イシモチの釣り方や仕掛け!塩焼きが美味しい白身魚!

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アイキャッチ画像出典:写真AC

イシモチの名前の由来

イシモチ(シログチ)の画像

出典:写真AC

イシモチという名は、耳石に特徴があることに由来します。耳石とは、平衡感覚を得るための器官で頭部に収納されており、見た目は小石のような塊をしています。この耳石が他の魚よりも大きく目立つことから、石を持つ魚=イシモチと呼ばれ、漢字では「石持」などと表記します。

 

ちなみに、イシモチという呼び名は現在の標準和名ではありません。そう呼ばれているのは、主にスズキ目ニベ科シログチ属に分類されている「シログチ」という魚で、その他にも同じくニベ科に属する「ニベ」をイシモチに含める場合もあります。

イシモチの生態

続いて、イシモチの生態についてご紹介していきます。

分布・生息域

国内では東北地方以南の日本全国に、海外では全世界の温帯地域に広く分布している海水魚です。水深20~100m程度の砂泥底に生息しており、シログチは沖合寄りに、ニベは比較的岸に近い場所で生活しています。そのため、堤防などからの投げ釣りで釣れるイシモチは、ニベであることが多いです。

食性・繁殖

シログチ・ニベともに動物食性で、小魚・甲殻類・貝類・多毛類などを捕食しています。いずれも産卵期は5~8月頃で、その時期には波の穏やかな内湾や沿岸部に移動して分離浮性卵を産みます。ふ化した稚魚は浅場に留まって餌を取って成長し、大きくなるとともに深場へと移動していきます。

その他の特徴

イシモチは発達した浮袋を持っており、それを振動させることで「グーグー」と聞こえる鳴き声をあげることが知られています。この音は産卵期になると沿岸部の海面近くでも聞くことができ、その他に釣り上げた際にも音を出すことがあります。その様子が、文句を言っている(愚痴をこぼしている)ようであることから、「グチ」と呼ぶ地方もあります。

イシモチとニベの違い

イシモチの見分け方

出典:写真AC

シログチとニベは、イシモチと一緒くたにされることからフォルムはよく似ていますが、見分けるポイントはいくつかあります。まず、体長が挙げられ、シログチは40cm程度までにしか成長しませんが、ニベの方は体長70cm以上になる個体もいます。

 

次に、体色や模様が挙げられます。シログチにはエラブタに暗色の大きな斑点が入りますが、ニベにはありません。また、体色はシログチは全身がほぼ銀白色であるのに対し、ニベは背側は青味がかった灰色をしており、褐色の小さな斑点が入る特徴があります。

 

ちなみに、ニベには近縁種に「オオニベ」という種類が存在し、その名の通り体長150~180cmとニベよりもさらに大きく成長します。同種は水産資源として重要で漁の他に養殖も行われており、安定して市場に流通しています。

 

イシモチの旬はいつ?

イシモチの旬は、春から夏にかけてと冬の2回あります。なぜなら、前者は卵を持つ時期で、その卵も美味しく食べられることから、後者は身に脂が最も乗る時期であるため刺身などで食べるには最適で、それぞれの時期で楽しみ方が異なるためです。イシモチの身は水分が多くて柔らかい白身で、クセがなく食べやすいです。ただし、非常に足が早いので、安全かつ美味しく生食したい場合は自分で釣り上げたり、漁港に足を運ぶ必要があります。

イシモチの釣り方と仕掛け

イシモチの釣り方

出典:写真AC

イシモチは岸から沖まで広範囲に狙うことが可能で、特に沖釣りにおいては比較的シンプルなタックルで挑めるため、初心者にもおすすめの魚です。ここでは、イシモチの釣り方と仕掛けについてご紹介します。

イシモチ釣りの基本は投げ釣り

イシモチは通年で釣れますが、産卵期に入る春から夏頃は岸に寄って来るので、投げ釣りの最盛期を迎えます。投げ釣りのタックルは次の通りです。

 

ロッドは2~3m前後かつ20~30号ほどの投げ竿を、リールは中型のスピニングリールを使用します。道糸にはナイロン3号程度の太さのものを用い、その先に力糸としてナイロン3~12号を結んでおきます。仕掛けは胴付仕掛けや天秤仕掛けが一般的で、針の数は2〜3本が基本です。餌はアオイソメで問題ありませんが、大物狙いならサンマの切り身なども効果的です。

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釣り方としては、キャストした後に重りをしっかりと底まで沈ませ、底部からアタリを探っていくことが基本です。本種は餌をつつきながら食べるので、アタリが出てもすぐにアワセを入れず、少し待つことが上手く釣り上げるコツです。

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投げ釣りについては下記リンクの記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

投げ釣り入門!遠投に適した仕掛けや竿、リールは?

