金魚の転覆病の原因と治療方法!ヒーターで加温したら治るって本当?

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転覆病が起こりやすい金魚の種類

転覆病にかかりやすい金魚

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転覆病はどんな金魚にも起こる可能性があるのですが、特に転覆病が起きやすいのは 体型が丸く改良された品種の金魚です。

 

転覆病にかかりやすい代表的なものはピンポンパールですが、他にはピンポンパールと似たような品種や琉金、らんちゅう、オランダ獅子頭や出目金など、同じ品種の中でも特に丸い体型をした個体ほどリスクが高くなります。

金魚の転覆病が起こりやすい季節

春秋に転覆病は出やすい

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転覆病が起きやすい季節としては、水温が低下する寒い季節です。冬は勿論ですが、秋や春先も水温が冷え込むことが多いので注意が必要です。春や秋にヒーターで保温していない場合、餌を食べさせた後の夜間などに急に冷え込んだりすることもあるからです。

 

水温と転覆病は関係していることなので、必ず注意するようにしましょう。

金魚の転覆病の症状

転覆病の症状といっても1つではありません。どのようなものがあるか確認しておきましょう。

水面に浮く転覆病

水面に浮かぶ転覆病は典型的な症状です。転覆病といえばこの症状を想像する人が多いと思います。浮く転覆病の場合、天地が真逆になってお腹の裏面が水面から出てしまったり、横たわって浮いて、お腹の側面が水面から出てしまうようなことが多いです。

 

こうなってしまうと体が浮いて餌も上手く食べれず、空気中に露出した部分が出血するようになりいずれ死んでしまいます。

 

出血した部分の処置としては、水面に浮かんでいる金魚の患部に直接マキロンを十分にかけてあげると数日ですぐに治ります。出血が無くなるまで毎日マキロンをかけてあげましょう。しかし、出血はぶり返すものなので、そのたび処置必要があります。

底に沈む転覆病

一方で、浮力が無くなって水底に沈んでしまう転覆病もあります。浮くにしろ沈むにしろ、どちらでもない状態にしろ、結局のところ正常な姿勢を保てない症状を転覆病と呼んでいます。

 

水底に沈んでしまう転覆病の場合、普段は水底にいても、泳ぐときは一生懸命にヒレを動かしたり体をバタつかせて泳ぎます。体のコントロールが効くぶん、餌も取りやすく、浮かんでしまう転覆病よりも長生きしやすい傾向があります。しかし、水底と魚体の接地部分は人間で言う床ずれのようになるので、やはり出血を伴います。

 

出血部分を治すには、エルバージュやグリーンFゴールドなど、細菌性の魚病薬を入れて薬浴すれば治癒します。しかし、この出血もぶり返すものなので、出血が目立てくる前に薬浴する処置を繰り返すことになります。

金魚の転覆病の原因

転覆病の主な原因についてまとめました。転覆病は実に様々な要因で引き起こされるので、しっかりと覚えておきましょう。

水温による転覆

水温が低くなると転覆病になる?

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水温が低い時に転覆病が起きやすいのですが、水温が低いと血流が悪くなったり、代謝が低下したりして、浮袋が正常に働きにくくなるのが原因の一つとされています。これは、 暖かい地域で生産された金魚は寒さに耐性が無いぶん、より影響を受けやすいとも言われています。

 

例えば、東南アジア産のピンポンパールや他の金魚です。また、水温が低い時に餌を与え過ぎたり、餌を食べた後に水温が低下してしまったりすると、上記のような代謝の低下などが理由で消化する力も落ちてしまいます。消化不良については次にお話します。

消化不良による転覆

餌による転覆病も

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水温や餌の質によっては、 消化に負担がかかって転覆を起こしやすくなります。消化不良を起こすと腸内でガスが溜まったり、フン詰まりを起こして、腸内の問題による転覆病を誘発します。水温は金魚の消化力に直結するので、金魚が餌を欲しがっても、水温が低い場合は餌をセーブすることが必要です。

 

