古代魚の代表種一覧!初心者でも飼育しやすい種類は?

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古代魚とは

古代魚にはロマンがある!

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カンブリア紀に登場した魚類は様々な進化を遂げてきました。多くの種が絶滅し、淘汰されてきましたが、現在に至るまで滅びずに残った種類もいて、それらは古代魚と呼ばれています。姿をほとんど変えることなく、環境の激変や他魚との生存競争に耐え忍び、生き抜いてこられた古代魚は、生命力の強さがあります。

チェックしておきたい古代魚15種類!

古代魚の多くは魚食性です。美しいものから厳ついものまで、姿形も様々。丈夫で飼育しやすい種もいますが、水質などに敏感な種もいます。魚病薬に弱い種もいます。代表的な15種を紹介します。

小型種の古代魚

バタフライフィッシュ

バタフライフィッシュは体長約15セ ンチに成長するアフリカ原産の古代魚です。パントドンという名前で流通していることもあります。「バタフライ」の由来となった大きな胸びれで水面に飛び上がり、外敵から逃げる習性があります。黒褐色で胸びれが糸状に長く、水面を漂う枯れ葉のように見えます。価格は2000円前後です。

小型ポリプテルス

ポリプテルスはアフリカ原産の古代魚で、エラ呼吸と同時に浮袋でも呼吸する、特殊な体をしています。小型種は30センチ前後に成長します。「セネガル」「デルへジー」などが代表的な種です。ガーなどと同じくガイノン層の鱗に覆われ、比較的丈夫。人にも良く慣れます。入荷した幼魚が1000円以下で販売されていることもあります。

中型種の古代魚

ブラックゴースト

南米原産の個性的な古代魚で、30センチ程度に成長します。ナイフフィッシュと呼ばれるグループの仲間で、腹部から尾にかけて伸びる長い鰭を波打たせながら、独特の泳ぎ方をします。魚体は漆黒で尾の先端部には2本の白帯が入り、とてもシックなデザインです。人によく懐きますが同種は争います。1000円前後から販売されています。

スポッテッドガー

スポッテッドガーは特定外来生物

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スポッテッドガーは最大で1メートルを超える大きさの古代魚です。しかし水槽では50センチ前後で成長が止まることが多いようです。北米原産で「ダツ」のような長い吻が特徴の肉食魚ですが、性質は温和。温帯魚で低水温にも比較的強く、頑丈です。安価で、かつては爪楊枝サイズの幼魚が数百円で売られていましたが、現在、国内では特定外来生物に指定され、新たに飼育することはできなくなっています。

エレファントノーズ

エレファントノーズは下顎が発達して象の鼻のように見える、非常にユニークな姿をしています。体内で微弱な電気を発生させて周囲の状況を把握し、餌を探するという独特の生態で、脳の比率がとても大きな魚としても知られています。デリケートな面がありますので混泳は避けた方が無難です。20セン チ程度に成長します。3000円前後で販売されています。

エイ

南米や東南アジアに分布する淡水エイも古代魚の一種です。水質に敏感な種も多く、慎重な水合わせが必要なものもいます。水も汚しますので、フィルターは高性能のものが必要となります。とても大型になる種もあり、10年以上生きる個体もいます。また尾に毒針があるので、取り扱いは十分な注意が必要です。

〈ポルカドット〉
アマゾン原産の淡水エイで、比較的飼育が容易な種類です。黒っぽい魚体に白い水玉が散らばる、おしゃれな感じのする種類です。性質は比較的おとなしいですが、60センチにまで成長するため、大型水槽でなければ飼育できません。人工飼料にも餌付かせることが可能です。 安定飼育が可能な大型個体は数万円します。
〈モトロ〉
コロンビア原産の淡水エイで、ポルカドットと同様に比較的飼育が容易とされています。オレンジ色のスポットが入るのが特徴ですが、個体によって大きな違いがあり、別種のように見えるものもいます。50センチ近くまで成長しますので、大型水槽が必要です。2万円程度から販売されていますが、模様によって差があります。

大型種の古代魚

シルバーアロワナ

シルバーアロワナは南米原産の最もポピュラーなアロワナで、幼魚なら2000円程度から販売されています。白銀の魚体は美しさと迫力を併せ持ち、風格も抜群です。飼育は容易な方で、人工餌にも良く慣れます。しかし成長速度が速く、最大で1メ ートルに達しますので、大型の飼育設備が必要です。またジャンプ力が強いため、飛び出し防止策も必要です。

ブラックアロワナ

南米ネグロ川が原産のアロワナです。幼魚期は黒く、体側に黄色や白色のラインが入っていますが、成長するとやや青みがかった銀色になります。シルバーアロワナと同様、成長速度は早く、最大で1メートルに達するため、大型の飼育設備が必要となります。

