メダカの塩浴のやり方と効果!塩の種類や濃度はどれくらいがベスト?

塩浴ってなに?

塩浴とは

 

塩浴とは、 淡水魚を塩水(えんすい)に泳がせることです。淡水魚を塩水に入れることに不安を覚える方もいると思いますが、適切な濃度の塩水を用いれば、魚の免疫力の向上や病原性細菌の減菌など様々なメリットがあります。その結果として、病気の予防や治療効果も得られるのです。

 

薬浴との違いは、主に魚に与える負担の大きさが挙げられます。薬浴は、魚病薬を用いて病原体を死滅させることで治癒を図るものですが、その薬品は少なからず魚に対しても負担となってしまいます。

 

塩浴の場合は、魚が本来持っている免疫力を回復・向上させることで、病気の予防や治癒を目指すため、魚に与える負担が小さいのです。

メダカを塩浴させることによる効果

塩浴はメダカに対しても有効で、色々な効果をもたらしてくれます。ここでは、メダカを塩浴させることで得られる具体的な効果・効能をご紹介します。

免疫力の向上

塩浴の効果

 

メダカは普段から浸透圧調節を行って真水から自身の体を保護しています。しかし、環境の変化や輸送などで大きなストレスを受けた時は、それすらも負担となってしまいます。そこで、塩浴を行って浸透圧調節をサポートしてあげれば、メダカの負担が軽くなるとともにストレスも軽減され、結果として免疫力を早期に回復させることが可能です。

 

また、塩浴はメダカにミネラル補給を行えるため、免疫力の向上も期待できます。というのは、塩自体がミネラルの1種なので、塩水に泳がせることでメダカはそのミネラルを吸収できるからです。ミネラルはメダカの体内においても重要な働きを担っているため、それを補給できればより健康的な成育が望めます。

メダカの塩浴で酸欠防止

 

さらに、塩浴は酸欠の防止にも役立ちます。メダカの酸欠の原因の1つに、亜硝酸中毒が挙げられます。メダカの血中にもヘモグロビンが存在して酸素を全身に運搬していますが、亜硝酸が多く存在していると、亜硝酸がヘモグロビンと結合して酸素を運べなくなってしまうのです。

 

そこで塩が役立ちます。なぜなら、塩は亜硝酸と反応して亜硝酸塩となり、この形になればヘモグロビンとの結合を阻止できるからです。

細菌の駆除

メダカは塩浴で免疫力が上がる

 

塩浴は飼育水の殺菌効果もあります。詳しくは後述しますが、塩浴に使用する塩水の濃度はメダカの体細胞の塩類濃度よりやや低めに調節します。すると、メダカにとっては浸透圧があまり働かない、楽な環境になります。

 

しかし、細菌の中にはメダカよりも細胞中の塩類濃度が大幅に低い種類も存在し、そのような細菌が塩水に晒されると細胞内の水分が外へ出て、殺菌されてしまうのです。この作用を利用することで、病気の予防や治療効果が得られるのです。

メダカの塩浴の効果について

 

ただし、塩による病原体の駆除効果は限定的で、病原体の増殖速度が勝ってしまうことも珍しくありません。さらに、塩の効果が及ぶのはメダカの体表に限られるため、体内の病原体には普通は効きません。

 

そのため、病魚を発見時に症状が進行していた時や、塩浴を行っても症状の改善が見られない場合は、迷わず薬浴に切り替えてください。塩浴と薬浴を並行するのも一般的な治療法です。

メダカの塩浴の方法

塩浴を行う際は、適している塩の種類や塩水の濃度を知っておく必要があります。ここでは、塩浴に使用すべき塩の種類や濃度など、塩浴の方法についてご紹介します。

塩浴に使う塩の種類

メダカの塩浴に使う塩の種類

 

塩の種類は、食塩として販売されている普通の精製塩が適しています。ミネラルの補給のためには、天然塩や粗塩の方が良いと考える方もいるかもしれませんが、それらは不純物がメダカに対して悪さをする場合があるので、あまり適していません。

 

ミネラル補給をさせてあげたいのなら、観賞魚の塩浴用の天然塩などが市販されているので、それらを使用してください。同じ理由で、アミノ酸などが添加されている食塩も使用しないでください。

塩浴の濃度

メダカの塩浴の濃度

 

塩水の濃度は 0.5%が一般的です。理由としては、メダカと細菌類、両者の体細胞の塩類濃度が関係しています。メダカの体細胞の塩類同度は0.9%程度と言われています。つまり、この濃度よりも高いと、脱水される方向に浸透圧が働いてしまうので、メダカにとっても過酷な環境になってしまいます。

 

また、メダカは普通は塩のない環境で暮らしているため、塩水を体細胞の塩類濃度に近づけると、その分だけ環境の変化に伴う負担が大きくなります。

 

一方、細菌類の塩類濃度ですが、こちらは0.35%前後とされています。この濃度よりも周囲の塩類濃度が高ければ脱水される方向に浸透圧が働くので、殺菌効果を得られます。これらのことから、0.5%という濃度はメダカへの負担と、殺菌効果のバランスを考えて設定された数値と言えます。