また、 餌の質によっても消化が違ってきます。高タンパクの餌・色揚げ用の餌・硬い餌・吸水時に膨張が目立つ餌などは、より注意が必要です。

 

さらに、浮上性の餌を食べる時に、一緒に空気を飲み込んでしまう場合があるとも言われています。普通、らんちゅうには沈下性の餌を与えるところ、浮上性の餌を与えるという流行りも過去に一時あったりと、真偽は定かではありません。基本的には、沈下性の餌をおすすめします。

中枢神経の異常による転覆

中枢神経の異常による転覆病もある

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最近の研究によると、脊椎の変形による中枢神経の異常が原因になっているとも言われています。これを考えると、自然な脊椎の変形(先天的又は後天的な奇形や怪我)だろうが、意図的な脊椎の変形(琉金など人間による品種改良)だろうが、転覆病になるリスクは同じくあるということだと思います。

 

春の寒いうちから発症するケースが多く、進行は数ヶ月から余年にわたって遅い場合もあるとされています。

加齢による転覆

歳をとると転覆病になる

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考えてみれば当たり前なのですが、経験上、最も多い原因の1つとして、加齢に伴って転覆病になりやすいというのがわかっています。生き物はみな平等で、歳を取ってくると病気になりやすくなるということです。

 

ずっと調子良く飼育してきた金魚のなかに転覆病の金魚が出てくると、その兄弟魚も時期を同じくして、だんだんと転覆病を発症する個体が増えてきます。そのような場合、考えてみると飼育し始めてから数年経過していることに気づきます。

 

ただし、同時期に複数の金魚が転覆病になる場合は、もしかしたら他にも原因があるかもしれません。

間違った水換え

正しい水換えで転覆病を防止

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一晩汲み置いた水(溜め水)を適温にして水換えに使うのであれば、餌を食べた後でも大丈夫ですし、全換え等いくら水を換えても大丈夫です。しかし、餌を与えた後に水道水を使った水換えをするのは、カルキを抜いても危険です。

 

これは、水道水には二酸化炭素が含まれていて、この二酸化炭素は汲み置いておかないと抜けないためす。例えば、金魚にお腹いっぱい餌を与えた後、すぐに適温にした水道水で、しかも大量に水換えをするという飼育法を続けてみてください。

 

金魚が転覆病になるリスクが高くなりますので、このようなことはしない方が良いということです。

水質悪化による転覆

水質悪化でも転覆病になる

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大量に餌を与えた翌日などにお腹を膨らませて、浮力がついたせいでバランスを取れずに浮かんでしまうケースがありますが、飼育水が汚れているという時は、転覆病の原因になっている場合があります。

 

このケースでは、水換えをするだけで転覆状態が治ったりします。水質の悪化を防いだり、改善するコンディショナーを使用するのも良い方法です。私もそのような良いコンディショナーは必ず常備していますので、後ほどご紹介します。

金魚の転覆病の予防方法

原因を知ることができたら、次は最も大事な予防法です。どれもポイントを押さえればそれほど難しいものではないですから、しっかりと整理しておきましょう。

年中一定の水温で管理する

水温を一定にして転覆病を予防しよう

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金魚は保温しなくても飼育できますが、実はその飼い方だと難しく中上級者向けになります。何故なら、保温をしないと四季に合わせた飼い方をしないといけないためです。

 

水温に合わせた飼い方(餌の量や回数の調整・水換えの量や回数の調整)をしなければいけないということで、その判断は簡単ではないと言えます。

 

金魚の飼育を簡単にするには、ヒーターを使って年中一定の水温で管理し、年中同じ飼い方で飼育することが転覆病をはじめとした病気の予防となります。

餌を理解する

適切な餌やりで転覆病を予防

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転覆病の予防法の一つとして、餌にこだわることも挙げられます。その餌の特徴を理解して使用することが重要になってきます。

 

餌によっては転覆病になりやすいものもありますが、そのような餌でも、金魚に与える前に餌に水を吸わせて、ふやかしてから与えるなどすれば転覆病のリスクも減らすことができます。

 

