ホウボウは海底を歩く奇妙な魚!食べたら意外と美味しい?

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ホウボウってどんな魚?

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分類 スズキ目ホウボウ科ホウボウ属
和名 ホウボウ
学名 Chelidonichthys spinosus 
分布 日本各地の沿岸
特徴 胸びれは大きく、濃緑色の下地に青色斑が点在する。胸びれの下部に3対の遊離鰭条がある。

ホウボウの特徴や生態

海底を歩くというユニークな特徴を持つホウボウですが、どのような魚なのでしょうか。まずは、ホウボウの形態的な特徴と生態をご紹介します。

特徴

ホウボウの独特な形状

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魚体に対して大きな頭部を持ち、正面から見ると台形のようなフォルムをしています。口も大きく、口吻は前方に突き出ており、魚体は尾びれの方に行くに従い細くなります。体長は最大で50~60cm程度。体色は腹側は白色で、背側は灰色や灰褐色を基調に赤色のまだら模様が入ります。

 

しかし、個体差が大きく、赤色がほとんど入らなかったり、逆に背側の大部分が赤褐色に染まる個体も見られます。各ひれは大きいのですが、特に胸びれは大きさ・形態ともに特徴的です。

 

胸びれの辺縁は鮮やかな青色で縁取られており、その内側は深緑色で、青色の斑点が入ります。また、この胸びれの軟条3本が遊離しており、これを自在に動かして海底を歩くように移動することが可能です。

生態

ホウボウは海底を這うように歩く!

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ホウボウは北海道南部から全国的に見られる海水魚で、他には黄海から東シナ海、南シナ海にかけて分布が確認されています。水深100~200m程度の砂泥底に生息していることが多いのですが、時に水深600m前後の場所でも見られることがあります。

 

食性は、ゴカイなどの環形動物や、エビ・カニなどの甲殻類、大きくなると小魚も捕食する動物食性です。産卵期は12月~翌6月頃で南方ほど早く、分離浮性卵を産みます。稚魚の体色は黒色~黒褐色をしていますが、成長するにつれ赤色のまだら模様が現れます。

ホウボウの名前の由来

ホウボウの名前の由来

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ホウボウの名前の由来には諸説あり、主に以下のようなものがあります。

①浮袋を使って「ボー、ボー」と鳴くため

②海底を這うように移動することから、「這う、這う」が変化した

③海底を方々(ほうぼう)に歩き回ることから

などがあるようです。ちなみに漢字では「魴鮄」や「竹麦魚」と書きます。

ホウボウと似ている魚たち

ユニークな生態を持つホウボウ。そんなホウボウにも姿かたちが似た魚種が存在します。ここでは、ホウボウと似た魚を挙げ、差異などについて簡単にご紹介します。

カナガシラ

ホウボウとカナガシラの見分け方

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ホウボウと同じくホウボウ科に分類される海水魚で、外見はよく似ています。ただ、見分けるポイントは幾つかあるため、判別に困ることはないと言えるでしょう。カナガシラは、最大で体長30cm程度とホウボウよりは小柄です。

 

また、胸びれは小さく、ホウボウのように色鮮やかなコントラストは入らず一様に赤色をしており、青色の斑点も見られません。体色の個体差も小さく、腹側は白色をしていますが背側は赤褐色に染まり、ホウボウのようなまだら模様はありません。

キホウボウ

本種はスズキ目キホウボウ科に分類されている海水魚で、ホウボウとは所属している科が異なります。体長は20cmほどとホウボウよりも小さく、大きな頭部と紡錘形の魚体を持つ点は共通していますが、キホウボウはよりスリムな体形をしています。

 

また、本種は、口吻の両側から板状の突起物がそれぞれ計2本、前方に伸びる特徴があります。本種もホウボウと同様に胸びれの軟条が遊離しており、それを足のように使って海底を這って移動することが可能ですが、その数は2本とホウボウより少ないです。

 

さらに、本種はホウボウよりも深い場所を好んでおり、水深200~300m前後で多く見られます。

セミホウボウ

ホウボウとセミホウボウの違いとは?

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本種はスズキ目セミホウボウ科に属する海水魚で、やはりホウボウとは分類されている科が異なります。体長は35cm前後にまで達し、体形はやや上下に平たいです。ホウボウとは異なり、背びれの第1・第2棘は遊離しており、第1棘は長く伸長します。

 

胸びれの形状も大きく異なり、ホウボウと違ってかなり長く伸び、後端は尾びれの周辺にまで達します。胸びれの遊離軟条はあるのですが、ホウボウのように移動に使用することはなく、代わりに腹びれを使用することで海底を這うように移動することが可能です。

ホウボウの足や胸びれは何のため?

ホウボウの足は何に使っている?

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ホウボウの大きな特徴の一つである胸びれの下部にある3対の足ですが、これは胸びれが変化したものであり、ホウボウはこの足を使って海底を歩くように移動します。

 

しかしこの足は別に移動用というわけではありません。ホウボウの足はセンサーの役割を果たしており、砂中に隠れているエサを見つけ出すことができるのです。更にホウボウの足には 「味蕾(みらい)」という味を感じる器官が存在し、触れた物体がエサであるか否かを判断することもできます。

ホウボウの胸びれは何のため?

