チンアナゴの珍しい習性や名前の由来!飼育方法や展示している水族館もチェック!

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チンアナゴについて

チンアナゴの特徴

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近年、その可愛らしさから水族館の人気者となったチンアナゴですが、どのような魚なのでしょうか。ここでは、チンアナゴの特徴や生態をご紹介します。

チンアナゴの特徴

国内では伊豆半島や高知県以南に、国外ではインド洋から西太平洋にかけて分布しているアナゴの1種です。体長は30~40cmほどで、魚体は非常に細長い円筒状をしています。体色は灰色をベースに黒色の斑点が無数に散在し、エラと肛門の周辺には大きな斑点が入ることが普通です。小さいですが胸びれを持ち、背びれは胸びれの上方あたりから始まり、ほかのアナゴ類と同様に尾びれ・尻びれと連続して体を囲うように付いています。

チンアナゴの食性

チンアナゴの主食は動物プランクトンです。同種は普段、砂に潜って頭部側を出して周囲を警戒していますが、餌を捕食する時もそのままの状態で周辺を注視し、流れてきた動物プランクトンをキャッチして食べます。潮の流れによって体の向きを変える習性もあり、その様子は水族館などでも観察が可能です。

チンアナゴの生態

流れがあるサンゴ礁の外縁部の砂底に群れを作って生息しており、普段は体の後ろ側を砂中に埋めて頭を出した格好で生活しています。警戒心が非常に強く、少しのことでも直ぐに砂に潜り身を隠してしまいます。幼魚期は浮遊生活を送っていますが、成長とともに底生生活に移行。着底後に移動する時は底を這うようにして泳ぎ、積極的に遊泳することはありません。

チンアナゴの寿命

自然下での寿命は3~5年程度と考えられていますが、飼育下では5年以上生きる例もあります。チンアナゴの場合、餌や飼育環境の維持管理の面で問題が生じやすく、長期飼育が難しいと言われています。弱ってくると砂から出てこなくなるので、長生きさせたいのであれば常日頃から様子をよく見ておきましょう。

チンアナゴの由来は?

チンアナゴの画像

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チンアナゴは漢字では「狆穴子」・「珍穴子」と表記します。名前の由来は、丸みを帯びた頭部や大きな目といった顔つきが、犬の「狆」に似ていることから来ています。また、英語では「Spotted garden eel(スポッテッドガーデンイール)」と呼ばれていますが、これは砂から頭を出している様子が、庭に生える植物を想起させることに由来します。

チンアナゴはなぜ砂に潜っているの?

砂に潜るチンアナゴ

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生物が外敵から身を守る方法はいくつも知られていますが、チンアナゴは砂底に巣穴を掘って身を隠す方法を採っています。チンアナゴは後ろ向きに穴を掘って潜りますが、体の2/3ほどを占める尾部は筋肉が発達しており、穴を掘りやすい構造をしています。そして、掘った巣穴が崩れてしまわないよう、体から発せられる粘液で補強までしているのです。

 

また、チンアナゴは普通、群れで固まって生活していますが、これも生存戦略の1つと言えます。なぜなら、群れのいずれかの個体が危険を察知して隠れれば、他の個体も難を逃れられるからです。同一水槽内で喧嘩をしつつも、混泳環境が崩壊しない理由と言えるでしょう。

チンアナゴの仲間たち

チンアナゴとして扱われている魚には、チンアナゴ属のものとシンジュアナゴ属のものがいます。ここでは、そんなチンアナゴの仲間たちをご紹介します。

ニシキアナゴ

シンジュアナゴ属に分類されており、チンアナゴと混泳させている水族館も多いです。魚体はチンアナゴと同様、かなり細長い円筒状で目も大きいです。大きな違いは体色と模様で、同種は橙色と白色の縞模様をしています。その比率は個体によりけりで、橙色をベースに白色の模様が入るものと、その逆の個体もいます。