あるいは、一回の量は少なめにして、回数を与えるなど、与え方にも方法はあります。低水温期向けとして、タンパク質が低く作られた消化の良いとされる餌もあるので、そのような餌を利用するのもおすすめです。

 

ただし、だからといって油断して大量に与えたりすると転覆病を招くことになるので、油断は大敵です。

給餌と換水は時間をあける

餌やりと水換えの時間を空けて、転覆病予防

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先程、水道水に含まれる二酸化炭素についてお話しましたが、水道水を水換えに使うなら、餌を与える前に水換えをするのが安全です。どうしても餌を与えた後に水換えをしたいなら、餌を与えてから2時間でも3時間でも、なるべく時間が経ってから水換えをするようにしましょう。

 

ここまでの説明でもわかるように、やはり、一晩汲み置いた溜め水をおすすめします。その時は、アクアセイフなどの粘膜保護剤も使用するとよく、水換えの安全度が確実にアップします。

コンディショナーを使う

コンディショナーを使う

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水質悪化も転覆病の引き金になるので、水質を悪化防止効果のあるものや、改善する効果のあるコンディショナーを使えば、水換えを軽減することも可能になります。

 

水換えを軽減したい場合というのは、水道水の二酸化炭素が心配なケースです。そのような場合は、アクチューナーやリバースリキッドゴールドなどのコンディショナーに助けてもらうのもおすすめです。

 

そのような優良コンディショナーは私も常に常備して、いつでも使えるようにしているくらい効果的なものです。

金魚が転覆病になった場合の治療方法

転覆病になったら基本的には治療法は水温を上げてあげることくらいしかないのですが、治る可能性があるものについて解説していきます。

水温を上げる

まず、水温を上げてみることが第一に挙げられます。

 

私は無加温の金魚水槽で浮くタイプの転覆病になった大きな桜錦を、ディスカスの飼育水槽に移動させて治療が成功した経験があります。そのディスカスの水槽は、水温が28℃でした。

 

転覆症状が改善するまではそう長くはかかりませんでしたが、しっかり治すために、症状が改善してからも約1ヶ月はディスカス水槽で管理してから元の金魚水槽に戻しました。

 

しかし、またしばらくしてから転覆病が再発しました。また別のケースでは、金魚が幼魚の時からディスカスと一緒に水温28℃の環境で飼育している水槽でも、金魚が歳をとってきたり、乱暴な水換えをしていると、転覆病になった経験があります。

 

以上の経験からも、水温をあげることは転覆病に効果的であると実しています。

その他の治療法

一時的な転覆(ごく軽い転覆)以外は、残念ですが諦めざるを得ないのが現実です。転覆病は基本的に体の障害だと思っており、体内のことは外からは見えないので、その転覆病の原因を突き止めることは非常に困難です。

 

それでも、もしかしたらきっかけになった原因によっては、薬浴や塩水浴などが効く可能性も0ではないのも事実です。あきらめて何もしないよりは、薬浴や塩水浴も試してみる価値はあります。

実は金魚は簡単な魚ではない

金魚の転覆病について

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金魚は、想像以上に飼育が簡単な魚ではありません。治療法などもご紹介しましたが、転覆病になったら治せないことの方が多いということは覚えておいてください。

 

転覆病ほど予防が大事な病気はないかもしれません。水換え一つで魚の健康状態を左右しますので、水換え方法や餌の質と与え方には細心の注意を払いましょう。水温だけでは予防するに不十分であることも覚えておきましょう。

 

金魚のためにアクアリストができることはしっかりおこない、金魚飼育を楽しみましょう。


転覆病にかかりやすい金魚

ABOUTこの記事をかいた人

山城 大介

秋田県北秋田市にある小さなお店「アクアショップZERO」の店長です。 ディスカスが1番好きで繁殖が大好きです。 熱帯魚は繁殖ありきの楽しみ方が1番だと思っています。 記事に書ききれないことや、突っ込んだ内容は当店ブログやLINEで読んでください。 お悩み事はプロにお任せ。 当店の方もよろしくお願い致します。