が似ています。どのタイミングで水換えできるかは個々人によるとして、できれば、水温がある程度上がってきてる途中で水換えをするのが良いでしょう。

 

やり方としては、できるだけ生体に支障のない範囲の冷えた水で水換えをするということです。冷えた水で強制的に水槽の水温を下げることになるので、まさに短時間での水温変化が大きなデメリットになります。

 

水換えに使う水をどのくらいの水温の冷水を使うのかとか、冷水の水温次第によって水換え量も変わってきますから、水温計を見ながら何回も試すことが必要です。

 

メリットとしては、水換えをすることによって水質悪化も防ぐことができるということです。先程の凍らせたペットボトルもそうですが、暑さで生体を死なせるよりはマシ、という感覚かもしれません。

 

ちなみに、水換えに勝る濾過は無し、というアクアリウム格言があるので、それは覚えておきましょう。

暑さに強い観賞魚・暑さに弱い観賞魚

今度は視点を変えて、生体の方に目を向けてみましょう。暑さに強い観賞魚や、逆に暑さが苦手な観賞魚について押さえておきましょう。

暑さに強い観賞魚

ガラ・ルファ

水温上限:37℃±

高水温に強い魚

 

ガラ・ルファが耐えることができる高水温は37℃とされています。実際にこの水温より低くても死んだとか、逆に高くても生きていたというケースがあるかもしれませんが、それは水温以外の原因も絡むためです。

 

主に水質や酸素量などについて良ければ生きるし、悪ければ死にます。これは全ての生体に言えることです。ちなみに、足湯などにいるドクターフィッシュが、本種になります。

ディスカス

水温上限:35℃±

ディスカスも高水温に強い魚

 

幼魚は、一般的には31~32℃で飼育します。拒食症になった場合に、34~35℃まで水温を上げて治療するやり方があるので、ディスカスは35℃までは耐えられる熱帯魚です。

 

ガラ・ルファの方がもっと高水温に耐えますが、熱帯魚の王様ディスカスが、熱帯魚界の高水温飼育代表種とも言える魚です。水温が高くなるほど酸素が溶け込めなくなるので、エアレーションは十分にするのが好ましいでしょう。

金魚

水温上限:35℃±

金魚も高水温耐性が高い魚

 

金魚は、一般的には熱帯魚より適水温は低いのですが、金魚ヘルペスというウイルス性の病気を発症した場合、水温を33~35℃に上げて治療するやり方があります。金魚の適応できる水温は、とても幅広いのです。

 

そのようなことから、当たり前ですが金魚と熱帯魚を混泳させることもできます。金魚と熱帯魚に大きな違いは無く、サーモスタット付きヒーターさえ設置すれば、両者を混泳させることが可能です。

暑さに弱い観賞魚

日本淡水魚

水温上限:20~30℃±

冷水域に生息する魚は高水温に注意

 

日本淡水魚と言っても、日本の北から南、川の上流から下流まで幅広く生息している沢山の種類がいるので、一概にこうだとは言えませんが、特に上流域に棲んでいるイワナやヤマメなどは冷水魚の部類に入り、冷たい水に棲んでいることから、生育可能な水温の上限が低い魚です。

 

そのうえ、溶存酸素量にも気をつけなければいけないので、十分な酸素補給も必要です。

エビ(シュリンプ)

水温上限:27℃±

エビ類は高水温には要注意

 

ヤマトヌマエビの他、ミナミヌマエビやビーシュリンプ、タイガーシュリンプなど、それらの改良種、アルジーライムシュリンプやインドグリーンシュリンプ、スラウェシ島のシュリンプなど、挙げたらキリがありませんが、基本的にエビ類は高温が苦手です。

 

水温が27℃位からはいつ死んでもおかしくない状況だと言えます。夏に飼いにくい代表種です。

海水魚(イソギンチャク・サンゴ含む)

水温上限:24~28℃±

サンゴやイソギンチャクのいる水槽にはクーラーは必須

 

海水生物系は基本的に高水温が苦手です。魚はまだ耐性がある種類が多いですが、イソギンチャクやサンゴなどの無脊椎動物は確実に高水温が苦手で、そのような生物が多くいる水槽では水槽用クーラー設置は基本です。

 

このようなことも理由の1つとして、海水魚飼育の方が淡水熱帯魚よりも、飼育に関して少しハードルが高くなります。

ウーパールーパー(番外編)

水温上限:27℃±

ウーパールーパーは低音には強いが高温には弱い

 

魚ではありませんが番外編として、ウーパールーパーも高水温に弱い生物です。アクアリウムショップなどでウーパールーパーもよく販売しているので見かける機会も多いと思いますが、水温に関しての性質がエビとよく似ています。

 

低水温にはめっぽう強く、高水温には弱いです。ウーパールーパーも夏の暑さに弱い生物の代表と言えます。

暑さ対策をしっかりして、今年の猛暑も乗り越えよう!

暑い夏に高水温対策は重要!

 

いかがでしたでしょうか。水質や水量などと共に、水温は観賞魚を育成管理する上での重大な要因になります。水温について知り、管理することで、育成のみならず繁殖や寿命についてもコントロールできます。

 

水温は魚だけでなく、水にいる微生物や菌類、溶存酸素量などとも密接に関係してくるものでもあるので、ぜひ知識をつけるようにしましょう。


暑い夏の水温対策とは

ABOUTこの記事をかいた人

山城 大介

秋田県北秋田市にある小さなお店「アクアショップZERO」の店長です。 ディスカスが1番好きで繁殖が大好きです。 熱帯魚は繁殖ありきの楽しみ方が1番だと思っています。 記事に書ききれないことや、突っ込んだ内容は当店ブログやLINEで読んでください。 お悩み事はプロにお任せ。 当店の方もよろしくお願い致します。