ホワイトスポッテッドガーデンイール

和名が無いため、英名そのままで呼んでいます。シンジュアナゴ属に分類されており、体長は70cm前後とチンアナゴよりも大きくなります。名前通りの特徴的な模様をしており、褐色を帯びた体色を基調に白色の斑点が並んでいます。顔つきもチンアナゴとは異なり面長です。

シンジュアナゴ

名前の通り、シンジュアナゴ属に属しており、ホワイトスポテッドガーデンイールと同様、体には真珠のような白点が並んでいます。体長は1m程度に達し、アナゴ類全体を見渡してもやや大型の種類です。太平洋西部から中部にかけて分布しており、国内では八丈島のダイビングスポットで野生個体を見られます。

ゼブラアナゴ

体長35cm前後のチンアナゴ属に分類される種類で、名前が示す通り、シマウマのような白色と黒色の縞模様が特徴です。現在では数を減らしており、環境省のレッドリストでは「絶滅危惧IA類(CR)」に指定されています。国内では西表島のみで、国外ではフィリピンとインドネシアで分布が確認されています。

チンアナゴの飼育法

チンアナゴは一部の絶滅危惧種などを除けば、熱帯魚専門店などで販売されており飼育が可能です。しかし、その生態から長期飼育はやや難しいと言える魚なので注意してください。

水槽・フィルター

チンアナゴの飼育には、60cmクラス以上の水槽サイズが推奨されます。同種は砂に潜る性質があることから、水槽の高さも重要な要素です。60cmクラスでもランチュウ水槽のような平たい水槽は不向きなので、少なくとも規格水槽クラス(36cm)の高さは確保してください。

 

フィルターに関しては、海水魚飼育で用いられる上部式や外部式、オーバーフロー水槽などを導入すれば問題ありません。それに加え、プロテインスキマーを併用するとより効果的です。

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水質・水温

チンアナゴ飼育に適した水温は24℃前後です。熱帯にも生息しているので、高温には比較的強いのですが、低温には弱いため注意してください。いずれにせよ、国内で飼育するには、夏場と冬場を乗り切るために温調機器が必須です。

 

水質に関しては、人工海水を既定の濃度で作成・使用すれば問題ありません。飼育し続けていると、真水が蒸発して塩分濃度が高くなるため「足し水」が必要ですし、pHが酸性に傾いてくるので定期的に水替えも行ってください。

自然下では動物プランクトンを食べているため、飼育する場合もブラインシュリンプやコペポーダなど、微生物系の生餌もしくは冷凍餌を用意してください。水槽の環境に慣れてそれらを食べるようになったら、後の管理のことを考慮して人工飼料への餌付けを行いましょう。人工飼料は粒の小さい沈下性のものが適しています。しかし、チンアナゴの場合は、餌付かない個体も珍しくないことは留意しておいてください。

レイアウト

チンアナゴを飼育するうえで底砂は欠かせません。十分に身を隠せる巣穴が掘れるように15~20cm程度の厚さになるよう、底砂を入れておきましょう。同種は仲間同士で固まっていることが普通なので、砂地を広く取っておいた方が落ち着きやすいです。そのため、ライブロックなどで入り組んだレイアウトにすることは推奨できません。

チンアナゴを見れる水族館10選

チンアナゴを展示している水族館をご紹介します。*2020年3月時点の情報です。最新情報の詳細は、各水族館のホームページをご覧ください。

サンピアザ水族館

北海道札幌市にある水族館で規模は大きくないながらも、地下鉄東西線「新さっぽろ駅」から徒歩で約2分とアクセスしやすいです。同水族館ではニシキアナゴが見られます。

男鹿水族館GAO

秋田県男鹿市に位置する水族館です。400種1万点以上の海洋生物を飼育しており、中でもホッキョクグマの飼育・展示は有名です。同水族館ではチンアナゴの展示が行われています。

