アイキャッチ画像撮影:FISH PARADISE!編集部
ピーコックバスってどんな魚?
ピーコックバスとはどのような魚なのでしょうか?まずは、ピーコックバスという魚について知ることから始めましょう。
ピーコックバスの特徴
撮影:FISH PARADISE!編集部
ピーコックバスはキクラ属(Cichla属)に含まれる魚種の総称で、南米に広く分布しているアメリカンシクリッドの仲間です。大きな口に体高のある魚体は、ブラックバスを彷彿とさせます。釣りのターゲットとして世界的にも人気の魚です。
ピーコックバスは黄色〜黄緑の体色を持ち、種類によって模様は様々です。ピーコックは英語で「孔雀」の意味ですが、これは尾ひれの付け根上部に孔雀の羽のような大きな斑点があることに由来しています。また、大型に成長すると後頭部にコブが発達するのも特徴です。
ピーコックバスの生態
出典:AKAMUNDI
ピーコックバスは年中産卵し、産卵個数は一度に最大で15000個とも言われています。卵は粘着質で石の上などに産卵します。また、ピーコックバスは強い魚食性を示し、中層から表層付近を回遊したり物陰で待ち伏せしたりして、餌の魚を捕食します。
ピーコックバスの別名・現地名
出典:AKAMUNDI
ピーコックバスはブラジルの現地では「ツクナレ」と呼ばれています。また、コロンビアでは「パアヴォン」と呼ばれています。一方で、アクアリウムの業界では「アイスポットシクリッド」の名前が主流となっています。
ピーコックバスの全15種類と分布・生息域
ピーコックバスの現在知られている15種類についてご紹介します。釣りに行く際の参考にしてください。
キクラ・オセラリス(Cichla ocellaris)
特徴:体側の縦帯は不明瞭で1つまたは2つ。
分布:マロワイネ水域、エセキボ川(スリナム、仏領ギアナ、ガイアナ)
キクラ・ケルベリー(Cichla kelberi)
特徴:胸鰭、臀鰭に小さな明斑点が存在する。体側に3本の黒横帯がある。
分布:アマゾン川水系(ブラジル)
キクラ・インターメディア(Cichla intermedia)
特徴:体側の黒斑は黒い横帯で繋がる。
分布:オリノコ川水系、カシキアレ川(ベネズエラ)
キクラ・ジャリーナ(Cichla jariina)
特徴:体側に小さなスポットが列状に並ぶ。
分布:ブラジル
キクラ・メラニアエ(Cichla melaniae)
特徴:体側に横帯が1〜3列あり、小さな斑点が散りばめられる。
分布:シングー川下流域(ブラジル)
キクラ・ミリナアエ(Cichla mirianae)
特徴:成長と共に黒横帯が3つ現れる。
分布:ブラジル
キクラ・モノクルス(Cichla monoculus)
特徴:ケルベリーに類似し、黒横帯が3本ある。頭部の斑点は不明瞭。
分布:ソリモネスからアマゾナスの下流域(ペルー、コロンビア、ブラジル)
キクラ・ニグロマキュラータ(Cichla nigromaculata)
特徴:体側に3つの暗横帯があり、背側に暗斑点がある。
分布:オリノコ川・カシキアレ川の上流およびネグロ川中流域
キクラ・オリノセンシス(Cichla orinocensis)
特徴:体側に明瞭な3つの横帯がある。
分布:オリノコ川、ネグロ川(コロンビア、ベネズエラ、ブラジル)
キクラ・ピニマ(Cichla pimima)
特徴:亜成魚と大型のメスには体側に4列以上の小さな明斑点が並ぶ。
分布:ブラジル
キクラ・ピクイッティ(Cichla piquiti)
特徴:成魚は背鰭下部の体側に、幅が広い5本の横帯をもつ。
分布:南米の広範囲
キクラ・プレイオゾーナ(Cichla pleiozona)
特徴:ケルベリーやモノクルスに似ており、三本の横帯が体側にあり、後頭部に大きなコブが発達する。
分布:マディラ川、グァポレ川など
キクラ・シロルス(Cichla thyrorus)
特徴:成魚は体側の横帯が短くスポットのようになる。体側に小さな斑点が列状に並ぶ。
分布:ブラジル
キクラ・ヴァッゾレリィ(Cichla vazzoleri)
特徴:亜成魚と大型のメスには4列の小さな斑点が並ぶ。成魚は明瞭な横帯が体側に並ぶ。
分布:ブラジル
ツクナレ・フォーゴ(Cichla sp.)