撮影:FISH PARADISE!編集部

特徴的な胸びれも大きな役割を担っています。第1に、外敵に襲われた時に、 相手を威嚇するために使用されます。色鮮やかな胸びれを、いきなり広げて見せることで相手を驚かせ、怯んだ隙に逃げてしまうのです。

 

第2に、 エサを探す際に、ゆっくりと泳ぐために役立ちます。ホウボウは足を使ってエサを探す時は、同時に胸びれを大きく広げます。こうすることで、海底をゆっくりと滑空するように遊泳することが可能になり、砂に潜っているエサをじっくりと探せるのです。

 

逆に、速く泳ぎたい時には胸びれはたたみます。

ホウボウは釣りでは嬉しい外道!

ホウボウは密かな人気ターゲット

撮影:FISH PARADISE!編集部

ホウボウは釣りをしていると釣れることがあります。特に船でブリのジギングやヒラメの泳がせ釣りをしていると釣れることが多いです。

 

この場合専門に狙って釣ったわけではないので、いわゆる外道として扱われますが、見た目が綺麗であることや食味が良いことから「嬉しい外道」として釣り人に親しまれています。

ホウボウを狙って釣る方法

ホウボウは稀に岸から釣れることもありますが、基本的に狙う場合は船で沖へ出て釣ります。ホウボウ専門に船を出しているところもあり、密かな人気ターゲットとなっています。

 

ホウボウは一般的に餌釣りで狙います。使用するタックルはオモリ負荷60号程度までの船竿に、リールはタナを取りやすいようにカウンター付きの小型両軸リールを付けます。30〜50号程度のオモリを付けた片テンビンに2本針仕掛けで、餌には魚の切り身を使うのが一般的です。

 

また、ホウボウはルアーへの反応もよく、ライトジギングでも狙うことができます。100〜150g程度のジグを扱えるライトジギングロッドに、小型両軸リールを付けます。ホウボウ専用のタックルは発売されていないので、青物用のタックルを流用します。

 

ライトジギングについては、以下の記事で詳しく書いているので参考にしてみてください。

ライトジギングロッドの選び方とは?

【2020年最新版】ライトジギングロッドおすすめ14選!選び方の5つのポイントも

2020年8月28日
ライトジギングに適したリールの選び方とは

ライトジギングリール選びのポイント!ベイトとスピニングどちらにする?

2020年9月5日

ホウボウは飼育できる?

ホウボウ飼育には大きめの水槽で

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設備さえ整えられればホウボウも飼育可能です。ホウボウは飼育下でも体長40cmほどには成長するので、 水槽のサイズは90cmクラス以上の物が必要です。食性の点からフィルターは、上部式などのなるべく能力が高い物が望ましく、オーバーフロー水槽にできれば理想的です。

 

また、本種は底棲魚であるためベアタンクは向いていません。 底砂は必ず用意してあげてください。水温は通年で20~25℃程度に保ったほうが良いので、温調機器は必須です。ホウボウは人工飼料に餌付かない個体が多いため、エサは動物質の物が必須と言えます。

 

貝のむき身や魚の切り身、冷凍クリルなどのエサを複数種類は用意しておき、ローテーションで与えると良いでしょう。同じ物ばかりを与えていると、拒食症になるケースが多いので注意してください。そして、ホウボウは動物食性であるため、 混泳には向いていません。基本的に単独飼育をおすすめします。

ホウボウの旬やおいしい食べ方

ホウボウは美味しい白味魚

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ここではホウボウの旬や美味しく食べるための料理についてご紹介します。

ホウボウの旬は冬場です。主に底引き網で漁獲され、稀にスーパーなどの店頭に並びます。まとまった量が漁獲される魚ではないので、値段は少々高めであり、特に都市部では1匹数千円で取引されることもあるようです。

食べ方

ホウボウの身は旨味が強い白身で、色々な調理法で美味しく食べられます。鮮度が高い物であれば生食がおすすめです。 刺身や握りはもちろんのこと、カルパッチョやマリネにしても楽しめます。

 

ホウボウは頭部が大きいため歩留まりが悪いのですが、 頭やアラからは良い出汁が取れるので、汁物や煮物にも向いています。ただ、焼くと身が硬く締まる傾向にある点と歩留まりの悪さから、焼き物とはあまり相性が良くないと言えます。食味が良い魚だけに残念な点です。

ホウボウを一度ご賞味あれ!

ホウボウは刺身や寿司が絶品!

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ホウボウは水族館でよく飼育されており、ヒレが綺麗な魚なのでその姿を見たことがある方は多いかもしれません。しかし、意外とその生態や食べ方などは知られていないことかと思います。

 

釣りをされない方でも、鮮魚店や通販などでホウボウを手に入れることはできるので、是非一度その味を確かめてみてください。甘みの強い上品な白身は病みつきになりますよ!


ホウボウってどんな魚?