仙台うみの杜水族館

宮城県仙台市に位置する水族館で、9900㎡の延床面積と約100基の水槽群を擁します。同水族館では、チンアナゴに加えてニシキアナゴも展示されています。

アクアマリンふくしま

福島県いわき市に位置しており、飼育生物数は約780種6万7千点にも及び、この数字は日本の水族館の中で最大級です。同水族館ではチンアナゴを見ることが可能です。

アクアワールド茨城県大洗水族館

延床面積19800㎡を誇る日本最大級の施設で、茨城県東茨城郡大洗町に位置します。イベントも充実しており、特に館内バックヤードを回れる「水族館探検ツアー」は人気です。チンアナゴの他にニシキアナゴも展示されています。

サンシャイン水族館

東京都池袋の「サンシャインシティ ワールドインポートマートビル」内にある水族館です。東京メトロ有楽町線「東池袋駅」から徒歩約3分と、アクセスの良さは圧倒的なので、観光ついでに回ることも容易です。同水族館でもチンアナゴとニシキアナゴが見られます。

新潟市水族館 マリンピア日本海

新潟県新潟市にある水族館で、延床面積は約11500㎡、展示生物数は約600種3万点にも及ぶ、日本有数の施設です。イルカショーや解説などのイベントも充実しています。同水族館ではチンアナゴとニシキアナゴが展示されています。

名古屋港水族館

愛知県名古屋市に位置する同水族館は、日本最大の延床面積を誇る施設です。国内でシャチを飼育している水族館2カ所のうちの1つで、他にもシロイルカの通称で知られる「ベルーガ」などが人気です。

海遊館

同水族館にある「太平洋水槽」は5200tもの水量を湛えており、その規模は世界最大級のスケールです。ジンベイザメを飼育している国内有数の施設の1つで、大阪府大阪市に位置します。同水族館では、チンアナゴ・ニシキアナゴ・ホワイトスポテッドガーデンイールの3種類が展示されています。

沖縄美ら海水族館

ジンベイザメの飼育で有名な同水族館は、沖縄県の代表的な観光スポットです。国頭郡本部町に位置しており、同施設にある「黒潮の海」の大水槽は7500tもの水量を誇り、これは国内で最大です。美ら海水族館では、チンアナゴに加えてニシキアナゴも展示しています。

11月11日はチンアナゴの日!

チンアナゴの日

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数字の1が4つ並んでいる字面が、チンアナゴが砂から頭を出している様子を思わせることから、11月11日は「チンアナゴの日」として記念日に制定されています。この日はイベントが行われている水族館もあり、例えば昨年、すみだ水族館では「ゆらゆらチンアナゴまつり2019」と銘打ってクイズ大会などが開催されました。イベント限定グッズの配布も行われたので、この日を狙って水族館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

チンアナゴは可愛いグッズがいっぱい!

水族館の人気者であるチンアナゴ。現在では、その人気にあやかって水族館以外でもチンアナゴグッズが数多く販売されています。例えば、デコレ(Decole)から発売されているマグカップが挙げられ、同商品はカップの絵柄だけでなく取っ手にもチンアナゴの意匠が施され、可愛らしいデザインに仕上がっています。その他にも、その細長い魚体を再現した抱き枕など、実用的な物も多いので日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

チンアナゴペグってどんな道具?

チンアナゴペグとは、ビーズ株式会社のキャンプ用品ブランドである、「DOD」から発売されている商品です。主にランタンスタンドとして用いられており、同商品を使用すればポールが1つあれば、それをランタンスタンドにできるため、荷物を減らすことができて便利です。名前の由来はもちろん海水魚のチンアナゴで、同種が巣穴から頭をのぞかせている様子に商品形状が似ていることから来ています。

水族館の人気者チンアナゴ!実はかなりの臆病者!

チンアナゴを見に行こう

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チンアナゴはインド洋から西太平洋に分布しているアナゴの仲間です。かなり細長い魚体が特徴的で、群れで巣穴から頭を出している様子が可愛らしく、一躍水族館の人気者になりました。しかし、警戒心が強い習性から、展示するにあたってはマジックミラーを使用して水槽外を見えなくしたり、観覧者との距離を工夫したりと試行錯誤が必要な魚種です。もし、飼育することがあるなら、その臆病な性格を把握して落ち着ける環境を作ってあげることが重要です。

チンアナゴが可愛い!