アジアアロワナ

アジアアロワナは東南アジア原産で、絶滅が危惧されているアロワナです。現在は養殖された個体のみが飼育が可能となります。金、赤、紫など、様々な体色があり、中国では幸運をもたらす富の象徴「龍魚」として重宝されています。美しい個体は数千万円もの値段が 付くこともあります。

ノーザンバラムンディ

オーストラリア大陸やパプアニューギニアに分布するアロワナで、シルバーアロワナなどよりもずんぐりした体形をしています。水槽内では約50センチに成長し、アロワナの中では小型ですが、成長速度は速いので、大型の飼育設備を用意する必要があります。幼魚は3000円前後から販売されています。

肺魚

〈オーストラリア肺魚〉
ネオケラトドゥスはオーストラリアの肺魚で、肺魚の中でも特に古い形質を残している「古代魚の中の古代魚」です。政府によって厳重に保護されているため、国内にはわずかしか輸入されず、価格も時期によって15万円から80万円まで、様々な差があります。大型で180センチに まで成長するので、飼育設備も特別なものを準備する必要があります。
〈プロトプテルス属〉
プロトプテルスはアフリカ原産の肺魚で、「アクネンシス」「エチオピクス」「ドロイ」などの種類があります。いずれも1メートル前後、大きなものは1・5メートルまで成長するため、大型水槽が必要です。電気ウナギのようなずんぐりした体形にユーモラスな顔、細い手足のように見える鰭が人気を集めています。5000円から2万程度で販売されている個体が多いです。
〈レピドシレン属〉
南米に分布する肺魚がレピドシレンの仲間です。電気ウナギのような外見で、プロトプテルス属とよく似ています。大型で成長スピードも速く、60センチから1メートルに成長するため、 大型水槽での飼育が必要です。丈夫で人工餌にもよく餌付き、飼育自体はさほど難しくはありません。

ピラルクー

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ピラルクーは最大で4メートルを超えると言われるアマゾンの巨魚で、最近、2種類に分類されるのではないかという論文が発表されました。味が良く、国内では鹿児島県が温泉水を使って食用に養殖を試みたことがあります。飼育には池やプールのような大型の設備が必要となります。養殖では定置網にかかった雑魚などが餌として用いられました。

大型ポリプテルス

アフリカ原産の大型ポリプテルスは、エンドリケリーなどが代表的な種です。切れ込みが多数入った背びれとガイノン層でがっちり守られた鱗から、怪獣、恐竜のような印象が強い古代魚ですが、 性格は比較的温和です。1メートル近くにまで成長します。幼魚は1000円台から、大型になると5~8万円台程度のものが多いです。

チョウザメ

チョウザメ類は養殖用に改良された「ベステル」が飼育に適しています。水温を20度以下に保つ必要があるため、クーラーが必需品です。空腹になると水面で回転する習性があります。餌は沈下性の養鱒用のペレットが最も適しています。水流がある環境を整え、酸欠にならないようにしましょう。価格は養殖物の幼魚なら1000円ほどから。体長は1メートルほどに成長し、餌付けに成功した場合は成長スピードは速いです。

アリゲーターガー

アリゲーターガーは古代魚の代表種

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特定外来種に指定され、飼育に届け出が必要になったアリゲーターガーは、ミシ シッピ川流域が原産の古代魚です。丈夫で成長速度が非常に速く、餌が豊富であれば数年で1メートルほどに達します。大きなものは2メートルを超えます。温帯魚のため寒さにも比較的強く、無加温でも越冬する個体もいます。歯が鋭いので注意が必要です。

初心者でも飼育しやすい古代魚はどの種?

飼育しやすい古代魚は?

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初心者にお勧めの古代魚は、バタフライフィッシュやブラックゴースト、小型のポリプテルスなどです。バタフライフィッシュは60センチ水槽で飼育できます。ブラックゴーストや小型のポリプテルスなども、90センチ水槽で飼育することが可能です。いずれの古代魚も肉食ですが、人工餌もよく食べます。比較的水を汚すため、フィルターは外部式やスポンジ式など複数を組み合わせると良 いでしょう。自分より小さな魚は食べてしまうことと、縄張りを主張する性質を持つことから、混泳は避けた方が無難です。

古代魚を水槽で飼育してみよう!

古代魚は大きさにかかわらず、どっしりとした風格を兼ね備えたり、特別にユニークな姿をしたものが多く、ペットとして個性の面では申し分ありません。恐竜が絶滅しても、他の魚類がどんどん進化しても、何億年も姿を変えずに生き延びてきた秘密は何なのか、眺めているだけでいくらでも想像が膨らみます。ぜひ「生きた化石」と長いつきあいを楽しんでください。

 

 

古代魚って飼育できるの?