メダカの塩浴の期間

メダカの塩浴の期間

 

期間は塩浴を行う目的によって異なってきます。新規に購入したメダカのトリートメントなど、体調を整えさせる目的であれば、 3日から1週間も行えば十分だと言われています。病気の治療の場合は治るまで継続すべきです。

 

しかし、塩浴だけでは治癒が難しいケースもあるので、タイミングを見計らって薬浴に切り替えるか並行する必要が出てきます。そのタイミングはアクアリストによっても判断が分かれますが、3日ほど塩浴を行っても症状の改善が認められない、あるいは日に日に悪化していく場合は、魚病薬を使用した方が良いでしょう。

 

薬浴中でも塩浴による浸透圧調節の補助は有効で、メダカが病気からの回復に専念できるため、治療効果の向上が期待できます。

メダカの塩浴の際の注意点

様々なメリットがある塩浴ですが、正しい方法で行わなければ、かえってメダカを弱らせてしまいます。ここでは、塩浴を行う際の注意点をご紹介します。

塩分濃度と塩浴の期間をしっかりと守る

 

塩浴を行う際は、塩水の濃度に注意しなければなりません。先に触れましたが、濃度が薄すぎた場合、浸透圧調節の補助ができなくなるうえに減菌効果も失われてしまうため、塩浴の意味がなくなってしまいます。

 

逆に、濃すぎるとメダカに対して大きな負担を与えることになるので、塩水はきちんと作る必要があります。

 

ちなみに、 0.5%濃度の塩水を作るためには、水1Lに対して5gの塩を溶かします。また、塩水にいきなりメダカを入れることはせず、予め作っておいた塩水を水合わせの要領で徐々に入れるか、計量した塩を少しずつ溶かすようにしてください。

 

そして、期間を決めたらその期間を守ることも重要です。メダカを塩水で飼育することも可能ですが、体を保護する粘膜が薄くなるなど相応のデメリットがあり、塩浴の期間が長引けば長引くほど真水での飼育に戻すことが困難になるからです。

適切なタイミングで換水する

メダカの塩浴と換水

出典:佐藤さん家のめだかブログ

塩浴は換水のタイミングも重要になります。なぜなら、塩の効果によってろ過を行うバクテリアも減少してしまうために、水が汚れやすくなるからです。

 

メダカは生きている限り代謝を行い、体にとって有毒な物質を排泄していますが、バクテリアがほとんどいない塩水ではそれらの物質が蓄積してしまいます。すると、それらの有毒物質によってメダカがダメージを受けてしまうので、塩浴中は小まめに換水を行うことが重要です。

 

水量にもよりますが、換水の目安としては1~2日に1回です。また、特に夏場は真水の蒸発による塩水の濃縮に気を配る必要があります。それを防ぐには、最初にセットした水位に印をつけておき、水位が下がっていたら随時足し水をすると良いでしょう。

水草や貝は取り除く

メダカの塩浴時は水草を取り除く

 

水草や貝類・エビ類は、メダカよりも塩分耐性が低い種類がほとんどなので、メダカと一緒に塩浴させると枯れたり死んでしまいます。そのため、塩浴を行う時はそれらを取り除くか、メダカの方を別の容器に移し、その容器内で塩浴させると良いでしょう。

 

体調を整える目的でメイン水槽で塩浴を行ってしまうと、塩浴後の塩抜き作業が大きな手間となるため、塩浴用の容器を用意し、メダカを隔離して塩浴させる方法をおすすめします。

 

メイン水槽でメダカの病気が発生してしまった時は、生体を別の容器に移し、病気になったメダカを治療用の容器で塩浴・薬浴を行っている間に、洗浄・消毒を行ってください。

メダカへの餌やりの量・頻度を調整する

メダカの塩浴と餌やり

 

前述の通り、塩水ではバクテリアが増殖できず餌由来の有機物が分解されないため、水がすぐに汚れてしまいます。そのため、短期間の塩浴ならば餌は与えない方が良いです。

 

病気の治療などである程度の長い期間、塩浴が必要な場合は給餌の量や頻度を、いつもより低くしてください。病気などで活性が低下していると、必要な餌の量が減少することもあり、通常時の量を与えても食べ残してしまうことが多いです。

 

残餌が出ると水が汚れ、水質の悪化によってメダカがダメージを受けると、治るものも治らなくなってしまいます。塩浴中は食べ残しにいつも以上に注意するとともに、食べ残しが出た時は速やかに容器から取り除くようにしてください。

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塩浴を上手に利用することで、メダカをより元気に育成することが可能です。ただ、塩浴を成功させるためには、使用する塩や濃度についてはきちんと把握しておく必要があります。

 

また、一見すると万能に感じる塩浴ですが、あくまでメダカが本来持っている免疫力などを活性化させるものなので、病気への対応には限界があります。これらのことをしっかりと理解したうえで、塩浴をメダカの健康に役立ててください。

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