レッドテールキャットの飼育法や餌は?最大でどれくらいに成長する?

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レッドテールキャットとは

レッドテールキャットの特徴

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レッドテールキャットはナマズ目ピメロドゥス科プラクトセファルス属に分類される淡水魚で、正式名称を「レッドテールキャットフィッシュ」と言います。ナマズ特有の可愛らしい容姿をしているのですが、非常に大きくなる種類なので飼育には注意が必要です。まずは、レッドテールキャットの特徴や生態などについてご紹介します。

分布

レッドテールキャットはアマゾンに生息する

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レッドテールキャットは南アメリカ大陸にあるアマゾン川やオリノコ川に分布しており、流れが穏やかな流域の水底に生息しています。他の大部分のナマズと同様に夜行性で、昼間は流木の陰などに身を隠しています。現地ではピララーラ(Pirarara)と呼ばれ、食用に利用されています。

形態的特徴

フォルムは典型的なナマズ型で、上下にやや平たい大きな頭部を持ち、その先には大きな口が付いています。魚体は尾ビレ側に行くにしたがって細くなり、口には上下合わせて6本のヒゲが付いており、大きな脂ビレを持つことが特徴です。体色は背側が黒色から濃灰色で腹側は白色、尾ビレは赤色で名前の由来にもなっています。

値段

レッドテールキャットは人気の熱帯魚で、ワイルド個体の他にブリード個体もよく流通しています。流通しているものは主に体長5cmほどの稚魚で、値段は1000~2000円前後で販売されていることが多いです。しかし、大きな若魚もしくは成魚になると数万円の値が付くこともあります。

寿命

レッドテールキャットの寿命は10~20年ほどと言われています。水質の悪化や病気に注意して上手に管理できた場合、20年以上生きた個体もいるようです。いずれにしてもその巨体と相まって、終生飼育するには多大な労力が必要な熱帯魚であることは理解しておいてください。

レッドテールキャットの最大体長と成長速度

レッドテールは大型化する

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レッドテールキャットは自然環境下では最大で体長120cmほどに達します。飼育環境下では体長100cm程度までで成長が止まることが多いですが、観賞魚としてはかなり大型であることに相違はありません。成長も早くて体長5cmほどの稚魚が、順調に育てば1年で体長50~60cm前後にまで大きくなることも珍しくありません。

レッドテールキャットの飼育方法

レッドテールキャットの飼育上の難点はその大きさで、設備面さえクリアできれば丈夫な魚種なので飼育自体は容易です。

水温と水質

レッドテールキャットを飼育できる水温は20~28℃前後です。低温では「白点病」にかかるリスクが上がるので、年間を通して25℃以上に保った方が良いでしょう。

 

よって、ヒーターは必須なので用意してください。水質はpH5.5~7.0の弱酸性から中性が適しています。同種は丈夫で水質に対してデリケートではありませんが、水を汚しやすいのでpHの下がりすぎには注意してください。

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最適な水槽サイズとフィルター

レッドテールキャットは前述の通り非常に大きく成長するので、終生飼育するためには180cmクラスの水槽が必要です。しかし、稚魚期にいきなり大きな水槽に入れてしまうと、餌をうまく摂れずに成長が滞る恐れがあるので、体長に応じて水槽のサイズをアップグレードすることが一般的です。

 

フィルターに関しては、なるべく強力かつメンテナンス性が高い形式が望ましいため、上部フィルターがおすすめです。それでも水質の悪化が早いため、180cmクラスの水槽で長期に維持したい場合はオーバーフロー水槽が最適と言えます。

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レイアウト

レイアウトはレッドテールキャットのサイズで変える必要があります。稚魚期は臆病な性格をしており、夜行性の性質と相まって、シェルターなどの隠れられる場所があった方が落ち着きます。しかし、魚食性を持つくらいの大きさになってくると凶暴な一面が見えるようになり、泳ぐ力も強くなるのでレイアウト用品は何も入れないことが基本です。

 

口に入る大きさの物は誤飲の危険がありますし、驚いた拍子に暴れるように泳ぐと、レイアウト用品に激しくぶつかって怪我をする恐れがあります。

 

さらには、ぶつかった衝撃でレイアウト用品が破損したり、水槽内壁に当たって水槽が割れる危険もあるので、大きくなってきたら何も入れない方が無難です。

レッドテールキャットは水をよく汚す!