特徴:腹部が鮮やかな赤に染まる。
分布:サンベネジット川
ピーコックバスの釣りでの最大記録は?
ピーコックバスの釣りにおける最大記録ですが、大型種であるキクラ・テメンシスで28.1lb(13.1kg)が過去最大となります。この記録はブラジルのネグロ川で2010年に更新されています。広大なアマゾンですから、まだまだ記録更新も夢ではないかもしれませんね。
ピーコックバスの釣り方
出典:AKAMUNDI
ピーコックバスの釣りは、基本的にボートからのルアーフィッシングとなります。障害物周りを丁寧かつ積極的に探る、非常にゲーム性の高い釣りです。正確なキャスティングが釣果の鍵を握るピーコックバスフィッシングに適したタックルやルアーはどのようなものなのでしょうか。
ピーコックバスのタックル
ピーコックバスフィッシングのタックルですが、ロッドは5.5~6.0ftの比較的短めがボートでの操作性が高くおすすめです。ロングキャストはそれほど必要ありませんが、必要に応じて6.5ft程度までを用意しておくと安心でしょう。
リールはPE2~3号前後を70m程度巻けるベイトタイプのものが良いでしょう。ピーコックバスの引きはとても強いので、ドラグ力も6~8kgほどの強めのものを選択するとよいです。ラインはPE3~4号程度に50lbのリーダーを1.0mほど結ぶと良いかと思います。狙うサイズに応じてセッティングをライトにしたりヘビーにしたりすると良いです。
基本的にピーコックバスの釣りは一日中キャストを繰り返すこととなりますので、ロッドとリールは軽量な物を選びましょう。あまり重いとキャストだけで疲労してしまいます。
ピーコックバスにおすすめのルアー
ピーコックバス狙いでもっとも多用されるのが、ペンシルベイトです。また、ミノーやスウィッシャー、ポッパーなども用意すると良いでしょう。ペンシルベイトの場合は10cm前後のものが応用が最も効きます。
ピーコックバスは日本でも釣ることができる?
実は、日本にはピーコックバスを放流して釣りをさせてくれる釣り堀があります。熱帯性の魚のため釣りの期間などは限定的であることがほとんどですが、もっともお手軽にピーコックバスフィッシングを楽しむ方法の一つですので、気になる方はぜひ一度、チェックしてみてください。
ピーコックバスを釣ることができる釣り堀(*その時々によって状況は異なります。詳しくは、管理釣り場にお問い合わせください。)
浜名湖フィッシングリゾート
静岡県にある管理釣り場で、夏季にはピーコックバスのほか、コロソマなども放流を行なっています。
釣り堀カフェNOEL
福岡県福智町にある釣り堀でピーコックバスを国内で釣ることができる貴重なスポットとして人気となっています。
南米以外でピーコックバスが生息している国
実はピーコックバスは南米以外の国にも持ち込まれています。原産地以外でピーコックバスを釣ることができる国として知られているのは、ハワイやマレーシア、シンガポール、台湾などです。いずれの国でもスポーツフィッシングの好ターゲットとして人気で、日本人向けのツアーなども組まれています。
ネイティブピーコックを釣る為には、24時間以上かけて南米に行かなければなりませんが、ご紹介した国であれば南米に比べるとかなり移動時間は削減できます。忙しいけれど、海外のフィールドで釣りしたい方にはこれらの国々でのピーコックバス釣りがおすすめです。
ピーコックバスの飼育について
撮影:FISH PARADISE!編集部
ピーコックバスは古くからアイスポットシクリッドの名で、アクアリストに親しまれています。ピーコックバスは種類によりますが、50cm程度まで成長するものが多いため、最低でも120cm水槽は用意する必要があります。水質は弱酸性が好ましく、餌は人工飼料をベースに金魚などの生き餌が必要です。ピーコックバスは縄張り意識が強く、混泳相手には注意が必要ですが、不可能というわけではありません。
ピーコックバスの引きに酔いしれろっ!
出典:AKAMUNDI
ピーコックバスの強烈な引きは世界中のアングラーを虜にしてくれます。また、鮮やかな体色はとても華やかで、感動すること間違いなしです。南米に釣りに行くことはそう簡単なことではありませんが、釣り好きなら一度は釣って見て欲しい魚であることは間違いありません。アマゾン以外にもピーコックと出会うことができる場所はたくさんありますから、各々のスタイルでぜひ一度ピーコックバスに挑戦してみてください!