2024年2月29日

 

イシモチの船釣り

沖に出る船釣りは秋~翌春にかけてが最盛期で、特に東京湾ではシーズンになると遊漁船が数多く出ることで有名です。

 

タックルとしては、ロッドは2m前後の船用小物竿を、リールは小型スピニングリールまたは小型両軸受けリールを使用します。竿は、メバルやシロギス用などの穂先が柔らかい物が、食い込みが良いのでおすすめです。道糸にはPE1~2号に準ずる物を、仕掛けは2~3本針タイプの胴付き仕掛けを用います。重りは20~25号ほどの物を用意しておき、潮の流れによって使い分けると良いでしょう。餌はやはりアオイソメが基本です。

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釣り方については、重りを着底させた後に重りで海底を叩くように、ゆっくりと竿を上下させて誘います。

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イシモチのルアーフィッシング

イシモチをルアーで狙うことはあまり一般的ではありませんが、活性が高い時などはソフトルアーで狙ってみることも一興です。

 

ロッドはルアーロッドを用いますが、長さは場所によって使い分けましょう。目安としては堤防などでは6ft、砂浜などから遠投する時は8ft前後です。リールは小型スピニングリールで十分で、ラインはナイロン2号に準じた感度が高い細いラインの使用がおすすめです。仕掛けは、中通しシンカーを用いたキャロライナリグが使いやすいです。ルアーはソフトワームであれば任意で構いませんが、2〜3in程度の小型の物の方が食い付きも良く、すっぽ抜けも少ないです。

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釣り方は、投げた後に仕掛けを着底させたら、そのまま海底を引きずるように巻いていくことが基本です。ルアー釣りの場合は他の釣法とは異なり、当たりが出たらすぐにアワセを入れてください。そうしないと、違和感を覚えたイシモチがルアーを吐き出してしまいます。

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鹿島にはイシモチの浮き釣りもある

夏の夜釣りでは浮き釣りもおすすめです。この釣り方は、茨城県の鹿島地方でよく行われています。大型のイシモチは中層付近を回遊していることが多く、浮き釣りではその層を直接狙えることから、30cm以上の大物が安定して掛かります。

 

タックルについて、ロッドは4~5m・3号程度の遠投竿が、リールは大型スピニングリールが使いやすいです。道糸はナイロン5号前後、浮きは4~5号の大型電気浮きを遊動サルカンに接続して使用します。仕掛けは松葉天秤を用いた2本針タイプが主流で、餌は同じくアオイソメや魚の切り身です。

 

釣り方は、投げた後は潮の流れに乗せて待つことが基本です。例によって、アタリが出てもイシモチがきちんと食い付くまで、少し待ってからアワセを入れましょう。

 

イシモチの料理・レシピ

前述の通り、イシモチはクセのない白身魚なので色々な調理法で美味しく食べられます。ここでは、代表的なイシモチ料理とそのレシピをご紹介します。

イシモチの塩焼き

塩焼きはイシモチにおいても定番の調理法です。調理する際は、下ごしらえとしてイシモチをよく水で洗って鱗とエラ、内臓を取り除き、さらに塩水で洗ってヌメリを落としておきましょう。

 

その後、1尾丸ごと焼く際は、飾り包丁を入れてから塩を振り、1時間前後寝かせます。火の通りが悪いことが予想される大物は3枚に下すか、背開きにすると良いでしょう。一定時間寝かせた後は、余計な水分を拭き取ってから焼くようにし、中まで火が通るよう両面をしっかりと焼き上げます。

 

本種は焼くことで皮目に特有の香ばしい風味が出るので、塩焼きをはじめとする焼き物との相性はバッチリです。水分を多く含んだ白身は、火を通しても硬く締まらず甘味が感じられ、皮の旨味とマッチして非常に美味です。

イシモチの煮付け

煮付けにする際も、調理の前にイシモチをよく水洗いして鱗などを除去しておきましょう。その後は、1尾丸ごと煮付ける場合は飾り包丁を入れ、そうでないなら、鍋などに入れやすいサイズに切り分けます。

 

味付けの基本は酒・醤油・みりんを合わせた物ですが、さらに砂糖を入れてこってりとした味付けにしても良いです。本種は身に水分が多いので、濃いめの味付けにした方が美味しくなる傾向にありますが、各々の好みで構いません。

 

この煮込みダレにイシモチと生姜を一片入れて火にかけ、落し蓋をするかタレをかけながら煮付けていきます。あまり長時間火にかけていると、煮崩れするので注意してください。煮立ってから10分くらいが加熱時間の目安です。身離れが良く味も馴染みやすい魚なので、タレの甘辛さがイシモチの旨味を引き立ててくれて美味です。

イシモチのフライ

例によって、よく水洗いして鱗などを取り除いたイシモチを3枚に下ろし、骨と血合いを取り除いて水分をよく拭き取っておきます。この時、皮も引いてしまっても良いですが、そのままにしておいても問題ありません。

 

その切り身に塩・コショウで下味を付けた後に、小麦粉をまぶして溶いた卵にくぐらせたらパン粉を付けます。それを、加熱した油に入れて揚げていきます。油から引き上げる目安は、衣がキツネ色に変化して沈んでいた切り身が浮いてきたタイミングです。また、フライパンにバターを厚めに敷いてソテーにするようにしても良いです。

 

フライにすることで多少身が締まりますが、それでもアジなどよりは柔らかく、フワフワの身と衣のカリカリとした歯ごたえの対比が面白い美味しい白身魚のフライに仕上がります。

釣った後は美味しく調理、身近な海水魚イシモチ!

イシモチは「シログチ」と「ニベ」の通称で標準和名ではありません。名前の由来は他種とは異なる大きな「耳石」を持つことで、この耳石は頭部に収納されているため、頭付きのイシモチを購入すれば発見できます。本種は、初心者でも比較的簡単に釣れる魚で、足が早い点を除けば調理法も選びません。ぜひ、レジャーと食の両面でイシモチを楽しんでみてください。

イシモチ(シログチ)の画像