レッドテールキャットは大食漢かつ成長が早く、食べる量が多いということは必然的に排せつ物の量も多くなります。そのため、大変に水を汚す熱帯魚なので、ろ過を効かせていても水換えは1週間に1回は行う必要があります。

 

それに伴って、フィルターも汚れやすいので、1~2カ月に1回は内部の様子をチェックして、汚れているようでしたら掃除を行ってください。

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レッドテールキャットの餌

基本的には肉食性の熱帯魚なので生餌を好みますが、慣れれば人工飼料も食べてくれます。人工飼料を食べるか否かで、維持管理の難易度が大きく変化するので、餌付けはぜひ行ってください。

餌の種類

レッドテールキャットは肉食魚なので餌は生餌を好みますが、餌付け次第では肉食魚用に配合された人工飼料も食べます。人工飼料を食べてくれると費用面も含めて維持管理が楽になるので、ご自身で餌付けを行うか、ショップに確認して人工飼料を食べていた個体を迎えると良いでしょう。

 

人工飼料を中心にたまに生餌を与えるようにすると、栄養バランス的にも健康的な成育が期待できます。

レッドテールキャットが餌を食べない・吐き戻す時の原因と対処法

餌を食べない原因はいくつか考えられます。まず、人工飼料を食べない場合は、餌として認識していない可能性があるので餌付けを行う必要があります。餌付けの方法は好物の生餌に混ぜて徐々に食べさせる方法や、完全に絶食状態にして人工飼料のみを与える方法があります。

 

次に、今まで食べていた餌を食べなくなった場合は、その餌に飽きてしまった可能性が考えられます。飽きを防ぐためには、いくつかの種類を用意しておき、ローテーションで与えることが効果的です。

 

最後に、健康面や精神面に問題が生じていることが考えられます。病気になっていないかよく観察するとともに、ストレスに感じる要因がないかもチェックすることが重要です。

 

特に、ショップからご自宅の水槽に迎えた直後や引っ越しなどで環境が変わった場合、慣れるまでは餌を食べないこともあるので、その時は過度に干渉しない方が良いでしょう。

レッドテールキャットの混泳

レッドテールキャットは魚食性を持つ大型魚なので混泳相性は悪いです。一部に混泳可能な熱帯魚もいますが、水質の面で管理がより煩雑になるので単独飼育が基本です。

同種・近縁種との混泳

レッドテールキャットの混泳

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同種・近縁種ともに混泳できる期間は基本的には稚魚期のみです。大きくなるにつれて縄張り意識と魚食性を持つようになるので、相手を捕食しようと激しく争います。一応、縄張り意識を持たせないほどの過密状態にすれば混泳できる場合もありますが、バランスと飼育環境の維持管理が難しいのでおすすめはしません。

他種との混泳

レッドテールキャットとの混泳相性

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レッドテールキャットと混泳できる他種は非常に限られてきます。まず、レッドテールキャットに食べられないほどの大きさが必要ですし、縄張りに入らないよう遊泳層が重ならないことも重要です。それらの条件を満たす魚種はアロワナが挙げられますが、個体によってはアロワナさえも捕食しようと攻撃することがあるので注意してください。

レッドテールキャットの気をつけたい病気

レッドテールキャットの飼育において気を付けるべき病気は、一般的な熱帯魚と同様に「白点病」や「水カビ病」、「エラ病」などです。白点病や水カビ病、エラ病の一因である病原体は水中に常在しており、レッドテールキャットの免疫力が低下すると発症する危険があるので、飼育環境の維持管理が重要です。

 

また、エラ病には寄生虫性のものもあり、活餌から持ち込まれるケースがあるので注意してください。レッドテールキャットなどの大型ナマズは薬物耐性が低く、魚病薬を用いた薬浴での治療が困難なので予防が大切です。

レッドテールキャットの繁殖について

レッドテールキャットは縄張り意識が強い大型肉食魚なので、繁殖には非常に大きな設備が必要です。そのため、個人での繁殖例はほとんど確認されません。

 

しかし、国内に流通している稚魚はワイルド個体の他に、東南アジアでブリードされた個体が多いことも事実です。大きな池などの施設を用意できる方は、繁殖に挑戦してみてはいかがでしょうか。

愛らしい姿が魅力のレッドテールキャット!飼育には要注意!

レッドテールキャットは可愛い

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レッドテールキャットはナマズ特有の可愛らしい容姿が魅力で、人馴れもするので愛着もって接することができる熱帯魚です。しかしながら、稚魚期の姿形に惹かれて飼育を始めると危険で、その巨体から飼い切れなくなる方が散見されます。レッドテールキャットを終生飼育するためには非常に大きな設備が必要になるので、事前によく調べることが重要です。

 

もし、飼い切れなくなったとしても放流することは絶対に避け、引き取りを実施している熱帯魚ショップなどに相談してください。

レッドテールキャットの特徴